高校生の定期テスト満点戦略(5-2)現代文②読解力編

高校生が現代文の成績を上げるには、学校の勉強だけでは不十分で、国語力自体を上げる必要があります。

国語力を構成する要素には、語彙力・文法力・読解力・論理的読解力・論理的解答力・要約力など約10個ありますが、このページでは、その中で最も土台となる「読解力」と「語彙力」を培う勉強法について書いていきます。

1.「国語力」とは何か

「国語力」とは何かというと、ここでは、「現代文のテストで高得点を取るために必要な諸能力」と定義しておきます。創賢塾ではそれを、主に、以下の3つだととらえています。その培い方も含めて書くと、以下のようになります。

(1)読解力:文章を深く的確に理解できる能力

 文章の意味が深く的確に分かれば分かるほど、当然、現代文の点数は高くなります。

 読解力の培い方は、主に、読書、30回音読(下記参照)、要約の3つになります。

(2)語彙力:漢字の読み書き・意味、熟語・ことわざ等の言葉の意味の知識

 語彙力が乏しければ文章の意味はだんだん分からなくなります。現代文の成績が悪い人の多くは語彙力もありません。よって、語彙力を鍛えるべきです。

 語彙力の培い方は、漢字問題集の暗記、語彙集の暗記、教科書や問題集の分からない言葉を辞書で引き、まとめ、暗記することです。

(3)論理力:論理的思考力+論理的読解力+論理的記述力+論理的解答力

 論理的に読めて、各問題形式に応じた解き方を習得して解けるようにし、記述問題・意見文を書けるようにすれば、現代文の成績は上がります。

 論理力の培い方は、現代文の問題を解くとき適切なキーワードとキーセンテンスに印を付けられるように練習をすること、要約・意見文・小論文を書くこと、論理的に解く方法を学び、習得すること、などです。

以下では、読解力と語彙力の強化について解説していきます。論理力については高校生の定期テスト満点戦略(5-3)現代文③論理的読解力編】で解説しています。

2.読解力とは何か

2.1.読解力とは

創賢塾では「読解力」と「論理的読解力」を区別しています。

「読解力」とは、本や現代文の問題文を読んだときに、「文章の意味をより深く的確に理解できる能力」のことです。

一方、「論理的読解力」とは、評論文などの論理的文章を読むとき、「重要な部分(キーワードとキーセンテンス)とそうでない部分の区別が付き、テーマと主張を把握でき、各段落や文章がどういう役割(テーマ・主張・対比・体験談など)を果たしているか分かり、論理の流れ(筋道)を把握し覚えていられる能力」のことです。

また、小説の問題文を読むとき、「重要な部分=問題に関わる部分(気持ち・考え・感情、登場人物やその性格・状況・人間関係、事件等)に印を付けられる能力」のことです。

一つの文章を読んだとき、ある人は字面(じずら、表面)だけしか分からず、ある人は中身を深く理解できます。現代文の問題では当然、中身の理解を問うてきますから、読解力が高ければ高いほどテストの成績も良くなります。

この読解力は個人個人の元々の能力差や、今まで生きてきた中での読書量・人生経験が大きく影響し、多少読書をしたり問題集を解いてもあまり変わりません。だから、現代文の成績は上がりにくいのです。

2.2.読解力の構成要素

読解力は、主に「個人の生まれつきの読解力×人生経験×読書量」の3つで構成されています。

(1)生まれつきの読解力:これは、簡単に言えば、「地頭の良さ、理解力」のことです。人により、同じ文章を読んでも、もともと理解力の高い人もいれば低い人もいます。これは「生まれつきの能力」です。

(2)人生経験:人が文章を読むときは、自分の経験に照らし合わせて理解しようとしますから、「人生経験」が多様で深いほど、文章内容を深く速く理解できるようになります。

 ただし、これも急に増やすことはなかなかできません。

(3)読書量:読書量が増えて、ある事柄に関する知識が増えれば、やはりその事柄は理解しやすくなります。また、読書をするとき、人はそれについて「思考」し、理解しようとしていますから、読めば読むほど思考力はアップし、当然、理解度は上がります。

 ただし、高校生には時間がなかなか無いので、大幅な読書量アップも非現実的です。その代わり、創賢塾では30回音読を推奨しています。

3.読解力を鍛える方法(1)30回音読

読解力を鍛えるには「30回音読」と「要約」が役立ちます。ここでは「30回音読」について書いていきます。

3.1.「30回音読」とは

30回音読とは、現代文の問題文などを、「毎週1つ×毎日10分×7日」、合計30回前後音読する勉強法のことです。1年で50文章、2年で100文章を音読することを目指します。

同じ文章を30回も読めば、その文章の理解度・読むスピード・語彙力は上がっていき、内容が頭に入ります。

そして、30回読んだ文章が30~50文を超えると、他の文章の理解度・読むスピード・語彙力も上がり、読解力が上がります。

3.2.「30回音読法」の具体的なやり方

【毎日10分音読×7日、同じ文章を読んで毎週1つを約30回読む】

教科書の文章や現代文問題集の問題文(2~5ページ前後の文)を、毎日10分音読し、1週間で30回前後にします。次の週は別の文章を30回読みます。

意味が分からない言葉を放置すると文章の意味も曖昧になりますから、辞書を引き、何度も引く手間を省くため、欄外に意味を書いておきます。

3.3.「30回音読」は日を分ける

30回音読をするときは、1日に一気に20回、30回読むのではなく、「1日5回×7日」のように日を分けます。なぜなら、1日に10回も読むと意味を考えずに読むようになりやすいからです。

また、日を分けて音読することで文章が中期~長期記憶に入り、入試でもその記憶が活用できるからです。2~3日で30回読む方法の場合、短期記憶にしか入らないのですぐに忘れ、入試では使えません。

【現代文の音読で苦手意識が減った】

Sさん(高校3年生、東京都)

私はこの授業を受けてから現代文の文章を多く読むようになりました。テスト前は教科書、それ以外は実際に問題を解いたことのある文章を毎日読んで、現代文の勉強に励んでいます。

私は本当に現代文が苦手で、長い文章を見ることも嫌でした。しかしこうして毎日長い文章と向き合って理解を深めていくうちに、その文章に対してまた新たに発見するものがあり、現代文が楽しく思えるときがたまに来るようになりました。

最近は新しい文章を読むこともそこまで嫌ではなくなり、今までより読むスピードも上がっている気がします。今後もいろいろな文章に出会って苦手な現代文を頑張っていきたいです。

【偏差値35から中央大学合格】

Tさん(25歳、社会人、入塾時偏差値35、千葉県、中央大学国際情報学部[偏差値61]合格)

1月までお世話になっておりましたTです。無事、第一志望の東京経済大学(河合塾偏差値53)に合格できました。直前に「DUO3.0」が終わって、何とかなりました。

標準レベルの大学とはいえ、高卒時には大学受験をせず、去年まで7年以上のブランクがあって、偏差値35だった私からすれば上出来と言えます。

1年前のままでは、英語も国語も、実力も解く速度も足りず、どうにもならなかったと思います。教えていただいた英語の暗記法(クイック・レスポンス法瞬間英作文)・習得法(英語長文音読法英文解釈書の習得法)・復習法、現代文の習得法(キーワードとキーセンテンスの付け方選択肢問題の解き方10分音読)のおかげで時間に余裕をもって解くことが出来るようになりました。

今後も資格などの勉強に活かしていきたいと思います。1年間どうもありがとうございました。

P.S.中央大学にも合格しました。

実は、万が一急に英語が伸びた時のために、現代文と英語の2科目で受けることのできる、中央大学国際経営学部(偏差値60)と国際情報学部(偏差値61)を受験していたのですが、昨日今日とメールが届いてきて、どちらも追加合格したことが分かりました。

すっかり東京経済大学に通う気でいたので自分でも驚いていますが、本当に嬉しいです。諦めずに万が一に懸けて良かったです。 終わってみれば、滑り止めに受けた拓殖大学、本命の東京経済大学、挑戦した中央大学、全てに合格し、大満足の結果でした。

大学は中央大学国際情報学部にしようと思います。法律とITを両方学べるようで、どちらにも興味があった私には理想の学部です。

大袈裟な言い方かもしれませんが、人生がかなり変わったと思います。家族もとても喜んでくれました。本当に先生のおかげです。気を抜かずに勉強と、しっかり通うための体力作りを頑張りたいと思います。

最後に、追加合格ということで参考になるか分かりませんが、やった教材を書きます。

□英語:「百式英単語」太字は完璧、「入門英文解釈の技術70」口頭和訳、リスニング、シャドーイングを全てスラスラ、「Evergreen総合英語」の傍用例文集の例文475を瞬間英作文スラスラ、「DUO3.0」例文に含まれる単熟語をクイックレスポンス法で9割暗記、その後例文を口頭和訳(スラスラ度70%くらい)。文法問題集や、長文はやれませんでした。

□現代文:授業で「読みテクトレーニング」20までと、「出口実況中継1~3」、「出口実況中継センター」3問目まで。スタディサプリの高3スタンダードを24題のうち20まで。どれも復習はしていませんでしたが、問題の音読はそれぞれ3~5回くらいやっていました。体感的には、それだけでも読むスピードがけっこう上がりました。「生きる漢字・語彙力」の最初の200、「生きる現代文読解語」の中の基本重要語200、赤本を一年分。

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4.読解力を鍛える方法(2)要約

要約の方法・メリット・オススメ要約問題集などについては【要約マニュアル】に詳しく書いています。

5.語彙力の鍛え方

5.1.語彙力とは

「語彙力」とは、漢字や四字熟語などの「読み書き」能力、漢字・熟語・評論語・慣用句・ことわざなどの「意味」の知識量のことです。

国語の成績が悪い人のほとんどは語彙力も低いものです。語彙力が低ければ、文章の意味が曖昧にしか分かりません。ぜひ語彙集を記憶して、語彙力強化をしましょう。

5.2.語彙集を覚える

以下のような評論語彙集や漢字問題集を覚えましょう。

「ことばはちからダ!現代文キーワード」(河合出版)
「頻出現代文重要語700」「大学入試現代文キーワード500」(桐原)
「読解を深める現代文単語」(桐原)
「現代文キーワード読解」(Z会)
「大学入試現代文キーワード&ボキャブラリー320」(文英堂)
「生きる現代文キーワード」(霜栄著、駿台文庫)
「早わかり入試頻出評論用語」(出口汪著、語学春秋社)
「入試現代文頻出語700」(数研出版)

「金の漢字 最強編」「銀の漢字 必須編」(出口汪著、水王舎)
「生きる漢字・語彙力」(霜栄著、駿台文庫)
「入試漢字マスター1800+」(河合出版)
「入試に出る漢字語彙2400」(旺文社)
「大学入試受かる漢字・用語パピルス1467」(学研)
「つがわ式世界最速漢字記憶ドリル」(津川博義著、講談社)

5.3.語彙集の覚え方

語彙集や漢字問題集により、レイアウトや内容が違いますので、一般的なことは書けませんが、ここでは、「入試現代文頻出語700」を毎日10分暗記すると想定して、覚え方を書いていきます。

語彙暗記にそれほど時間は取れないので、毎日10分程度が適切です。

【語彙集の覚え方】

(1)1週間で暗記する量を決めて10周し暗記する:1週間で50語句などと暗記する量を決めて暗記していきます。量は1週間やってみて微調整します。1週間で暗記しきれなければ量を減らし、余裕があれば量を増やします。

 毎日10分、50~100語句から始めると良いでしょう。

(2)初週1セット目の暗記

 ①音読で暗記:「語句⇒意味」×5回音読⇒例文を1回音読

 ②テスト:語句を見て意味を言えるかのテスト⇒言えたら次へ、言えなかったら「語句⇒意味」×5回音読で覚えるまで音読します。

 ③次へ~50まで:次々暗記し、50まで行ったらすぐ2周目に入ります。

 ④5周目から覚えた語句は外す:5周目(4日目当たり)から毎日テストをして完全に暗記している語句(意味が即答できる語句)を外していきます。

 ⑤週10周する:全部暗記するまで、10周前後暗記します。10周で暗記できなかったら11~20周します。

 ⑥暗記する個数を調整する:「毎日10分×7日」で50個は厳しかったら、次の週から数を減らし、余裕があれば数を増やします。

(3)次週2セット目以降の暗記:覚え方は全く同じ。

(4)土日を復習日にし、既習部分を復習する【テスト⇒意味を言えなかった語句に印を付け、「語句⇒意味」×5回音読で暗記×1セットの中の印の語句を5周】

 次のセットへ行っても、前のセットを必ず復習します。土曜・日曜日などを「復習日」にして、週2回、既習のセットは全部、上記のように復習します。

 例えば、6週間目なら、新規で6セット目を暗記しながら、既習5セット分を次のように暗記します。

 【1セット当たり5分で、テストして印を付けた20%ほどの語句を「語句⇒意味」×5回音読×5周で暗記】×週2回×5セット(土日各30分) 

(5)全体を5周する:最後まで進めたら、完全に常識になるまで全体を5周程度復習します。

 こうして徹底的に2ヶ月以上復習すれば、完全に覚え、長期記憶に入れられます。

6.終わりに

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

以上で読解力と語彙力の鍛え方の解説は終わりです。あなたの健闘を祈ります。

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