中学生の定期テスト満点戦略(2)定期テストで入試対策編


このページでは、中学生が、定期テスト用の勉強をしながら、全ての勉強内容を「長期記憶」に入れることで、同時に入試対策もできるような勉強方法をご紹介します。

1.全ての勉強内容を長期記憶に入れる勉強法

1.1.志望校に合格したいなら、「長期記憶」を意識して勉強せよ

中学生で、定期テストの勉強を、高校入試でも活用できるようにするような勉強法を取っている人はあまりいません。そのため、テストが終われば、速やかに勉強内容を忘れていきます。

しかし、高校入試がある中学生(あるいは難関大学合格を目指す中高一貫の中学生)にとって本当に重要なのは「入試に役立つ勉強」、言い換えれば、「今している勉強の内容をできるだけ長期間覚えておくこと」のはずです。

では、今理解し記憶している勉強内容を、できるだけ長期間、数ヶ月~数年、保持するにはどうしたらよいのでしょうか。

そのカギが「長期記憶」です。

「長期記憶」とは、文字通り、「長期間もつ記憶」で、具体的には、数ヶ月~数年以上もつ記憶のことを、記憶の科学では「長期記憶」と言います。

創賢塾が指導している勉強法は全て、「勉強した内容全てをいかにして長期記憶に入れるか」を考えて組み立てられています。そうすると、定期テスト用の勉強をしながら、同時に入試用の勉強もできるのです。

それをこのページやこのホームページで説明していきます。どうぞご自分の勉強に活かしてください。

1.2.「覚えては忘れ、覚えては忘れる勉強法」

たいていの中学生は、長期記憶のことなど全く考えもせず、その場その場の近視眼的な勉強をしています。

例えば、「授業の予習をし、授業を受け、その日に少し復習し、以後、その箇所の復習はテスト前までしない。テスト前2週間くらいになって、テスト範囲を2~3回総復習するが、テストが終わったら二度と復習しない」。

このような勉強方法を、私は「覚えては忘れ、覚えては忘れる勉強法」と呼んでいます。

文字通り、覚えては忘れて、実力はなかなか上がっていきません。

特に、英語や数学は「積み上げ型」の科目なので、「覚えては忘れ」を繰り返していたら、実力がなかなか上がらず、したがって、定期テストはごまかせても、実力テスト・模試・入試本番では点が思うように取れず、合格は近づきません。

今すぐ勉強法を改めましょう。もしあなたが志望校に合格したいなら。

2.記憶の原理

2.1.記憶の原理を知ることの意味

覚えては忘れ、覚えては忘れる勉強法」ではない、「勉強内容全てを長期記憶に入れる勉強法」とはどのような勉強法でしょうか。

「覚えては忘れ」を繰り返すのは、単に、「記憶の原理」を知らないからなのです。記憶の原理を知れば、同じ勉強時間で、短期的にも長期的にも、遙かに効率的に成績を上げることができます。

2.2.記憶の原理:長期記憶に入れるには何度も復習するしかない

ここでは中学生が知っておくべき最小限の「記憶の原理」について書いていきます。

記憶には「短期記憶」と「中期記憶」と「長期記憶」があります。
「中期記憶」は私の造語で、他の2つは科学用語です。「中期記憶」については後述します。

全ての記憶はまずは短期記憶に入ります。具体的には脳の「海馬」という器官に入ります。そして、脳は睡眠中に、短期記憶を、忘れる情報と長期記憶に入れる情報に振り分けます。振り分ける基準は、「生命維持に役立つ情報は長期記憶に、それ以外は忘れる」というものです。

そして、「生命維持に役立つ」と判断する基準は、「感情的に印象深い情報(例えば目の前で事故があってショックを受けたとか、わが子が産まれて有頂天になったとか)」か「何度も入ってきた情報」です。
勉強の観点で言うと、勉強内容に全て感情を込めて覚えるのは至難ですから、必然的に、長期記憶に入れるには、「何度も復習する」しか方法はないことが分かります。

長く忘れないようにする(長期記憶に入れる)には、単純に、「何度も復習する」しかないのです。

2.3.徹底的な復習:長期記憶に入れるために問題集は10回復習する

(1)復習回数の目安は「7回以上、通常は10回」

では、「何度も復習する」とは、具体的に「何回」復習すればよいのでしょうか。

よく、学校や塾の先生は、「何度も復習しなさい」「何度も音読しなさい」と言い、勉強法の本にもそう書いています。しかし、「何度も」とは、一体何回なのでしょうか。

2回でしょうか、3回でしょうか、それとも10回、20回でしょうか。

私は多くの勉強法の本を読んできて、具体的に回数が書かれた本にはほとんど出会いませんでした。しかし、私はそれが一番知りたかったのです。
そして、これを読んでいるあなたも、それが一番知りたいのではないでしょうか。

ここで簡単に結論を書いておきます。復習回数の目安は「7回以上、通常は10回」です。なぜなら、「日を分けて7~10回以上入ってきた記憶を長期記憶に入れるように脳はできている」からです。

(2)復習回数は科目や個人により異なる

復習回数は、個々の記憶力、得意科目か苦手科目か、各科目の特性、記憶量にも左右されます。

例えば、「理解」科目である数学の問題集を、数学の超得意な人(偏差値70以上の人)であれば、復習3回でも全部解けるようになり、数ヶ月以上覚えていられます。
数学が得意な人(偏差値63以上)は5~7回前後、普通の成績の人(偏差値45~55)で10回前後です。

「記憶」科目の英語の中で、記憶量が膨大な英単語では、忘れないようにするためには、普通の記憶力の中学生で、50回~200回前後音読することが必要です。
また、中学3年の教科書1レッスン分の英文を音読で記憶するには、記憶力の良い中学生で30~50回、普通の記憶力の中学生で80~100回必要です。

(3)長期記憶に入った印

長期記憶に入った印は、
「問題が即答できる状態(英文法・理科の記憶問題・社会等)」
「単語の意味を即答できる状態(英単語・古文単語等)」
「問題を見たら解き方がスラスラ思い浮かぶ状態(数学・物理等)」
「文章を読んでスラスラ意味が分かる状態(英語・古文・漢文)」
「文章を暗唱でき、日本語訳から英語も瞬間的に言える状態(英語)」です。

こうなれば数ヶ月以上忘れなくなります。

「1分野、1レベル1冊に絞り込んで10回は繰り返せ!」

「安河内の新英語をはじめからていねいに2」安河内哲也著、東進、77ページ

参考書は何冊もやればいいというわけではない。1分野、1レベル1冊に絞り込んで、それを徹底的に繰り返すことが大切なんだ。たった1回やっただけで、すべて覚えることができるような天才的な頭脳を持っている人は別として、普通の人間だったら、10回は繰り返さないと内容を暗記することはできないはずだ。……

僕も受験生の時はこの方法で勉強して、参考書がボロボロになるまで繰り返したぞ! 君たちもやってみろ! 効果は保証済みだ!

2.4.復習10回は、絶大な効果の割に、時間はかからない

「復習を10回しよう」と言うと、「10回もしている時間はないよ」と考える人が大勢います。しかしこれは間違いです。

通常、2週間以内に復習をすると、2回目は、1回目の時間の5~7割の時間で済みます。割合は自分の実力と問題のレベル、得意か不得意か、などに左右されますが、普通の成績の中学生で、平均6割です。2回目⇒3回目も6割、5回目⇒6回目も6割です。

6割の人の場合、問題集の30ページ分を1回目10時間かかったとして、復習回数とかかる時間の関係は以下のようになります。

【1回目10時間⇒2回目6時間⇒3回目3.6時間⇒4回目2.2時間⇒5回目1.3時間⇒……10回目0.1時間(6分)≒合計25時間】

10回目は6分! でもこれは事実です。10回目になると、ほとんど全ての問題で、見た瞬間に解き方がスラスラ分かるので、30ページでも6分で終わるのです。

これを見たら分かる通り、3回目までの合計時間は約20時間、4~10回の合計時間は約5時間です。3回でやめたら2~3週間したら速やかに忘れていきます。10回復習したら、全問題がスラスラ解けるようになり、長期記憶に入り、数ヶ月~数年以上忘れなくなります。

メリットと掛かる時間を考えたら、10回やらない選択肢はないのではないでしょうか。

特に、入試では「長期記憶」がカギになります。全ての記憶を長期記憶に入れる必要があります。よって、志望校に受かりたいなら、復習は10回した方が自分のためです。

成績がいい子はみんな「10回くらいはやっている」

「きめる!センター現代文」船口明著 406ページ

先日ある生徒が落ち込んだ顔で僕を訪ねてきました。「理科が苦手で、どうしても成績が上がらないんです……」。彼はこう言います。「テキストは復習して内容は理解してます」「問題集で演習もしました」「それなのに上がらない」と。

僕は聞きました。「問題集は何回やったの?」。「項目にもよりますが、間違ったところは2回、解けたところは1回です」。なるほど。そりゃあそうです。それでは成績が上がるわけがありません。

勉強は「繰り返し」で成績が上がっていくものです。

かつて、ある超難関国公立大の医学部に現役合格した女の子は言いました。
「私は『天才』なんかじゃないんです。K君みたいに、授業の復習をして問題集を1回解いただけで出来るようになるっていう子もいます。ああいう子は確かに天才です。でも私、理科も数学も10回くらい繰り返して、やっとできるようになるんです。だから私は天才じゃありません。」

僕は「はっ」としました。彼女はずっと全国模試の成績が一ケタ台だった子です。正直、そこまで繰り返しているとは思っていなかった。でも、彼女は、「10回やって」その順位にいたんです。しかも彼女は、周りの友達も、成績がいい子はみんな「10回くらいはやっている」って言うんです。

どうでしょう。皆さんは「天才の勉強法」になっていませんか。

才能がないんじゃない、繰り返しが足りないだけです。だからできないと嘆く前に、何度も繰り返す。5回やってダメなら10回やればいい。10回でダメなら15回やればいいんです。

2.5.復習は2週間以内に行う

復習するときに迷うことの一つは、「どのくらいの周期で復習をするのか」ということです。周期とは、1回目に問題を解いてから、その部分を復習するまでの期間のことです。

結論から言うと、「2週間以内に復習する」のが正解です。

なぜなら、2週間以上たつと、どんどん忘れ、1ヶ月以上たつと、ほとんど忘れてしまい、復習しても、1回目と同じくらいの時間がかかるので、いつまでたってもスラスラ解けるようにはならないからです。

逆に、2週間以内なら、まだかなり覚えているので、復習にあまり時間がかからず、10回復習しても時間はさほどかかりません。
2週間以内なら、7日でも10日でも結構です。

2週間以内に復習し、それが終わったらすぐに3回目、3回目が終わったらすぐに4回目をします。こうして5~10回復習すると、全問題スラスラ解けるようになり、長期記憶に入れられます。

ぜひ、「2週間以内の復習」を取り入れてみてください。

3.中期記憶から長期記憶へ

3.1.中期記憶とは

10回復習して長期記憶に入れたとしても、ある記憶は数年もちますが、ある記憶は数ヶ月で忘れ始め、ある記憶は数週間で忘れ始めます。これは仕方のないことです。一気に覚えたものは、10回繰り返しても、少しずつ忘れるのは避けられません。

よって、この種の記憶を私は「中期記憶」と呼んでいます。

3.2.「本当の意味での長期記憶」に入れる方法

中期記憶(1ヶ月以上はもつが、以後は徐々に忘れる記憶)に入れるには、先ほど書いたように、問題集(数学・英文法・理科・社会など)では10回前後、英文記憶などには30~100回必要ですが、ここから更に、半年以上先の入試で役立たせるには、「本当の意味での長期記憶(半年~数年以上もつ記憶)」に入れる必要があります。

それにはやはり「復習」しかありません。それも「徹底的な復習」「完全に忘れない状態になるまでの復習」です。

それは例えば以下のように復習します。

【本当の意味での長期記憶に入れる復習法:数学の場合】

(1)中期記憶に入れる:数学では、1章分を2週間以内に1回目を終え、すぐに2周目に入り、「問題を見たら解き方がスラスラ思い浮かぶ状態」になるまで7~10周前後復習する。
これで中期記憶に入ります。

(2)日曜日を復習日にする:その後、次の章に進むが、毎週日曜日を「復習日」にして、前の章の解けなかった問題(最後まで残った問題)を解く。それを数ヶ月続け、5~10回復習する。
そうすると、もう忘れなくなり、完全な長期記憶(6ヶ月~数年以上忘れない記憶)に入ります。

【本当の意味での長期記憶に入れる復習法:英単語の場合】

(1)中期記憶に入れる:英単語であれば、100英単語をクイック・レスポンス法で7日間連続で覚えるといったん完全に覚えます。そして10週間で1000英単語を記憶できます。これは中期記憶(1ヶ月以上もつ記憶)に入った状態です。

(2)総復習を10周する:1000英単語を終えたら、先へ進むのはいったんやめて、復習に入ります。1000英単語を2周、3周と復習し、10周まで復習します。ここまで徹底的に復習すると、ようやく完全な長期記憶に入って、ほとんどの単語は半年以上忘れなくなります。

高校入試では英単語を2000ワード、大学入試ではプラス2000~4000ワード記憶する必要があります。このように膨大な英単語を効率よく暗記するのは誰にとっても至難ですが、以上のように根気強く復習し続けると、誰でも忘れなくなります。ポイントは「忘れなくなるまで復習し続ける」です。

ちなみに、【英単語記憶豪傑列伝】には先人がどうやって数千の英単語を完全暗記したかを載せています。ご参考までに。

4.復習10回+音読100回のメリット

復習回数の目安は、「即答できる状態(英文法・社会・理科等)」「問題を見たら解き方が最初から最後までスラスラ言える状態(数学・物理等)」「読んだら意味がスラスラ分かる状態(英語長文・古文・漢文)」です。
このようになるまで、復習は10回前後、音読は100回前後かかる場合が多いため、「復習は10回」「音読100回」と言っています。

こういう徹底的な復習により、以下のようなメリットが生じます。

【復習10回+音読100回のメリット】

(1)勉強内容を理解しやすくなる:英語や数学は「積み上げ型」の科目です。新たに習う箇所は、前の内容を理解し記憶していないと、理解しにくいですが、10回復習していると、理解しやすくなります。

(2)勉強が楽しくなる:勉強内容を理解できると、勉強が楽しく、またはかどります。

(3)解くスピードが速くなる:10回復習すると、問題を解くスピードが断然、速くなります。そうすると、類題を解くのも速くなり、テストで速く解ければ、難しい問題に時間を使うことができ、点数が上がります。

(4)応用問題が解ける:数学や物理で10回の復習をすると、基礎・標準問題がスラスラ解けるようになります。また、「応用問題」とは「基礎・標準問題の組み合わせ」なので、応用問題を解いたとき、解き方がいくつもスラスラ思い浮かび、解きやすくなります。

(5)読むスピードが速くなる:100回音読をすると、英文・古文・漢文等を読むスピードが速くなり、定期テストで解ける問題が増えます。

(6)初見の文がスラスラ読める状態になる:100回音読してスラスラ読めるようになった英文・古文・漢文が30文を超えると、「初見の文もスラスラ読める状態」になります。そうなると当然、実力テスト・模試・入試で点数が飛躍的に上がります。

(7)定期テストの点数が上がる:以上から分かるとおり、10回の復習、100回音読をすると、解くスピードが上がり、応用問題が解けるようになり、勉強を理解しやすくなるので、定期テストの成績がどんどん上がっていきます。

(8)勉強法で悩まなくなる:成績が上がれば勉強法で悩むこともなくなり、自信を持って勉強をすることができるようになります。大勢の中学生は「覚えられない」「どうやったら成績が上がるか分からない」と思い悩んでいます。この悩みが消えることは、精神衛生上、大変重要です。

(9)自信ができる:成績が上がれば、自分に自信ができ、あらゆる面で、より積極的になります。

(10)勉強のやる気が上がる:成績が上がれば、当然勉強に対するやる気が上がります。

(11)勉強時間が増える:成績が上がり、勉強法で悩まなくなり、勉強へのやる気が上がれば、もっと成績を上げたいと思うようになるので、勉強時間が増えます。

(12)勉強の好循環が生まれる:勉強時間が増えれば、さらに成績が上がり、こうして好循環が生まれます。

(13)長期記憶に入る:10回復習して「スラスラ解ける状態」にすれば、長期記憶に入ります。そうすると数ヶ月以上忘れないので、実力が上がります。

(14)入試で使える:長期記憶に入れば、半年、1年後に、今よりずっと多く覚えていられますから、今やっている勉強が、入試で大いに使えます。そうすると、当然、志望校に合格する確率が高まります。

5.実力を上げる勉強=勉強したことを長期記憶に入れる勉強

ある程度まで成績が上がれば、定期テスト直前に一気に勉強するスタイルでは成績がなかなか上がらなくなります。そういうときは、地道に「実力」を上げていくしかありません。

「実力を上げる」とは、言い換えれば、「勉強したことを長期記憶に入れる」ということです。

このページに書いたことを実行すれば、全ての勉強内容を長期記憶に入れることができます。ご健闘を祈ります。


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