「英語 塾技63」習得法

このページでは「塾で教える高校入試 英語 塾技63」(文英堂:以下「塾技63」)の効果的な習得法を書いていきます。

塾技63」は高校入試用英文法問題集で、難関校志望者に最適です。

1.「塾技63」とは

1.1.特徴

(1)英文法力を中学生最上位に押し上げる:基礎・標準~難問まで多数の問題があり、この問題集を習得すれば高校入試で英文法は問題なくなります。

(2)英文法例文集がある:英文法例文が巻末に約220例文載っており、英文法の理解の確認・和訳の確認・英作文対策がしやすくなっています。

(3)レベル分け:問題が3段階にレベル分けされているので、自分の英文法力に応じた問題を選んで段階的に習得していくことができます。

1.2.前提

塾技63」は最上位問題集であり、要求される知識レベルも高いので、中学英文法全体を先取りで学習し終え、中学ニューコース問題集 中学英文法」(学研)のような標準的英文法問題集を1冊習得していることが望ましいです。

1.3.「塾技」の習得の目標

(1)全問題を即答できるようにする:英作文問題は模範解答を暗記して即答できるようにします。

(2)文法的に説明できるようにする:間違えた問題についてそれがなぜ間違いか、正解がなぜ正解かを文法的に説明できるようにします。

(3)知識の暗記:問題や解説中の知識を全部自作英単語帳やルーズリーフにまとめて暗記します。

(4)重要例文集の習得:巻末の約220例文をスラスラ和訳できる、英作文できる、文法的に解説できるようにします。

(5)不規則動詞の活用の暗記:巻末の不規則動詞の活用を全部暗記します。

2.「塾技63」の習得法

2.1.「塾技」のオススメの取り組み方

(1)巻末の「重要例文集」を瞬間英作文で暗記する:約220英文を暗記するのに10~12時間前後かかりますが、問題を解くのと並行して(もしくは先に)例文を暗記していけば、実力が飛躍的に上がるので、問題が格段に解きやすくなります。

(2)例題・演習問題だけを先に1周終わらせ、次に「入試レベル問題」を解いていく:「塾技63」には約1300問あり、全部解きながら進めるとなかなか最後までたどり着きません。また「入試レベル問題」はかなり難しく、演習問題だけでも入試で戦えます。

 よって、英語が超得意な人(偏差値73以上)以外は「入試レベル問題」を後回しにするのがオススメです。

(3)1週間に習得する章の数を決めて週5周する:例えば、4ヶ月で全体の例題・演習問題を習得すると決めたら、全63章ですから週4章習得する必要があると分かります。よって、【週4章×5周】など進めていきます。

 これに掛かる時間は、英語力によって幅はありますが、偏差値60の中学3年生で、週約3時間前後(毎日30分)です。

2.2.「塾技」の習得法

ここでは、重要例文集の暗記と並行して、4ヶ月で全体の例題・演習問題を習得すると決め、「週4章分×5周」して習得していくと想定して書いていきます。例文暗記については次章で書きます。

塾技」習得法

(1)巻末の「重要例文集」を瞬間英作文で暗記する:毎週30英文など暗記していきます(週約90分=≒毎日15分弱)。例文暗記の方が先に進む感じで進めるのがオススメです。

(2)第1週:「第1セット1~4章」×5周:例題・演習問題習得

 ①1章1周目:例題を全部解く:1問解くのに時間をかけすぎません。せいぜい1分考えて分からなければ次へいきます。分からなければ理解して覚えれば良いからです。

 ②1章1周目:例題の解答・解説を読む:自己採点し、間違えた問題に印を付け、解説を読み、理解します。知らない知識にマーカーを引きます。理解できないときは誰かに必ず聞いて理解します。

 ③1章1周目:解説中の英文と間違えた問題の英文は瞬間英作文で暗記する:【英文を2回口頭和訳⇒英文を5~7回音読⇒暗唱⇒瞬間英作文(日本語を見て英語に訳す)⇒言えたら次へ、言えなかったら「音読⇒暗唱⇒瞬間英作文」⇒言えたら次へ】

 ④1章1周目:演習問題を解き、解答・解説を読む:進め方は例題と同じ。1章1周目にかかる時間の目安は15分。

 ⑤2~4章1周目:1章が終わったらすぐに2章に入り、4章まで進めます。やり方は同じ。1~4章1周目にかかる時間の目安は60分。

 ⑥1~4章2周目:1~4章の1周目が終わったらすぐに2周目に入ります。2周目からは印の付いた問題のみ解きます。後の進め方は同じ。初回間違えた英文は全て瞬間英作文で暗記します。

 ⑦1~4章2周目に暗記事項をまとめる:2周目を進めながら、暗記すべき英単語熟語・表現は自作英単語帳に、文法事項は以下のようにルーズリーフにまとめます。まとめた日から毎日暗記します。暗記事項を全て暗記したら、3周目に入ります。格段に解けるようになっているはずです。

【73p 私の友達の一人(2種)|a friend of mine, one of my friends 】

【175p 現在完了の3つの意味と訳し方|経験(~したことがある)、継続(している、してきている)、完了(し終わった、したところだ)】

 ⑧1~4章3~5周目:全問スラスラ解けるまで5周前後復習する:初回間違えた問題は、3回連続で解けたら外します。全問外せるまで5周前後復習します。「1~4章×5周」にかかる時間の目安は3時間(毎日約25分×7日)。

(3)第2~16週:各セット5周+既習全セット復習

 ①各セットを同様に週5周する。

 ②既習全セットの復習をしながら先に進む:復習せずに先に進むと(多くの中学生がそうしていますが)、どんどん忘れて、1ヶ月後に復習しても多くを忘れてしまっています。これでは何周しても1冊を習得できるかは疑問です。よって、復習しながら先に進めます。

 具体的には、既習範囲の最後まで残った2割程度の問題を「1章5分×1日3章」など復習します。進め方は上記に同じ。

 ③1~2週間復習に専念する:復習しながら先に進めていると、だんだん復習量が増え、時間が足りなくなっていきます。この場合、勉強時間を増やすか、新規に進める量を減らします。もしくは、1~2週間、いったん先に進めるのを休んで、徹底的に復習をします。

 例えば、42章まで終えた時点で先に進めるのを休み、復習を1日30分行えば、7日で1周、14日で5周ほどできます。そうすればほとんど全ての問題を即答できるようになるので復習時間が激減し、また先に進められるようになります。

 このとき、復習を休むという選択肢はありません。復習しなければどんどん忘れていくので、いつまでも全体を習得できないからです。

 ④最後まで1周終わったら2周目に入る:上記のように復習しながら先に進めば、1周終わった段階でほとんどの例題・演習問題は解けるようになっているはずです。

(4)入試レベル問題を3ヶ月で習得する

 ①同様にセット分けし、進める。

 ②例題・演習問題の復習:「1章3分×毎日3章(21日で全体1周)」など。

(5)全体を5~10周以上し、習得する:入試レベル問題を1周後も、全体を5~10周して完全に長期記憶に入れます。

(6)その他の暗記:巻末の不規則動詞の活用を全部暗記します。

3.瞬間英作文による例文暗記

3.1.分割して暗記する

塾技63」の約220例文など、100以上の例文を暗記したいときは、毎週30~50英文など、分割して暗記するのがオススメです。全体を一気に暗記しようとするのは負荷が高くてなかなか覚えられず、挫折する危険があるからです。

ここでは全体を8つに分け、毎週30英文を1セットにして暗記する場合を書いていきます。

3.2.一週間に10周する

30英文を一週間に10周したらいったん完全に暗記できます(中期記憶に入る=数週間~数ヶ月忘れない)。

これに掛かる時間は、合計約90分です。つまり、【1日15分×7日】で30英文を暗記できます(個人差があります)。

3.3.瞬間英作文で暗記する

以下の暗記法を瞬間英作文といいます。瞬間的に英作文をできるようにする方法、という意味です。

塾技63」の重要例文集を瞬間英作文で暗記する方法

(1)第1セット30英文の暗記:1~4周目【英文を2回口頭和訳⇒5~10回音読⇒暗唱⇒瞬間英作文(日本語訳を見て英文に訳す)⇒言えたら次へ、言えなかったら「音読⇒暗唱⇒瞬間英作文」⇒言えたら次の英文へ⇒30英文】

 ①口頭和訳する:2回連続で正しくスラスラ和訳できるまで、スラッシュ訳で、2~4回口頭で和訳します。訳せたら理解できているということです。英文を文法的に分からなければ誰かに必ず聞いて理解します。

 ※スラッシュ訳:3~5ワード前後の意味のまとまりで、前から前から訳す方法。英語速読・リスニングに非常に役立ちます。

 ②音読・暗唱する:速く詰まらずに音読できるまで、5~10回前後音読し、暗唱してみます。スラスラ暗唱できたら瞬間英作文へ、暗唱できなかったり、できても詰まり詰まりだったら、スラスラと暗唱できるまで、「音読⇒暗唱」を繰り返します。

 ③瞬間英作文(日本語訳を見て瞬間的に英文に訳す):日本語訳を見て英語に訳します。スラスラ訳せたら次の英文へ、スラスラ訳せなかったり間違えたら、スラスラ訳せるまで、「音読⇒暗唱⇒瞬間英作文」を繰り返します。

 ④2周目以降:1~2日で1周目を終えたらすぐに2周目に入り、1週間に10周します。

(2)第1セット30英文:5~10周目:【瞬間英作文(日本語訳を見て英文に訳すテスト)から始める⇒即答できたら次へ、即答できなかったら「音読⇒暗唱⇒瞬間英作文」⇒言えたら次の英文へ⇒30英文】

 ①5周目以降:暗記してきたら、口頭和訳や音読はとばして、テストから初めます。時間短縮のためです。完全に暗記した英文には × を付けるなどして飛ばします。

 ②10周する:週10周ということは、後半は1日2~3周するということです。10周すれば普通は瞬間英作文(日本語訳を見て英語を瞬間的に言うこと)ができるようになります。10周に掛かる時間は合計約90分です。

 ③第2セット:第1セットを10周して日本語文から英文を即答できるようにしたら、第1セット30英文を復習しながら、第2セットに入ります。

(3)第2~8セットを同様に暗記する。

 ①暗記法は全く同じ。

 ②既習部分の復習:【瞬間英作文(日本語訳を見て英文に訳すテスト)⇒即答できたら次へ、即答できなかったら「音読⇒暗唱⇒瞬間英作文」×1セット(約5分)×週2周×既習全セット】

 新規で30英文暗記するのと平行して、既習箇所の復習を毎週必ず行います。テストは全部行うのではなく、覚えにくかった英文に★印を付けるなどして、選別して行います。

 ③全体2周目:先へ先へ進め、8週間で全体1周を終えたら、すぐに全体2周目に入ります。

(4)全体を10周する:2ヶ月以上復習。

 ①全体2~10周目:【1セット3分×週2周×全8セット(週約50分)×2ヶ月以上復習(合計10周以上)】

 全体の1周目が終わっても、全てが長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入っているわけではないので、復習しなかったら必ず少しずつ忘れます。

 忘却を回避し、より深い記憶に入れていくため、全体を週2周復習し続けます。復習法は同じです。ここでも全部をテストするのではなく、★印を付けた暗記しにくい英文のみ、テストします。

 ②夏休みや冬休みなどの長期休暇中にも復習する:こうやって何度も何度もしつこく復習して初めて長期記憶に入り、忘れなくなります。最終的に30~40周暗記します。

3.4.例文暗記とは別に和文英訳の練習もする

英作文の練習は中学1~2年生の間はなかなかできませんが、入試には出ますから、3年生になったら始めます。方法は以下の2つです。ポイントは、普段使っている教材を使う、です。

(1)「塾技63」で和文英訳:本冊子の問題を解いたり、例文暗記をするのとは別に、「重要例文集」の未習部分で週10例文など、「日本語を見て英文を言う(難しければ書く)」練習をします。定期的に続けることで、英作文力が上がっていきます。

 他に「ハイパー英語教室 中学英文法」(安河内哲也著、桐原書店)のような英文法例文付きの問題集を使っているなら、それでも構いません。

(2)英語教科書で和文英訳:本文の日本語訳を見て英語を言う(難しければ書く)」練習をします。定期テストのたびにこれをやれば、英作文が飛躍的に上達します。

4.「塾技63」の後は

塾技63」の入試レベル問題をスラスラ解けるようにしたら、中学英文法は卒業です。高校入試のある生徒は英語長文問題集や過去問に、中高一貫校の生徒は高校英文法に入ります。

【終わりに】

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。英語を得意科目にするため、英文法をしっかり勉強しましょう。

あなたの健闘を祈ります。

創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい中学生のために【5教科の受験勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】を開催しています。【中学生用:長期勉強法コース・短期セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。

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