勉強法(6-2)大学入試の初見の英文を読めるようにする勉強法

大学入試の英語で最も重要な英語長文では、もちろん、初見の英文が出ます。

初見の、それも難解な大学入試の英文をある程度の速度で読み、理解するには3つの知識と4つの能力が必要です。

このページではそれについて書いていきます。

1.大学入試の初見の英文を読めるようにする方法

1.1.英語長文を勉強する目的

そもそも、英語長文を勉強する目的は何でしょうか。

大学受験生にとって、それはもちろん、大学に合格するため、つまり、大学受験の英語長文で合格点を取れるようにするためです。

ところで、当たり前ですが、大学入試では「初見の英文(初めて見る英文)」が出ます。

よって、英語長文を勉強する目的は、大学入試レベルの難解な初見の英文を、きちんと読めて問題が解けるようにするため、と言えるでしょう。

では、初見の英文をきちんと読めるようにするにはどうしたらよいでしょうか。

それには3つの知識と4つの能力が必要です。

1.2.三つの知識と四つの能力

(1)初見の英文を理解するのに必要な知識=文法的知識+英単語熟語+背景知識

 3つの知識を習得するために必要な教材は、「総合英語文法参考書1冊・英文法問題集1冊・英文解釈書3冊・英単語集2冊・英熟語集1冊・英語長文教科書3冊・英語長文問題集3冊・志望校過去問5年分」です。

 教材数は志望校偏差値が上がれば増やす必要があります。

(2)初見の英文を理解する能力=英文解釈力+英語脳+英単語の推測力+論理的読解力

 4つの能力を習得するために必要な教材は、「英文解釈書3冊・英語長文教科書3冊・論理的な読み方が詳しい英語長文問題集1冊」です。

2.三つの知識

2.1.文法的知識1:総合英語の全英文を和訳できるようにする

初見の英文を読めるようにするには、前提として、英文法と語彙力(英単語熟語力)が必要です。

総合英語(英文法参考書:総合英語Be、Forest、デュアルスコープ、Ultimate、ブレイクスルー、一億人の英文法等)には大学受験に出るほとんど全ての文法が必要十分なだけ書かれています。

よって、総合英語の全英文(英文法例文と解説中の全英文)を理解し訳せるようにすれば、大学受験の英文はほとんど全て、文法的には理解可能になります(自力で理解できるかは分かりませんが、解説を読んだり解説されれば分かります)。

これは例文だけでは足りません。解説中の英文も全て訳せて初めて他の受験生と差が付きます。

2.2.文法的知識2:英文法問題集の英文を習得する

大学受験生であれば、英文法問題集(Next Stage、POWER STAGE、Vintage、スクランブル、アップグレード等)を1冊は習得する必要がありますが、その勉強の際、ただ問題が解けるようにするだけでなく、以下のようにすると、理解と記憶が曖昧な英文法・語法・構文を深く記憶することができます。

【間違えた問題の英文のみ、2回口頭和訳⇒7回音読⇒暗唱⇒瞬間英作文(日本語訳から英文を即答する)】

どうせ英文法問題集は勉強するので、その際にこの一手間をかけることで、問題がすぐ解けるようになるだけでなく、英文法・語法・構文が頭に蓄積され、英語長文読解、英作文に役立ちます。

2.3.文法的知識3:読解英文法の習得

英文解釈書(大学受験で出る、文法的に理解しにくい難解な英文を網羅的に集めた問題集)2~3冊を「SVOCM+和訳」を書き、英文を習得します。これで読解英文法の基礎が完成します。

その上で、英語長文問題集3冊以上や過去問5年分以上の英文を習得します。

「習得」とは、スラスラ和訳でき、スラスラ読める(90%の理解度で分速150ワード以上で音読・黙読できる)ようにした上で、2ヶ月以上復習して長期記憶に入れ、入試で使える知識にすることです。

そうすることで、総合英語より応用的で実際の大学受験に出る英文法(より長く複雑で難解な英文を理解するための英文法)・語法・構文を大量に理解し暗記することができます。

2.4.三つの知識2:英単語熟語の知識

初見の英文をある程度スラスラ読めるようにするには、英単語熟語をできるだけ多く「即答」できるようにすることが重要です。英単語熟語を「即答」できれば、それだけ速く英文を読める(英文速読ができる)からです。

以下のようにクイック・レスポンス法で暗記すれば即答できるようになります。

【「(英単語⇒日本語訳)×3回音読×1日100ワードを6周(毎日30分)」×7日】

英単語熟語力の基礎は、英単語帳2冊(4000ワード以上)と英熟語帳1冊(1000以上)を暗記することでできあがります。これはできるだけ1~2年生で、もしくは3年夏休みまでに暗記します。

それと並行して英語長文教科書・英文解釈書の英単語熟語を暗記し、その後、英語長文問題集・過去問などの英単語英熟語を暗記していきます。

覚えるべき英単語熟語は無数にあり、復習しなければ忘れていくので、受験まで英単語熟語の暗記は続けます。

【英単語暗記で高得点者に名前が載りました】

Oさん(高校1年生、千葉県)

私は英単語を覚えるのが苦手で、学校の英単語テストでは良い点数が取れてませんでした(6~7割)。

しかし、英単語の暗記法を教わってから毎日やることで、短い期間でしっかり覚えられるようになり、英単語テストの結果は、高得点者として学校の手紙に名前が載るくらい、点数が良くなりました(9割以上取れています)。

2.5.三つの知識3:背景知識

以上のような英文法と語彙の知識をもとに、英語長文問題集3冊以上、過去問5年分以上を大量に読み習得することで、文法力と語彙力だけでなく、多様な英文を読み理解するために必要な背景知識が蓄積されていきます。

大学受験に出やすい難民問題・人工知能・情報化社会・科学・差別・ハラスメント・言語・教育・アイデンティティ・多文化主義などについての文章を読んでいるのといないのとでは、理解度が違います。よって、できるだけ多様な英文を読み習得する必要があります。

多様な背景知識を効率的に獲得するには、以下の問題集が役立ちます。

横山雅彦の英語長文がロジカルに読める本」シリーズ(中経出版)
登木健司 難関大英語長文講義の実況中継」「 同 (2)国公立大学編」(語学春秋社)
関正生の英語長文ポラリス」シリーズ(角川)
話題別英単語リンガメタリカ 改訂版」(Z会)

創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい高校生のために【英語長文を得意にする数々の勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【5教科のテスト勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。【高校生用:講座・セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。

3.四つの能力

3.1.英文解釈力

英文解釈力とは、「文法と語彙の知識をもとに正しくSVOCM(一文の中の英文構造)を把握し、正しく和訳できる能力」のことです。

英文解釈トレーニングによって、難解な英文が理解可能になるため、大学受験でも英検でもTOEFLでもTOEICでも英文解釈力は必須です。

英文解釈力は、英文解釈書2~3冊で「SVOCM+和訳」を書くトレーニングをすることで基礎を習得し、英語長文教科書・英語長文問題集・過去問などで様々な英文に接し、SVOCMを振り読むことで応用力を培うことができます。

【第一志望の法政大学に合格できました】

Tさん(高校3年生、神奈川県、法政大学キャリアデザイン学部[偏差値60]合格)

第一志望の法政大学のキャリアデザイン学部(河合塾偏差値60)に合格することが出来ました。

教えていただく前は(河合塾)偏差値45~49前後でしたから、先生の授業がなければ、合格はなかったと思います。

全然解けなかった国語が、短い時間で要点を探して読めるようになり、学校のテストの偏差値も、模試の偏差値も10以上、上がりました。

毎回、先生に教えられたやり方で過去問の文章にキーワードとキーセンテンスに印を付けながら読み、授業でチェックしていただき、問題の解き方や内容を、徹底的に教えていたことで、読み方や解き方が身に付いたお蔭です。

英語も、先生に薦めて頂いた「入門英文解釈の技術70」「基礎英文解釈の技術100」がとても良かったです。英文解釈をやったお蔭で、英語長文への苦手意識が減り、分かる英文が飛躍的に増えました。英語が苦手なのでこれからも頑張っていきたいです。

数学も、先生に薦めて頂いたマセマの「初めから始める数学」「元気が出る数学」「合格数学」がとても良かったです。学校の「青チャート」よりずっと分かりやすく、進めやすかったです。それと口頭再現法で過去問が解けるようになりました。数学にして良かったです。

本当にありがとうございました!

3.3.英語脳

英語脳とは、「英語を英語のまま理解できる(読める・聴ける・書ける・話せる・考えられる)能力」のことです。

英語脳を獲得できる方法は幾つかありますが、その有力な方法は「音読」です。英語長文を、しっかり理解しながら50回、100回、150回と音読していくと、だんだん英語のまま理解できる部分が増えます。

そして100回以上音読した英文を10,30,50,100と増やしていくと、初見の英文でも、英語のまま理解できる部分が増えます。よって創賢塾では英語音読を非常に重視しています。

3.4.英単語推測力

大学受験の長文では、意味の分からない英単語熟語は必ず出ます。また、そもそも大学受験生が知らないことを前提に、推測力を試すために、敢えて語句註で和訳を書かず、問題に出す場合さえあります。

よって、英単語熟語の推測力は必須の能力です。

英単語推測力の身に付け方は以下の4つです。

(1)推測する習慣:英語長文教科書・英文解釈書を初見で読むときに、前後関係から10~20秒、英単語熟語の意味を推測してから辞書を引く習慣や、英語長文問題集・模試・過去問の英文を読むときに意味を推測する習慣を続けることで、英単語推測力は身に付きます。

 日本語の文章を読むときには、誰でも、意味不明の言葉の意味を前後関係から瞬間的に推測しながら読んでいるので、英語でも練習すれば必ずできるようになります。

(2)語源や派生語から推測する:英語には「接頭辞・語根・接尾辞」という語源があります。例えば、「disrespectful=dis(逆の・否定の)+respect(敬意)+ful(~でいっぱいの、を意味する形容詞接尾辞)」。ここで「respect」に気が付き、前後の接頭辞・接尾辞の意味を覚えていれば、「disrespectfulの意味=失礼な、無礼な」を推測できます。

また、「perceivable(知覚できる、認知できる)」を見て「perceive(知覚する、気づく)+able(できる)」と気づけば、「perceivable=知覚できる」と推測できます。

語源学習には以下の単語集がオススメです。

システム英単語 Premium(語源編)」(駿台)
鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁」(角川)
英単語の語源図鑑」(かんき出版)
つむぐ英単語―部品で覚える入試重要2300語」(河合塾)

(3)プラスかマイナスかを推測する:形容詞や副詞はプラスの意味かマイナスの意味の場合が多いので、プラスかマイナスかを推測するだけでも文章の意味は分かりやすくなります。

 例えば、「beautiful(美しい)、fast(速い)」はプラス、「ugly(醜い)、 low(低い)」はマイナス、などです。

(4)接続語を使った推測:「and、or、but」のような等位接続詞は、前後に同じ品詞・文法的働きの語句が来ます。例えば、「a dog and walk(犬と歩く)」のように名詞と動詞が結ばれることはありません。

 そして、例えば「and」の場合は、同じような意味の言葉が前後に来る場合が多いので、どちらかが分からなくても、推測できます。

 一方、「but、though、although、however、while、on the other hand」のような逆接・対比の接続語の場合は、前後で意味が逆になるので、それによって推測可能です。

3.5.論理的読解力

これは全受験生に必須ではありませんが、偏差値65~70以上の受験生はやった方が英文理解度・英文を読む速度が上がり、偏差値が上がります。

英語の論理的文章には、「文章の型」や決まった形式があります。例えば、「主張⇒複数の根拠⇒主張」や、「パラグラフの冒頭に話題を書く」などです。これを理解し覚え使うことで、文章理解力が上がり、主張・文章の筋道が格段に理解しやすくなります。

論理的読解力を身に付けるには、以下の問題集が役立ちます。

ディスコースマーカー英文読解」(Z会)
横山雅彦の英語長文がロジカルに読める本」シリーズ(中経出版)
英語長文読解の王道 パラグラフリーディングのストラテジー」シリーズ(河合塾)
英語長文を読むためのパラグラフ・リーディング」シリーズ(易しめ、日栄社)
長文読解アドバンテージ」(易しめ、文英堂)
登木健司 難関大英語長文講義の実況中継」「 同 (2)国公立大学編」(語学春秋社)

4.初見の英文をなぜ読めるのか

以上の勉強をしたら、なぜ「初見」の英文が読めるようになるのかというと、英文は初見ですが、中に入っている「英単語熟語・文法・構文・一文の構造(SVOCM)・文全体の論理構造」は、ほとんど全て入試までに学習した内容と重複するからです。

よって、必要十分なだけの英文法・英単語熟語・背景知識を暗記し、英文解釈力・英単語推測力・論理的読解力を習得すれば、大学受験の初見の英文でも読めるのです。

そのために、総合英語文法参考書・英文法問題集・英文解釈書・英単語帳・英熟語帳・英語長文教科書・英語長文問題集・過去問を習得し、2ヶ月以上復習して長期記憶に入れる必要があります。

5.終わりに

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

皆さんの健闘を祈ります。

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