作文・意見文の最速上達法

このページでは、高校入試で増えている「意見文・作文・小論文」の書き方を書いていきます。

特に、創賢塾オリジナルの上達法である「換骨奪胎法(模範解答をまねてたくさん書き、模範解答の文章構造を分析し、模範解答を暗記する勉強法)」により、あなたも上質な文章を短期間で書けるようになります。

ちなみに、換骨奪胎法は、大学入試・公務員試験・資格試験等の小論文の対策方法と基本的に同じです。

以下では、特に作文と意見文を区別する必要のある場合を除いて、「作文」に表記を統一します。

1.作文上達の3つの壁とその克服法

高校受験生が200~800字前後の作文を速く上手に書きたい場合、3つの壁があります。以下では、その3つの壁とその克服法を書いていきます。

1.1.文章構成法(論理的記述力)の壁

ほとんどの中学生は、どういう文章構成で書けばよいか、つまり、最初に何を書き、次に何を書き、最後に何を書けば良いか、分かりません。

なぜなら、学校でも塾でも文章構成について習わず、たとえ習ったとしても、真剣に勉強しないから習得できないからです。あるいは、塾や通信添削で教えられても、実際に正しい文章構成で論理的に書けるようにするには、ふつうの中学生には長い時間がかかるからです。

作文の文章構成法を効率的に身に付けるには、以下の3つの方法が有効です。

(1)過去問を使って書く

 作文の問題集は最初から過去問を使います。なぜなら、学校によって問題形式・作文の長さが異なり、それによって文章構成法は全く異なるからです。

 例えば、最初に課題文を読んで意見を200字以内で書かせる意見文問題と、高校生活の夢を800字で書かせる作文問題では、文章構成法が全く異なります。

 志望校で出ない、一般的な問題形式で書いても合格は近づきません。過去問の問題形式で大量に書くべきです。

(2)過去問の模範解答をまねて大量に書く(下記)

 下記の換骨奪胎法だと、模範解答を見てまねれば良いので、ふつうに自力で書くより遙かに気楽にストレスがなく短時間に書けるので、週3つなど、大量に書くことができます。模範解答をまねながら大量に書けば、その文章構成も自然と身についていきます。

(3)過去問の模範解答の「文章構成法の分析」(下記)を行う

 過去問の文章構成法を、下記の分析法に則って10~20年分ほど分析すれば、過去問の模範解答で用いられている文章構成が明確に分かり、それで書けるようになります。また、文章構成を常に意識するようになり、更に文章構成が身に付きます。

1.2.発想力・独創力の壁

たいていの中学生は、主張や適切な理由を書こうとしても、ふだん、社会の物事や人生について自分の意見を考えたり論理的に考えて書いたりしていないので、なかなか思いつきません。また、課題に合った適切な具体例・体験談・内容を思いつけない受験生も多いです。これは「発想力」の問題です。

また、作文では、ある程度「個性的・独創的な内容」でなければ評価されません。しかし、多くの中学生は個性的・独創的な内容を書けません。なぜなら、意見や思いをきちんと書けるようになるにはかなり徹底した教育が必要ですが、そういう教育は今の学校では行われていないからです。これは「独創力」の問題です。

発想力と独創力を培うためには以下の3つが役立ちます。

(1)模範解答を真似て大量に書く【過去問を「5年分×5回」以上書く】

 以下の換骨奪胎法で、模範解答の発想・文章構成を拝借し、30~50%変えて書いていくと、発想が乏しくても書けますし、毎回内容を少しずつ変えれば発想力も磨かれます。

 また、この方法だと完全自力よりずっと短時間で労力少なく書けますから、大量に書くことができます。大量に書けばだんだん書く内容が不思議と思いつきやすくなります。

(2)模範解答を暗記する:【1日10回音読×10日⇒暗記できる】

 過去問や作文問題集の模範解答を10,20,30文章と暗記していくと、覚えた内容をそのまま使えます。作文は知識がないとなかなか書けませんから、こうやって知識を入れていくのも大事です。

 また、模範解答を「100回×30文章」も読むと、どういう内容が良い内容かが分かる、どういう文章が合格点なのかが分かる、文章構成法が分かる、細かい言葉遣いが分かる、など利点が多くあります。

(3)自分の意見・考えを書き続ける

 独創的な内容を書くには、作文で出される可能性のある様々なテーマについて日頃から考え、「独創的な考え」を持っていなくてはなりません。

 「独創的な考え」は、独創的な考えを発想するぞという心構えを持って作文を書き続けたり、自分の考えをノートに書き続けることで培えます。

1.3.読解力の壁

作文の課題文や統計資料を正しく理解できない、あるいはその要点を適切に把握できない人がいます。これは読解力の問題です。

その対策は以下のようになります。

(1)国語の問題を定期的に解く:課題文がある場合は、「課題文=国語の文章」なので、国語の問題を週1題など解いていく必要があります。

 課題文を深く読み取り、その要点を正確に把握するには、キーワードとキーセンテンスに印を付けることが非常に有効です(下記参照)。

(2)30回音読:読解力を上げるには、30回音読(課題文や国語の1つの文を【毎日10分×7日】、週30回読むトレーニング)が有効です。

(3)要約を書く:要約を書くときは、どこが重要か考えながら読む必要があるので、ただ読むときより深く読めるようになり、読解力が上がります。

 要約は「キーワードとキーセンテンスに適切に印を付け、それを混ぜて意味が通じるようにつなげる」ことで書けます(下記参照)。

(4)統計資料付きの作文問題を大量に書く:統計資料(グラフやデータ)を読み取る問題が志望校に出る場合は、統計資料を読み取る訓練をたくさんすることが重要です。過去問や他の高校の過去問・作文問題集から似た問題を探してたくさん解いていきます。

 また、学校や塾の先生、家庭教師などに読み取り方を指導してもらうことも役立ちます。

2.作文最速上達法(1)換骨奪胎法

2.1.作文問題を10問用意し、100回書く

練習には志望校の過去問が最適です。志望校により、出題形式、文字数、書く条件、文章構成法が異なるからです。

過去問が10年分そろわなければ、塾の問題集や作文問題集から過去問と似た課題や長さの問題を探し、全部で10問用意します。

1課題につき10回、合計100回書くことを目標にします。

以下のように模範解答をまねながら100個も書けば、模範解答の文章構成や言葉遣いなどを吸収でき、文章の書き方が分かってきます。また、大量に書くことで速く書けるようになります。

2.2.換骨奪胎法

「換骨奪胎(カンコツダッタイ)」とは、上手な人の文章の構成・発想などを借用し、自分の発想を加えて書くことです。これで文章構成法を最速で習得できます。

【最速で作文が書けるようになる勉強法(1)換骨奪胎法】

(1)自力で作文を書く

 ①自力で書く:自分がどれくらい書けるか、あるいは書けないかを知るため、書けるだけ書いてみます。書けないのは当たり前なので、あまり悩まず書きます。10分考えて全く書けなければ、飛ばしても結構です。

 入試の作文の制限時間と同じ程度の時間で書きます。書くときはできるだけ「下書き(下記参照)」を書きます。

 ②自己添削する:解説と模範解答を読み、自己添削します(あるいは教師や親に添削してもらう)。詳しい添削の仕方は下記参照。

(2)換骨奪胎法1:模範解答の論理構造を使って15%前後を自力で書く

 ①換骨奪胎法模範解答の論理の流れ(文章構成)はそのまま使って書き写し、模範解答の一部(15%くらい)を自分の体験・考えに少し書き換えます

 「書き写す」といっても、見ながら書くのではなく、1~2行分を「見て、理解し、暗記して、自力で」書きます。こうすることで、細部は自分で考えて書く必要があるため、作文力が上がります。

 見ながら書いたら自分の作文力は上がらないので、必ず「見て、理解し、暗記して、自力で」書きます。

 ②下書きを書く:下記「下書きの書き方」を参照し、必ず書きます。

 ③発想力を培うため毎回違う内容を書く:自力部分を書くとき、全く同じ内容を書いたら「発想力」が育たないので、必ず少しずつ違う体験・内容を書きます。

 ④内容のチェック:書き終わったら一度読み直し、下記の「書き終わりのチェック時の注意点」に書いてある、漢字や文法、文章構成などの間違いがないか、内容をチェックします。

 ⑤自己添削:書き終わったら模範解答を見、自己添削します。下記、「自己添削の注意点」を参照。

 ⑥時間を計る:毎回書く時間を計り、過去問やルーズリーフなどに時間を記入して、毎回の変化が見られるようにしておきます。そうすると自分の上達が分かり、励みになります。

 また、試験時間から考えて何分くらいで書く必要があるかを計算し、常にそれを意識しながら書くと、だんだん制限時間内で書けるようになります。

(3)換骨奪胎法2:30%⇒50%⇒75%など、より多くの部分を自力で書く

 模範解答の更に多くの部分を自分の体験・考えに書き換え、その他の部分は「見て、理解し、暗記して、自力で」書きます。

 その際、必ず下書きを書き、毎回少しずつ違った内容を書き、書き終わったら内容チェックをし、その後、模範解答を見、自己添削をします。

(4)換骨奪胎法3:100%自力で書く

 最後に100%自力で書き、自己添削します。ここまでたくさん書いているので、最初よりは格段に速く上手に書けるようになっているはずです。

(5)1課題を5回書いたら次の課題へ移る

 次の課題に移っても、前の課題も100%自力で週1回など書き続け、計10回書きます。同じ課題で書き続けたら、短い時間で書けるので、効率的です。

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2.3.下書きの書き方

ここでは、160~200字の作文を、テスト時間から考えて、15分で書くことを想定して、下書きの書き方を書いていきます。

【下書きの書き方】

(1)箇条書きで書く:紙に、設問から考えて、書くべき内容を箇条書きで書いていきます。

 例えば、「次の文章を読んであなたの意見を書きなさい」という問題だとしたら、「①意見、②理由、③体験、④意見」の4つを、1つ2~3行の幅を取って紙の上に書きます。

 そして、下記のように、それぞれの下に、自分が書きたい内容をどんどん書いていきます。

 ①意見:~~

 ②理由:~~

 ③体験:~~

 ④意見:~~

(2)書く順番を考える:字数を数え、書いた内容が200字以上になったら、内容を取捨選択し、解答用紙に清書します。

(3)時間の目安:下書きに5分、清書に10分前後です。15分で書き終わらなかったら、練習ですから、延長して構いません。

このように繰り返して書き、「下書きと清書の自分の型」を創り上げていくと、本番でも迷うことなくサッサと書くことができるようになります。

【意見文を添削してもらっています】

Sさん(偏差値70超の私立中学1年生、千葉県)

最近は、主に、苦手科目である国語を教えて頂いております。先生が各々ご提示されたテキスト(「システム中学国語 論理入門編」、「国語の読みテクトレーニング 説明文・論説文」、「200字意見文トレーニング」)を使い、読解・要約・意見文を学習しています。

意見文に関していえば、まず子供が授業前に意見文を書き、授業では、先生から指摘された箇所を修正し、翌週また授業内で添削するというやり方です。

子供の持っている知識と考えを交えながら人を納得させられる文を書くことに苦戦しています。先生のおっしゃることには、なるほどと納得しているので、早く自分のものにできるようにして欲しいです。根気がいりますが、人に伝わる文章が書けるように、頑張ってほしいと思います。

2.4.書き終わりのチェック時&自己添削する時の注意点

(1)漢字・言葉遣いのミス:漢字や言葉遣いなどの間違いが多い人がいます。これを防ぐには、日頃から、清書した後に、誤字・脱字等のミスがないか1回確認する習慣を付けることが必要です。本番では時間がなければできませんが、練習時には必ず一度見直します。

 また、段落や内容の指定が書かれていたら、その指定を守っているかも確認します。

(2)文法的に正しい日本語になっているかをチェックする:文法的に正しくない文とは、主に以下の3つです。

 ①主語と述語がねじれている:「私の夢は看護師になりたい」⇒「私の夢は(=主語)/看護師になることだ(=述語)」など。

 ②述語1つに対して主語が2つある:例えば、「私は外国人に紹介したい日本の文化は春の桜だ」=「私は(=主語)/外国人に紹介したい日本の文化は(=主語)/春の桜だ(=述語)」⇒「私が外国人に紹介したい日本の文化は(=主語)/春の桜だ(=述語)」など。

 ③掛かり関係が完結していない:修飾語があって、被修飾語がないなど。例えば、「現代の研究から、地震が起こる前はナマズが暴れる事実がある」⇒「現代の研究から、地震が起こる前はナマズが暴れる事実があることが分かってきた」。「ことが分かってきた」を書かないと、「現代の研究から」が掛かる場所がなく、浮いてしまう。

 あるいは、「日本はおそらく今後、人口が急激に減っていく。なぜなら、子どもの数が減っている。」⇒「子どもの数が減っているからだ。」など。

 これらの文法的ミスを防ぐには、主語と述語の確定法を身に付け、掛かり関係を練習することが役立ちます。

【主語と述語の確定法】

(1)主語とは:主語は「名詞+はがも」(例:私は、私が、私も)で出来ており、述語の動作の主体です。

 ただし、「はがも」が必ず主語を示すとは限りません。例えば、「ゾウは鼻が長い」の主語は「鼻が」であり、「ゾウは」は「ゾウについては」という意味です。

 また、「私は彼が嫌いだ」の主語は「私は」であり、「彼が」は目的語です(私は彼を嫌いだ、と同じ意味になると考えれば納得できる)。

(2)述語とは:述語になれる品詞は以下の4つです。

 ①動詞:主に動作を表す。立つ、走る、読む、等。
 ②形容詞:ものごとの状態や性質を表し、「〜い」となる言葉。美しい、等。
 ③形容動詞:ものごとの状態や性質を表し、「〜だ」となる言葉。静かだ、等。
 ④名詞+「だ・である・です・ます(のような助動詞)」。「彼は太郎だ」の「太郎だ=述語」など。

 つまり、述語は、文の最後にある、動詞・形容詞・形容動詞・「名詞+だ(助動詞)」です。

(3)主語と述語を確定させるときには、述語から確定させる:なぜなら、述語は文の最後にあるので、簡単に見つけられるからです。

 例えば、「ゾウは鼻が長い」の述語は、最後にある形容詞である「長い」。主語を探すときは「長いのは何か?」と考えます。そうすると「ゾウは長い」ではなく「鼻が長い」と分かります。

 「私は彼が嫌いだ」の場合は、最後にある「嫌いだ(形容動詞)」が述語、「嫌いなのは誰か?」と考え、「私は(彼を)嫌いだ」と分かります。ちなみに、好き嫌いなどでは目的語を「が」で示す習慣があります(紛らわしいですね)。

(3)1文は50字以内にする:1文が50字以上になると内容が分かりにくくなります。よって、50字を越えたら2文にするのが適切です。

(4)語尾・言葉を統一する:「です・ます調」と「だ・である調」を混ぜて書いてはいけません。どちらかに統一します。どちらにするかは、過去問の模範解答や塾の指導に従うと良いでしょう。

 また、「わたし」と「私」、「友達」と「友だち」なども混ぜて書いてはいけません。どちらかに表記を統一します。

(5)同じ言葉を避ける:同じ言葉、語尾が続くと稚拙な印象を与えますから、できるだけ避けます。例えば、語尾が「思う⇒思う⇒思う」となっていたら、「思う⇒考える⇒思う」に変えるなど。

(6)重複した内容を削る:同じような内容の箇所が2つあるのは無意味なので、重複があったらどちらかを削ります。

(7)文章構造のチェック1:書き終わり時:意図した文章構造で書けているかをチェックします。

(8)文章構造のチェック2:自己添削時:自分の文章構造と、模範作文の文章構造を比較し、自分の作文に足りない要素がないかを確認します。

 例えば、模範作文の文章構成が「①意見、②理由、③体験、④意見」となっていて、自分の文章で「④意見」がなかったら書き足す、など。

(9)説得力ある内容になっているかをチェックする:書き上げた後、説得力があるかを自問しながら読み直します。また、ご両親や塾の先生に説得力があるかを見てもらうのも良いでしょう。

「説得力がある文章」とは、以下のような文章のことです。

 ①文章全体のテーマと自分の書いた内容・体験談・具体例が合致している

 ②誰が読んでも「そうだよね」と納得してもらえる:言い換えると、思い込みが激しい文章は説得力がない。

 ③一貫した内容・主張になっている:そのためには言葉を一貫させることが有効です。自分の文章のメインキーワードを最初・中間・最後と3回ほど書くと一貫した内容だと受け取ってもらえます。

 ④主張に対して適切な理由が書かれている:適切な理由があると説得力は増します。

2.5.どのくらいのペースで書くか

換骨奪胎法なら、通常の半分ほどの時間で書けるようになります。まねて書けば良いので、心理的負担も少なくどんどん書けます。

よって、週3つ以上書きたいところです。夏休み・冬休みには毎日1~3つ書くのがオススメです。

毎日書けば、苦手意識もなくなり、速く書けるようになり、発想力も培えて、文章構成もしっかり身につきます。「量は正義!」です。

2.6.換骨奪胎法のメリット

(1)文章構成法が身に付く

 模範解答をまねて【「5年分×5回⇒「10年分×10回】書くことで、模範解答の文章構成を吸収でき、最終的にはその型で書けるようになります。

 作文問題集などには、こういう文章構成で書け、とよく書かれていますが、具体的にどうやったら自分がその文章構成で自力で書けるようになるかの勉強法を教えてくれる本や塾はありません。

 自力で作文を書き、模範解答を見るだけでは、あるいは、自力で書き、添削してもらい、それを見ることを繰り返すだけでは、正しい文章構成で書けるようにはならないのです。

 しかし、創賢塾で創り上げた換骨奪胎法を使うことで、最短で文章構成法を自力で習得することが可能になります。

(2)書く内容を自力でゼロから発想しなくて良いので大量に書ける

 解答を見て、それをヒントに、少し変えた内容を書けばよいので、完全自力より精神的負担が格段に軽く、どんどん書けます。

 作文で難しいのは、「どういう文章構成で書けばよいか(最初に何を書き、次に何を書き、最後に何を書くか)」、そして「どういう内容を書けばいいか」ということです。この2つを同時にこの方法でカバーし、作文を書くハードルを低くし、大量に書くことを可能にします。

(3)速く書けるようになる

 大量に書けるので、速く書けるようになります。慣れてきたら、実際の制限時間内に書くようトライすると、更に速く書けるようになります。

(4)少しずつ自力で書くので、発想力も鍛えられる

 自力の割合を「15%⇒30%⇒50%⇒75%⇒100%」などと増やし、そのたびごとに少しずつ違った内容を書き、更に20~30種類の違った問題を書くことで、発想力が磨かれ、本番で適切な内容を素速く書けるようになります。

2.7.過去問10年分を解いた後は

過去問を10年分、合計50~100作文を書いた後は、過去問をさかのぼれるだけさかのぼって入手して書き、また、塾の志望校予想問題集や似た問題を出す他の高校の過去問、市販の問題集で似た問題を解いていきます。

本番では新しい問題が出ますから、今まで書いたことのない課題で書かなくてはなりません。どのような問題にも臨機応変に対応できる発想力を磨くには、結局、過去問と似た問題形式の、いろんな種類の課題について書くしかありません。

オススメ問題集は以下の通りです。

「高校入試作文完全攻略」(学研)
「作文・小論文合格ガイド」(受験研究社)
200字意見文トレーニング」(藤原和博著、光村出版)

【意見文を添削していただいて文章が書けるようになりました】

Hさん(中学3年生、宮崎県)のお母様より

1年半の間、息子をご指導いただきまして、ありがとうございました。

先生に指導していただいてから、各科目に効果が現れ、英数の偏差値では10以上、上がりました

中でも一番成長が見られたのは文章が書けるようになったことです。以前は何を書いているのかよくわからない文章でしたが、意見文の添削を続けていただいたことにより、短時間で読み手にわかりやすい文章が書けるようになりました。ありがとうございました。

3.作文最速上達法(2)上級編

以下の勉強法も取り入れると、飛躍的に上手に書けるようになります。創賢塾の作文対策が必要な生徒にはほとんど全部をやってもらっています。

【最速で作文が書けるようになる勉強法(2)上級編】

(1)模範解答の文章構成を分析する:模範解答を見て、「ここは意見、体験、具体例、結論を書いている」などと分析し、それを模範解答に記入します。

 これを過去問10~20年分やれば、模範解答の文章構成法が深く分かり、正しい文章構成法で書けるようになります。

(2)模範解答を暗記する受験生が、どういう内容、どういう構成で書けばよいか分からないのは、結局、「どういう内容、構成が正解なのか」の正解例を知らない(読んだことがない、覚えていない)からなのです。

 正解例(模範解答)10,20,30文を何度も読み、暗記していけば、「どういう内容・書き方をすれば合格答案になるか」が体得でき、また、文章構造が把握でき、読解力も上がります。暗記法は以下です。

【1日10回音読×10日=100回音読】

 100回といっても、400字なら1回1分前後で読めますから、10回で10分程度です。たいしたことはありません。

(3)模範解答を書き写す:1問あたり1~3回書き写すことで、言葉の使い方、語尾の書き方、段落の分け方やテンの打ち方など、細部の書き方が身に付いていきます。

(4)課題文を30回音読する:課題文がある場合は、その理解度を上げるため、また読解力を上げるため、【毎日10分×7日】音読します。

 800ワードの文章なら1日5回程度読めますから、7日で30回前後読めます。

4.課題文を論理的に読む方法

4.1.課題文にキーワードとキーセンテンスを付ける

志望校の作文問題で、課題文(普通の国語の問題のような2~4ページ前後の文章)が出る場合は、キーワード(重要な言葉・連語)とキーセンテンス(重要な文)に印を付けなければなりません。「キーワードとキーセンテンス=重要部分=要点」であり、要点を把握しないと作文は書けないからです。

よく、「論理的に読め」と言われますが、文章を論理的に読む最も有効な方法の1つは、キーワードとキーセンテンスに印を付けることです。

4.2.キーワードの適切な見つけ方

キーワードの見つけ方は以下の通りです。

【論理的文章のキーワードの見つけ方】

(1)「話題(=主題=テーマ)」はキーワード。

 話題とは「その文章は何について書かれているか」です。論理的な文章を読むときの最優先事項は話題を見つけることで、次は「主張(話題について、筆者が一番言いたいこと)」を見つけることです。

 話題と主張を混同する人が多いですが、全く異なるのできちんと区別して覚えて下さい。

(2)2回以上出てくる言葉はキーワードの可能性が高い。

 ただし、「話す、作る、生活」などの普通の言葉は、2回以上出てきてもキーワードの可能性は低い。

(3)普段あまり使われない、筆者独特の表現がキーワードになることがある。

 例えば、「先入主、対象化、造形意志、剰余の眼、対話性、批評家気質」など。

(4)主張にはキーワードがたいてい入っているので、主張を見つけたら注意深くキーワードを探す。

4.3.キーセンテンスの適切な見つけ方

キーセンテンスの見つけ方は以下の通りです。

【論理的文章のキーセンテンスの見つけ方】

(1)文章の最後にはほぼ必ずキーセンテンスがある。意味段落の最後にもキーセンテンスがあることが多い。

 主張は最重要のキーセンテンスで、主張は文章の最後(最後5~10行前後や最後の段落)や意味段落の最後にあることが多いので、そこを注意深く探します。

 意味段落とは、同じ話題の一続きの形式段落(1字下がった、通常の段落)のことです。3~4前後の形式段落で1つの意味段落を構成することが多くなります。

(2)キーセンテンスは「しかし・だが(逆接)、つまり・要するに・すなわち、したがって・ゆえに・それゆえ・だから、このように・こうして・結局、いずれにしても(結論を導く)」などの特定の接続語の後にあることが多い。これらの接続語は四角で囲む。

 例えば、「A、しかしB」「もちろんAだが、しかしB」とあったら、AよりBの方が重要です。また、因果関係では、原因(理由)より結果(結論)の方が重要なので、「したがって・だから・このように」などの結果・結論を導く接続語の後が前より重要です。

(3)強調表現:強調表現の前後の強調される部分はキーワード・キーセンテンスになる可能性が高い。強調表現は四角で囲む。

 強調表現とは「とても、非常に、最も~、重要なのは~、本質、根源的、基本的、こそ、まさに、実は、~が重要だ、~のだ、~なのだ、~なのである、~のです、~なのです」などで、強調表現自体が重要なのではなく、その前後で強調されている部分が重要です。

 強調表現とは、筆者がわざわざ「これは重要ですよ」と示してくれている内容なので重要です。

(4)「(私は~~と)思う、考える、気づいた」「~すべきだ、~しなければならない」「反語表現(~ではないだろうか、~と言えないだろうか)」などとあったらそれは主張の可能性が高い。

(5)問題提起の答えは必ず重要なのでキーセンテンス。

 「問題提起」とは、文章の中で筆者が読者に問いかけるような文のことです。例えば、「日本の現代建築の最大の特徴は何だろうか?」など。

 筆者は問題提起の答えを知っていますが、それをなぜわざわざ疑問形にして話を長くするのかというと、その答えが重要だからです。よって、問題提起があったら、その答えを探しながら読み、答えを見つけたら印を付けます。

(6)「根拠(具体例・体験談・引用など)」は重要度が低いので、キーセンテンスにはなりにくい。

 論理的文章の一つ一つの文は、主に、「主張」と、主張を補強する「根拠(理由、説明、言い換え、定義・分類、例示・具体例、科学的データ、引用、体験談、比喩、時系列変化など)」の2つに分けられます。

 「主張」とは「筆者の一番言いたいこと」ですが、「主張」を提示するだけでは読者は納得しませんから、著者は必ず「根拠」を複数挙げます。根拠は「主張」をサポートする要素なので、重要性は主張より低い。

(7)論理関係とキーセンテンス:文と文との関係、論理関係には「言い換え(イコールの関係)、因果関係、逆接・対比・対立、譲歩(予想される反論とそれへの反駁:なるほど~だが、しかし~)、進展(次の話題に移る:ところで)」などがあります。

 このうち、①因果関係の結果、②逆接の後、③対比の重要な方、④譲歩(なるほど~だが、しかし~)の逆接の後、の4つはキーセンテンスになりやすい

(8)普通のことは重要ではない。変わったこと、普通でない事実・意見・体験、常識に反する事実・意見が重要なのでキーセンテンス。

 普通のこと・常識的なことを書いても、みんな知っているから重要ではありません。逆に、普通でなく常識とは違うが、説得力のある文章が、重要だし評価されます。

 常識的な内容と常識に反した内容が対比して書かれていたら、たいてい後者の方が重要になります(常識はこうだが、実はこうだ、など)。

(9)内容:以上の要素に加えて内容的に重要なら、キーセンテンス。

 (1)~(8)の内容は、形からある程度分かります(「思う」と書いてあるなど)が、それに加えて内容が重要なら、キーセンテンスになります。

4.4.読解力を身に付ける3つの方法

課題文を読み取り、問題に答えるには、当然、「読解力」が重要になります。

読解力とは、文章の意味がより深く分かり、要点(話題・キーワード・キーセンテンス・主張)を素速く把握できる能力のことです。

読解力を身に付けるには、読書、30回音読、要約トレーニングが有効です。

(1)読書:中学3年生になるまではできるだけ週1冊は読書をします。読書をすれば、語彙が増え、読む速度が上がり、読書体力がつき、知識が増え、思考力と読解力が上がります。

(2)30回音読とは:「2~4ページ前後の国語の問題文などを、毎日10分音読し、1週間で1つの文章を約30回音読する」勉強法です。1年で約50文章を30回音読します。

 同じ文章を何度も読むと、その文章の理解度はどんどん上がり、そういう文章を30文、50文と頭に蓄積していくと、(読んだ文章だけでなく)一般的な読解力が上がっていきます。

(3)要約:要約するときには、どこが重要かを考えなければならないため、ただ読むときより遙かに深く読む必要が出ますから、必然的に内容がよく分かるようになり、読解力が上がります。

 以下のような問題集でトレーニングします。要約方法は要約マニュアルに書いています。

国語の読みテクトレーニング 説明文・論説文」(早瀬律子著、文芸社)

5.作文はたくさん書くだけでは上達しにくい

5.1.たくさん書いても上達しにくい理由

作文は誰でも不得意ですが、闇雲に書いても、通信添削を受けても、塾の先生に添削してもらっても、なかなか上達しません。その理由は以下の通りです。

(1)文章構成法がなかなか身につかないから:たくさん書いても、たくさん添削してもらっても、「作文の書き方本」を読んでも、文章構成法を身に付けられる人はほとんどいません。

 文章構成法を身に付けるには、過去問にふさわしい文章構成を優れた教師に教えてもらい、換骨奪胎法のような方法で上手な人の作文をまねて大量に(30以上)書き、過去問の模範解答の文章構造分析を優れた教師に大量に(30以上)解説してもらい、自分でそれをできるまで何度も(1つ当たり3~5回以上)分析することで身につきます。

 もちろん、これが唯一の習得法ではありませんが、このくらい徹底的にしないと普通は習得できないのは事実なので、普通の受験生は文章構成法が身につかないのです。

(2)受験生の作文レベルが低いから:もともと文章構成法も内容の説得力も用語的にも、とてもレベルが低い人が多いので、添削してもらっても習得すべきことが多すぎるので、習得しにくいのです。

(3)添削の活用法を知らないから:添削してもらったら、自分の文章の何が悪かったかは分かりますが、今後どうしたらより上手く書けるようになるかは、受験生には分かりません。

 つまり、添削の活用法を皆、知らないのです。添削の活用法については下に書いています。

5.2.添削活用法

塾や通信添削で添削してもらう場合、以下のように活用すると上手に書けるようになります。

【添削を徹底活用して作文を上達させる勉強法】

(1)書き直す:添削してもらった内容を含めて書き直します。付け加える点があれば付け加え、推敲し、書き直します。

(2)再度添削してもらう:書き直した作文を更に添削してもらい、完成度を高めます。満点が取れると先生に言われる作文になるまで添削を2~5回繰り返すのが理想です。

 通常の塾や通信添削では2回以上同じ課題の作文をなかなか添削してもらえないでしょうが、今はネットで添削してもらえるサービスはたくさんありますので、探してみて下さい。また、創賢塾でも徹底的な添削をしています。

(3)添削された完成版の作文を暗記する:暗記することで、自分の体験・考えが入った作文のストックを頭に蓄えることができ、本番でその知識が使えるようになります。暗記法は以下です。

【1日10回音読×10日=100回音読】

以上を週1つずつやっていけば、記述力がどんどん上達します。

一方、「書いて⇒添削してもらって⇒それを読む」だけでは、ほとんど上達は期待できません。上達する勉強法を習得しましょう。

6.終わりに

作文を苦手にする受験生が多いですが、上記のように勉強すれば、誰でも速やかに上達します。

ただ、正直言って、このページのようなたくさんの内容を自力で(あるいはご両親が指導して)習得していくのは難しいと感じる方も多いでしょう。

その場合は創賢塾にご連絡下さい。創賢塾の作文指導では、以上のような内容を、誰でも無理のない勉強時間で達成できるよう、システマティックに指導しています。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。皆様が所期の目的を達成されることをお祈り申し上げます。

創賢塾のホームページに書かれた国語・作文・意見文の勉強法を身に付けて成績を上げたい方のために【長期勉強法コース】を開講しています。【長期勉強法コース・短期セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。

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