最適な過去問勉強法


世界史論述対策として、過去問は最初から最後まで非常に重要です。なぜなら、過去問は、志望校の傾向を知り対策を立てる、傾向に合った答案の書き方を学ぶ、記述力・論述構成法を身に付ける、論述に必要な知識を得るなど、合格するために必要な能力・情報を習得するのに最適だからです。

このページでは過去問を習得し尽くして合格答案を書けるようにするための勉強法について、時系列で書いていきます。

1.初期:傾向と対策を知る

1.1.過去問分析の必要性

過去問分析は、受験勉強を始めたときから必要です。なぜなら、大学により傾向が全く違い、対策(勉強法)が異なるからです。

例えば、近代以降の政治史を主に出す大学だと最初から分かっていれば、通史の暗記を近代以降から始め、早期に論述対策を始められます。分かっていなければ、対策が遅れます。また、同時代の複数の地域間の政治史を出すことが多い大学だと分かれば、ヨコの歴史に注意して暗記していけます。

要するに、暗記の対象が分かっているのと、平均的に暗記するのとでは、半年後の結果が全く違ってくるのです。

1.2.過去問分析(1)傾向と対策

世界史の勉強は、誰でも通史の暗記から入ります。通史の暗記法(誰でもできる教科書の丸暗記法)についてはこちらに書いています。

論述がある難関大学志望者であれば、通史の暗記は、できれば2年の夏休み、遅くとも2年の終わりの春休みから始めたいものです。

通史の暗記を始めたら、それと並行して、過去問の傾向と対策を以下のようにまとめていきます。

(1)過去問まとめ帳:過去問の傾向と対策を「過去問まとめ帳」にまとめます。3~5年分。これは、ルーズリーフに縦線を引き、以下のような感じで書いていきます。

【16年大問1傾向と対策、キーワード、必要な俯瞰的知識|ネルチンスク条約に関連するロシア・清・イエズス会それぞれの事情、400字以内、タテとヨコの歴史の知識が必要。政治史。教科書範囲内の知識でOK。】

(2)まとめる内容

具体的には、以下をチェックします。

①問題形式:論述の長さ、資料の有無、資料の長さ、問題数、時間、用語を問う小問もあるか。
②時代・地域:出題された時代・地域。
③どういう知識が必要か:用語暗記でOKなのか、俯瞰的知識も必要か。
④タテ・ヨコの歴史:単独の地域のタテの歴史(因果関係)が問われるのか、複数の地域のヨコの歴史もか。事件の意義や時代の特徴が問われるのか。
⑤分野:出されるのは、政治史・社会経済史・文化史のどれが多いか。

※「俯瞰的知識」とは、「タテの歴史(流れ・因果関係)、ヨコの歴史(同時代の地域間の影響関係)、時代・指導者・文化の特徴、戦争・事件・宗教の意義」などを指します。論述問題では、用語の意味を問う問題以外は、ほとんどが俯瞰的知識を問う問題なので、俯瞰的知識の暗記が論述対策の主眼になります。

1.3.過去問分析(2)過去問・教科書分析

過去問の論述を書けるようにするのに、教科書類をどこまで暗記していけばよいかを調べます。具体的には以下のようにします。

過去問の問題・解答・解説を読み、「解くのに必要な知識(キーワード)」に印を付けます。次に、教科書類のそのキーワードの部分に下線を引き、「東大16-1(東大16年大問1という意味)」「W16-2(早稲田大学16年大問2)」などと書いていきます。

これを3~5年分続けると、教科書のどういう内容(意義・背景・因果関係・時代や指導者の特徴など)を、どこまで(太字だけでいいか、本文もか、欄外までか)暗記すればいいかが分かり、教科書類を暗記する意欲が高まります。

過去問分析の方法は詳しくはこちらに書いています。

2.通史の暗記後:最適な論述勉強法とは

2.1.最初の論述対策

通史の暗記が終わって、センター過去問やセンター模試で8割以上安定して取れるようになったら、論述の勉強を本格的に始めます。ただし、通史の暗記が途中でも、遅くとも夏休みから過去問には取り組み始めます。

最初の論述対策は、過去問を解き、模範解答と構想メモを暗記することです。

構想メモとは、「論述を書くのに必要不可欠なキーワードを整理して書いたメモ・設計図」のことです。論述を書く際に「構想メモ」を書くのは必須です。

2.2.最善の論述対策は「論述を書く」ことではない

過去問を解くのは分かると思いますが、「模範解答と構想メモを暗記する」って何? 何の意味があるの? と思われる方も多いと思います。

論述対策というと、普通は「実際に論述を書く」ことだと考えるでしょう。

しかし、違います。

なぜなら、ほとんどの受験生は、非常に低レベルの論述しか書けず、そういう人が論述問題集を使って論述を書き、書き方の理論を勉強しても、なかなか上達しないからです。

珍妙な解答の山

「判る!解ける!書ける!世界史論述」(河合塾、10ページ)より

河合塾が実施する「東大即応オープン」「京大即応オープン」「一橋大入試オープン」などの模試で論述問題を採点する時、私たちが遭遇するのは、珍妙な解答の山である

前後関係が逆であったり、因果関係が逆であったり、異なる時代と地域の事項が一文のなかで混在していたり、細かな事項や人名が、題意とは関係なくただ羅列してあったりなどなど。

超一流大学志望者でも、これが現実です。そしてこの原因は、「書き方(世界史論述構成法)」を知らず、「俯瞰的知識」(タテの歴史・ヨコの歴史・時代の特徴・出来事の意義)を覚えていないからです。

2.3.論述の間違った勉強法とその理由

(1)間違った勉強法:いきなり過去問や論述問題集の論述を書き、模範解答と解説を読み、理解したら次へ。復習は、しても1~2回。

(2)間違いの理由

①時間効率が悪い:書いても、論述構成法・記述力はなかなか上達せず、知識も覚えないので、時間が膨大にかかる割に、メリットが少ない。

②低レベル:書いても、論述に必要な知識(俯瞰的知識)もなく、論述構成法も分からないので、添削しようのないレベルの論述しか書けない。

③レベルが低すぎると書き方は習得できない:解説を読んでも習得すべきことばかりで、頭がパンクし、習得できない。ある程度書けるようになっていないと、論述構成法(書き方)は解説を読んでも習得できないので、ほとんど無意味。

④理解しても知識は増えない:解答・解説を数回読んで「理解」するだけでは、俯瞰的知識を習得できない。

2.4.論述の正しい勉強法と習得内容

(1)正しい勉強法:論述問題(過去問と論述問題集)の模範解答と構想メモを理解して暗記する。

(2)習得できること

①知識:論述に必要な知識(俯瞰的知識)を暗記できる。

②論述構成法:たくさんの合格答案(模範解答)を読み、暗記することで、「論述構成法(書き方)」が身に付いていく。

合格論述を書くのに必要な「論述力(論述構成法+記述力)」と「知識(俯瞰的知識)」を同時に習得できるので、論述対策初期は、過去問や論述問題集の模範解答・構想メモを100以上暗記するのが論述上達の近道になる。

③傾向と対策:志望校の傾向が分かり、対策ができる(論述が書けるようになっていく)。

④慣れ:志望校の傾向の問題に慣れて、当日、より安心して試験を受けることができる。

よって、論述対策のメインは、「論述を書くこと」ではなく、「論述問題の解答と構想メモを暗記すること」なのです

「論述問題780題を頭に叩き込んだ」

ブログ「一橋大学合格体験記:世界史論述勉強法」より

論述で問われる観点は大体決まっています。私は河合塾の論述用テキストを用いて、そこに載っている小論述240題ぐらいと、講師がプリントでくれる追加小論述240題ぐらい、大論述(400~600)を300題ぐらい頭に叩き込みました。すべていろんな大学の過去問です。

ここまですれば何を書けばいいか、が分かってきます聞き方が違っても、答えるところは一緒であることが多いです

よく考えれば、当たり前なんですが、教科書から逸脱した範囲は、論述ではほぼ出ません。一橋の大論述は、400字なのですが、私は小論述を組み合わせて解答を作り上げるようにしていました。

何度も言いますが大事なのは暗記です。暗記した知識をどういう風に使って点を稼ぐか、という点のみに頭を使います。知識を絞り出せなければ、手も足もでません。ですから、できるだけ数多くの小論述、問題に当たり、自分にストックしていきましょう。 

2.5.模範解答と構想メモの暗記、それぞれの長所

模範解答を暗記するときには、構想メモも一緒に暗記します。なぜなら、構想メモは俯瞰的知識の核心であり、それをより濃い記憶として暗記できるからです。

模範解答と構想メモの暗記には、それぞれ長所があります。

(1)模範解答暗記の長所

過去問のを含めて、模範解答を100問以上暗記すると、志望校の傾向が身をもって深く分かり、世界史の論述構成法が身に付き、記述力(国語力)も上がります。また、俯瞰的知識も記憶できます。

(2)構想メモ暗記の長所

一方、構想メモだけの暗記の場合、俯瞰的知識を、模範解答の暗記よりずっと短時間で暗記できます。「構想メモの暗記」とは、問題を見て、必要十分なキーワードが整理された構想メモが書けるようにするということです。

以上から、先ずは過去問10年分+論述問題集1冊分の模範解答と構想メモを暗記し、以後は過去問・論述問題集の構想メモを主に暗記するのがオススメです。

【(1)過去問直近10年分の模範解答・構想メモ暗記⇒(2)論述問題集1冊の模範解答・構想メモ暗記⇒(3)過去問直近20年分の構想メモ暗記⇒(4)論述問題集2冊目の構想メモ暗記】

3.過去問の模範解答暗記法

過去問の「模範解答・構想メモ」の暗記法は以下の通りです。簡単に書くと、以下です。

(1)書く:教科書類を参照しながら「キーワード⇒構成メモ⇒下書き⇒論述」を書く。
(2)自己添削:解答・解説を理解し、自己添削する。
(3)暗記:構成メモと模範解答を暗記する。

過去問の「模範解答・構想メモ」暗記法

(1)テーマと出題意図の把握:過去問は、論述勉強の初期でも、一応真剣に解きます。どうせ大した論述は書けないので、時間は少なめで。

設問と資料を数回よく読み、テーマと出題意図をしっかり把握し(※下記参照)、下線を引いたり、丸で囲います。

また、「構想メモ」の一番上に、テーマと出題意図を書いて、忘れないようにします。書いているうちに出題意図から外れていく人が多いので、要注意です。

(2)時代と国の限定:テーマと出題意図から、「年代」「国・地域」を限定します。

(3)キーワードを列挙:答案に入れるべきキーワードを、いわゆる「5W1H(※下記参照)」にのとって書き出します。

(4)構成メモにまとめる:キーワードを表形式や箇条書きの構成メモにまとめます(※下記参照)。

(5)教科書類を参照して「構想メモ」を完成させる:論述を書くときに知識の問題がない受験生はほとんどいないので、教科書類を参照するのはオススメです。

これで、教科書類(自分のメインの暗記本)のどういう部分を暗記すればいいかや教科書類の重要性が分かるようになります。また、自分の頭を使って調べることで、理解と暗記が進みます。

(6)下書きと論述を書く:構成メモを文章化して下書き(※下記参照)を書き、それをつないで論述を書きます。

ただし、書き方が全く分からなかったり、時間がかかるなら、初期には下書きと論述は省略しても構いません。論述勉強の初期~中期は、「論述を書く」より「模範解答を暗記して書き方と知識を蓄える」ほうに時間を使います。

以上を、過去問なら、大論述(300~600字前後)で15~30分、小論述(50~200字)で5~20分、論述問題集なら、その50~60%の時間で終えるようにします。ダラダラと論述を書く暇があったら、模範解答を暗記することに時間を使った方が、論述に必要な知識と論述構成法を身に付けるのに役立ちます。

(7)解答・解説を読んで理解する:解答・解説と設問を数回読んで、「なぜその解答が合格答案なのか」「出題意図と合致しているか」「設問と解答の対応関係」を十分理解(※下記参照)します。理解できないと暗記できないので、真剣に理解します。理解できないときは教科書類を適宜参照します。

そして、キーワード(論述に必須の情報)に印を付けます。

(8)自己添削:自分のキーワード・構想メモ・論述を自己添削します。特に、「出題意図」に合致していたかどうかをチェックします。出題意図を外せば、いくら知識があっても合格答案は書けませんから、これは非常に重要です。外していた場合は、なぜかを考え、どこを読み落としたのかを特定します。

(9)「構想メモ」を完成させる:過去問には普通、構想メモはないので、自分で書いた構想メモと解答・解説をもとに、構想メモを「世界史論述まとめ帳」にまとめ、完成させます。これを暗記用に使います。

具体的には、ルーズリーフに縦線を引き、左に設問、右に構想メモ、論述の解答などを書くか、上に設問、下に構想メモ、論述の解答などを書きます。

【16年大問2構想メモ|~~~】

(10)「構想メモ」を暗記する:構想メモの暗記は以下のようにします。これで誰でも長期記憶に入れられます。

【10回音読×10日⇒書き出して暗記を確認する】

(11)模範解答を暗記する:構想メモと並行して、模範解答を以下のようにして暗記します。例えば400字の論述なら1分で1回読めます。「1日400字1つ×10回」=10分。

【1日10回音読×10日⇒暗唱できる】

また、毎日模範解答を音読(※下記参照)する前に、資料・設問を1~3回黙読して、出題意図を理解します。どういう問題(出題意図)への解答かを意識しなければ意味がないからです。

4.模範解答暗記法の解説

4.1.テーマを把握する

テーマとは、「どういう事件・事柄についての出題か」ということです。

例えば、第一次世界大戦、ネルチンスク条約、イタリア・ルネサンス、イギリス・産業革命など。

4.2.出題意図を把握する

出題意図とは、テーマについて「何が問われているか、何を書く必要があるか」ということです。これは「論点(論述する必要がある問題点)」とも言います。

例えば、以下の青がテーマ、赤が出題意図です。

第一次世界大戦原因とそれがもたらした結果を述べよ(因果関係タテの歴史)」。
イギリス・産業革命インドの農業・手工業に与えた影響について述べよ(ヨコの歴史同時代の地域間の影響関係)」。
第一次世界大戦特徴をそれ以前の戦争と対比して述べよ」。
「ネルチンスク条約が結ばれた背景を述べよ」。
イギリス・産業革命の世界史的意義を述べよ」など。

世界史の論述では、テーマは把握しても、出題意図を外す受験生が多いのが実情です。両方をしっかり把握し、下線を引いたり、丸で囲って、意識しながら論述を書いていきます。

4.3.キーワードを過不足なく列挙する「5W1H」法

世界史論述では、キーワードを過不足なく列挙できるかが、一つのカギになります。その方法は、「5W1H」で書くことです。これにのっとってキーワードを書き出し、出題意図に合う内容を選べば、漏れがなくなります。

【5W1H:when(いつ:時代の限定)、where(どこで:国・地域の限定)、who(誰が)、what(何を)、how(どのように:経過)、why(なぜ:因果関係・背景)】

出題意図により、このうちの幾つかを書くことが必要になります。試してみて下さい。

4.4.キーワードと「構想メモ」の書き方

構想メモとは、論述を書く前に必ず書くべき、キーワードを表形式、もしくは箇条書きでまとめたメモ、論述設計図のことです。構想メモを適切に書ければ論述は半分書けたも同然です。それほど論述問題において構想メモは重要です。

例えば、問題が「ネルチンスク条約(1689年)が結ばれた背景を、ロシア、清のそれぞれについて述べよ。」であれば、以下のように書きます。

(1)キーワードを書く:関係なくても構わないので、とにかく思いつく限りキーワードを書いていきます。

「キーワード:ロシア、ピョートル1世、西欧化政策、……」

(2)構想メモを書く:キーワードを整理して、表形式、箇条書きやフローチャート(単語間の因果関係を矢印で結ぶ)で書きます。

例えば、複数の国・地域が関わる場合は、ヨコに国・地域、タテに時代順(関係国が多い場合はタテヨコ逆)の表に書いていくのがオススメです。以下のような感じです。

ロシア(ピョートル1世) 清(康煕帝)
西欧化政策⇒国力増大⇒勢力の伸張。 三藩の乱鎮圧+台湾の鄭成功一族を平定⇒中国統一
東方:毛皮貿易⇒シベリア経営、黒竜江沿いを南進⇒清と相対 北方:ロシア南下阻止⇒衝突を繰り返す、ジュンガル(モンゴル~中央アジア)と抗争
ロシアは清との交易を望んだ。 ⇒康煕帝はロシアとジュンガルが結ぶことを警戒⇒ロシアと講和

もしくは以下のように書きます。

◎ロシア(ピョートル1世):西欧化政策⇒国力増大⇒勢力の伸張。
 東方:毛皮貿易⇒シベリア経営、黒竜江沿いを南進⇒清と相対

◎清(康煕帝)⇒三藩の乱鎮圧+台湾の鄭成功一族を平定⇒中国統一
 北方:ロシア南下阻止⇒衝突を繰り返す、ジュンガル(モンゴル~中央アジア)と抗争
 ⇒康煕帝はロシアとジュンガルが結ぶことを警戒⇒ロシアと講和

4.5.構想メモが学べる論述問題集

構成メモの具体的例は、以下の論述問題集に書かれています。

判る!解ける!書ける!世界史論述 」(約190問、河合塾)

この問題集は非常に良くできていて、ほとんどの例題が見開き2ページで完結し、「問題・出題意図(問題の要求)・構成メモ・解説・模範解答」が見やすくまとまっています。この問題集の構成メモと模範解答を何度も読み、全部暗記すれば、構成メモと論述の書き方は大きく上達するでしょう。過去問の後の1冊目か2冊目としてオススメです。

世界史論述練習帳new」(約320問、中谷臣著、パレード)

この問題集も非常に良くできていて、多くの問題が見開き2ページで完結し、「問題・構成メモ・解説・模範解答」が割と見やすくまとまっています。過去問の後の1冊目か2冊目としてオススメです。

4.6.下書きと清書の書き方・注意点

(1)構想メモに書き足す:構想メモをもとに、それを文章化して下書きを書きます。設問が因果関係を問うているなら、因果関係について知っていることをどんどん書き足します。

(2)教科書類を参照:この段階でも、教科書類を参照して構いません。

(3)出題意図の確認:下書きが出題意図への解答になっているかを確認します。

(4)清書する:下書きの字数を数え、指定字数になるように意識しながら、清書を書いていきます。

(5)志望校の解答用紙:志望校の解答用紙の形式(原稿用紙形式か、枠のみか)を調べ、できればダウンロード・プリントアウトして、(志望校の過去問でなくても)志望校の形式でいつも書くようにします。もしくは、ノートで書く場合でも、志望校が1行25文字の場合、25字で書き、下の行もそれに合わせます。

(6)指定字数に合わせる技術:指定字数に収めるには技術・勘が必要ですが、これは「構想メモ⇒下書き⇒清書」を50~100回書けば、身に付いていきます。

4.7.模範解答を理解する

模範解答を暗記する前に「模範解答を理解する」ことは重要です。「模範解答を理解する」とは、「なぜそれが合格答案なのか」を理解するということです。

言い換えれば、「設問のどこからキーワード(その論述を書くのに必須の用語)が導き出されるのか」「設問のどの部分(出題意図)と、どの論述部分が対応しているのか」を理解するということです。

具体的には、「テーマ・出題意図・留意点・指定語句」などに注意しながら、資料・設問・模範解答・解説を数回読み、キーワードに印を付けます。次に、設問と模範解答を照らし合わせながら何度も読みます。必要に応じて教科書類を参照し、理解に努めます。

最終的に、「模範解答を自分が理解できたかどうか」は、設問を読んで、自力で、記憶と理解でキーワードとキーセンテンスを導き出せて、構成メモが書けるかどうかで、分かります。このとき、丸暗記では意味がありません。「なるほど。設問のここからこのキーワードを思いつけばよいのか」と理解します。

4.8.暗記は音読で

模範解答を暗記するときは黙読でも書くのでもなく、「音読」で行います。黙読より音読の方が暗記しやすく、書くより音読の方が短時間で暗記できるからです。

4.9.暗記するのにかかる時間

(1)過去問10年分の模範解答を13日(13時間)で暗記

例えば、志望校に、過去問1年分で2問合計400文字の論述問題がある場合、10年分暗記にかかる時間は、1回音読するのに1分、1日10回で10分、100回音読すれば暗記できますから、暗記まで1年分約100分(実際にはどんどん速く読めるようになるので約80分)。10年分で約13時間。10年分暗記するのに、仮に1日1時間かけたら、13日で終わります(個人の記憶力や読む速さに個人差がありますから、暗記できるまでの時間にも個人差があります)。

これで世界史の知識を再整理して暗記でき、解答に必要な文章構成法も記述力も上がるなら、やってみる価値はあるのではないでしょうか。

(2)「構想メモ」の暗記

構想メモは模範解答の3分の1程度の時間で暗記できますから、過去問20年分で10時間程度です。

「論述の解答は丸暗記してしまうくらい繰り返し読む」

白黒熊さん 東京大学法学部 ブログ「現役東大生が勉強法を解説」より

センター試験が終わってしばらく休んだら二次試験対策ですが、これもまた同じです。マークが記述に変わるだけです。
とにかく過去問を見て、解答を読み込みます。特に、論述の解答は丸暗記してしまうくらい、繰り返し読んでください。

「解答は暗記するくらい読み込んで理解する」

ブログ「一橋大学二次試験:世界史対策」より

(世界史の)一番スタンダードな勉強法は教科書をひたすら読み込むことと、一問一答形式の問題集や用語集を用いることにより、基本的な流れ、原因、出来事、結果、意義などを一通り覚えてしまいます。これだけでもセンター試験ならば8割はとれるようになります。……

基本的な知識や流れがわかってきたら、次は実際の過去問を解いてみることをオススメします。……

はじめのうちは400字を埋めることや、納得のいくような答案が書けないことでしょう。はじめから満足のいくような答案を書ける人はそうそういません。全然気にしなくて大丈夫です。

ですが、絶対に解きっぱなしにはしないでください。解答は暗記するくらい読み込んで理解しましょう。これが正解だ!と自分で判断するのも難しいと思うので、可能なら添削してもらいましょう。

「暗記するくらい」というのは曖昧ですね。暗記してしまいましょう。

5.論述対策後半:9月以降の過去問勉強法

4.1.過去問暗記後の復習法

過去問は10年分の「構成メモと模範解答」、20年分の「構想メモ」を暗記していきます。その後の過去問勉強法は以下の通りです。

簡単に言うと、(1)暗記の復習、(2)論述を書く、(3)添削を受ける、の3つです。

【過去問暗記後の復習法】

1.週1回暗記し直す

(1)毎週末に復習する:毎週末に復習日を設けて、覚えた模範解答と構想メモを暗記し直します。覚えたものは必ず忘れていくので、この復習を数ヶ月続けます。そうすると、完全な長期記憶に入り、常識になり、忘れなくなります。世界史ではこの「常識」をどれだけ増やせるかが勝負です。

(2)復習例:具体的には、例えば、土日に2年分ずつ解きます。その際、構想メモは書きますが、答えは口頭で言います(口頭再現法)。口頭の方が書くより短時間でチェックできるからです。このとき、模範解答そのままというより、その場で自分で構成し直す方が良いトレーニングになります。

2.週1問書く

以上とは別に、高3の9月あたりから、過去問や論述問題集の問題を週1~2個書いていきます。復習・初見の問題両方です。過去問は、理想的には、入試までに20~30年分を3~5回解きます。以下は過去問の復習の場合の解き方です。

(1)時間通り解く:まずは時間通り、自力で構成メモ・下書き・論述を書きます。このとき、暗記したままを書くのではなく、できるだけ覚えた知識をそのときの自分の最高の思考力を使って構成し直し、書きます。

(2)教科書類を参照:論述構成力を見るため、必要に応じて、教科書類を参照して構成メモと論述を書き直します。

(3)出題意図:自分の構成メモ・論述が出題意図に合致しているかを確認します。

(4)自己添削:解答解説を読んで、自己添削をします。俯瞰的知識・文章構成・日本語のミス・出題意図に合致しているかなどをチェックします。

(5)暗記:解答・解説・教科書類で、覚えておくべき知識を暗記します。「世界史論述まとめ帳」に一問一答式でまとめるのもオススメです。

3.週1回添削を受ける

現役生は3年の9月以降、書いた論述はできるだけ週1回程度、学校や塾の先生に添削してもらいます。添削を受けることで、自分では気づかなかった日本語のミス・構成上の稚拙さ・主語述語のねじれ・文法の間違い・用語の誤用・出題意図とのずれなどを指摘してもらえます。

(1)推敲する:添削を受ける目的は、「記述力・論文構成力」を見てもらうためです。知識不足・知識間違い・誤字脱字等があると先生に余計な手間を取らせるので、そういうことがないように、教科書類を参照し、3回は熟読し、推敲してから添削を提出します。

自力で論述を書く教科書類を参照して書き直す推敲提出

(2)初見の問題も添削を受ける:添削を受ける論述は、暗記した過去問や論述問題集でも、初見の問題でも構いません。両方を受けると良いでしょう。

(3)ラストスパート:センター試験後は毎日1年分解くなどし、またできるだけ多く添削を受けます。

6.過去問を繰り返し解く理由

同じ問題が出ないのに、過去問を何度も解く理由は以下の通りです。

6.1.解くプロセスを習得するため

自分が受験するときの入試の論述に最も近い問題は志望校の過去問なので、論述を解くときの思考過程・解くプロセスの練習をするのに過去問は最適です。

つまり、過去問と自分が受験するときの入試問題は、内容は違えど、問題の「(資料の長さ・問題文の形式・要求される俯瞰的知識の広さや深さ・難易度・文字数・キーワードが提示されているかどうかなど)」は同じなので、良い練習台になります。

具体的には、過去問を何度も解くことで、問題文と資料をどう読み(出題意図やキーワードに印を付けるなど)、どういう順番で解き、どのくらいの時間で構成メモを書き、字数を実際に書くのにどのくらいの時間がかかるかなどを、身に付けていけます。

6.2.論述構成法と記述力を鍛える

同じの論述を何度も書くことで、論述構成法と記述力を鍛えることができます。

6.3.同じテーマが出題される

多くの大学で、同じようなテーマや事項が出題されます。過去10年分は出ないでしょうが、20~30年分をさかのぼると、似た内容が出ることは多いのです。よって、過去問はできるだけ多くの年度を解き、模範解答を暗記しましょう。


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