漢文の成績を飛躍させる勉強法


1.漢文の成績を飛躍させる勉強法:句法記憶と音読

1.1.漢文の基礎を盤石にするには「スラスラ状態」にすれば良い

漢文は、訓読でき(書き下し文として読めて)、文の意味が分かれば、問題は解けます。現代文のようにひねった問題は基本的に出ません。
では、どうやったら、初見の漢文でも訓読でき、文の意味が分かるようになるかというと、それは、学習した漢文を全て、以下の3つの状態になるまで習熟することです。

(1)漢文をスラスラ訓読できる(書き下し文に読める)
(2)漢文をスラスラ口頭で訳せる
(3)訓読(音読)してスラスラ意味が分かる

このような状態を私は「スラスラ状態(瞬時に意味が分かる状態)」と言っていますが、「スラスラ状態」にすると、長期記憶に入り、数ヶ月以上忘れなくなります。

これは英語を読んで意味が分かる過程と同じです。学習した英文を一つ一つ「スラスラ状態」にし、「長期記憶に入れ」、そういう英文を30英文ほど積み重ねることで、初見の英文もスラスラ読めて、スラスラ意味が分かるようになります。

漢文も、句法問題集、漢文教科書、漢文問題集、過去問などを学習するとき、「問題を解ける」ようにするだけでなく、「漢文(問題文)そのものをスラスラ読めて意味が分かる」ようにします。そうしなければ、いつまでたっても、漢文の意味が曖昧なまま、何となく読み、推測で解く域から抜けられないからです。

そして、「スラスラ読めて意味が分かる」漢文(200文字程度)が30文を超えたとき、明らかな変化があり、「初見の漢文でもスラスラ読んで理解できる」ようになります。

1.2.漢文を「スラスラ読めて意味が分かる」状態にする方法

では、漢文を「スラスラ読めて意味が分かる」状態になるまで習熟するには、どういう学習が必要なのでしょうか。
それは以下の3つです。

(1)句法を音読で暗記する
(2)重要語句を暗記する
(3)漢文を30文×50回音読する

これができれば漢文の基礎は完成です。あとは過去問を解いて傾向に合った対策をすればOKです。

(4)センター試験対策
(5)難関大学試験対策

これらについて、以下で詳しく学習法を説明します。

2.句法を音読で暗記する

2.1.句法暗記法

句法は句法問題集の例文を音読して暗記していきます。
漢文は古文や英語同様、語学ですから、「音読」が有効です。句法の例文や漢文(問題文)を50回前後、理解しながら訓読(音読)していくことで、重要語句や文法を覚えられ、漢文が読めるようになっていきます。
音読50回といっても、一気に1~3日で50回ではなく、「1日5回×10日」のように日を分けます。1~3日で覚えたものは短期記憶にしか入らず、すぐに忘れてしまうからです。
具体的には以下のようにします。

【句法暗記法】

(1)訓読できるようにする:句法例文を(訓読⇒書き下し文で読みを確認し音読⇒訳を音読)×5回

(2)和訳できるようにする:口頭和訳3回⇒5回音読(訓読)

(3)次の例文も同様。最後まで進む(1周終わり)。

(4)以上を10周復習

例:(1)[然ラバ則チ(訓読)⇒しかラバすなはチ(書き下し文で確認し音読)⇒そうだとすると(訳を音読)]×5回
(2)そうだとすると(口頭和訳:漢文を見ながら訳を言う)×3回⇒然ラバ則チ(音読)×5回

これだけ見ると複雑そうですが、やってみると簡単で、時間もかかりません。
要は、記憶すべき表現・漢文を全て「漢文を見てスラスラ訓読(音読)できる、スラスラ口頭で訳せる、音読してスラスラ意味が分かる状態」にします。

2.2.オススメ句法問題集

句法問題集は、見やすく、やりやすそうな問題集を1冊選びましょう。見やすいかは好みなので、ネット書店で評判の良い問題集をピックアップし、実際に書店で見て、好みで選べばよいでしょう。
以下の2冊は私から見てやりやすい問題集です。

「三羽邦美の漢文教室」(旺文社)
「漢文ヤマのヤマ」(三羽邦美著、学研)

「漢文教室」が個人的にはオススメです。前半の句法部分は、漢文・書き下し文・訳が見やすく並び、音読しやすくできていて、後半の実践編の故事成語の長い漢文も、短く区切られていて、訳も見やすくできていて、音読して記憶しやすいからです。

授業などで漢文の基礎がある人は、以下の問題集を使えば、句法から入試レベルの知識まで習得することができます。

「漢文早覚え速答法」(田中雄二著、学研)
「センター漢文解法マニュアル」(三羽邦美著、ブックマン社)

3.重要語句の暗記

入試漢文に頻出する単語・熟語・接続語を覚えておくと漢文の勉強がはかどります。重要語句は総計150前後で、句法の例文や漢文の音読をしていれば、新たに覚える必要のある重要語句は100前後ですから、まとめて覚えます。
以下のような問題集にリストがありますから、【1日100個音読暗唱で覚える×10日連続】など、完全記憶するまで覚え続けます。
数が少ないので、覚えやすいように、一問一答式の単語集を作って覚えても良いでしょう。

「センター漢文解法マニュアル」(三羽邦美著、ブックマン社)
「漢文 頻出22ポイントで合格を決める」(文英堂)
「センター試験のツボ 古文・漢文」(桐原書店)

4.漢文を「30文×50回音読」する

4.1.「30文×50回音読」すれば初見の漢文もスラスラ理解できるようになる

句法を覚えた後は、教科書、実力養成用の問題集、過去問など、自分の状況と志望校、実力に合った問題集の漢文で、200字程度の漢文にして30文、以下のように音読して習得すれば、初見の漢文もスラスラ読めてスラスラ理解できるようになります。そうすれば漢文の成績は急上昇します。

高校1~2年生であれば、授業で扱った漢文はできるだけ全て、50回音読します。そうすれば「漢文をスラスラ訓読できて、スラスラ訳せる」ようになるので、成績はトップクラスになるでしょう。
音読する場合は、「漢文・書き下し文・訳」が一目で見えるレイアウトになっていないとやりにくいです。その点、以下の参考書は音読がしやすくなっています。

「理解しやすい漢文」(文英堂)
「三羽邦美の漢文教室」(旺文社)
「教科書と教科書ガイド」

4.2.漢文音読法

以下は漢文の標準的な音読方法です。回数や日数などは自分の記憶力やスケジュールに応じて変更して結構です。最終的に最短で「漢文を見てスラスラ訓読できる、スラスラ口頭で訳せる、スラスラ音読できる、音読してスラスラ意味が分かる状態」になれば、方法は問いません。

【最も効果のある漢文音読法】

(1)漢文全体の意味を完全に理解する
(2)~(4)漢文をテン・マルなどの意味のまとまりごとに[訓読する⇒書き下し文で読みを確認し音読する⇒訳を音読する]×3回
(5)[訓読⇒訳を音読]×3回
(6)次のまとまりへ⇒1文全体終わり
(7)~(9)1文全体の訳を3回読む⇒全体を口頭和訳3回⇒全体を5回音読(訓読)
(10)以上を10日連続

【最も効果のある漢文音読法:詳説】

(1)漢文全体の意味を完全に理解する:漢文、書き下し文、訳、語句解説等を読み、文法と語句の意味を完全に理解します。

(2)テン・マルなどの意味のまとまりごとに、漢文を音読で訓読する:「意味のまとまり」とは、テンやマルで区切られた5~10字前後の意味のまとまりのことです。長ければテンで、短ければマルで、5~10字前後で区切ります。
「訓読」とは、返り点に従って日本語(古文)として読むことです。訓読したら、書き下し文になります。
漢文はまず正しく訓読できるようにする必要があるので、漢文を音読で訓読します。

(3)書き下し文で読みを確認し音読する:訓読の読み方が正しいかどうか、書き下し文で確認します。間違えていれば正しく訓読できるように何回か訓読します。

(4)訳を音読する:訳を読んで意味を理解し、訳を記憶します。以上(2)~(4)を3回繰り返して、スラスラ訓読でき、意味を理解できるようにしていきます。

(5)[訓読⇒訳を音読]×3回:3回前後「訓読し訳を音読」します。正しく訓読でき、意味を記憶したら、次のまとまりへ進みます。

(6)最後まで進める:次のまとまりを同じように音読し、最後まで進めます。

(7)全体の訳を3回読む:全体の意味を理解し、記憶します。

(8)全体を口頭和訳3回:漢文を口頭で訳していきます。テンやマルのまとまりごとに訳を確認します。分からなければすぐに訳を見て確認します。3回連続で訳すことで訳がスムーズにできるようにします。翌日以降(1)~(9)を10回前後復習することで「スラスラ口頭で和訳できる」ようにします。

(9)全体を5回音読(訓読)する:理解しながら5回ほど音読します。「理解しながら音読」する方法は以下の通りです。

【漢文を発音しながら、頭の中で訳を言いながら、イメージしながら、理解しながら、音読する】

漢文は現代の日本語とは違うので、読んでそのまま十分に理解することはできません。十分理解しながら読むには、覚えた日本語訳を、頭の中で言いながら、音読する必要があります。言い換えれば、この前段階で訳を読んで覚えたり口頭和訳をしたのは、音読の段階で頭の中で訳を言えるようにするためでもあります。

(10)以上を10日連続行う:1つの漢文を10日連続で音読することで、スムーズに訓読・口頭和訳・音読ができるようになり、意味や漢文そのものも記憶できます。これで一つの漢文をマスターできます。

(11)30漢文を同様にマスターする:200字の漢文にして30文を同様に50回音読すると、初見の漢文でも、スラスラ訓読できて、スラスラ意味が分かるようになり、漢文の成績が急上昇します。

ただし、以上の回数には個人差があります。音読回数は30~100回、スラスラ読めるまでの漢文数は20~50文くらいになります。また、読める漢文数が増えるにつれ、回数は減らしていけます。

4.3.漢文50回音読で達成できること

(1)音読した漢文がスラスラ状態になる

漢文音読の目的は、「漢文を見てスラスラ訓読できる、漢文を見てスラスラ口頭で訳せる、スラスラ音読できる、音読してスラスラ意味が分かる状態」=「スラスラ状態」にすることです。
1つの漢文を「1日5回×10日」などのように音読していくと、誰でもその漢文についてはスラスラ状態にすることができます。

(2)「30文×50回音読」すると初見の漢文がスラスラ理解できる

200字程度の漢文にして30文ほどをスラスラ状態にすることで、初見の漢文でもスラスラ訓読でき、スラスラ理解することができるようになります。なぜなら、同じ漢文はありませんが、重要語句・文法は30漢文でほぼ網羅できるので、初見の漢文でも、語句・文法的にはほぼ同じものだからです。

(3)白文が読めるようになる

50回以上音読すれば、その文は白文でも読めるようになり、それを30文積み重ねれば、白文を読む問題も感覚的にスラスラ解けるようになります。

センター試験を含めて大学入試では白文を読ませる問題が出ます。音読していけばほぼ解けるようになりますが、安全を期して、以下の問題集で練習をしておくと、確実に解けるようになります。品詞や文構造を把握して白文を容易に読めるようにする方法を習得できます。

「センター試験必勝マニュアル国語(漢文)」(東京出版)
「漢文 頻出22ポイントで合格を決める」(文英堂)
「センター試験のツボ 古文・漢文」(桐原書店)

【体験談】

「古文と漢文の勉強法が分かりました」

Nさん 高2 神奈川県

創賢塾では各教科の勉強法を教わっていますが、今回の中間テストで古文・漢文が9割を超えましたので、これについて書いていきます。

古文・漢文は前から苦手で、1学期の期末試験が共に4割前後と悲惨な結果になり、先生に勉強法を相談したところ、
(1)教科書の試験範囲の古文・漢文を全て50回以上音読して暗記する。
(2)学校で先生が解説したり、ガイドに載っている語句・文法を全て一問一答式にまとめて全部暗記する。
(3)古文文法問題集、漢文句法問題集を10周して完璧に覚える。
この3つをやれば満点も狙えるよということでした。

確かに、これをやれば確実に点数が上がるのは理解できたので、夏休みに毎日1時間ずつ、問題集を進め、2学期に扱うであろう古文・漢文の音読をしていきました。

結果として、夏休みに古文文法&句法問題集は10周でき、今回の中間試験までに、音読も試験範囲を100回ずつしました。そして9割を超えました。

2ヶ月ほど勉強してみて、古文・漢文の勉強法が分かりました。文章の意味も格段に分かるようになりました。勉強では「何をどうやってやるか=勉強法」が大事だということがよく分かりました。ありがとうございました。

成績がいい子はみんな「10回くらいはやっている」

「きめる!センター現代文」船口明著 406ページ

先日ある生徒が落ち込んだ顔で僕を訪ねてきました。「理科が苦手で、どうしても成績が上がらないんです……」。彼はこう言います。「テキストは復習して内容は理解してます」「問題集で演習もしました」「それなのに上がらない」と。

僕は聞きました。「問題集は何回やったの?」。「項目にもよりますが、間違ったところは2回、解けたところは1回です」。なるほど。そりゃあそうです。それでは成績が上がるわけがありません。

勉強は「繰り返し」で成績が上がっていくものです。

かつて、ある超難関国公立大の医学部に現役合格した女の子は言いました。「私は『天才』なんかじゃないんです。K君みたいに、授業の復習をして問題集を1回解いただけで出来るようになるっていう子もいます。ああいう子は確かに天才です。でも私、理科も数学も10回くらい繰り返して、やっとできるようになるんです。だから私は天才じゃありません。」

僕は「はっ」としました。彼女はずっと全国模試の成績が一ケタ台だった子です。正直、そこまで繰り返しているとは思っていなかった。でも、彼女は、「10回やって」その順位にいたんです。しかも彼女は、周りの友達も、成績がいい子はみんな「10回くらいはやっている」って言うんです。

どうでしょう。皆さんは「天才の勉強法」になっていませんか。

才能がないんじゃない、繰り返しが足りないだけです。だからできないと嘆く前に、何度も繰り返す。5回やってダメなら10回やればいい。10回でダメなら15回やればいいんです。


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