英語勉強法(3)英語の成績を飛躍的に上げる音読の極意


英語の成績を上げるのに最も役立つ勉強法は「音読法」と「瞬間英作文(例文暗記法)」と「英単語熟語暗記法であり、創賢塾の英語指導ではこの3つを中心に指導し、大きな成果をあげています。

音読と瞬間英作文は、大人の英語上級者(英検1級保持者やTOEIC900点以上)には効果の高さがよく知られ、実践されている勉強法ですが、中高生で実践している人はごくわずかです。よって、実践すれば速やかに成績は上がっていきます。

このページでは具体的な音読法について書いていきます。

1.音読の目標

1.1.音読の3つの目標

音読の3つの目標

(1)英文を習得する①和訳スラッシュ訳でスラスラ和訳できる。

(2)英文を習得する②音読90%の理解度で分速150ワード以上で音読できる。

(3)長期記憶に入れる:2ヶ月以上復習して長期記憶に入れ、入試時に使える記憶にする。

1.2.スラッシュ訳とは

スラッシュ訳とは、「英文を3~5ワード前後の意味のまとまりで、前から前から訳していく」方法です。

スラッシュ訳は英語通訳も実践している正統的な英語勉強法です。スラッシュ訳をすると、音読でも黙読でもリスニングでも、英語を英語の語順でスラスラ理解できるようになります。スラッシュ訳の詳しいやり方は以下に書いています。

1.3.「90%の理解度」とは

創賢塾では、学習した英文は全て、90%以上の理解度で音読できるようにしてもらいます。「90%の理解度」とは以下のような状態を指します。

(1)100%の理解度:日本語訳を読んだときの理解度を100%とする。

(2)90%の理解度:日本語訳を読んだとき程ではないが、「英語としてはほぼ完璧に理解できる状態」。言い換えれば、最初から最後まで、「日本語訳が瞬時に思い浮かびながら音読できる状態」。

(3)70%の理解度:分からない部分が10%ほどあり、理解も少し遅れる。

(4)50%の理解度:分からない部分が20%ほどあり、理解も遅れる。

(5)30%の理解度:分からない部分が30%ほどあり、よく分からない状態。

もちろん、以上の数値は「だいたい」です。それほど厳密に考える必要はありません。

1.4.分速150ワードとは

300ワードの英文なら2分で読める速度のことです。一般に、既習の英文を分速150ワードで読めれば、高校生としてはかなりの速読と言えます。

英文を30~60回前後音読すれば、普通は分速150ワード以上で読めるようになります。

1.5.長期記憶とは

記憶には、短期記憶(数時間~数週間で忘れる記憶)、中期記憶(数週間~数ヶ月もつ記憶)、長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)の3種類あります。

全ての記憶は最初、短期記憶に入り、睡眠をはさんで7回以上復習すると中期記憶に入り更に2ヶ月以上復習すると長期記憶に入ります

全ての勉強は入試で使えるようにするためなので、必要な知識を全て長期記憶に移すことが勉強の目的になります。創賢塾の勉強法・暗記法・復習法は全て、長期記憶に入れることを目的に組み立てられています。

1.6.音読の回数の目安

3つの目標を達成するための音読回数の目安は、初週「1日5回×7日=35回」、次週から「週20回×8週間(160回、総計約200回)」です。

例えば、コミュ英語教科書の場合、テストまでにトータル50~100回ほど音読し、テスト後2ヶ月間復習して長期記憶に入れます。

ただ、実際には次のテストや行事もあり、2ヶ月間フルに20回は難しい場合も多いと思います。よって、テスト前2~3週間はテスト範囲だけの音読にし、テスト後や夏休み・冬休み・春休みなどに復習を続け、トータルで200~300回を目指します。

そこまでやれば、長期記憶に入って受験まで理解と記憶を維持でき、「英語のまま理解できる」ようになり、英語速読ができ、圧倒的に英語の成績が上がります。

英語の成績をダントツにしたかったら200~300回以上(毎日1~2時間以上)、偏差値を5~10上げたければ50~100回(毎日30~60分)、定期テストだけでも点数を10~20点上げたければ30~50回の音読をします(毎日15~30分)。

一レッスンを500回音読した英語同時通訳の神様

(英語同時通訳の神様と言われた、國弘正雄著「英語の話しかた」19ページ、たちばな出版)

いささか私事にわたって恐縮ですが、私がかつて英語を習い始めた中学一年の頃、……恩師の本村武雄先生は、英語を習う一番よい方法は、中学の一年のリーダー、さらに二年三年のリーダーを、声を出して、繰り返し繰り返し読むことである、と言われました。

当時の私は非常に純真な生徒でしたから、木村先生の言われることを実に愚直なまでに実行したのです。時あたかも戦争中で、今とちがってテレビもなければ英語のラジオ講座もない諸事不便な時代でした……が、幸い教科書だけはありました。

そこで、これを声を出して繰り返し読んだのです。おそらく一つのレッスンについて平均500回、課によっては1000回も読んだだろうと思います。

戦争が終わったのは中学三年のときで、当時私は神戸におりました。やがて米英軍が進駐してきたのですが、子供心にも何とか自分の勉強してきた英語を使ってみよう、と思って進駐軍兵士に話しかけたところ、驚くなかれ、こちらの言うことが相手に通じるだけでなく、相手の言うことも、中学三年生としては驚くほどよくわかったのです。

この個人的な体験にもとづいて、私は声を出し、反復して読むことこそが、外国語を勉強するうえで、もっとも効果的な方法であると信じています。

1.7.音読の最終目標は「英語を英語のまま理解できる」ようにすること

普通の高校生でも「英語を英語のまま理解できる」ようにすることは可能です。方法は以下の2つがあります。

(1)100~200回以上音読する:以下のように、理解しながら、音読を50回、100回、200回と音読を続けると、最初は【英語⇒日本語訳⇒意味(ニュアンス、視覚的イメージ)⇒理解】と理解していたのが、だんだんと、【英語⇒意味⇒理解】になります。

 すると「英語を英語のまま理解できる」ようになります。これがいわゆる「英語回路」ができた状態です。

(2)易しい英文を多読する:高3なら中2~高1レベルの英文を毎日30分(3000ワード)以上黙読します。易しい英文なら、自然に英語のまま読めるので、「中2英語教科書200回音読⇒中3⇒高1⇒高2⇒高3コミュ英語教科書200回音読」などと徐々にレベルを上げれば、英語のまま読める箇所が増えていきます。

 もしくは「ラダーブック(小説などを易しい単語を使って書き直した本)」を読む方法もあります。毎日3000ワードを1年続ければ約100万語になります。ここからこの多読法を「100万語多読」といいます(詳しくはSSS英語多読研究会のホームページを参照)。これを1~3年続ければ多くの人が「英語を英語のまま読める」ようになります。

意味を理解して音読せよ

著名英語講師・安河内哲也、「上智大学での講演」にて。東洋経済オンライン

(聴講生の英語音読の後)皆さんの音読を聞いていると、意味を考えないでただ声に出しているという感じの人が多いですね。本来文章を読むというのは、「書き手が言わんとする意味をとらえる」という行為ですよね?? 

なのに、表面だけなぞってしまう音読やリピーティング、シャドウイングをする人が多いのです。

音読学習のひとつの大きな目標は、日本語を介在させずに英語の意味を直接とらえることができるようになることです。なのに、意味を考えずに音だけマネしていても、この目標は達成できませんよ。それでは、意味を考えながら、センスグループ(引用者註:3~5ワードの意味のまとまり)ごとにもう一度音読してください。

1.8.日々の音読時間の目標

音読は毎日30分以上するのが望ましい。「毎日30分×3ヶ月」以上音読を続けると明らかな効果が出てきます。それは、音読した英文だけでなく、初見の英文でも「英語が理解できる」という感覚です。

英語の成績をダントツにしたかったら毎日1~2時間以上、偏差値を5~10上げたければ毎日30~60分、定期テストだけでも点数を10~20点上げたければ毎日15~30分の音読をします。1日15分以下では、なかなか効果が出ません。

1.9.音読教材

音読する教材は、高校生の場合、コミュ教科書と英文解釈書が中心です。高3で英文解釈書を終えたら、センター試験過去問、英語長文問題集、志望校過去問の英文を音読します。学校が配る英語長文教材があればそれもやって構いませんが、なかなかそこまで手が回る生徒はいません。

(1)コミュ教科書:テストまでに、最低「20回口頭和訳+35回音読」、できるだけ50~100回音読します。そして、テスト後も学年の終わりまで復習し続け、学年の終わりの時点で、教科書の全ての英文について、「習得=スラッシュ訳でスラスラ和訳でき、90%の理解度で分速150ワード以上で音読できる状態」を維持します。

 コミュ教科書には、その学年で習得すべき英文法・英単語熟語・構文が網羅されていますから、文字通り習得して次の学年に行けば、成績は飛躍的に上がります(普通はテスト時に習得しても、テスト後復習しないので、学年の終わりには元の理解度に下がっています)。

(2)英文解釈書:英文解釈書とは、大学受験の英語長文に出される、理解しにくい文法項目(仮定法・分詞構文・倒置など)を網羅した以下のような英語長文問題集のことで、これで「SVOCM+和訳」を書き、「口頭和訳+音読」をして習得することで、難関大学レベルの英文を初見でスラスラ理解できるようになります。

 大学受験の初見の英語長文を読めるようにしたかったら、英文解釈は必須です。英文解釈については詳しくは【英語勉強法(5)英文解釈】に書いています。

「基礎英文解釈の技術100」「英文解釈の技術100」(CD付き、桐原書店)
「横山雅彦の英語長文がロジカルに読める本」(超難関大学レベルまで、中経出版)
「英文解釈教室」「同 入門」「同 基礎」(伊藤和夫著、研究社)
「ビジュアル英文解釈1&2」(伊藤和夫著、駿台)
「英文読解入門基本はここだ!」「ポレポレ英文読解プロセス50」(西きょうじ著)
「英文読解の透視図」(篠田重晃著、研究社)
「構文把握のプラチカ―英文解釈」(河合塾)

2.具体的音読法

英文習得のための具体的音読法】

【初週「3回口頭和訳⇒5回音読」×7日】⇒【「週7回口頭和訳+20回音読」×2ヶ月以上】

(1)完全に理解する:英文を文法的に完全に理解し、個々の英単語熟語の意味も正確に把握します。理解できない文法・英単語熟語があれば辞書・総合英語で調べたり、学校や塾の先生、友人に聞いて完全に理解します。理解できない箇所を何回音読しても理解度は上がらず、ムダです。

(2)口頭和訳【一文ずつ、スラッシュ訳で「1日3回×7日」口頭和訳】⇒【毎週7回×2ヶ月以上】

 ①最初は1文ずつ3回、慣れたら1ページ通して1回口頭和訳する:1文ずつ3回スラッシュ訳で和訳すれば、3~5日前後で、スラスラ和訳できるようになります。全文1回でスラスラ和訳できるようになれば、通して1回口頭和訳をするだけでOKです。

 口頭和訳の回数の目安:スラスラ和訳できるまで初週20回前後、以後は毎週7回です。

(3)音読【「理解しながら1文ずつ5回音読」×7日】⇒【「週20回1ページ通して音読」×2ヶ月以上】

 ①理解しながら音読する方法【日本語訳を頭の中で言いながら、情景をイメージしながら、音読する】

 ②音読回数の目安:90%の理解度分速150ワード以上で音読できるようになるまで、上記のように30~50回以上音読し、それを維持し長期記憶に入るまで2ヶ月以上復習します。

 ③最初は1文ずつ5回音読、慣れたら1ページ通して5回音読:1文ずつの音読を7日前後行えば、音読1回目で「90%の理解度で音読できる」ようになります。そうすれば、1ページの音読に切り替えます。

 ④音読回数の目標:35回⇒100回⇒300回。

 音読は初週35回前後、以後は週20回前後で、コミュ英語の場合、テストまでに100回を目指し、テスト後も年度末まで音読を続け、200~300回を目指します。

(4)音声を聴く:音声がある場合は、正しい発音で音読するため、また、リスニング能力を上げるため、別途、必ず音声を聴きます。逆に言うと、できるだけ音声付きの教材を音読します。

3.口頭和訳の詳細勉強法

3.1.口頭和訳の目標:英文全体をスラスラ口頭和訳できるようにする。

口頭和訳とは、文字通り、英文を口頭で(声に出して)和訳していくことです。口頭和訳を何十回もするのは、スラスラ訳せるようにするためです。

英文を訳せなかったらテストでも高得点は取れませんし、音読して意味が分かるはずがありません。また、詰まり詰まり、あるいはゆっくりしか訳せなければ、音読時に理解が追いつかず、訳をすぐ忘れます。よって、スラスラ和訳できるようにします。

定期テストのとき、「スラスラ訳せるようにする」ことすらしない高校生が多いことに驚きます。勉強した英文さえスラスラ訳せるようにしないで、入試の初見の英文をどうやってある程度のスピードで理解することができるというのでしょうか。

ぜひスラスラ訳せるまでやってみて下さい。3ヶ月続ければ、英語の理解力が断然違ってきます。

3.2.最初は1文ずつ行う

1ページなどを通して3回訳しても、なかなかスラスラ訳せるようにはなりません。「1文ずつ3回」口頭和訳して、2~4日続ければ、スラスラ和訳できるようになります。スラスラ訳せるようになれば、通して1回和訳するだけで結構です。

3.3.口頭和訳はスラッシュ訳で行う

スラッシュ訳(3~5ワード前後の意味のまとまりで、前から前から訳す方法)で口頭和訳すれば、英語の語順で理解できるので、速読・速聴が可能になります。また、音読中にスラッシュ訳を頭の中で思い浮かべることができるので、音読・黙読で意味が明確に分かるようになります。

スラッシュ訳をしないなら、「返り読み(関係代名詞節や形容詞句の後置修飾など、後ろから前に掛かる場合に、後ろから先に訳す方法)」を行うことになり、音読で意味が分かりにくく、読むのが遅くなり、リスニングも上達しません。ちなみに、日本人が「返り読み」をするのは英語と日本語の語順が違うためです。

音読は左から右に読むのに、途中で返り読みをすると、目の動きが逆になり(左⇒右⇒左⇒右……)、遅くしか読めません。

3.4.口頭和訳の回数の目安

回数の目安は1日3回ですが、全体のスラスラ度を等しくするため、各英文により回数は変えます。つまり、スラスラ訳せる文は1~2回、スラスラ訳せない文はスラスラ訳せるまで2~5回、口頭和訳します。

口頭和訳の回数は、(スラスラ訳せるようになるので)日が経つにつれ、「3回⇒2回⇒2回⇒1回」などと減らしていきます。

4.スラッシュ訳

4.1.スラッシュ訳とは

3~5ワード前後の意味のまとまりごとに、前から前から訳していくのをスラッシュ訳、3~5ワード前後の意味のまとまりごとに、前から前から読んで理解していくのをスラッシュ・リーディング、フレーズ・リーディングなどと言います。

スラッシュ訳は、英語通訳トレーニングのサイト・トランスレーション(sight translation)と同じです。すなわち、スラッシュ訳は効果が実証された英語勉強法なのです。

スラッシュ訳はアメリカ人やイギリス人の英語ネイティブが行っている読み方です。アメリカ人は返り読みなどしていません。

4.2.スラッシュ訳のやり方

スラッシュ訳をするときは、口頭和訳や音読時に、3~5ワード前後の意味のまとまりごとに、前から前から訳していきます。以下のような感じです。

The other team was / one of the best / in the tournament.
もう一方のチームは / ベストのチームの1つでした / トーナメントで。

(通常訳)もう一方のチームはトーナメントでベストのチームの1つでした。

4.3.スラッシュ訳の効果

(1)英文速読:スラッシュ訳をすることで、英文を、返り読みすることなく、前から前から読むことができるようになり、英文を速く読めるようになります。これにより英文速読が可能になります。

(2)英文が理解しやすくなる:長く複雑な英文の場合、何カ所も返り読みをして理解しようとするより、アメリカ人のように、素直に前から前から読む方が、ずっと理解しやすく、速く読めます。

(3)リスニングが飛躍的に上達する:リスニングのとき、音は現れては一瞬で消えていきます。このとき、「返り聴き」はできません。音が現れた順番に理解しなければ意味は分かりません

 スラッシュ訳を音読時に習熟し、リスニングやシャドーイング時にも前から前から理解できるようにトレーニングしておくと、初見のリスニング・テストのときにも「前から前から素速く理解する」ことができるようになります。よってリスニングが飛躍的に上達します。

4.4.スラッシュ訳の載った教材が増えている

最近では、例えば以下のように、英文解釈書・英語長文問題集・教科書ガイドにもスラッシュ訳が載っているものが増えています。使える英語を身に付けるためにはスラッシュ訳は必須なので、当然です。

「大学受験 英文解釈の技術100」シリーズ(CD付き、桐原書店)
「大学入試 英語長文ハイパートレーニング」シリーズ(CD付き、安河内哲也著、桐原書店)
「イチから鍛える英語長文700」シリーズ(CD付き、内川貴司著、学研)
「教科書ガイド 啓林館版 エレメント English Communication」(文研出版)

「中学英語レベル別問題集」シリーズ(CD付き、安河内哲也著、東進)
「ハイパー英語教室 中学英語長文」シリーズ(CD付き、安河内哲也著、桐原書店)
「高校入試 実戦!英語長文はこう読む!!」(富士教育出版社)
「高校受験 英語長文を論理的に読み解く本」(中経出版)
「教科書ガイド トータルイングリッシュ」(学校図書)
「教科書ガイド サンシャイン」(開隆堂)

5.音読の詳細勉強法

5.1.口頭和訳と同様、音読も最初は1文ずつ行う

1ページなどを通して5回音読しても、なかなかスラスラ理解しながら音読できるようにはなりません。「1文ずつ5回」音読して、それを5~10日続ければ、90%の理解度で音読できるようになります(英文の難易度、英語力により回数は異なります)。

ゆっくりで構わないので、90%の理解度で音読できるようになれば、1ページを通して5回音読します。

1日の回数の目安は5回ですが、初日は10~15回やってスラスラ音読できるようにするのも、良い方法です。

全体のスラスラ度を等しくするため、実際には各英文により回数を変えます。つまり、簡単な文は1~3回、難しい文は4~7回前後音読します。

5.2.理解しながら音読する方法

英文を音読するとき、「理解しながら音読すること」を意識している人は少ないですが、理解をおろそかにしたら決して「90%の理解度で英文を理解しながら音読できる」ようにはなりません。具体的には、以下のように音読します。

【理解しながら音読する方法】

(1)標準方法【英文を読みながら、同時に(あるいは少し遅れて)、スラッシュ訳の日本語訳を頭の中ではっきり言いながら、音読する】

 「日本語訳を頭の中ではっきり言う」とは、頭の中で訳をつぶやくことです。人は誰でも頭の中で独り言を言っています。それを意図的に言うのです。

 英文を読みながら「頭の中で日本語訳を言う」のは今までしたことのない複雑な頭の働かせ方なので、難しいです。最初からこれができない人は、スラッシュ訳の区切りごとに音読を止め、頭の中で日本語訳を言って、また音読を進める、というふうにするとできるようになります。

 ただし、desk(机)のように英語のまま理解できる英単語は、英語のままで構いません。音読を続けると、英語のまま理解できる英単語が増えていきます。

 そして、これがスムーズにできるようになったら、イメージを付け加えます。

(2)上級方法:【英文を読みながら、スラッシュ訳の日本語訳を頭の中で言いながら、情景をイメージしながら、音読する】

 「イメージできる=理解できる」ということなので、絶対にイメージも追加した方が良いです。瞬時に理解できるようになります。

書かれている場面を視覚的にイメージすると理解度が上がりますから、できるだけイメージします。

「英語を理解するとは単語や情景をイメージすること」

「英語の話しかた」(同時通訳の神様・國弘正雄著、たちばな出版、78ページ)

the moon という文字を目にしたら、「月」という漢字ではなく、実際のお月様の姿を思い浮かべるのが、意味を理解するということです。……

音読を繰り返すことによって、英語の語順に従って(※引用者註:スラッシュ訳で)、心の中に絵が描けるようになってきます。また、是非ともそうならなければなりません。……

英語を理解するときは、<英語⇒イメージ>です最初は<英語⇒日本語⇒イメージ>でもしかたないでしょうが、だんだんと中間の日本語を外していく努力をしてください。只管朗読(※引用者註:ただひたすら音読をすること)でそれが可能です。……

イメージを鮮明にしていくという心構えは是非とも必要です。

5.3.日本人が英語を理解する3つの方法

日本人が英語を理解するとき、「理解」する方法は以下の3つしかありません。

(1)英語を英語のまま理解する

(2)イメージで理解する:英語を視覚的イメージや個々の言葉の関連知識をイメージする(思い浮かべる)ことで理解する

(3)英語を日本語で理解する

アメリカ人などの英語ネイティブが「英語を英語のまま理解できる」のは、「各英単語・英熟語・英文法の意味(定義)を英語で、ある程度説明できる(別の言葉で言い換えられる)か、イメージできる(例えばmoonを見たら月が視覚的にイメージできる)」からです。

それは、日本人が日本語文の中に入っている語彙の意味を日本語で説明できる(別の言葉で言い換えられる)から、「日本語を日本語のまま理解できる」のと同じです。各英単語の意味を英語で説明できないなら、英語を英語のまま理解できるわけはありません。

よって、普通の日本人の高校生は、最初は「英語を日本語で理解する(英語を日本語に言い換える)」必要があります。それが上で説明した「日本語訳を思い浮かべながら英文を音読する」方法です。

「音読では日本語訳や文法事項を思い浮かべながら読むこと」

松田直樹、東大経済学部3年(「現役東大生たちが実践している合格のための勉強法」ブックマン社、100ページ)

「語学を勉強する時は、音読をするべきです。自分の場合、英語で定期テストがあるときは、2週間くらい前からひたすら教科書を音読していましたね。

そのときのコツは、ただ読むだけでなく、日本語訳や文法事項を思い浮かべながら読むこと。それなりに回数をこなせば、もはや自分の中に英語が染み込んでくるんですちょっと感覚的で分かりにくいかもしれませんが、一度体験してみると病みつきになりますよ。」

こうやって感覚的に身に付けた記憶は、定期テストが終わったあともなかなか忘れない。実力テストなどの際にも役立つ。「本物の語学力」として脳に定着していくことになる。

このかたは自分で工夫してこの方法を思いついたのでしょう。普通は「何も考えないで」ただ英語を読んでいます。

「理解して音読していますか」と高校生に聞くと、一様に「……」。何も考えずに読んでいるのです。あなたはその轍を踏まないようにしましょう。

5.4.「90%の理解度」を維持して徐々に速く読めるようにする

90%の理解度で音読するには、日本語訳を同時に思い浮かべる必要があり、これを最初は丁寧に行います。そうするとゆっくりしか音読できませんが、それで構いません。

「ゆっくり音読して90%の理解度⇒中速度で音読して90%の理解度⇒高速で音読して90%の理解度」のように、90%の理解度を維持しつつ、音読回数を増やして速く読めるようにします。

もう少し細かく音読と速度の関係を書くと、以下のようになります。

1文ずつ音読35回前後⇒ゆっくり(分速50ワード前後で)音読して90%の理解度になる⇒1ページ通して音読30~40回前後⇒中速度で(分速100ワード前後で)音読して90%の理解度になる⇒1ページ通して更に音読30~40回(合計100回)前後⇒高速で(分速150ワード以上で)音読して90%の理解度になる」

逆に、理解を犠牲にして先にスピードを上げて音読し、それを続けても、理解度はなかなか上がりません。

5.5.普通の高校生の英文理解度は30~50%

創賢塾で教え始めたばかりの中高生に教科書の既習の英文を音読してもらい、理解度を自己申告してもらうと、最初は「70~90%の理解度」と言う生徒は多い。しかし、上記の「理解しながら音読する方法」を教えて、再度最初の音読時の理解度を問うと、ほとんどの生徒が、理解度は「30~50%くらいだった」と言います。

なぜこのようなギャップが生じるのかというと、学校でも塾でも、音読の重要性は教えて、実際にさせている先生でも、「理解しながら音読する方法」は一切教えていないからです。「理解しながら音読しよう」とさえ言いません。不思議なことです。ただ音読しろと言うだけなのです。

学習した英文でさえ40%の理解度なら、入試の英文は10~30%の理解度でしか読めないでしょう。漠然としか理解できないのです。これでは合格点を取るのは難しいでしょう。

創賢塾は違います。必ず、教科書や長文問題集、英文解釈書など、学習した英文は全て、90%以上の理解度で音読できるようにしてもらいます。そうすることで、入試の初見の英文も、ある程度の速さで、70~80%の理解度で読めるようになるのです。

つまり、目の前にある教材の英文を90%の理解度で読めるようにすることが、英語長文の成績を上げるカギ、音読の極意なのです。

5.6.日を分けて音読すべき理由

初週に35回音読する場合、1~2日で35回音読するのではなく、7~10日に分けて音読した方が脳に定着します。それは、1~2日だけ勉強しても「短期記憶(数時間~数週間もつ記憶)」にしか入らないからです。

脳は7~10回以上入ってくる情報を「生命にとって重要な情報」だと判断して「中期記憶(数週間~数ヶ月もつ記憶)」に移します。

しかも、その回数は1日に10回覚えてもダメで、7~10日に分けなければなりません。なぜなら、睡眠をはさんで7~10回以上入ってきた情報を、脳は「生命にとって重要」と判断し、中期記憶に入れるからです。1日に10回覚えても1回としかカウントしてくれないのです。

これは脳科学的に決まった事実なので、あなたが変えることはできません。よって、皆さんはこの事実をうまく利用し、【「1日3回口頭和訳+5回音読」×7日】のように分散して音読していきましょう。

なお、中期記憶から長期記憶に移すには、2ヶ月以上の復習が必要です。よって、できるだけ音読も2ヶ月以上の復習をします。そうすれば、入試でも今勉強している内容が使えます。

6.毎週500ワードの英文を習得する

6.1.音読する英文の量の目標

創賢塾では生徒に、毎週500ワード分の英文を新規で習得し、それを2ヶ月以上復習して長期記憶に入れるよう指導しています(500ワード≒コミュ教科書1レッスン分)。

そうすれば、高1で「500ワード×50英文」、高1~2で「500ワード×100英文」、高1~3で「500ワード×150英文」が長期記憶に入った状態で入試を受けられます。これだけ習得している受験生は1%以下ですから、無敵の状態で入試を迎えられます。

なお、500ワードといっても、一続きの英文である必要はありません。「教科書300ワード分、英文解釈書200ワード分」などでも構いません。

6.2.難関大学レベルの英文を読めるようにするには

高校3年生や浪人生が難関大学、超難関大学の英文を読めるようにするには、以下のように音読していきます。

(1)センター試験レベルの英文を初見で読めるようにする:高3教科書やセンター試験レベルの英文で、「500ワード×20英文」を習得する。

(2)難関大学レベルの英文を初見で読めるようにする:センター試験レベルの英文20編+難関大学レベルの英文20編(合計40編)を習得する。

(3)超難関大学レベルの英文を初見で読めるようにする:40英文+超難関大学レベルの英文30編(合計70編)を習得する。

 これは平均的な数字なので、入試まで増やし続けます。多ければ多いほどスラスラ読めるようになり、偏差値も上がり、合格可能性も上がります。

「君の英語号は空へ舞い上がれるか?」

清水かつぞー(元・駿台予備校講師、ベストセラー「英単語ピーナツ」シリーズ著者)(國弘正雄著「英語の話しかた」87ページ、たちばな出版)

わからない単語が1ページに10もあり、一つひとつ辞書を引く。そのあとで一生懸命にノートに日本語訳をでっちあげる。授業中に教師が言う訳を参考にして、自分の訳を訂正する。文法的な説明その他も全てノートする。家に帰って、少し復習して、それでおしまい。

もし君が英文解釈(引用者註:英語長文)でこのような勉強法をしていたら、残念ながら長文を何題やろうが、あまり実力はつかないだろう。残酷な話だが本当だ。それはちょうど、飛行場の滑走路をグルグル回っているジェット機のようなものだ。地面を滑走し続けるだけで、空に舞い上がることは永遠にない。……

それ(引用者註:英語の加速度を生み出すもの)は「スラスラ感」なのである。「この英文はスラスラわかるぞ!」という感じなのである。そうなのだ。英文解釈の勉強とは、スラスラわかる英文を1つずつ作り上げていくことなのだ。……

「スラスラ感」を味わうためには、地道に音読を繰り返すという復習が欠かせない。ほとんどの生徒がそこから逃げようとする。いや、そのことに気づきもしない。教師もその必要性を教えない。……

ところが、たった3題の長文でも、君が日本語を読むときの「スラスラ感」の半分くらいを英語でも感じることができれば、飛躍の可能性が生まれてくる。最初から量を焦ってはいけない。「スラスラ感」さえ獲得すれば、量はあとから、あっという間についてくる。……大学入試の長文読解は、最高レベルの生徒でもせいぜい100題だ。

■質問1 どんな英文を対象にするのですか。高校の教科書でもよいのですか。

自分の志望校レベルの長文が対象です。高校の教科書でももちろん結構です。生徒さんは、入試問題ではないという理由だけで、高校のリーダーを軽く見ます。読めもしないくせに軽くみる。それは間違いです

■質問2 何回くらい音読するとスラスラ感が味わえますか。

100回くらいと言いたいのですが、まあ50回というところが、受験勉強としての現実的な数字でしょう。最初の2,3題は3桁の回数(引用者註:100回以上)になるかもしれません。

■質問3 実際に100題やれた生徒はいますか。

私の知っている範囲ではおりません。最高で75題です。

■質問4 一番少ない人で何題くらいですか。

10題程度で大学生になった人もかなりおります。15題で上智に合格した人もいる

ここで「15題」というのは「志望校(上智大学)レベルの長文」が15題ということであり、その前に当然、高1~3年の長文教科書、センター試験レベル~上智レベルの英語長文を50~100回音読して習得しておく必要があります。

6.3.リスト化して復習を忘れずに行う

毎週500ワードの英文を増やしていったら、10週間で10英文になります。このくらいになると、自分の頭で復習を管理することができなくなります。

10以上の英文のうち、どの英文を次にいつ復習するかを、漏れなく把握するには、以下のように英文をルーズリーフにリスト化するのがオススメです。

【3年コミュ教科書レッスン3(約540W)|6/21、90%にした(T35回)|6/28、今週20回音読(T55回)|7/3、今週20回音読(T75回)……】

ルーズリーフに縦線を引き、左に教材名、右に復習した日付、回数、トータル音読数などを書いていきます。「540W」とは「540ワード」、「T55回」とは「トータル55回」という意味です。

ルーズリーフを見て、毎週2~4回、合計20回前後音読していきます。リスト化することで、どの英文をいつ復習したか、いつ復習するべきか、が一目で分かります。

6.4.音読の効果

「毎日30分×3ヶ月」以上音読を続けると明らかな効果が出てきます。それは、音読した英文だけでなく、初見の英文でも「英語が理解できる」という感覚です。

また、スラッシュ・リーディング(3~5ワード前後の意味のまとまりで前から前から読んでいく読み方)に慣れるので速読できるようになり、リスニング能力も上がり(聴く順番に理解できるから)、英文中の英単語熟語の意味を暗記できます。

音読の効果については【音読のすごい効果】に書いています。

「英文を数十回繰り返して読むことが言語の学習では絶対に必要」

「英語長文ハイパートレーニング レベル1」安河内哲也著、桐原書店、8ページ

一つの長文をきちんと勉強してマスターするということは、皆さんが思っているより、ずっとずっと大変なことです。答えが合っていたとか、主語・述語がわかるとか、そのようなことを安易にゴールに設定してはなりません。

常に、英文の内容を音読する速度で、100パーセント完全に理解できることをゴールに学習を進めれば、皆さんの読解力は確実にアップします

一つの英文をマスターする過程では、その英文を数十回繰り返して読むことが言語の学習では絶対に必要です。

7.リスニングとシャドーイング

7.1.リスニングを音読とセットでトレーニングする理由

創賢塾では、コミュ教科書のような、音声のある教材を30~50回以上音読して、CDの音声と同等以上のスピードで読んでも90%の理解度で音読できる状態」になったら、それをリスニング(&シャドーイング)してもらいます。すると、「意味が分かっている教材をリスニングする」ので、すぐに「英語を聴いて意味が分かる」ようになります

「聴いて意味が分かる」英文の数を増やすことで、リスニングは上達しますので、コミュ英語教科書や英文解釈書の音読した英文は、極力、【リスニング+シャドーイング】をしましょう。リスニングはバスや電車の中、歩いているとき、勉強の合間などにもできますから、復習にも打って付けです。

リスニングは大学入試でも実施されていますから勉強する必要がありますが、リスニングだけのためにリスニング教材で勉強するのは効率が悪くなります。なぜなら、その教材を理解し、音読しなければ、聴いてもなかなか理解できず、時間がかかるからです。

7.2.毎日10分リスニング&シャドーイングする

リスニング+シャドーイングを、交互に毎日10分行います。【今日リスニング⇒明日シャドーイング⇒明後日リスニング】のような感じです。

7.3.リスニング&シャドーイング回数の目安

リスニング&シャドーイング回数の目安は合計30回ですが、目標は、「全ての単語を聴き分けられて(聴解力)、90%の理解度で聴ける状態(理解力)」です。この回数になるまで、30回でも50回でも聞きましょう。

そうなれば、あとはその音声を散歩中や休憩時間に聞き流すだけで復習ができ、理解度もどんどん深まります。

7.4.シャドーイングとは

シャドーイングとは【音声を聴きつつ、その音声に少し遅れて、まねて発音するトレーニング】です。ネイティブの音声(発音・強勢・リエゾンの音声変化・高低・間の空け方等)を完コピします。テキストは最初見ても構いませんが、だんだん見ないでシャドーイングします。

シャドーイングは「聴く・理解する・話す」の3つを同時にトレーニングする方法です。

7.5.シャドーイングの実際

こんな感じ↓です。

(音 声) Please give me some advice.

(学習者) (0.2秒後)Please give me some advice.

7.6.シャドーイングの効果

シャドーイングをすると、発音(強勢・リエゾンの音声変化・高低・間の空け方等)・リスニングが上達します。

シャドーイングを継続して現れた効果

シャドーイングを始めて3年(英語通訳・翻訳者 えいみさん

・考えなくてもスラッと口から出る英語が格段に増えた
・発音やイントネーションを褒められることが多くなった
・TOEIC程度のリスニングなら苦労しなくなった

シャドーイングでリスニング力がアップするなんて、このころは知らずにやっていました。(笑)

リスニング(黙って聞いているだけ)よりシャドーイングの方がずっとリスニング力アップに役立ったと思います。

【終わりに】

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。音読はあなたの英語の成績を飛躍的に上げます。ぜひ実践してみてください。

この文章が皆様の英語力アップに役立てば幸いです。


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