英語勉強法(3)英語の成績を飛躍的に上げる音読・シャドーイング・リスニング


英語の成績を上げるのに最も役立つのは「音読」と「例文暗記(瞬間英作文)」です。創賢塾の英語指導では、音読時に、シャドーイング+リスニング+瞬間英作文もセットでトレーニングします。それが英語力と英語の成績を効率よく飛躍させるからです。このページでは音読セットの具体的な勉強法について書いていきます。

1.音読トレーニング・セット

創賢塾では音読・シャドーイング・リスニングをセットで練習することを「音読トレーニング・セット」と呼んでいます。

音読は以下のようにすると、最速で英文を理解し、暗記し、長期記憶に入れることができます。もちろん音読だけでも著効がありますが、シャドーイングやリスニングをセットでトレーニングすると、リスニングや速読に大きな効果があります。

必要音読回数は、個人の英語力と音読経験により大きな差があり、10回でマスターできる人もいれば、100回かかる人もいます。偏差値55以下の人は、最初は100回くらいかかる人が多いので、ここでは100回にしてあります。

[音読トレーニング・セットの実際]

(1)理解英文を文法的に完全に理解する。

(2)音読:音読は以下のように行う。

 【日本語訳を3回音読⇒3回口頭和訳⇒10回音読】

口頭和訳はスラッシュ訳で行う。音読は理解しながら行わないと効果がゼロ。理解しながら音読する方法は以下の通り。

 【理解しながら音読する方法:日本語訳を頭の中で言いながら、情景をイメージしながら、音読する】

(3)CDを聴く:正しい発音で音読するため、別途、必ずCDを聴く。

(4)次々進めるその日の時間まで続ける。1日の音読時間は30分以上が望ましい。

(5)100回音読次の日から10日連続で(2)音読を繰り返す(合計30回日本語訳を読み、30回口頭和訳をし、100回音読する)。回数の目安は「スラスラ読めてスラスラ理解できる状態」になるまで。

(6)シャドーイング50回を過ぎたら音読はシャドーイング5回+音読5回にする。

(7)リスニング100回音読の後、リスニングを30回する。意味がスラスラ分かる英文をリスニングすることで、すぐに、聴いてスラスラ理解できるようになる。

 【音読70回⇒シャドーイング30回⇒リスニング30回】

(8)瞬間英作文:100回音読して暗記した英文で瞬間英作文(日本語訳から英作文するトレーニング)をする。これは必須ではないが、ここまで習熟すれば定期テスト・受験では無敵になる。

(9)50英文以上を100回音読する教科書やセンター試験レベルの英文で、300ワードの英文にして30英文を「スラスラ読めてスラスラ理解できる状態」にするとセンター試験レベルの英文を、
プラス難関大学レベルの英文20編(合計50編)で難関大学レベルの英文を、
プラス超難関大学レベルの英文20編(合計70編)で超難関大学レベルの英文を、初見でスラスラ読めるようになる。目指せ100英文!

以下では音読トレーニング・セットの解説をしていきます。

2.理解

理解していない英文を読んでも役に立ちません。曖昧なところが残っていると単なる丸暗記になり、別な箇所で少しでも変化した英文が出ると意味が分からなくなります。つまり、応用の利かない記憶になります。

よって、音読する英文は文法的に完全に理解しましょう。

3.日本語訳を音読する

日本語訳を音読する理由は、日本語訳を覚えるためと、日本語で意味を完全に理解するためです。

英語を訳すだけでは表面的な理解にとどまることが多いので、しっかり日本語訳を読んで意味を理解します。

4.口頭和訳

4.1.口頭和訳とは

口頭和訳とは、文字通り、英文を口頭で(声に出して)和訳していくことです。口頭和訳をするのは、スラスラ訳せるようにするためです。口頭和訳を20~30回繰り返すと、誰でもスラスラ訳せるようになります。

4.2.口頭和訳はスラッシュ訳で行う

口頭和訳をするときは必ず、スラッシュ訳(3~5ワード前後の意味のまとまりごとに、前から前から訳していく方法)で行います。

スラッシュ訳をせず、返り読みをしていると、音読でスラスラ読めるようにはならないからです。音読は左から右に読むのに、途中で返り読みをすると、目の動きが逆になり(左⇒右⇒左⇒右⇒右⇒左⇒右……)、遅くしか読めないのです。

4.3.口頭和訳の回数の目安は【その場でスラスラ訳せる】まで

回数の目安は【その場でスラスラ訳せる】までです。4~10日続ければ、難しい文でもスラスラ訳せるようになります。

必要回数は文章の難易度や個人の英語力により異なり、自分にとって難しければその場でスラスラ訳せるまで5回でも7回でも口頭和訳します。逆に、簡単な文なら、1~2回でも構いません。

5.スラッシュ訳

5.1.スラッシュ訳とは

スラッシュ訳とは、フレーズ・リーディングとも言い、これは英語通訳トレーニングのサイト・トランスレーション(sight translation)と同じです。すなわち、スラッシュ訳は効果が実証された英語勉強法なのです。

スラッシュ訳はアメリカ人やイギリス人の英語ネイティブが行っている読み方です。アメリカ人は返り読みなどしていません。

5.2.スラッシュ訳のやり方

スラッシュ訳をするときは、口頭和訳や音読時に、3~5ワード前後の意味のまとまりごとに、前から前から訳していきます。以下のような感じです。

The other team was / one of the best / in the tournament.
もう一方のチームは / ベストのチームでした / トーナメントで。

(通常訳)もう一方のチームはトーナメントでベストのチームでした。

最近では、例えば以下のように、英文解釈書・英語長文問題集・教科書ガイドにもスラッシュ訳が載っているものが増えています。良い傾向です。

「大学受験 入門英文解釈の技術70」シリーズ(桐原書店)
「大学入試 英語長文ハイパートレーニング」シリーズ(安河内哲也著、桐原書店)
「イチから鍛える英語長文700」シリーズ(内川貴司,武藤一也著、学研)
「教科書ガイド 啓林館版 エレメント English CommunicationⅠ」(文研出版)

「中学英語レベル別問題集」シリーズ(CD付き、安河内哲也著、東進)
「ハイパー英語教室 中学英語長文」シリーズ(CD付き、安河内哲也著、桐原書店)
「高校入試 実戦!英語長文はこう読む!!」(富士教育出版社)
「高校受験 英語長文を論理的に読み解く本」(中経出版)
「教科書ガイド トータルイングリッシュ」(学校図書)
「教科書ガイド サンシャイン」(開隆堂)

5.3.スラッシュ訳の効果

(1)英文速読:スラッシュ訳をすることで、英文を、返り読みすることなく、前から前から読むことができるようになり、英文を速く読めるようになります。これにより英文速読が可能になります。

(2)英文が理解しやすくなる:長く複雑な英文の場合、何カ所も返り読みをして理解しようとするより、アメリカ人のように、素直に前から前から読む方が、ずっと理解しやすく、速く読めます。

(3)リスニング上達:リスニングのとき、音は現れては一瞬で消えていきます。このとき、「返り聴き」はできません。音が現れた順番に理解しなければ意味は分かりません

スラッシュ訳を音読時に習熟し、シャドーイング時にも前から前から理解できるようにトレーニングしておくと、リスニングのときにも「前から前から理解する」ことができるようになります。よってリスニングが飛躍的に上達します。

6.音読

6.1.音読回数の目安

音読回数の目安は【スラスラ読めて、意味がスラスラ分かる状態】もしくは【文章を完全に暗記する】までです。本人がどこまで習得したいかによります。

回数には個人差が大きいので、自分の適性回数の見極めが必要です。偏差値55以下の人は合計100回やった方が良いでしょう。30回で完全に記憶できてスラスラ読めてスラスラ意味が分かる人は30回で結構です。

6.2.音読の区切り

最初は記憶しやすいので「一文ごと」に音読していきますが、20~40回音読してスムーズに口頭和訳・音読できるようになったら、「段落ごと」にし、更に50~70回を超えたら「文章全体を一気に」音読します。

7.理解しながら音読する方法

7.1.音読する高校生のほとんどは理解しながら音読していない

音読している高校生は少なからずいますが、「しっかり理解しながら音読している」人はほとんどいません。「しっかり理解しながら読む」とは、例えば以下のようにして読むことです。

「音読では日本語訳や文法事項を思い浮かべながら読むこと」

松田直樹、東大経済学部3年(「現役東大生たちが実践している合格のための勉強法」ブックマン社、100ページ)

「語学を勉強する時は、音読をするべきです。自分の場合、英語で定期テストがあるときは、2週間くらい前からひたすら教科書を音読していましたね。

そのときのコツは、ただ読むだけでなく、日本語訳や文法事項を思い浮かべながら読むこと。それなりに回数をこなせば、もはや自分の中に英語が染み込んでくるんです。ちょっと感覚的で分かりにくいかもしれませんが、一度体験してみると病みつきになりますよ。」

こうやって感覚的に身に付けた記憶は、定期テストが終わったあともなかなか忘れない。実力テストなどの際にも役立つ。「本物の語学力」として脳に定着していくことになる。

このかたは自分で工夫してこの方法を思いついたのでしょう。普通は「何も考えないで」ただ英語を読んでいます。

「理解して音読していますか」と高校生に聞くと、一様に「……」。何も考えずに読んでいるのです。

ちなみに、「英語を理解しながら読む」とは、「英文構造や英文の意味を瞬時に理解して読む」ということです。

7.2.理解しながら音読する方法

ではどうすれば英語を理解しながら読めるのかというと、以下のように音読します。

【理解しながら音読する方法】

(1)標準方法:【英文を読みながら、同時に、スラッシュ訳の日本語訳を頭の中で言いながら、音読する】

英文を読みながら「頭の中で日本語を言う」のは今までしたことのない複雑な頭の働かせ方なので、難しいです。最初からこれができない人は、意味の区切りごとに音読を止め、頭の中で日本語訳を言って、また音読を進める、というふうにするとできるようになります。

そして、これがスムーズにできるようになったら、最終的には以下のようにするのがベストです。

(2)理想形:【英文を読みながら、日本語訳を頭の中で言いながら、情景をイメージしながら、音読する】

「イメージできる=理解できる」ということなので、絶対にイメージも追加した方が良いです。瞬時に理解できるようになります。

「英語を理解するとは単語や情景をイメージすること」

「英語の話しかた」(同時通訳の神様・國弘正雄著、たちばな出版、78ページ)

the moon という文字を目にしたら、「月」という漢字ではなく、実際のお月様の姿を思い浮かべるのが、意味を理解するということです。……

音読を繰り返すことによって、英語の語順に従って、心の中に絵が描けるようになってきます。また、是非ともそうならなければなりません。……

英語を理解するときは、<英語⇒イメージ>です。最初は<英語⇒日本語⇒イメージ>でもしかたないでしょうが、だんだんと中間の日本語を外していく努力をしてください。只管朗読(※引用者註:ただひたすら音読をすること)でそれが可能です。……

イメージを鮮明にしていくという心構えは是非とも必要です。

8.シャドーイング

8.1.シャドーイングとは

シャドーイングとは【音声を聴いて理解しながら、その音声に少し遅れて付き従うように音読するトレーニング】です。できるだけネイティブの音声を真似て発音します。

シャドーイングは「聴く・理解する・話す」の3つを同時にトレーニングする方法です。

8.2.シャドーイングの実際

こんな感じ↓です。

(音声)      Please give me some advice.

(学習者)        Please give me some advice.

シャドーイングには、(1)テキストを見ながらのシャドーイングと、(2)見ないでするシャドーイングがあります。前者の方が易しいので、初めはテキストを見ながらシャドーイングをします。慣れたらテキストを見ないシャドーイングに移行します。

8.3.シャドーイングを入れるタイミング

シャドーイングは、20~60回音読して「CDの音声より速く読んでも意味が理解できる状態」になってから追加します。

理解できずにいくら聴いたりシャドーイングしても、意味は理解できるようにはならず、意味が分からないままシャドーイングするのは時間の無駄だからです。

8.4.シャドーイングの効果

シャドーイングをすると、発音・リスニングが上達します。

♠シャドーイングを継続して現れた効果
 ~シャドーイングを始めて3年(英語通訳・翻訳者 えいみさん

・考えなくてもスラッと口から出る英語が格段に増えた
・発音やイントネーションを褒められることが多くなった
・TOEIC程度のリスニングなら苦労しなくなった

「シャドーイングでリスニング力がアップするなんて、このころは知らずにやっていました。(笑)
リスニング(黙って聞いているだけ)よりシャドーイングの方がずっとリスニング力アップに役立ったと思います。」

9.リスニング

9.1.リスニングを音読とセットでトレーニングする理由

音読+シャドーイングを30~100回したあと、できるだけ同じ英文を、リスニングします。

音読+シャドーイングをした教材をリスニングすると、「意味が分かっている教材をリスニングできる」ので、すぐに「英語を聴いて意味が分かる」ようになります。「聴いて意味が分かる」英文の数を増やすことで、リスニングは上達しますので、英文解釈や長文読解で理解した英文は、極力、【音読+シャドーイング+リスニング】しましょう。

リスニングはセンター試験でも実施されていますから勉強する必要がありますが、リスニングだけのためにリスニング教材で勉強するのは効率が悪くなります。そうではなく、教科書や英語長文問題集など、勉強した教材でシャドーイング、リスニングをすれば、意味も分かっていますから、効率良くリスニング能力を飛躍させることができます。

9.2.リスニング回数の目安

リスニング回数の目安は30回ですが、目標は、「全ての単語を聴き分けられて(聴解力)、スラスラ意味が分かる状態(理解力)」です。この回数になるまで、30回でも50回でも聞きましょう。

そうなれば、あとはその音声を散歩中や休憩時間に聞き流すだけでどんどん理解度が深まります。

10.瞬間英作文

10.1.暗記していたら、瞬間英作文はすぐできるようになる

音読による英語教材習得の7段階】にも書いているように、100回音読して暗記した英文は、瞬間英作文(日本語訳から英文を瞬間的に言う英作文トレーニング)することを強くオススメします。理由は、暗記していたら瞬間英作文はすぐにできるようになること、瞬間英作文はもの凄い効果があることです。

10.2.瞬間英作文のすごい効果

英語教科書や英文解釈書、英語長文問題集を暗記した上で瞬間英作文すると、深い深い記憶になって完全に長期記憶に入り、受験の時まで忘れず、受験時に使える知識になります。その知識は英語長文読解・英作文・リスニングで使えます。

学んだ英文の多くを暗記する高校生は10人に一人もいないでしょう。瞬間英作文となると20人に一人もいないでしょう。よって、音読時に瞬間英作文まで記憶を深めれば、20人に一人の英語力(偏差値65以上)を身に付けることができます(偏差値65は上位7%前後)。

【最後に】

このページでは【英語勉強法(3)英語の成績を飛躍的に上げる音読・シャドーイング・リスニング】について解説しました。

この続編、【音読・シャドーイング・リスニングの目標と効果】はこちらで解説しています。

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