受験勉強法(5)数学が苦手な人のための受験勉強法


このページでは、数学が苦手な(偏差値40~55前後の)中学生が、「どのようにして高校受験を乗り切るか」を書いていきます。

具体的には、3年夏休みまでに既習範囲の総復習を終わらせ、夏休みから、塾に頼らず自力で(もしくは塾で)先取りをし、入試で数学が足を引っ張らない程度に(もちろん、可能なら得意科目に)していく方法を書きます。

1.数学が苦手な人の受験勉強法

1.1.「数学が苦手な人」とは

このページで「数学が苦手な人」というのは、だいたい、「偏差値40~55」前後の人を想定しています。

偏差値50~55の人でも、数学はあまりよく分かっていないです。

「数学偏差値40~55」前後の人が、どうやって受験で数学が足を引っ張らなくするかを書いていきます。

1.2.数学が苦手な人の受験勉強方針

受験勉強の方針は以下になります。

【数学が苦手な人の受験勉強方針】

(1)勉強時間を増やし、勉強法を変える

 ①【成績=勉強時間×効率的な勉強法×能力】:この中で一番変えやすく、成績に影響があるのは勉強時間なので、まずは勉強時間を増やします。

 勉強時間を増やすとき、「1時間⇒3時間」のように一気に増やすと、反動で一気にできなくなったりしがちなので、「1時間⇒1時間15分⇒(数週間続けて問題なく続けられそうなら)⇒1時間半⇒(数週間で慣れたら)⇒1時間45分⇒……」など、少しずつ増やします。

 ②勉強法:数学の成績の悪い人の勉強法はたいてい、効率が悪いので、勉強法を改善すれば、成績は上がります。

 具体的には、後述の【成績が上がらない人の数学の解き方・勉強法】を参照して下さい。

 ③「能力=集中力×理解力×記憶力」:ここはなかなか変えられませんが、「集中力を上げる=少しずつ集中する勉強時間を増やす」、「理解力を上げる=国語力を上げる、既習範囲を総復習する」、「記憶力=口頭再現法(後述)で解き方を暗記する」など、努力していきます。

(2)ふだん解く教材と受験勉強で使う教材を統一する

 既習範囲の総復習・普段の勉強・定期テストの勉強で使う問題集、先取りで使うメインの受験問題集は、できるだけ、1つにします。1つの教材を何度も復習する方が効率が良いからです。

 逆に、普段使っていない教材を受験勉強で使おうとすると、1年~3年の内容を全部ゼロから勉強しなくてはならないので、時間が掛かります。

 具体的な問題集名については後述します。

(3)先取りをする必要はあるが、その前に既習範囲の総復習をする

 高校受験生は全科目で先取りをする必要があります。

 なぜなら、公立中学では3年12月になっても入試範囲が終わらないので、先取りをしなければ、過去問・受験応用問題集が解けず、入試対策ができないからです。

 塾で早めに先取りをしてくれて、分からない問題も全部教えてくれる環境にある人はそれでどんどん進めて下さい。

 でも、塾で大して先取りをしてくれない、あるいは塾に行かず、自力で先取りをする必要がある「数学が苦手な人」が先取りをするのは大変です。学校で習う範囲でさえよく分からないのですから、先取り部分はもっと分からないでしょう。

 ではそういう人はどうすれば良いかというと、以下のようにします。

 ①既習範囲を総復習する:既習範囲の総復習を行い、基礎・標準レベル(教科書の全問、問題集の例題レベル)を習得します。既習全範囲がよく分かるようになれば、新規部分・先取り部分も分かりやすくなります。

 ②定期テストで良い点を取るよう努力する:今学校で習っている範囲、次の定期テスト範囲の基礎・標準レベル(教科書の全問、問題集の例題レベル)を習得します。具体的方法は後述。

 既習範囲の総復習を終え、定期テストで平均点より10点以上、上になれば、先取りを始める準備ができたと言えます。

 ③勉強時間を増やす:既習範囲を総復習したり、先取りをしたり、定期テストで今までより良い点を取るには、勉強時間を増やすしかありません。

(4)遅くとも3年夏休みから先取りに入れるようにする

 先取りの開始が3年9月以降だと、他の受験勉強・学校の行事・定期テスト等のため、なかなか進みません。

 よって、時間がある夏休みに賭けて、必死で総復習・先取りをします。先取りを5~6月からなど夏休み前に始めて、夏休み中に終えられれば展望が明るくなります。

1.3.「習得する」とは

数学の(必要なレベルの)問題は全て「習得」します。

「習得する」とは、「問題を見たら解き方をすぐに思い浮かべることができる状態にする=スラスラ解ける状態にする」という意味です。

1.4.「習得する」方法

習得するには、以下の2つの方法が有効です。

(1)5~10回の復習をする。

(2)口頭再現法を実践する:口頭再現法とは、創賢塾が開発した、「自力で書いて解けるようにした後、5回解き方を口に出して説明する勉強法」のことで、1問約10分でスラスラ解ける状態にできます。

 口頭再現法については【数学勉強法(2)10分で解き方を暗記する口頭再現法】に詳しく書いています。

1.5.定期テストで良い点を取るよう努力する

定期テストの勉強は以下のように行います。詳しくは【中学生の定期テスト満点戦略(4)数学】を参照。

(1)授業の予習・復習:日頃から授業と並行して予習・復習を行って、教科書の全問題、問題集の例題レベルはスラスラ解けるようにします。

(2)テストまで復習する:数学の成績が悪い人の多くは、授業で行った内容を、テスト直前まで復習しません。

 テスト10~7日前になって初めてテスト範囲を勉強し始めても、すっかり忘れているので時間も掛かり、テスト当日までに、教科書の全問題や問題集の例題レベルも解けない問題が残りがちです。それでは成績が上がるはずがありません。

 ではどうすれば良いかというと、授業日の夜に復習した後、毎週末にテスト範囲の既習部分を全部復習し、テスト直前に焦らなくて済むようにします。

(3)テスト3週間前からテスト勉強を始める:テスト直前(7~10日前)からは理社に時間が取られ、数学に時間をあまり割くことができません。

 よって、3週間前から本格的にテスト勉強を始め、1週間前にはテスト範囲の「教科書の全問題、問題集の例題レベル」は全問解ける状態にします。

 そして更に、時間がある限り、問題集の応用問題レベルを解けるようにします。

以上のように勉強すれば、成績は上がっていくはずです。

2.成績が上がらない人の数学の解き方・勉強法

2.1.数学の成績が悪い人の勉強法=効率が悪い勉強法

数学の解き方は皆、我流です

自分が解いている細かい解き方は、ふつう誰にもチェックされないので、我流になるのです。

そして、数学の成績の悪い人の勉強法はたいてい、効率が悪い

以下を読んで、自分の解き方・勉強法を見直してみてください。それだけで成績が上がる人が多いです。

2.2.数学の解き方

【成績が上がらない人の数学の解き方】

(1)全く書かずに解く、または図や表を書かずに頭の中で解く:正しい方法は、解答に書いてある式や図表は全て書かなければならない、です。

(2)分からないとき、1~2分ですぐ諦める、もしくは10~20分以上考える:正しい方法は、5分間、あれこれ考え、思いついた方法を試し、分かっていることを全て図表に記入し、一生懸命考え、5分で分からなければ諦めて解答を見る、です。

(3)意味が分からない数学用語・公式・定理等を放置する:正しい方法は、それら全てをルーズリーフにまとめ、最初に暗記する、です。

(4)問題を解かず、最初から「問題を読んだらすぐ解答を読んで暗記する」:正しい方法は、問題を解き、分からない問題はしっかり理解して解き直す、です。

(5)1問ずつ解答を見ず、数問まとめて見る:正しい方法は、大問1つずつ解答を見る、です。

(6)解けなかった問題に印を付けない:正しい方法は、解けなかった問題には印を付け、それだけを復習する、です。印を付けなかったら解けた問題も復習するしかありません。時間の無駄です。

(7)解けなかった問題の解答解説にマーカーや印を付けない:正しい方法は、マーカーや印を付ける、です。付けたらある程度覚えられます。

(8)分からない問題を放置する:正しい方法は、分からない問題は全て誰かに聞く、です。放置して解けるようになるはずがありません。

(9)「解答を読んでも理解できない問題」の解答を覚えようとする:正しい方法は、理解して解き直し、何度も復習して解けるようにする、です。

(10)解けなかった問題を直後に解き直さない:正しい方法は、解答解説を理解し、すぐに解き直し、解けるようにする、です。

詳しくは【数学勉強法(3)成績が上がらない人の間違った勉強法】に書いています。

2.3.成績が上がらない人の間違った数学勉強法

【成績が上がらない人の数学勉強法】

(1)いろいろな問題集をやろうとする、あるいはメインの問題集を決めていない:正しい方法は、メインの問題集を1冊決め、それを何度も復習し、習得する、です。

(2)計算ミスを軽視する、あるいは毎日計算練習をしない:正しい方法は、毎日10分計算練習をする、です。

(3)全問復習する:正しい方法は、間違えた問題・たまたま解けた(かもしれない)問題に印を付け、それだけを復習する、です。時短のためです。

(4)初回間違えた問題を2回目に正解しただけで外す、もしくは全く外さない:正しい方法は、数学の不得意な人は3回連続正解したら外す、得意な人は2回連続正解したら外す、です。1回正解しただけで外したらすぐ忘れる可能性があります。

(5)1週間以内に復習しない、あるいは復習間隔を決めていない:正しい方法は、1週間以内に復習する、です。

(6)中期記憶(数週間~数ヶ月もつ記憶)に入れることを考えていない、あるいは3回以内しか復習しない:正しい方法は、定期テスト時には、中期記憶に入れることを考え、5回以上復習する。です。

(7)長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入れることを考えていない、あるいはテスト後に復習しない:正しい方法は、入試の時に使える記憶にするため、常に「これを長期記憶に入れるにはどうしたらよいか」を考え実行する、です。

 具体的には、テスト後・長期休暇などに既習範囲を絶えず復習し、学年が終わった春休みの段階で、その学年で習った全範囲の習得すべきレベルの全問題を解ける状態にして、次の学年に進学します。詳しくは後述。

(8)テスト後、テストの間違いの原因をチェックしない:正しい方法は、テスト後すぐに、間違いの原因(計算ミス何点、分からない何点、解き方忘れた何点など)と対策をルーズリーフに書き、次回のテストに生かす、です。

詳しくは【数学勉強法(3)成績が上がらない人の間違った勉強法】に書いています。

3.既習範囲を絶えず復習する

3.1.既習範囲を絶えず復習する

創賢塾では、数学について、全受講生に、日頃から、次のテスト範囲の勉強だけでなく、以下のように既習範囲の復習をしてもらっています。

【テスト後、テスト範囲を復習⇒前のテスト範囲を復習⇒既習全範囲の復習⇒……⇒テスト3週間前からは次のテスト範囲に100%集中

⇒テスト後、テスト範囲を復習⇒前のテスト範囲を復習⇒……

⇒長期休暇(夏休み・冬休み・春休み)に既習全範囲を復習⇒……】

このように既習範囲を絶えず復習するメリットは以下の6つです。

3.2.メリット1:数学の実力を上げられる

「数学の実力が高い」とは、「既習全範囲の問題が他の人より解ける」ということなので、既習範囲の復習を絶えず行えば、当然、数学の実力が上がり、学校の実力テストや模試で成績が上がります。

一方、普通の生徒は、定期テストが終わったら、前のテスト範囲はほとんど復習しませんから、なかなか実力が上がりません(=既習全範囲の問題があまり解けません)。

3.3.メリット2:今学校で勉強している部分が理解しやすくなる

数学は積み上げ科目で、以前習ったことが基礎になり、次の発展的な内容を習います。

例えば、中1の一次方程式が基礎になって中2の連立方程式、一次関数が出てきて、またそれが基礎になって中3で二次方程式が出てきます。

よって、既習範囲を復習していないと、今学校で習っているところが分かりにくくなるのは明かです。

言い換えれば、数学の成績が悪い主な原因の1つは、「既習範囲が分かっていない=既習範囲を復習していない」ことだと言えるのです。

ですから、学校の成績を上げたかったら、「急がば回れ」で、既習範囲、特に、今学校で習っている単元と関係している既習範囲を復習することをオススメします。

3.4.メリット3:受験のための先取りがしやすくなる

既習範囲を復習すれば、今学校で習っているところだけでなく、自力で先取りする場合にも、当然、理解しやすくなります。

一方、数学の苦手な中学生が、先取りする前に既習範囲の総復習をしていなかったら、理解が困難で、先取りがうまくいかない可能性が高いです。

3.5.メリット4:長期記憶に入れられる

毎回のテスト後にできるだけさかのぼって復習し、長期休暇にはできるだけ既習全範囲を復習し(中2の夏休みに中1~2の既習全範囲を復習するなど)、最終的に、学年の終わりにはその学年で習った全問題を解ける状態にする

このように絶えず復習していれば、だんだん長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入り、忘れにくくなります。

3.6.メリット5:志望校合格の可能性が高まる

自分に必要なレベルの問題を長期記憶に入れられれば、その記憶は入試で使えますから、受験に有利になり、志望校合格の可能性が高まります。

3.7.メリット6:予習・復習時間が短くて済む

絶えず復習するには、(復習しないよりは)ある程度、勉強時間を多めに確保する必要がありますが、しかし、思ったよりは少ない勉強時間で足ります。

なぜなら、何回も同じ問題を解くうちに、復習に掛かる勉強時間が少なくなるからであり、また、既習範囲の理解と暗記が向上すると、数学力が上がり、今習っている部分も理解しやすくなり、予習・復習などの勉強時間が少なくてすむからです。

4.復習・先取りで使うツール

4.1.既習範囲の総復習・先取りで使う4つのツール

復習と先取りで必要なのは以下の4つです。

(1)メインの問題集

 前述の通り、既習範囲の総復習・普段の勉強・定期テストの勉強で使う問題集、先取りで使うメインの受験問題集は、できるだけ、1つにした方が効率が良くなります。

 よって、ふだんから受験にも使える問題集を使います。

 できれば、実際に自分で書店で見て、問題・解答・解説を読んで、見やすく、分かりやすく、基礎・標準・応用問題・難問が適量掲載されているものを選びます。オススメは以下。

チャート式 中学1~3年数学」(3冊:数研出版)
語りかける中学数学」(ベレ出版)

 解答解説が詳しければ、通っている塾の問題集でも構いません。

(2)計算問題集

 計算は、より速く正確に解けるほど有利です。よって、誰でも、計算は毎日した方が良いです。

 計算は、先取り用数学問題集でもやりますが、計算専用問題集も習得するのがオススメです。詳しくは【受験勉強法(1)数学の先取り】に書いています。

 オススメ問題集は以下です。

高校入試突破 計算力トレーニング」(桐書房)
スタートでつまずかない 中学数学計算」(くもん出版)

(3)映像授業

 復習時や先取り時に、問題集だけで進められる人はokですが、分からない時には、映像授業を見る方が進めやすいと思います。映像授業を見れば、どこが重要か、どう解けば良いかなどのだいたいの感覚が得られます。また、理解しやすくなります。

 使い方としては、復習時には、理解しにくい単元・問題だけを見て、先取り時には「映像授業⇒映像授業に相当する問題集の単元⇒授業⇒問題集」と全部見ても良いし、分かりにくい単元だけを見ても良いでしょう。

(4)分からない問題を教えてくれる人

 数学にはどうしても分からない問題が出てくるので、学校の先生や親、友人、家庭教師・塾の講師等に聞いて解決する必要があります。

4.2.「チャート式 中学数学

メインの問題集として一番のオススメは「チャート式 中学数学」です。オススメ理由は以下。

(1)レベル:「例題(教科書レベルの重要問題)・練習問題(例題の類題)・エクササイズ(応用問題)・定期試験対策問題(応用問題)・発展例題・入試対策問題(応用問題・難問)」の6種類の問題があり、自分のレベルに応じた問題を解くことができます。

(2)問題量が豊富:「チャート式 中学3年数学」で例題・練習問題各120、エクササイズ148、定期試験対策84、発展例題48・入試対策74、合計約600問で、苦手な分野の克服にも十分な問題量です。

(3)例題が秀逸:例題にはその単元で必要な全ての「典型問題とその解き方」が網羅されており、どの問題を優先すべきか、分かりやすい。また、例題は、上に問題、下に解答解説と、とても見やすいレイアウトです。

(4)万能:定期テスト用としても受験勉強用としても非常に優秀で、偏差値70の公立高校でもこれと過去問だけで合格可能です。

このページでは「チャート式 中学数学」を使う場合の先取り勉強法を書いていきます(他の問題集でも使い方は同じです)。

4.3.映像授業

映像授業は沢山ありますが、以下の2つがオススメです。

(1)スタディサプリ

 月額2000円程度の小中高生用オンライン映像授業サービス。「スタディサプリ」は、料金の安さの割に大手塾・予備校と遜色ない質で有名です。

 良質・格安で、インターネットさえつながればどこからでも見られるので、受験生の味方です。

(2)映像授業 Try IT(トライイット)

 「家庭教師のトライ」が運営するYouTube上の完全無料映像授業です。無料だけど、わかりやすいと評判です。

5.既習範囲の総復習勉強法

5.1.想定する成績・教材・時期

(1)成績:ここでは、数学の苦手な(偏差値40~55前後の)中学生が、受験を意識して既習範囲の総復習を始めるときの勉強法を書いていきます。

(2)問題集:メインの教材は「チャート式 中学数学」として書きますが、他の問題集でも同じです。

(3)普段使い:「チャート式 中学数学」を、普段の勉強や定期テスト時も使っていたと想定して書きますが、使っていない場合でも基本は同じです。

(4)並行して進める:「チャート式 中学1~3年数学」の既習範囲の復習を、3冊並行して進める方が良いので、並行して進める方法を書いていきますが、どれかから始めるのも、やり方は基本的に同じです。

(5)時期:総復習を始める時期は、3年になる春休みからを想定していますが、その他の時期でも勉強法は同じです。

(6)映像授業:スタディサプリなどのオンライン映像授業は、総復習時には、基本、分からない問題・難しい分野のみ見ます。

5.2.例題を習得する

チャート式 中学数学」の「例題・練習問題・エクササイズ・定期試験対策問題・発展例題・入試対策問題」の6種類の問題のうち、「例題」を解けるようにすれば、入試基礎・標準問題はある程度解けるようになるので、数学の苦手な中学生は、欲張らず、まずは「例題」だけを復習していくことをオススメします。

例題だけでも相当な時間が掛かりますし、「例題+エクササイズ」を解いていった場合、復習が全部終わらない可能性があるからです。

もちろん、やる気のある人は「例題+エクササイズ」を解いていっても構いません。

5.3.既習範囲の総復習

【既習範囲の総復習勉強法】

(1)例題を1章ずつ復習する

 ①例題を口頭再現法で復習する:例題を全部解き、間違えた問題に印を付け、口頭再現法で習得し、翌日・毎週末に復習します(もしくは5~10回復習します)。

 ②「チャート式 中学1年&2年数学」の復習を平行して進める:例えば、3年になる春休みの時点で2年範囲まで全部終わっているとして、両冊をできれば平行して(1冊ずつでも構いませんが)、春休みに週1~2章、学校があるときは週1章など進めます。4~5月末までに7章までの復習ができれば順調です。

 1年~2年夏休みなどに復習を開始した場合は、既習範囲を、長期休暇に週1~2章、学校があるときは週1章など進めます。

 3年4~7月から始めた場合は、「チャート式 中学1~3年数学」のうち、2~3冊平行して、もしくは1冊ずつ、週1章など進めます。

 ③総復習終了後の復習:各冊を平行して、1~2ヶ月で各1周復習します。

 1周終わっても、復習しなければ忘れて解けなくなるので、必ず復習をしつこく2ヶ月以上続けます。

 ④映像授業を見る:分からない問題、難しい単元について、スタディサプリなどの映像授業を見て理解を深め、「チャート式 中学数学」の例題を解きます。

 ⑤人に聞く:「チャート式 中学数学」で理解できない問題は、親や学校・塾の先生、友人などに聞いて理解します。

 ⑥勉強時間の目安:標準的には、各冊それぞれ、「週4.5時間(平日30分、土日1時間ずつ)」、夏休みにはその2倍(週9時間ずつ)です。

 夏休みには、先取りは10日で1章、復習は週2章、それ以外の時期には、先取りは3週間に1章、復習は週1章を目途に進めます。数学の理解度により、時間・期間は前後します。

(2)「チャート式 中学数学」の計算習得法

 計算は、何度も繰り返して、反射的に解けるくらいまで習熟します。やり方は下記。

 時間は、長期休暇には、毎日10分×2セット、その他の時は毎日10分などです。

(3)復習しながら先へ進める

 既習範囲の総復習時には、例題を解き、習得し、毎週末や長期休暇に復習しながら(記憶を維持しながら)、「チャート式 中学1&2年数学」の全例題を習得します。詳細な復習法は後述。

(4)既習範囲の総復習の後

 例題の総復習が終わった後に何をするかは、終了した時期によります。

 ①2年夏休みまでに終了した場合:受験までまだ時間があるので、「チャート式 中学1&2年数学」の「エクササイズ」を解くのと並行して、できれば先取りを始めます。先取りも例題だけにします。

 ②2年9月~3年8月以降に終了した場合:受験まで時間が無いので、先取りを始めます。先取りも例題だけにします。

5.4.勉強時間を決める

勉強の計画を立てるとき、量(何ページ進める、何問解くなど)で決める人と時間(30分勉強するなど)で決める人がいますが、創賢塾では時間で計画を立てることをオススメしています。なぜなら、量で決めると、時間オーバーして他の教科に支障が出やすいからです。

よって、既習範囲の総復習は「週4.5時間(平日30分、土日1時間ずつ)」、先取りは「週7時間(平日30分、土日合計4.5時間)」、計算は「毎日10分」(夏休みはその2倍)などと決めます。

5.5.「チャート式 中学数学」の計算習得法

計算はとにかく、「速く、正確に(間違いがなく)」解ける必要があります。何度も繰り返して、反射的に解けるくらいまで習熟するべきです。

そのためには、「1ページ目⇒2ページ目⇒……」と、復習せずに次々先へ進めるのではなく、以下のように練習します。

【「チャート式 中学数学」の計算習得法】

(1)毎日10分計算をする

 採点時間を考慮し、「5~8分」前後で解き終わるくらいの分量の計算を毎日します。長期休暇には「毎日10分×2セット」にします。

(2)5日連続で解く【毎回全問、初回の半分の時間になるまで、5日前後、続けて解く】

 「チャート式 中学数学」の計算を1ページ1回ずつ解いていき、習熟が必要な「間違えた計算・難しかった計算・時間が掛かった計算・苦手な計算」を集めていきます。

 「5~8分」前後で解ける分量(自己採点を合わせて約10分の分量)が貯まったら、1枚の紙に(計算できる空間を空けて)転記し、それをコピーして、上のように初回の半分の時間になるまで解きます(5日前後かかります)。

 半分の時間になったらその問題は卒業で、また問題を集めて転記してコピーして、半分の時間になるまで5日前後連続して解きます。

(3)元の紙の余白に【回数、日付、時間、間違いの数】を書く

 例えば、「(3)2/6,4’23”、1つ(2月6日に3回目を解いて、4分23秒かかった、間違いは1つ、という意味)」のように書きます。

 毎回こういう風に記録しておけば、いつ次へ移れば良いかや上達具合が分かります。

5.6.復習システム

数学に限らず、受験勉強で最も重要なのは「復習システム(科目ごと・問題集ごとに、いつ・何回・どういう風に復習するかの方法)を確立すること」です。

1回理解したり暗記することは誰でもできます。しかし、ほとんどの人が「決まった復習システム」を持たず、定期的な復習を怠るので、既習部分をどんどん忘れ、勉強の効果が上がりません。

では、既習範囲の総復習時や先取り学習時に、どうやって復習したら良いかというと、以下の通りです。

【数学問題集の復習システム】

(1)1章分の例題を解き、習得し、口頭再現法で復習

 口頭再現法の復習を「翌日・毎週末×2ヶ月以上・長期休暇」に行えば、中期記憶(数週間~数ヶ月もつ記憶)⇒長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入っていきます。

 もしくは、章ごとに5~10回復習してスラスラ解けるようにした後、「毎週末×2ヶ月以上+長期休暇」に復習すれば、中期記憶⇒長期記憶に入っていきます。

 例えば、1章から総復習し、今5章を進めている場合、5章の例題を解くのと平行して、1~4章を1~3週間に1回(例:4日で1章分を1周し、16日で1~4章を1周する)、口頭再現法で復習します。

(2)復習週間

 復習しながら先へ進めていると、途中で復習が追いつかなくなる(どんどん忘れていってしまう)ことが起こりがちです。

 その場合、新規で進めるのは休止し、1~2週間を復習に当てます。その間、既習範囲全ての間違えた問題の復習に専念し、全問スラスラ解ける状態にしたら、新規に進めるのを再開します。

 このようにすれば復習に時間が掛からなくなるので、新たな単元へ進めます。

5.7.復習なんてできるか!(^.^; 

復習しながら先へ進めましょう、と言うと、「全然先へ進めませんよ」と言う生徒がいます。

これは半分正しく、半分間違っています。

前者については、確かに、復習しながら先に進めようとしたら、復習しない場合より進度が遅くなるのは事実です。

しかし、復習しなかったらどんどん忘れて解けなくなるんですよ? 

解けなくなったら、既習範囲の総復習や先取りをする意味なくないですか?

だから、復習するしかないんです。これはどの教科の問題集も同じです。

6.3年夏休みからの先取り勉強法

6.1.想定する時期・教材

(1)夏休みから先取りを始める:ここでは、数学が苦手な(偏差値40~55前後の)中学生が、3年になる春休み頃から既習範囲の総復習を始め、それが夏休み前に終わり(終わらなくても総復習と並行して)、夏休みから先取りを始めると想定して書いていきます。

 条件が違っても、することは基本的に同じです。

(2)教材:「チャート式 中学数学」を1年次から定期テスト用問題集としてある程度使用し、既習範囲の総復習でも使い、先取りでも使うことを想定します。先取りで解くのは「例題」です。

 問題集は、解答解説が詳しければ、他のものでも構いません。勉強法は同じです。

(3)映像授業:スタディサプリのようなオンライン映像授業は、数学が苦手な人は、基本的に全部見た方が良いでしょう。

 ただ、本だけで分かる分野は、見なくても構いません。

6.2.先取りの勉強方法

【数学が苦手な人の先取り勉強法】

(1)例題を1章ずつ習得する

 ①映像授業を見る:映像授業を見てから問題集に取り組みます。

 ②例題を口頭再現法で習得する:「チャート式 中学数学」の例題を解き、間違えた問題に印を付け、口頭再現法で「5回口に出して解き方を説明」して習得し、翌日・毎週末に復習します(もしくは5~10回復習してスラスラ解ける状態を維持します:以下同)。

 口頭再現法とその復習法(=毎週末に復習)を行えば、1章分の例題を1周終わらせただけで、(例題は)全問スラスラ解ける状態になります。

 そうしたら2周目に入る必要がないので、すぐに次の章に入ります(ただし、週末の復習は2ヶ月以上続けます)。

 ③人に聞く:「チャート式 中学数学」や映像で理解できない問題は、親や学校・塾の先生、友人などに聞いて理解します。

 ④先取りに使う勉強時間の目安:標準的には、夏休みには週14時間、それ以外の時期には「週7時間(平日30分、土日合計4.5時間)」です。

 長期休暇には、先取りは10日で1章、既習範囲の復習は、「チャート式 中学1~3年数学」各冊、週1~2章、それ以外の時期には、先取りは3週間に1章、復習は「チャート式 中学1~3年数学」各冊、週1章を目途に進めます。数学の理解度により、必要時間は前後します。

(2)「チャート式 中学数学」の計算習得法:前述の通り。

(3)復習しながら先へ進める:詳細は前述【復習システム】参照。

(4)努力目標:「チャート式 中学3年数学」の全例題の先取りを夏休み中に終わらせる

 夏休み中に先取りが終われば、過去問を始められます。

(5)例題の先取り終了後

 その後何をするかは、「チャート式 中学3年数学」の例題の先取りが終わる時期によります。

 ①3年夏休み前に終わった場合:夏休みまでは「チャート式 中学1~3年数学」の「エクササイズ」を解いていき、夏休みになったら、過去問を2年分解いてどのくらい解けるかを確認します。

 4割以上解ける場合は、以後も、過去問を週1年分など解き、習得していきます。それと平行して、「チャート式 中学1~3年数学」の「エクササイズ」を順に習得していきます。

 過去問が4割未満の場合は、「チャート式 中学1~3年数学」の例題の理解と習熟が足りないので、例題の復習をし、それが終わったら「エクササイズ」を進めていき、10月からは、それに加えて、過去問を週1年分解いて習得していきます。

 ②3年夏休み中に終わった場合:過去問を2年分解いてどのくらい解けるかを確認します。以下同じ。

 ③3年9~12月に終わった場合:過去問を週1年分解いて習得していき、それと平行して、「チャート式 中学1~3年数学」の「エクササイズ」を順に習得していきます。入試直前なので、過去問を解いていくしかありません。

6.3.勉強計画の目安

1章分の例題の先取りを、長期休暇中なら10日で、学校のある期間なら3週間で終わらせるのが目安です(期間は数学の理解力によって変動があります)。

そうすると、3年夏休み中に、「チャート式 中学3年数学」の例題の先取りを終わらせることが可能です。

やる気のある人なら、もっと早く終わらせることもできます。

6.4.先取りは3年夏休み中に終わらせる

チャート式 中学数学」の例題の先取りを終わらせるのは、早い方が良いのはもちろんです。

3年7月までに終わっていれば理想的ですが、夏休みには過去問を始めたいので、夏休み中には終わらせたいところです。

7.先取りのメリット・デメリット

7.1.メリット:受験に有利。

先取りをしないより、した方が良いに決まっています。先取りが3年5~9月までに終われば、入試問題集、過去問に入れるので、当然、(先取りしないより)受験に有利です。

逆に、先取りしなかったら過去問を解いても、勉強していない分野は分からないので、いつまでも過去問を解けません。当然受験は危うくなります。

7.2.デメリット1:一度先取りを始めたら終わるまで永遠に先取りをしなくてはならない。

途中で先取りをやめたら学校に追いつかれて、先取りの時間が無駄になります。

7.3.デメリット2:先取りには多大な努力と勉強時間が必要。

先取りは復習より、ずっと時間が掛かります。理解に時間が掛かるからです。

例えば、夏休みには「週14時間」、その他の時期には「週7時間(平日30分、土日合計4.5時間)」など必要です。

それを数ヶ月間、継続できると思う人だけ、先取りを始めて下さい。

【終わりに】

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

この文章があなたの勉強の役に立てば幸いです。幸運を祈ります。


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