キーワードとキーセンテンスの探し方

国語の文章には「正しい読み方=論理的読解法」があります。その核心となるのが、「要点=重要な部分=キーワードとキーセンテンス」に印を付ける読み方です。

このページではその具体的な印の付け方を書いていきます。これを読み、理解し暗記し実践すれば、あなたの読み方は飛躍的に向上し、国語の成績も上がるでしょう。

1.なぜキーワードとキーセンテンスに印を付けるべきか

(1)キーワードとキーセンテンスに印を付ければ、重要な部分と重要でない部分が区別できる。

 たいていの中学生は、どこが重要で、どこが重要でないか、分からないまま問題文を読んでいます。しかし、重要な部分(要点)が問題に出ますから、読みながら重要な部分が分かった方が良いのはもちろんです。

 そして、重要な部分とは「キーワードとキーセンテンス」です。よって、キーワードとキーセンテンスに印を付けましょう。

(2)要点に印を付けると、正答率が上がる。

 高校入試の出題者側(高校の先生)は、「どこが要点かが分かり、その意味が分かる受験生(=優秀な受験生)」をとりたいと思っていますから、国語の問題は、(どうでもいい部分ではなく)要点に傍線が引かれたり、要点が答えに関連するように作られています。

 よって、要点に印を付け、覚えておくと、正答率が上がります。

(3)要点に印を付けると問題を解きやすい。

 問いは、問題文をある程度正確に覚えていないと解けません。しかし、全部を覚えておくことはできません。

 そこで、要点に印を付けておくと、その要点(=問いになったり答えに関連する部分)をある程度覚えていられ、また、探しやすくなり、その結果、得点が上がります。

【キーワードとキーセンテンスの探し方を教わり、偏差値が10以上あがりました】

Hさん(中学3年生、宮崎県)

論説文や小説ではキーワードとキーセンテンスの探し方を詳しく教えていただきました。

文章を読みながら印をつけることで、ずっと不得意だった心情を問う問題や文章の内容に合うものを選ぶ問題がわかるようになってきました。

以前はなんとなく解答していましたが、最近では自信を持った回答ができるようになり、模試の偏差値は50代から65へ10以上あがり、過去問でも、最初は50点弱だったのが、今では70点くらい取れるようになりました。

2.論理的文章におけるキーワードとキーセンテンスの探し方

2.1.キーワード・キーセンテンスとは

キーワードとは「カギとなる重要な言葉・連語」のことで、キーセンテンスとは「カギとなる重要な文」のことです。

ちなみに、主張とは「筆者が一番言いたいこと」なので、最も重要なキーセンテンスになります。

キーワードは単語とは限らず、連語(フレーズ)の場合も多い。また、キーセンテンスは丸から丸までの1文全体とは限りません。1文の一部のことも、2~3文にわたる場合もあります。

よって、ここでは便宜的に10字以上をキーセンテンスと言い、10字未満をキーワードと言います。

2.2.印の付け方

創賢塾では、キーワードは丸で囲み、キーセンテンスは<>でくるむことを生徒に推奨しています。

キーセンテンスには傍線を引く人が多いですが、2~3行にわたる場合もあるキーセンテンスに傍線を引くと、きたなくなり、問題の傍線部が見にくくなるので、傍線は引かない方が良いのです。

2.3.キーワードの探し方

【論理的文章のキーワードの探し方】

(1)「話題(=主題=テーマ)」はキーワード。

 話題とは「その文章は何について書かれているか」です。論理的な文章を読むときの最優先事項は話題を見つけることで、次は「主張(話題について、筆者が一番言いたいこと)」を見つけることです。

 話題と主張を混同する人が多いですが、全く異なるのできちんと区別して覚えて下さい。

(2)2回以上出てくる言葉はキーワードの可能性が高い。

 ただし、「話す、作る、生活」などの普通の言葉は、2回以上出てきてもキーワードの可能性は低い。

(3)普段あまり使われない、筆者独特の表現がキーワードになることがある。

 例えば、「先入主、対象化、造形意志、剰余の眼、対話性、批評家気質」など。

(4)主張にはキーワードがたいてい入っているので、主張を見つけたら注意深くキーワードを探す。

2.4.キーセンテンスの探し方

【論理的文章のキーセンテンスの探し方】

(1)文章の最後にはほぼ必ずキーセンテンスがある。意味段落の最後にもキーセンテンスがあることが多い。

 主張は最重要のキーセンテンスで、主張は文章の最後(最後5~10行前後や最後の段落)や意味段落の最後にあることが多いので、そこを注意深く探します。

 意味段落とは、「同じ話題の形式段落(1字下がった、通常の段落)の数個の集まり」ことです。3~4前後の形式段落で1つの意味段落を構成することが多くなります。

(2)キーセンテンスは「しかし・だが(逆接)、つまり・要するに・すなわち、したがって・ゆえに・それゆえ・だから、このように・こうして・結局、いずれにしても(結論を導く)」などの特定の接続語の後にあることが多い。これらの接続語は四角で囲む。

 例えば、「A、しかしB」「もちろんAだが、しかしB」とあったら、AよりBの方が重要です。また、因果関係では、原因(理由)より結果(結論)の方が重要なので、「したがって・だから・このように」などの結果・結論を導く接続語の後が前より重要です。

(3)強調表現:強調表現の前後の強調される部分はキーワード・キーセンテンスになる可能性が高い。強調表現は四角で囲む。

 強調表現とは「とても、非常に、最も~、重要なのは~、本質、根源的、基本的、こそ、まさに、実は、~が重要だ、~のだ、~なのだ、~なのである、~のです、~なのです」などで、強調表現自体が重要なのではなく、その前後で強調されている部分が重要です。

 強調表現とは、筆者がわざわざ「これは重要ですよ」と示してくれている内容なので重要です。

(4)「(私は~~と)思う、考える、気づいた」「~すべきだ、~しなければならない」「反語表現(~ではないだろうか、~と言えないだろうか)」などとあったらそれは主張の可能性が高い。

(5)問題提起の答えは必ず重要なのでキーセンテンス。

 「問題提起」とは、文章の中で筆者が読者に問いかけるような文のことです。例えば、「日本の現代建築の最大の特徴は何だろうか?」など。

 筆者は問題提起の答えを知っていますが、それをなぜわざわざ疑問形にして話を長くするのかというと、その答えが重要だからです。よって、問題提起があったら、その答えを探しながら読み、答えを見つけたら印を付けます。

(6)「根拠(具体例・体験談・引用など)」は重要度が低いので、キーセンテンスにはなりにくい。

 論理的文章の一つ一つの文は、主に、「主張」と、主張を補強する「根拠(理由、説明、言い換え、定義・分類、例示・具体例、科学的データ、引用、体験談、比喩、時系列変化など)」の2つに分けられます。

 「主張」とは「筆者の一番言いたいこと」ですが、「主張」を提示するだけでは読者は納得しませんから、著者は必ず「根拠」を複数挙げます。根拠は「主張」をサポートする要素なので、重要性は主張より低い。

(7)論理関係とキーセンテンス:文と文との関係、論理関係には「言い換え(イコールの関係)、因果関係、逆接・対比・対立、譲歩(予想される反論とそれへの反駁:なるほど~だが、しかし~)、進展(次の話題に移る:ところで)」などがあります。

 このうち、①因果関係の結果、②逆接の後、③対比の重要な方、④譲歩(なるほど~だが、しかし~)の逆接の後、の4つはキーセンテンスになりやすい

(8)普通のことは重要ではない。変わったこと、普通でない事実・意見・体験、常識に反する事実・意見が重要なのでキーセンテンス。

 普通のこと・常識的なことを書いても、みんな知っているから重要ではありません。逆に、普通でなく常識とは違うが、説得力のある文章が、重要だし評価されます。

 常識的な内容と常識に反した内容が対比して書かれていたら、たいてい後者の方が重要になります(常識はこうだが、実はこうだ、など)。

(9)内容:以上の要素に加えて内容的に重要なら、キーセンテンス。

 (1)~(8)の内容は、形からある程度分かります(「思う」と書いてあるなど)が、それに加えて内容が重要なら、キーセンテンスになります。

【設問に自信を持って答えられるようになりました】

Fさん(中学3年生、千葉県)

私は今まで国語の文章を読むとき、ただなんとなく大体の内容を理解すれば良いのだと思っていました。

しかし、先生にキーワード、キーセンテンスを探すということを教わり、文章を読むとき、段落ごとにここで言いたいことは何なのだろうと考えて読むようになりました。そうすると、設問に自信を持って答えることができるようになってきました。

これからもっとたくさんの文章を読んで短時間で確実なキーワード、キーセンテンスが見つけられるようになりたいです。

創賢塾のホームページに書かれた国語勉強法を身に付けて国語の成績を上げたい方のために【長期勉強法コース】を開講しています。【長期勉強法コース・短期セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。

3.小説におけるキーワードとキーセンテンスの探し方

【小説のキーワード・キーセンテンスの探し方】

(1)論理的文章のキーワード・キーセンテンスの探し方は小説でも有効なので、使用する。

(2)気持ちを探す。

 気持ちとは、「感情・考え」の2つを指します。気持ちには以下の3つの表現方法があります。

 ①言葉・せりふで直接書かれている場合:悲しかった、歓喜に浸った、など。

 ②動作:コップを落とす(ショック)。うつむく(恥ずかしい、落ち込む)など。

 ③情景描写:登場人物の気持ちが表れている風景の描写を情景描写と言います。例えば、空が青く晴れ渡る(=心がすがすがしい、明るいことを示す)など。

 以上3つを見つけたら、丸や<>カッコで囲みます。

(3)気持ちのほかのキーワード・キーセンテンスは以下の3つ。

 ④登場人物やその状況:登場人物全てに印を付けます(同じ人物は初回のみ)。また、主人公の性格(内気など)、状況(お母さんが病気など)、人間関係(父親と疎遠など)、時代(現代か戦争直後かなど)、場所に印をつけます。

 ⑤事件とその前後の人間関係や感情の変化:小説では、途中必ず事件が起こります(友人との仲違い、病気等)。その事件や、事件前後の人間関係や感情の変化に印をつけます。

 ⑥場面の転換:場面の転換はよく問題に出ます。時間(回想シーン)、夢、場所の変化があったら、二重傍線などで区切ります。

(4)リード文と題名も要注意

 リード文(冒頭で人間関係や状況を説明した部分、前書き)の中の登場人物・状況にも印を付けます。題名は必ず確認します。

4.随筆と詩におけるキーワードとキーセンテンスの探し方

【随筆と詩のキーワードとキーセンテンスの探し方】

(1)随筆:随筆は小説と論理的文章の両方の性質を持つので、論理的文章のキーワード・キーセンテンス(主張、強い言葉など)、小説のキーワード・キーセンテンス(気持ち、登場人物、事件等)に印を付けます。

(2)詩:詩のキーワードとキーセンテンスは小説と同じです。

【キーワード・キーセンテンスの重要性に気づいた】

Fさん(中学3年生、石川県)

今月(6月)は過去問をしっかり解説していただきました。

英語でも国語でも、長文問題には、それぞれキーワードがあって、それを使った答えがたくさん出てくるということを教えていただきました。実際、過去問を解くときにキーワード・キーセンテンスを付けていると、問題から答えを導き出すことができることが分かりました。なので、あらためてキーワード・キーセンテンスの重要性に気づきました。

また英語長文では、問題を先に見ることで時間ロスを減らせることを知りました。 私は解くスピードが遅いので、この2つを活用して英語や国語の問題で、より早く解けるようにしていきたいです。

5.推奨問題集

以上、「キーワードとキーセンテンスの探し方」を解説しましたが、残念ながら、探し方を理解しただけでは、実際に適切に探せるようにはなりません。トレーニングが必要です。

そこで、キーワードとキーセンテンスが適切に探せるようになる、優れた問題集をご紹介します。以下の問題集を解き、解説を習得すれば、実際にあなたの国語の成績は上がっていくでしょう。

「国語の読みテクトレーニング 説明文・論説文」(文芸社、中学受験用要約問題集)

実は、中学生用の、キーワードとキーセンテンスが詳しく書かれた問題集、要約問題集はほぼありません。よって、「読みテク」を終わった後は、教科書の文章や問題集の文章を要約して、学校や塾の先生に添削してもらうか、以下の高校生用の問題集を使うかになります。

大学入試問題選現代文中堅私立大学レベル」(日栄社、100字要約)
現代文―高校初級&中級&上級用 発展30日完成」(3冊、日栄社、100字要約)
徹底20日間マスター [21] 現代文(基礎編)」(日栄社、100字要約)
生きる現代文読解語」(駿台、要約が60文)
ちくま評論入門」(筑摩書房、200字要約)
出口の好きになる現代文 論理入門編&完成編」(水王舎、200字要約)

以上の問題集は解説は詳しくありませんが、要約が載っています。要約は「キーワードとキーセンテンスを探して、まとめて書く」ことですから、キーワードとキーセンテンスの探し方の良い訓練になります。

6.終わりに

以上、国語のキーワードとキーセンテンスの探し方を書きました。これを理解し記憶して使っていけば、国語の成績は実際に上がっていきます。ぜひ有効活用していただけたらと思います。

ただし、自分だけでこれを理解し正しく使えるかは人によります。できれば学校や塾の先生に添削してもらった方が良いでしょう。

周りに添削してくれる人がいない場合は、創賢塾でもキーワードとキーセンテンスの付け方、論理的な読み方・解き方、要約法の指導をしています。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。あなたの健闘を祈ります。

創賢塾のホームページに書かれた国語勉強法を身に付けて国語の成績を上げたい方のために【長期勉強法コース】を開講しています。【長期勉強法コース・短期セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。

【要約のコツを教えていただき、成績も上がりました】

Sさん(中学2年生、東京都)

わたしがこの塾の授業を受けて、一番伸びたと思うのは国語です。

元々国語が少し苦手で定期テストの点数も悪く、国語が嫌いでした。そんなとき、この塾に入り一番初めにやったのは国語の要約です。今まで一度もやったことがなかった国語の要約をはじめてやったとき、どうしたらいいか全く分からない現状でした

しかし毎回の授業で要約するにおいてのコツ等を教えていただき「なるほどな」と思うことがたくさんありました。問題が分かるようになると問題を解くことが楽しいと思うものです。結果はテストの点数にも結び付くようになりました。

いまでは苦手で嫌いだった国語が楽しくて好きになり、また成績も上がりました。そうなれたのはこの塾のおかげです。

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