「時代と流れで覚える! 日本史B用語」暗記法

このページでは、日本史の優れた通史暗記教材である「時代と流れで覚える! 日本史B用語」(165ページ、文英堂)の暗記法を解説していきます。

本書で、共通テストレベルの用語暗記を、流れを理解しながら行うことができます。

1.特徴・前提

1.1.本書の特徴

(1)効率的:165ページと、とても薄い問題集でありながら、共通テストレベルの暗記ができる非常に効率的な教材です。

(2)流れと用語:本書の見開きの右ページには、歴史の流れを記述した文章が簡潔にまとめられており、その中で暗記すべき用語が赤字で書かれているので、日本史暗記の2つの柱である流れ用語を両方暗記できます。

 ※歴史の流れとは:時代背景・因果関係(原因と結果)・後代への影響などのこと。

(3)視覚的理解:見開きの左ページには、単元の内容をまとめた表・地図・系図等が載っており、視覚的に整理して理解し暗記できます。

1.2.本書の前提

(1)動画授業:学校や塾の既習範囲は、(理解できていると考えられるので)本書と以下の用語集等で進められますが、未習範囲は本書だけでは理解しづらいので、予め以下の日本史マンガを読んでおくか、スタディサプリなどの動画授業をまず見て、概要を理解してから本書に入るのがオススメです。

(2)概説書:歴史マンガや概説書を5~10周読んで日本史全体の概略を暗記してから本書に入ると、スムーズに暗記できます。

学研まんが NEW日本の歴史」(DVD付、全12巻、学研)
新マンガゼミナール 日本史」(全2巻、学研教育出版)
「マンガ 日本の歴史がわかる本」(全3巻、三笠書房)
「漫画版 日本の歴史」
(全10巻、集英社)

一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書」(352ページ、SBクリエイティブ)
教科書よりやさしい日本史」(256ページ、旺文社)
超速!最新日本史の流れ」(全2冊、合計420ページ、竹内睦泰著、ブックマン社)

1.3.本書と共に使うべき教材

(1)用語集:意味の知らない用語や初めて見た人物名等は覚えにくいので、用語集で調べて、用語集にマーカーを引き、理解します。そして必要に応じて、要約を本書にメモしておきます(以下の参考書、資料集も同じ)。

日本史用語集」(山川出版社)
日本史用語集〈究〉」(河合塾)
日本史用語集」(旺文社)
必携日本史用語」(実教出版)

(2)参考書:本書の文章を読んだり表を見て、流れや内容が理解できない箇所があると思います。そういう箇所は覚えにくいので、以下のような参考書で調べ、理解します。

詳説日本史研究」(約560ページ、山川出版社)
石川晶康 日本史B講義の実況中継」(4冊1500ページ超、語学春秋社)
金谷の日本史 なぜと流れがわかる本」(4冊1000ページ弱、ナガセ)
これならわかる!ナビゲーター日本史B」(4冊1000ページ弱、山川出版社)
日本史教科書

(3)資料集:本書に載っている用語・内容を、資料集の写真・史料・年表で確認することで、視覚的に理解・暗記しやすくなります。

山川 詳説日本史図録」(山川出版社)
図説 日本史通覧」(帝国書院)

2.暗記の目標

2.1.暗記の目標

(1)赤字の暗記:全史の赤字の用語をまず覚えます。

(2)流れの暗記:赤字の暗記と並行して、全史の右ページの文章を、暗記するくらい10回以上音読します。

 そうすれば、流れが暗記でき、立体的な知識になり、忘れにくくなります。

(3)図版の暗記:最後に、余裕があれば、全史の左ページの図版や黒太字まで全部暗記します。

 そうすれば、共通テスト・中堅私大レベルでは8~9割以上は確実に取れるようになるはずです。

2.2.一週間で完全暗記する量を決める

日本史の教材を暗記する方法には、主に以下の3つがあります。

(1)全体を1周、2周と回していく:この方法は暗記しにくいので、挫折しやすい。

(2)全体を4~8パートに分ける:パートごとに、暗記できるまで(2~4週間など)10~20周し、完全に暗記したら次のパートへ進む。

(3)1週間に暗記するページ数を決める

創賢塾では(3)の方法を推奨しています。理由は、1週間という期限とページ数と達成状態(完全暗記=即答)を決めておくことで、目標がはっきりし、暗記意欲が湧くからです。暗記の深さ、意欲には個人差が大きいですが、期限を決めることで、意欲を高め、確実に暗記することができます。

また、1週間に暗記できるページ数が分かると、通史暗記にかかる期間が計算できるメリットもあります。

逆に、1冊を暗記する期間を決めて、1週間に暗記すべき量を確実に暗記していくことで、期間内に暗記することも可能になります。例えば、4ヶ月で全部暗記すると決め、全体を16で割り、1週間に10ページ暗記していく、などです。

2.3.暗記箇所

通史暗記は「原始・古代」から始める必要は全くありません。次のテスト範囲などでも結構です。

私なら、次のテスト範囲⇒前回のテスト範囲、とさかのぼって暗記し、既習範囲全部を終わったら先取りします。既習範囲は暗記も理解も記憶が残っているので、未習範囲よりやりやすいためです。

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3.暗記法

以下は日本史に毎日30~60分費やせて、毎週10ページ暗記していくと仮定して書いていきます。

「時代と流れで覚える! 日本史B用語」暗記法

(1)赤字の暗記(約40時間)

 ①見開き2ページを3周暗記:赤字を赤シートで隠し、黒字を黙読し、隠れている赤字を言い、言えたら次へ。言えなかったり間違えたら印を付け、5回前後音読して暗記し、また隠して言って、言えたら次へ。

 2ページの1周目が終わったらすぐに2周目に入り、印のみテストし、間違えたらまた印を付け、暗記します。

 2周目が終わったらすぐに3周目に入り、2周目に間違えた箇所だけテストします。そうして間違いがゼロになったら(通常3~4周前後)、次の見開きに進みます。

 ②理解:暗記していて、理解できない箇所、知らない用語等があれば、参考書や用語集で調べ、自分の理解や用語の意味を本書の欄外等に書いておきます。

 ③10ページ1周目:3ページ目以降も、同様に「2ページ×3周」で暗記していきます。時間のある限り先へ進め、10ページ目(第1セットの最後)まで進めたら、第1セット2周目に入ります。

 ④10ページを20周して暗記:第1セット2周目以降も同様に暗記します。5周目からは、テストし、完全に覚えた項目は鉛筆で×印を付けるなどして外します。1週間で全体を15~20周して全問1回目に即答できるようになったら第2セットに進みます。

 1セットを何周したら完全に暗記(全問即答)できるかは、個人の記憶力・理解力・集中力・既習箇所か未習箇所かなどにより異なりますが、10~20周したらたいていの人が全問即答できるようになります。

 ⑤第2セット以降:暗記法は同じです。

 ⑥復習:第2セットに入って以降、既習セットを毎週全て復習します。

 例えば、新規で第6セットを暗記する場合、第1~5セットを【15分×週2回×5セット】のように復習します。

 ⑦復習週間:毎週、既習全範囲を復習していくと、当たり前ですが復習量がどんどん増えて、勉強時間を増やすか、復習をしないか、先に進めるのを一時停止するかの選択を迫られます。

 そのとき、普通は復習しないで先に進めようとしますが、それではいつまでも暗記できないので、必ず復習を優先します。

 つまり、勉強時間を増やせないなら、新規で進めるのを一時停止し、1~2週間を復習週間にし、徹底的に暗記するのです。そうすれば、既習範囲全体をいったん完全に暗記でき、復習時間が少なくて済むようになるので、また先に進めます。

 ⑧暗記期間の目安:1週間で10ページを暗記すれば(毎日30~60分)、16週間(4ヶ月)で全史の赤字を全部暗記できます。

 これで共通テスト模試・過去問で5~6割以上取れるようになるはずです(記憶力・歴史の理解度・現状の暗記量などの条件により、かかる時間・点数には個人差があります)。

(2)流れの暗記(約30時間)

 ①全史10回音読:赤字を覚えるのと平行して、同じ箇所の右ページの文章を10~20回ずつ音読して流れを理解・暗記していきます。

 ②音読:読むときは、黙読ではなく音読する方が良いです。黙読より音読の方が暗記に適していて、10~20回音読すれば暗記できるからです。

 また、読むときは穴埋め部分を自分で補いながら読みます。

 ③暗記の具体例:「1ページを週10回音読(約25分)⇒翌週は次の1ページを10回音読+既習部分を1回音読」のように、忘れないように復習しながら進めます。

 ④赤字と流れの通史を暗記し終わったら、復習しながら、過去問を解いてみます。解いてみて、自分に何が足りないかを分析し、対策をしていきます。

 例えば、年号暗記が必要だと分かったら「元祖 日本史の年代暗記法」(旺文社)のような年号暗記本を1冊暗記し、演習量が必要だと思ったら、過去問集や「共通テスト日本史B重要問題集 」(実教出版)などで問題を解き、習得していきます。

 本書の左ページの表や系図を暗記していたら点数が上がるなら、暗記していきます。

(3)表・図版・系図全体の暗記(約40時間)

 ①音読で暗記:表・図版・系図等の文字を【1日1箇所3回音読(1ページ約7分)×5ページ×7日】のようにして暗記します。

 4~5日でだいたい暗記したと思ったら、表などの題名と左端と上部の項目だけを見て、テストし、言えない内容を丸で囲み、全て言えるようにします。

 ②1週間で10ページ分(第1セット)を暗記したら、次のセットに進みます。

4.本書の暗記後

(1)共通テストを受ける人:以下のような共通テスト過去問問題集(共通テスト過去問約15~20年分を時代順に配列し直して編集した問題集)がオススメです。

ベストセレクション 大学入学共通テスト 日本史B重要問題集 」(200ページ弱、実教出版)
共通テストへの道 日本史」(約150ページ、山川出版社)

 その後、共通テスト過去問、共通テスト予想問題集に入ります。

(2)中堅私立大志望者:志望校過去問を解き、自分に何が足りないかを把握し、対策をしていきます。

5.終わりに

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。この文章がお役に立てれば幸いです。

あなたの健闘を祈ります。

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