勉強法(3)超効率的古文単語暗記法

古文単語集の多くは、1ページに1~2単語で、詳しい解説や例文がある形式のものが多い。

このページでは、そうした解説詳細型の古文単語集の暗記法(クイック・レスポンス法)を、この型の中で最も売れている単語集の1つである「読んで見て覚える重要古文単語315」(桐原書店)を例に、解説していきます。

クイック・レスポンス法だと、315単語を、約15時間で中期記憶(数週間~数ヶ月もつ記憶)に入れられ、約30時間で長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入れられます。また、この暗記法は他のどの解説詳細型古文単語集でも使えます。

1.「読んで見て覚える重要古文単語315」の特長

(1)実質単語数が1000以上で十分

 古文単語集は、300ワードレベル(共通テスト・中堅大学レベル)のものと、600ワードレベル(難関大学レベル)のものに分かれます。

 この単語集は、書名には315と書かれていますが、見出し語・コラムの単語・派生語などで約700,慣用句約90,古文常識語約300,合計で1000以上あり、難関大学文系でも十分な単語数です。

 これらはどれも暗記すれば点数に結びつくので、優先順位順に全て暗記していきます。

(2)古文常識、敬語も掲載

 古文単語だけでなく、古文常識、古文常識語、敬語、和歌の基礎知識,文学史、識別(品詞分解)の代表例など、古文の成績を上げるのに有効な知識が多数掲載されており、この本1冊を全部暗記すれば、古文語彙力は飛躍的に上がります。腰を据えて暗記しましょう。

(3)解説・例文付属

 これは解説詳細型の古文単語集では普通ですが、必要十分な解説と例文があります。

2.「読んで見て覚える重要古文単語315」暗記の目標

(1)順番に暗記する

 掲載語彙が多いので、必要に応じて、優先順に暗記していきます。順番は、【315の見出し語⇒付録の「慣用句・和歌・古文常識・文学史・識別」⇒コラム】。

(2)3つの意味を暗記

 古文単語の場合、訳語を何個覚えるかは悩ましいところです。訳語が6つあるなんて普通だからです。

 結論から言うと、訳語は最大3つまで覚えます(マレに、違う意味が4つあるものがありますが、それは4つ覚えます)。6つも覚えるのは普通、無理だからです。

 例えば、【うとし|①親しくない、疎遠だ、②関わりが薄い、縁遠い、③よそよそしい、親しめない】とある場合、①②③から1つずつ選び、暗記します。【うとし|①親しくない、②縁遠い、③よそよそしい】のように。

(3)中期記憶に入れる

 古文単語は即答できるように暗記します。これで短期記憶(数時間~数週間もつ記憶)から、中期記憶(数週間~数ヶ月もつ記憶)に入れられます。

(4)長期記憶に入れる

 入試の時に使える記憶にするには、中期記憶から、更に長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入れる必要があります。

 長期記憶に入れるには、徹底的な復習が不可欠です。よって、復習しながら先に進み、1冊暗記し終わった後も2ヶ月以上復習し、長期休暇にも復習します。

【国語で初めて80点以上取ることができました】

Aさん(高校1年生、東京都)

今まで国語はどうやって勉強したらいいかよく分からず、勉強も後回しになりがちで、実際、テストでもなかなか80点以上とることができずにいました。

今回、創賢塾で文章のキーワード・キーセンテンスを見つけ読んでいく方法古文単語の暗記方法などを教わり、春休みの間、毎日続けたところ、春休み明けのテストの国語(現代文+古典)で、初めて80点以上(81点、平均74点、 順位25位/324人)を取ることができました。

英語の瞬間英作文(英文法例文暗記法)クイック・レスポンス方法(英単語暗記法)での英単語の暗記も毎日続けており、毎週ある小テストでは常に満点を取ることができています。今後は中間テストに向けて更に続けていこうと思います。

創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい高校生のために【5教科のテスト勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。【高校生用:講座・セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。

3.解説詳細型古文単語集の暗記法

3.1.古文単語暗記法

以下の暗記法をクイック・レスポンス法と言います。

ここでは「毎日20分×7日で60単語を暗記」する場合を書いていきます。「毎日30分×7日」なら100単語を、「毎日15分×7日」なら50単語を暗記できます。

【クイック・レスポンス法】

(1)クイック・レスポンス法【「古文単語⇒現代語訳」×3回音読×60単語×1日6周(20分)×7日】

 ①単語解説は最初だけ読む:1回単語解説を読み理解し、重要と思った箇所にマーカーを引きます。毎回読んでいたら、理解はできますが、時間が掛かる割に暗記はできないので、時々見るにとどめた方が良いでしょう。

 ②例文:時々見ても良いですが、全く読まなくても単語の意味暗記に支障はありません。

 ③訳語は3つまで暗記する:上記の通り、意味の違う語義は、赤字だけでなく、3つまで全部覚えます。

 ④音読暗記:速く正確に3回音読します。

 ⑤4日目から毎日テスト:「古文単語⇒現代語訳」のテストをし、全訳語を即答できた古文単語は外します。そして残りの古文単語を、時間を減らさずに20分暗記します(上限10周)。

 ただし、6~7日目で残りが10~20個になり、全単語を10周しても時間が余る場合、その日の残り時間は次のセット(次の60単語)を暗記します。

 毎日全部テストします。今日即答できた単語でも、翌日即答できるとは限らないからです(完全に暗記したと思う単語は×を付けるなどしてテストしなくても構いません)。

 ⑥7日続ける:6日で90%、7日でほぼ100%暗記できます。7日で暗記できない場合は8~12日など延長したら必ず暗記できます。

 暗記できたら次の60単語に進みます。

 ⑦覚えにくい単語を自作古文単語帳にまとめる:60単語のうち、どうしても覚えにくいものが10%前後あります。それを8日目(7日で暗記できた翌日)の最初に自作古文単語帳にまとめ、書いた日から毎日復習します。

 自作古文単語帳の暗記法もクイック・レスポンス法です。完全に暗記するまで3~20日暗記を続けます。3日に1回はテストし、即答できた古文単語は外します。

(2)復習しながら先に進める【新規で60単語暗記+毎週既習全範囲を復習】

 毎週新規で60単語など暗記しつつ、既習範囲全部を、土日などに復習します。例えば、4週間目の場合、以下のように暗記+復習します。

 ①古文単語集(冊子):新規で181~240番暗記。

 ②自作古文単語帳:クイック・レスポンス法で毎日暗記(平日5分、土日20分ずつなど)。

 ③古文単語集(冊子)で復習:土日に既習180単語をテストし、忘れたものに印⇒自作古文単語帳に追加⇒クイック・レスポンス法で暗記。

(3)優先順位順に暗記:315の見出し語を暗記したら、引き続いて、【付録の「慣用句・和歌・古文常識・文学史・識別」⇒コラム】の順で暗記します。

 暗記法は同じです。

(4)長期記憶に入れる:きちんと復習しながら進めれば、【「毎日20分+土日40分」×20週間(5ヶ月)】程度で冊子1冊(約1000単語)を1周しただけでほぼ全部を暗記できます。315単語だけなら5~6週間で暗記可能です。

 しかし、1周ではまだ全てが長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入っているわけではないので、その後もしつこく以下のように復習していきます。

 ①自作古文単語帳:クイック・レスポンス法で毎日暗記。

 ②古文単語集(冊子)の復習:毎日50単語、土日に100単語などテストし、「忘れたものに印⇒自作古文単語帳に追加⇒クイック・レスポンス法で暗記」していきます。

 こうすれば約2週間で冊子1冊(約1000語彙)を1周できます。これを2ヶ月以上続けると、多くの単語は長期記憶に入ります。

 ③長期休暇に復習する:2ヶ月以上復習して、いったん完全に暗記したと思っても、全てが長期記憶に入っているわけではないので、数ヶ月したらまた徐々に忘れていきます。よって、定期テスト後や夏休み・冬休み・春休みなどに集中して復習していきます。

 暗記法は上記①②と同じです。

3.2.姿勢を変えると続きやすい

机の前に座って暗記するとストレスがたまりやすく、15分以上続きにくい人も多い。その際、立ったり、歩いたりして姿勢を変えると続きやすい。クイック・レスポンス法では机の前に座って行う必要は無いので、立ってやっても暗記できます。

一番オススメなのは、直径1メートルくらいの円周を5~8秒かけてゆっくり歩くことです。こうすればストレスが溜まりにくく、疲れず、集中が続きます。

これは「声に出して読みたい日本語」(草思社)で有名な齋藤孝・明治大学教授など多くの方がオススメする集中法です。

3.3.平仮名が同じで、漢字が違う古文単語の覚え方

平仮名が同じで、漢字が違う古文単語の場合、別々に暗記します。

例えば、【やすし|①[安し]心が安らかだ、穏やかだ。②[易し]容易だ、たやすい、③[易し]無造作だ】の場合、【やすし|①[安し]心が安らかだ、穏やかだ】と【②[易し]容易だ、③[易し]無造作だ】と分けて別々に暗記します。

【創賢塾の勉強法が役立っています】

Fさん(高校1年生、千葉県)

期末テストの結果が返ってきました。

先生に教えていただいた通りに勉強した科目に関しては、90点以上またはトップ3に入ることが出来ました。

点数は、コミュニケーション英語97点(同75点)、論理表現91点(同76点:学年2位)、数学A97点(同65点:学年1位)、現代文84点(平均69点:学年2位)、古文92点(同78点)、世界史91点(同86点)、日本史97点(同87点:学年3位)でした。

しかし、少しサボった科目-数学1:86点(平均72点)、生物基礎83点(平均77点)、化学基礎87点(平均72点)-に関しては満足いかない点数でした。総合では学年4位でした。

反省点がたくさんあるので、夏休みも、教えていただいた、英語の瞬間英作文音読法、数学の口頭再現法、古文単語の暗記法、訳の暗記、品詞分解などをしっかり続けていきます。

英単語の暗記(クイック・レスポンス法)は、出来るだけ毎日2時間やっているのですが、とても効果があり、実際に実践できた日はその日の英単語はほとんど覚えることが出来ています。これからも続けていきたいです。

4.復習の重要性

4.1.古文単語帳を1周で全部暗記するには

毎週60単語暗記していったら、だんだん復習がきつくなります。

そのとき、普通は先にどんどん進め、復習を怠ります。そうすると、1冊を1周終わっても、前半の多くを忘れているので、2周、3周する必要があります。しかし、2~3周したとしても,暗記する途中で既習部分をどんどん忘れますから、「一体いつになったら全部覚えられるのだろう」となります。そしてそのうち諦め、挫折します。

ではどうしたら1冊全部を最短期間で暗記できるかというと、「復習しながら先へ進む」ことです。

例えば、毎週1セット60単語を暗記する場合、2週間目も3週間目も10週間目も、既習全範囲を復習します。そうすれば、1周終わった段階で、ほぼ全部暗記しています。そしてその後も2ヶ月以上暗記し続け、長期記憶に入れていきます。

復習しながら先へ進むべきなのは、古文単語帳に限らず、英単語帳、数学問題集など、全ての単語集・問題集で同じです。

4.2.復習週間

毎週、既習全範囲を復習していくと、当たり前ですが復習量がどんどん増えて、単語暗記に使う時間を増やすか、復習をしないか、先に進めるのを一時停止するかの選択を迫られます。

そのとき、普通は復習しないで先に進めようとしますが、それではいつまでも暗記できないので、必ず復習を優先します。

つまり、勉強時間を増やせないなら、新規で進めるのを一時停止し、1~2週間を復習週間にし、徹底的に暗記するのです。そうすれば、いったん完全に暗記でき、復習時間が少なくて済むようになるので、また先に進めます。

5.習得時間

5.1.毎日20分以上暗記する

古文単語帳1冊を全部暗記したい場合、毎日5~10分ではいつまで経っても全部暗記できません。復習だけで5~10分はかかるからです。

よって、見出し語315だけなら6~8週間、全1000単語なら4~6ヶ月で全部暗記すると決めて、その間は、最低毎日15分(土日30分以上)、できれば20~30分(土日40~60分以上)を古文単語暗記に使います。

5.2.長期記憶に入れるのに掛かる時間

見出し語315語なら、復習時間を入れないで計算すると「毎日20分×7日(60語)×6週間≒14時間」、6週間の間の復習時間は「毎日5分×6週間≒3.5時間」、全体2周目以降の2ヶ月間の復習時間は「毎日10分×2ヶ月≒10時間」、合計28時間弱で全部暗記できます。

全1000単語なら、その3~4倍です。

5.3.古文単語暗記は集中的に

ちなみに、このクイック・レスポンス法だと、1日何セットでも暗記可能なので、例えば夏休みに、「1日1時間(3セット180単語)×7日間」のようにすれば1週間で180単語を、2週間で「読んで見て覚える重要古文単語315」の全見出し語(315単語)を暗記できます。

このように、単語暗記は集中的に暗記するのがオススメです。ダラダラ覚えていたら途中でどんどん忘れていくからです。

ただし、長期記憶に入れるために、いったん暗記してからも復習を地道に徹底的にする必要があります。

6.終わりに

以上、「読んで見て覚える重要古文単語315」を例に、解説詳細型古文単語集の暗記法を書いてきました。

この文章があなたのお役に立てれば幸いです。健闘を祈ります。

創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい高校生のために【5教科のテスト勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。【高校生用:講座・セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。

【国語の共通テスト対策問題の正答率が上がりました】

Tさん(高校3年生、神奈川県、法政大学キャリアデザイン学部[偏差値60]合格)

いつもお世話になっております。授業では、国語については、現代文の長文問題のキーワード・キーセンテンスを使った読み方解き方古典の品詞分解の方法現代語訳の暗記法古文単語の暗記法などを教えていただいています。

学校で現代文や古典の共通テスト対策問題を解いていますが、創賢塾の授業で教わっていることが身に付いてきて、今まで曖昧に、適当に選んでいたのが、最近は根拠やこの文は文章内にあったのか、など考えて問題を解けるようになったので、正答率が上がりました(正答率30~40%⇒60%前後)。

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