小論文上達法2:課題文の読解法


小論文問題には様々な問題形式があります。ここでは、課題文の論理的な読み方、要約法、統計資料の読解法などの、小論文以外の対策法を書いていきます。

小論文の書き方については小論文上達法1:課題文の読解法に書いています。

1.課題文がある問題の対策法

1.1.キーワードとキーセンテンスを付けながら課題文を読む

小論文では、課題文(普通の現代文の問題のような1~10ページ前後の文章)が出る場合が多い。

課題文を読むときはキーワード(重要な言葉・連語)とキーセンテンス(重要な文)に印を付けなければなりません。キーワードとキーセンテンスに印を付ければ、文章の論理的流れが理解でき、主旨・主張を把握しやすいからです。

よく、「論理的に読め」と言われますが、文章を論理的に読む最も有効な方法の1つは、キーワードとキーセンテンスに印を付けることです。

1.2.キーワードの適切な見つけ方

キーワードの見つけ方は以下の通りです。

【論理的文章のキーワードの見つけ方】

(1)「話題(=主題=テーマ)」はキーワード。

 話題とは「その文章は何について書かれているか」です。論理的な文章を読むときの最優先事項は話題を見つけることで、次は「主張(話題について、筆者が一番言いたいこと)」を見つけることです。

 話題と主張を混同する人が多いですが、全く異なるのできちんと区別して覚えて下さい。

(2)2回以上出てくる言葉はキーワードの可能性が高い。

 ただし、「話す、作る、生活」などの普通の言葉は、2回以上出てきてもキーワードの可能性は低い。

(3)普段あまり使われない、筆者独特の表現がキーワードになることがある。

 例えば、「先入主、対象化、造形意志、剰余の眼、対話性、批評家気質」など。

(4)主張にはキーワードがたいてい入っているので、主張を見つけたら注意深くキーワードを探す。

1.3.キーセンテンスの適切な見つけ方

キーセンテンスの見つけ方は以下の通りです。

【論理的文章のキーセンテンスの見つけ方】

(1)文章の最後にはほぼ必ずキーセンテンスがある。意味段落の最後にもキーセンテンスがあることが多い。

 主張は最重要のキーセンテンスで、主張は文章の最後(最後5~10行前後や最後の段落)や意味段落の最後にあることが多いので、そこを注意深く探します。

 意味段落とは、「同じ話題の形式段落(1字下がった、通常の段落)の数個の集まり」ことです。3~4前後の形式段落で1つの意味段落を構成することが多くなります。

(2)キーセンテンスは「しかし・だが(逆接)、つまり・要するに・すなわち、したがって・ゆえに・それゆえ・だから、このように・こうして・結局、いずれにしても(結論を導く)」などの特定の接続語の後にあることが多い。これらの接続語は四角で囲む。

 例えば、「A、しかしB」「もちろんAだが、しかしB」とあったら、AよりBの方が重要です。また、因果関係では、原因(理由)より結果(結論)の方が重要なので、「したがって・だから・このように」などの結果・結論を導く接続語の後が前より重要です。

(3)強調表現:強調表現の前後の強調される部分はキーワード・キーセンテンスになる可能性が高い。強調表現は四角で囲む。

 強調表現とは「とても、非常に、最も~、重要なのは~、本質、根源的、基本的、こそ、まさに、実は、~が重要だ、~のだ、~なのだ、~なのである、~のです、~なのです」などで、強調表現自体が重要なのではなく、その前後で強調されている部分が重要です。

 強調表現とは、筆者がわざわざ「これは重要ですよ」と示してくれている内容なので重要です。

(4)「(私は~~と)思う、考える、気づいた」「~すべきだ、~しなければならない」「反語表現(~ではないだろうか、~と言えないだろうか)」などとあったらそれは主張の可能性が高い。

(5)問題提起の答えは必ず重要なのでキーセンテンス。

 「問題提起」とは、文章の中で筆者が読者に問いかけるような文のことです。例えば、「日本の現代建築の最大の特徴は何だろうか?」など。

 筆者は問題提起の答えを知っていますが、それをなぜわざわざ疑問形にして話を長くするのかというと、その答えが重要だからです。よって、問題提起があったら、その答えを探しながら読み、答えを見つけたら印を付けます。

(6)「根拠(具体例・体験談・引用など)」は重要度が低いので、キーセンテンスにはなりにくい。

 論理的文章の一つ一つの文は、主に、「主張」と、主張を補強する「根拠(理由、説明、言い換え、定義・分類、例示・具体例、科学的データ、引用、体験談、比喩、時系列変化など)」の2つに分けられます。

 「主張」とは「筆者の一番言いたいこと」ですが、「主張」を提示するだけでは読者は納得しませんから、著者は必ず「根拠」を複数挙げます。根拠は「主張」をサポートする要素なので、重要性は主張より低い。

(7)論理関係とキーセンテンス:文と文との関係、論理関係には「言い換え(イコールの関係)、因果関係、逆接・対比・対立、譲歩(予想される反論とそれへの反駁:なるほど~だが、しかし~)、進展(次の話題に移る:ところで)」などがあります。

 このうち、①因果関係の結果、②逆接の後、③対比の重要な方、④譲歩(なるほど~だが、しかし~)の逆接の後、の4つはキーセンテンスになりやすい

(8)普通のことは重要ではない。変わったこと、普通でない事実・意見・体験、常識に反する事実・意見が重要なのでキーセンテンス。

 普通のこと・常識的なことを書いても、みんな知っているから重要ではありません。逆に、普通でなく常識とは違うが、説得力のある文章が、重要だし評価されます。

 常識的な内容と常識に反した内容が対比して書かれていたら、たいてい後者の方が重要になります(常識はこうだが、実はこうだ、など)。

(9)内容:以上の要素に加えて内容的に重要なら、キーセンテンス。

 (1)~(8)の内容は、形からある程度分かります(「思う」と書いてあるなど)が、それに加えて内容が重要なら、キーセンテンスになります。

1.4.読解力を身に付ける3つの方法

課題文を読み取り、問題に答えるには、当然、「読解力」が重要になります。

読解力とは、文章の意味がより深く分かり、要点(話題・キーワード・キーセンテンス・主張)を素速く把握できる能力のことです。

読解力を身に付けるには、読書、30回音読、要約トレーニングが有効です。

(1)読書:読書をすれば、語彙が増え、読む速度が上がり、読書体力がつき、知識が増え、思考力と読解力が上がります。ただし、高校生は読書時間が限られる場合が多いので、その代わりとして以下の30回音読を通常はオススメしています。

(2)30回音読:30回音読とは「小論文の課題文や現代文の問題文などを、毎日10分音読し、1週間で1つの文章を約30回音読する」勉強法です。1年で約50文章を30回音読します。

 同じ文章を何度も読むと、その文章の理解度はどんどん上がり、30回読んだ文章を30文、50文と頭に蓄積していくと、(読んだ文章だけでなく)一般的な読解力が上がっていきます。

(3)要約:要約するときには、どこが重要かを考えなければならないため、ただ読むときより遙かに深く読む必要が出ますから、必然的に内容がよく分かるようになり、読解力が上がります。

 要約方法は以下に書いています。

2.要約法

2.1.要約の書き方

学校によっては課題文の要約を書いた上で小論文を書く問題があります。

要約は「キーワードとキーセンテンスを混ぜて、日本語として意味が通じるように、字数以内で書く」ことで書けます。詳しくは以下の通り。

【要約の書き方】

(1)キーワードとキーセンテンスを混ぜて要約を書く

 キーワードとキーセンテンスに優先順位を付け、最重要なものから入れていき、本文の論理の流れを崩さず、本文の意味を変えず、文法的に正しく、日本語として意味が通じるように、分かりやすく、字数以内におさめて書きます。

 「本文の論理の流れを崩さず」とは、例えば、本文に因果関係で書いてあったら因果関係で書く、本文に逆接で書いていないのに自分で勝手にここは逆接だろうと推測して逆接で書くことはしない、などです。

 「文法的に正しく」とは、主語や目的語が抜けていないか、主語が2つあったり、主語と述語がねじれていたりしないか、ということです。

(2)最重要なキーワードとキーセンテンスは話題と主張

 主張は2~3回繰り返される場合があり、その場合、以下の3つの条件を考えて最重要な箇所を選びます。

 ①包括的:内容が重複しているキーセンテンス・主張が複数ある場合、より包括的な文を中心に書きます。例えば、一方が3つ、一方が4つの内容が書かれている場合、4つの方を中心にして書きます。

 ②簡潔:ダラダラと長く書かれている文より、簡潔でまとまっている箇所を取ります。

 ③分かりやすい:意味が分かりやすい箇所を選びます。

(3)主張の次に入れるべきなのは「主張の理由(論拠)」

 「理由」は「なぜなら、というのは(後が理由)、したがって・ゆえに・それゆえ・だから、このように・こうして・結局(前が理由)」などの接続語から判断できます。

(4)具体例・引用・体験談などは、原則、要約には入れない

 理由以外の「根拠(説明、定義・分類、例示・具体例、科学的データ、引用、体験談、比喩、時系列変化など)」は、原則、要約には入れません。

2.2.オススメ要約問題集

よく、新聞の社説を要約していたが挫折した、という人がいます。社説を要約してもいいのですが、正解がないので、内容を誰かにチェックしてもらわないと、正しい要約かどうか判断できないのが難点です。

よって、「答え(要約)」が載っている問題集で要約をするのが賢い方法です。志望校の過去問の要約問題に解答があれば、上記「キーワードとキーセンテンスの印の付け方」「要約法」を参考に、何度も解きます。それ以外には以下のような問題集も有効です。

要約問題集はほとんどありませんが、以下の本には要約の方法、キーワードの見つけ方、要約文が載っています。

「国語の読みテクトレーニング 説明文・論説文」(文芸社、初歩的な要約問題集)
「現代文読解力の開発講座」(駿台、100字要約、高度)
現代文と格闘する」(河合出版、200字要約、最高度)

最初に取り組む要約本としては国語の読みテクトレーニング 説明文・論説文」が最適です。中学入試用の問題集ですが、高校生といえども要約のやり方が分かっている生徒はほとんどいないので、簡単な文章から始めるのが正解です。

また、以下の本には要約が載っています。

大学入試問題選現代文中堅私立大学レベル」(日栄社、100字要約)
現代文―高校初級&中級&上級用 発展30日完成」(3冊、日栄社、100字要約)
徹底20日間マスター [21] 現代文(基礎編)」(日栄社、100字要約)
生きる現代文読解語」(駿台、要約が60文)
ちくま評論入門」(筑摩書房、200字要約)
出口の好きになる現代文 論理入門編&完成編」(水王舎、200字要約)
大学入試 全レベル問題集 現代文 6国公立大レベル」(旺文社、200字要約)
上級現代文1&2」(桐原書店、100字要約、段落要約)
体系現代文」(教学社、200字要約)

以上の問題集のうち、志望校の課題文の長さや種類、分野などと似た文章が載っている問題集を選び、3~5周し、全部で100以上要約しましょう。

100文を要約することで、要約がスラスラできるようになり、国語力・記述力が驚くほど伸びていきます。ぜひ、1年、2年、100文、200文と要約を続けていきましょう。

2.3.添削を受ける

小論文と同じで、要約は自己流では限界がありますから、30~40回以上要約してある程度要約法が分かったら、あるいは何回要約しても要約の仕方がよく分からなかったら、できれば要約に精通した優秀な教師・塾講師などに添削をしてもらいましょう。

周りに優秀な指導者がいなかったら、創賢塾でも要約指導を行っています。

3.統計資料問題付き小論文問題への対策法

志望校の小論文問題に統計資料(グラフや表)が出る場合、読み取り・記述に苦労する人も多いでしょう。統計資料問題といっても、統計の種類・課題文があるか・設問の形式など、千差万別ですから、まずは過去問を解いていくのが正解です。

他の問題形式と同様、過去問とその模範解答をできるだけ多く集め、換骨奪胎法で書いていきます(100%自力⇒模範解答をまねて15%自力⇒30%自力⇒……⇒100%自力)。

その際、模範解答がグラフや表のどの部分に注目し、書いているかを把握し、なぜそれが重要かを設問を見て理解します。自分でよく分からなければ、学校や塾の先生に聞いて解説してもらいます。

問題をたくさん書き、資料を理解し、解説してもらう、というプロセスを30~50回繰り返せば、どんなに統計資料の読み取りが不得意な人も、だんだんできるようになります。

過去問の問題を解き尽くしたら、次は統計資料付きの小論文問題の解き方が書かれた以下のような問題集や、過去問に似た形式の問題が収録されている問題集を探し、同様に解いていきます。

「吉岡のなるほど小論文講義10」」(学研)

【終わりに】

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

小論文を苦手にする受験生が多いですが、上記のように勉強すれば、誰でも速やかに上達します。

創賢塾では、小論文勉強法の指導もしています。気になった方は以下からお問い合わせ下さい。


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