要約マニュアル


要約は国語力を上げるのにとても役立つ重要なトレーニングです。国語の成績を上げたい中学生はぜひ要約トレーニングをしましょう。

このページでは要約マニュアルと要約用問題集、要約のメリットについて書いていきます。

1.要約マニュアル

1.1.要約方法がすぐ分かる簡単要約マニュアル

以下のマニュアルを使って100文を要約したら、要約は書けるようになります。

ただ、独力では限界がありますから、要約が書かれている問題集で練習するか、できれば実力のある国語の教師や塾の講師に添削してもらいましょう。

【要約マニュアル】

要約はキーワードとキーセンテンスを論理的につなげれば書けますから、まずはキーワードとキーセンテンスを探していきます。

(1)キーワードを見つける

◎キーワード=カギとなる重要な言葉・連語。
◎キーワードは丸で囲む。
◎キーワードは、1段落(5~10行前後)の中に、おおよそ、3~8つ前後ある。

①「話題(=主題・テーマ)」はキーワード。

話題とは「その文章は何について書かれているか」ということ。

論理的な文章を読むときの最優先事項は、話題を見つけることで、次に「主張(話題について、筆者が一番言いたいこと)」を探していく。

話題は「日本・環境問題・日本語」のような大きな話題が正面から語られることはほぼ無く、「日本の大衆文化、日本語の擬音語と詩歌の関係、現代日本の木製建築技術」のような少しマイナーな話題になる。このような場合は連語(フレーズ)になることも多い。

②2回以上出てくる言葉はキーワードの可能性が高い。

ただし、「話す、生活、作る」などの普通の言葉は、2回以上出てきても、キーワードの可能性は小さい。

③強い言葉1:強調表現:「とても、非常に、最も~、重要なのは、~が重要、本質、根源的、基本的、こそ、まさに、実は」などの強調表現の前後はキーワード・キーセンテンスになる可能性が高い。

強調表現自体が重要なのではない、その前後に重要な箇所(強調される箇所)がある。強調表現は四角でくるむ。

④強い言葉2:筆者独特の表現で、あまり使われない言葉が重要なことがある。

これは分かりにくいが、例えば、評論文で「無用、無償のまなざし」、「語ー文法的な言葉観」などの普段使われない表現が書かれてあるなど。

⑤主張に入っている強い言葉を探す。

主張にはたいていキーワードが複数入っている。評論文1つの中に、1~2の主張がある(同じ内容を言い換えて3~4箇所の場合も多い)。

主張を見つけたら、その文の中で重要な言葉を探す。

(2)キーセンテンスを見つける

◎キーセンテンス=カギとなる重要な文(丸から丸までとは限らない、10字以上をキーセンテンス、10字未満をキーワードとここでは定義する)。
◎キーセンテンスは<>でくるむ(傍線を引くと、問題の傍線部が見にくくなるので、傍線は引かない)。
◎キーセンテンスは、各段落に1~3文前後(その段落の重要文、まとめ)ある。
◎キーセンテンスは「重要な文」で、主張は「最も重要な文」なので、主張はキーセンテンス。

①最後の段落を探す。

主張・結論は最重要のキーセンテンスで、主張は文章の最後(最後の段落、最後の5行ほど)にあることが多いので、最後の段落を探す。

②キーセンテンスは特定の※接続語の後に来ることが多い。その接続語は四角でくるむ。

※キーセンテンスを導く接続語:「しかし・だが(逆接)、つまり・要するに・すなわち(言い換え、結論を導く)、したがって・ゆえに・それゆえ・だから(因果関係の果=結果を導く)、このように・こうして・結局(結論を導く)」など。

例えば、「A、しかしB」「もちろんAだが、しかしB」とあったら、AよりBの方が重要。また、因果関係では、原因より結果(結論)の方が重要なので、「したがって・だから・このように」などの結果・結論を導く接続語の後が重要。

③「(私は……)思う、考える、気づいた」とあったらそれは主張の可能性が高い。

④問題提起の答えは必ず重要なのでキーセンテンス。

「問題提起」とは、文章の中で筆者が読者に問いかけるような文のこと。例えば、「日本の現代建築の最大の特徴は何だろうか?」など。

筆者は問題提起の答えを知っており、それをわざわざ疑問形にするのは、重要だから。よって、問題提起があったら、その答えを探しながら読む。

⑤「具体例・体験談・引用などの根拠」は具体的で、重要度が低いので、原則、要約には入れない。

論理的文章の大半の文は「主張」と「根拠」の2つに分類できる。「主張」とは「筆者の一番言いたいこと」だが、「主張」を提示するだけでは読者は納得しないから、著者は必ず「根拠」を複数挙げる。根拠は「主張」をサポートする要素で、重要性は主張より落ちるので、原則、要約には入れない。

根拠には、「理由、説明(詳しい説明)、定義・分類、例示・具体例、科学的データ、引用、体験談、対比、比喩、因果関係、予想される反論とそれへの反駁(譲歩)、時系列変化」などの種類がある。

よって、接続語「たとえば」(例示、具体例)がつく文は、キーセンテンスではない。ただし、分量的に具体例等が8割など多くを占める場合は、具体例も要約に入れることがある。

逆に、主張やキーセンテンスは「抽象的な(一般的な)まとめ」のことが多い。

⑥「~~のだ、なのだ、なのである」「反語表現(……ではないだろうか、……と言えないだろうか)」が付く文は重要なことが多い。

⑦普通のことは重要ではない。変わったこと、普通でない意見・事実・言葉・体験が重要。

評論文では、普通のこと、誰でも知っていること、誰でも考えそうなことを書いても、誰も読んでくれないし、評価もされない。逆に、普通・常識とは逆の意見だが、言われてみれば納得できる主張、意外な事実が評価される。

⑧内容:以上の要素で当たりをつけた個所が、内容的に重要なら、キーセンテンス。

①~⑥は形から分かるものも多いが、それだけで100%キーセンテンスとはならない。プラス、内容的に重要なら、キーセンテンスになる。

(3)キーワードとキーセンテンスをつなげて書く。

その際、できるだけ本文の言葉を用いて(短くするなどの必要がない場合、勝手に言葉を変えない)、日本語として意味が通るように書く(主語と述語がねじれる人が多い)。

1.2.要約マニュアルの覚え方

以上のようなマニュアルを提示されても、多くの人はこれを覚えず、使いこなせません。

ではどうしたらいいかというと、創賢塾では、上記のマニュアルをまとめ、それを覚えてもらいます。

具体的には、ルーズリーフに縦線を引き、左に質問、右に答えを書きます。

【キーワードの5つの見つけ方とは?|①話題、②2回以上出てくる言葉、③強調表現、④筆者独特の表現、……】

要約マニュアル全体を暗記するのは大変ですが、これならすぐに覚えられます。皆さんも、覚えたいことは簡潔にまとめ(これ自体が要約トレーニングになります)、暗記していきましょう。

2.要約問題集

要約は、10回や20回やったからといって簡単には上手くなりません。だいたい、100回以上要約すると速く上手く要約できるようになります。

では何を要約すればよいのでしょうか。

よく、新聞の社説を要約していたが挫折したという人がいます。社説を要約してもいいのですが、内容を誰かにチェックしてもらわないと、正しい要約かどうか判断できないので、なかなか要約力が伸びにくいのが難点です。

よって、最初は、「答え(要約)」が載っている問題集で始めるのが賢い方法です。以下の本には要約の方法、キーワードの見つけ方、要約文が載っています。以下の中でオススメにはを付けています。

「★国語の読みテクトレーニング 説明文・論説文」(文芸社、初歩的な要約問題集)

中学生向けの要約が載った問題集はほぼありません。よって、上記「読みテク」を終わった後は、以下の高校生用の問題集に挑戦しましょう。中3なら、何とかできるでしょう。

現代文―高校初級&中級&上級用 発展30日完成」(3冊、日栄社、100字要約)
徹底20日間マスター [21] 現代文(基礎編)」(日栄社、100字要約)
生きる現代文読解語」(駿台、要約が60文)
ちくま評論入門」(筑摩書房、200字要約)
出口の好きになる現代文 論理入門編&完成編」(水王舎、200字要約)

これらの問題集を3~5周し、全部で100以上要約しましょう。

要約を続けることで国語力は驚くほど伸びていきます。ぜひ、1年、2年、100文、200文と要約を続けていきましょう。

3.要約のメリット

3.1.要約ができれば国語の成績が上がる

国語の成績を上げるには、「論理的に読む」、「論理的に解く」の2つが必要です。

論理的に読む」とは、簡単に言えば、「キーワードとキーセンテンスに適切に印を付けられる」ということです。これができれば、重要な部分(キーワードとキーセンテンス)と重要でない部分を区別できるようになり、また重要な部分をある程度記憶にとどめておくことができます。

そして、その重要な部分が問題になったり、根拠になったり、答えになったりするので、キーワードとキーセンテンスに印を付けていれば、本文にある解答や根拠を探しやすくなり、したがって、正答率が上がります。

また、「論理的に解く」とは、「問題形式ごとの正しい解き方を習得し、それを使って解く」ということです。

以上2つの要素のうち、「論理的に読む」方は、キーワードとキーセンテンスに適切に印を付けられればできますから、これはまさに、要約トレーニングで可能になります。

よって、要約に熟達すれば、国語の成績は上がるのです。

3.2.要約トレーニングをすると読解力や論理的思考力が上がる

要約を書くとき、キーワードの幾つかの選択肢の中で、それらを比較し、分析し、どれが最も重要かを考える。

キーセンテンスはどれかと文章構造を考え、全体の主旨やテーマとの関係を考え、全体の意味を考え、最適なキーセンテンスを選ぶ。主張はどこにあるかと探し、幾つかの選択肢の中でそれらを比較し、分析し、一番重要な主張を選ぶ。そしてそれを論理的につなげて書く。

このような「要約を書く」という目的を持った読み方では、単にサラッと読むときよりも、遙かに深く読む必要があります。よって、要約のプロセスで、確実に読解力や論理的思考力が身に付いていきます。

ただ、要約は論理的思考力を直接身に付ける勉強法ではないので、論理的思考力を確実に身に付けたい場合は、要約に加えて、「論理的な解き方を解説した良質な問題集」をインストールしリーズニングすることが必要になります。

3.3.要約ができれば論理的に書けるようになる

要約をたくさん書く過程で、文章を簡潔明瞭に素早く書く方法や、分かりやすく上手に書く方法が身に付き、ひいては、論理的な記述力や自分の言いたいことを的確に表現する能力が身に付いていきます。

書く力は、「沢山書き、沢山添削してもらう」ことで伸びていきます。これは要約トレーニングで可能になります。

3.4.要約力は全ての教科で役立つ

要約力が身に付いていくと、書かれた内容、話された内容の中の重要な部分が分かり、それを記憶できるようになるので、国語に役に立つだけでなく、全ての教科で役に立ちます。

3.5.要約力は大学や仕事でも役立つ

要約力とは、「結局何が言いたいのか」「何が問題で、どうすればいいのか」ということを的確に把握する能力、言い換えれば「物事の核心をすばやく見抜く力」です。これは人間の全ての能力の基礎力です。

よって、要約力を磨くと、大学受験の全教科で役立つだけでなく、将来、大学でレポートや論文を書くのに役立ち、ゼミでの討論や仕事でも役立ちます。

つまり、要約力は一生役に立ちます。

【終わりに】

本稿を参考に、どんどん要約トレーニングをしていって下さい。要約が100個を超えたら、確かな効果を実感できるでしょう。

ただ、できれば添削はしてもらった方が良いので、学校や塾の先生に添削をお願いしてみてください。

もし周りに適切な先生がいない場合は、創賢塾でも要約指導、論理的思考力指導をしています。お問い合わせ下さい。


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