国語の成績を飛躍させる10の能力とその勉強法


国語は語彙力や論理的思考力などの総合力です。そういった国語の下位能力を明らかにし、中学生の国語の成績を上げる方法を解説していきます。これを読めば、今までどうして国語の成績が上がらなかったか、そしてどうすれば成績が上がるのかが分かるでしょう。

はじめに

国語(現代文)は最も成績を上げるのが難しい科目と言われています。それは確かに事実ですが、上げる方法があるのも事実です。
国語の成績が上がりにくいのには理由があります。それは「国語力」といっても、実は以下のような能力の総合力だからです。この国語力の下位能力の中で、自分の欠けている能力を伸ばしていけば、国語の成績は上がっていきます。
以下、国語力を構成する能力とその伸ばし方を述べていきます。

1.語彙力

言葉の正確な意味を知らないと、曖昧にしか文章を理解できません。受験用語彙集・評論語彙集・漢字の意味を覚えてください。

「国語力を伸ばす語彙1700」(文英堂)
「高校入試出る順中学漢字スタートアップ基本漢字1400」(現文舎)
「高校入試 出る順中学漢字スタートアップ 受験漢字1900」(現文舎)

2.文法力

英語を考えても分かる通り、言葉の決まりである文法の理解が足りないと、文章を正確に理解することは出来ません。例えば、長くて複雑な文を理解するには、どれが主語で述語かなどを文法的に確定させていく能力が必要です。日本人でも文法理解力は個々人で大きな差がありますから、国語の苦手な生徒は文法を学び直すことが必要になります。中高生でも以下のような文法問題集が役立ちます。

「出口汪の新日本語トレーニング」シリーズ(小学館)

3.論理的読解力

論説文、説明文などの論理的文章には、文章構成上の決まった「型」と、「構成要素(パーツ)」があります。「型」とは「主張⇒根拠」、「根拠⇒主張」などで、「構成要素」とはテーマ、主張、根拠(具体例、体験談、引用など)です。これらを判別して話の流れ(論理)を読み取ることの出来る能力を「論理的読解力」と言います。
論理的読解力が身に付けば、主張(筆者の言いたいこと)や流れ(筋道、論理)が分かり、問題を解きやすくなります。

論理的に読むとは、例えば、「ここは主張を述べているな、ここはテーマが書かれている、ここは問題提起をしている、最後のここに結論(主張)が書かれている、この段落は具体例と体験が書かれていて重要性は低い」など、文章の重要な部分とそうでない部分が判別でき、各部分の役割(主張、テーマ、根拠、具体例など)を理解しながら読むということです。

この型と構成要素については以下で詳しく説明しています。

現代文(評論文)の全体像を知る

論理的読解力は以下のような問題集で身に付けることができます。

「出口の国語レベル別問題集」シリーズ(ナガセ)
「システム中学国語」シリーズ(水王舎)

4.論理的記述力

4.1.本格的記述トレーニング:作文・小論文を書く

論理的に書けるようになるには、論理的に読むトレーニングをしつつ、論理的に書くトレーニングをすることが必要になります。

本格的に論理的に書くトレーニングをするには、高校入試の作文・小論文問題集や大学受験用の小論文問題集を使って多数書く必要があります。小論文は、先に述べた「型」と「構成要素」がきちんと書かれた良質の問題集を用い、20~50編以上書くことで書けるようになります。

「作文・小論文合格ガイド」(受験研究社)
「吉岡のなるほど小論文講義10」(学研)
「出口小論文講義の実況中継1&2」(語学春秋社)

4.2.記述問題を書けるための3つの能力

現代文(国語)の記述問題を論理的に書くためには、次の3つの能力が必要です。

(1)文法的に正しく書く能力:例えば、主語と述語がねじれないように書く、接続詞を適切に使って、文と文との関係を明示する、一文をあまり長く書かない(50字以下にする)などに注意します。

(2)キーワードを見つける能力:記述問題には、必ず含まれなければならない言葉(キーワード)が3つ前後あります。そのキーワードを見つける能力は、要約トレーニングで身に付けられます。

(3)論理的に書く能力:記述問題ではそれほど長い文章を書くわけではないので、論理が飛躍していないか、書いていることが矛盾していないかに注意して推敲すればよいでしょう。

4.3.記述問題を書けるようにする3つのトレーニング

以上の論理的記述力を習得するには、たくさん書くこと、解答を書き写すこと、自分が書いた文章を親や教師に添削してもらうことの3つが役立ちます。

論理的記述力・小論文の書き方については【現代文の成績の上げ方】で説明しています。

5.要約力

要約力は国語力を上げるために最も役立つ能力の一つです。

要約は、キーワードとキーセンテンス、主張を見つけ、それを論理的につなげれば書けます。キーワードとキーセンテンス、主張は文章の最も重要な部分で、かつ、その重要な部分が問題として出されるので、これらを読み取ることができれば、文章の意味や筋道(論理)が分かり、問題が解けるようになります。
記述問題にもキーワード(入れなければならない言葉)があり、それを見つけることが直接得点につながります。

要約力は、要約の方法を身に付け、その方法で要約を100回書けば身に付いていきます。要約の方法は【評論文(論理的文章)の要約の方法】に書いています。

要約問題集:「国語の読みテクトレーニング」(文芸社)

6.得点力

国語の地力があっても、試験(模試、入試)で高得点を取れるとは限りません。試験では、問題文をどう読み、設問にどう答えるかの「論理的な解き方」があり、それを習得できていなければ、高得点はなかなか取れないからです。

「論理的な解き方」を身に付け、得点力を上げるのに最も役立つ勉強法は、論理的解法が丁寧に解説された良質な問題集に書かれている「問題を解くときの論理的な解き方」を習得し、自分で出来るようにすることです。
この習得方法を私は「インストール(自分の頭に正解に至る論理的解法プロセスを入れること)」と言っています。これは【現代文の成績の上げ方】で解説しています。

「出口の国語レベル別問題集」シリーズ(ナガセ)
「システム中学国語」シリーズ(水王舎)

7.共感力

物語文、小説問題では、「感情・気持ち」が問題の中心になります。これは頭で考えているだけでは解けるようにはなりません。自分が実際に感じたことがあれば、登場人物の感情や気持ちが分かり、共感でき、解きやすくなります。そのためには、実生活や読書でいろいろな感情を体験し、周囲の人との感情的なやり取りをしていくことが役立ちます。実生活でそれほど多様な体験は一挙には出来ませんが、読書では可能です。よって、共感力の育成には読書量が物を言います。多読を心がけましょう。

8.人間力・本質を見極める思考力

入試には文章の深い意味合いを理解しなければ解けない問題も出ます。そのような問題を解くには、人生経験や読書量、深く思考する能力などをひっくるめた「人間力・本質を見極める思考力」が必要です。
これには即効薬はありませんが、要約を書き続けて文章の一番言いたいことを把握する力を磨くことや、国語の問題文や新聞の社説、読んだ小説などについて「自分の意見・考えを書き続ける」ことが役立ちます。

9.読書体力

国語の問題文2~3ページを読むだけで疲れる人がいます。これは読書不足が原因です。これでは問題を解くのが相当不利なので、読書体力が不足していると自覚している人は読書をすべきでしょう。

10.背景知識

例えば環境問題についての問題文が出たとき、同じテーマの文章をそれまで10文読んだことのある人は、一つも読んだことのない人より明らかに有利です。それについての知識や考えた量に違いがあるからです。読書と問題量を増やしましょう。

国語力には以上の10の能力が関わっています。これらのどの能力が欠けているかを自己チェックし、補強していくことで、国語力と成績は確実に上がっていきます。
ただ、チェックし補うのは生徒本人や親御様では難しい場合もあります。当塾では、国語の専門家で、10年以上論理エンジンや論理的思考力、国語を教えている東大卒の講師が、国語力を上げるお手伝いをしています。関心ある方はお問い合わせ下さい。

【体験談】

「国語成績アップの秘訣は良い問題集と復習と良い指導者」

Kさん 中学3年生 山口県

息子がいつもお世話になっています。国語は今回の模試で驚くほど結果が良かったので、ご報告させていただきます。

国語は今までの経験上、塾へ行っても上がらなかったので、あまり期待していませんでした。ただ、少しでも論理的に考えられるようになればと思っていました。

この3ヶ月で3冊の問題集をそれぞれ4~5周していました。「国語の読みテクトレーニング」という要約問題集と出口さんの受験問題集2冊です。これで要約の仕方や文章の論理的な読み方が少しずつ身に付いていったようです。

国語で4回も5回も復習するのはどうかなと思っていましたが、要約は数をこなすことで速く上手にできるようになっていきました。受験問題集も、解いて終わりではなく、解説をしっかり理解し記憶することで、根拠を持って答えられるようになっていっていました。

国語の成績を上げるには良い問題集と復習が大事なのだと気づかされました。そして良い指導者の存在が最も大きいことも。

この調子で伸びていってくれればと思います。今後ともよろしくお願いします。


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