勉強法(3)長文の漢文習得法

このページでは、句法例文のような短い漢文ではなく、入試問題のような長文の漢文習得する勉強法について書いていきます。

1.漢文の習得

1.1.漢文の習得とは

このページで漢文を習得するとは以下の3つを指します。

(1)訓読:スラスラ訓読できるようにします。

(2)訳の暗記:スラスラ訳せるようにします。

(3)語句の暗記:漢文中の語句の意味を言えて読めるようにします。

(4)長期記憶:「訓読+訳+語句の暗記」を、いったん暗記してから2ヶ月以上復習し、長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入れます。長期記憶については後述。

1.2.漢文の習得が重要な理由

【漢文を30ページ以上習得すると、初見の漢文の中で「訓読でき、訳せる」割合が増え、そうすれば、初見の漢文の問題が解けるから】

句法と必須知識(漢詩の規則、漢文独特の言葉の意味や読み等)を暗記した後のメインの勉強は、入試まで、漢文の習得(訓読+訳の暗記)です。

漢文を毎週1ページなど習得し、合計30ページ以上習得すれば、入試の漢文問題のような初見の漢文でも「訓読でき、訳せる」割合が増えます。

漢文は、問題文(初見の漢文)が正しく訓読できて、訳せれば、(白文問題以外の)たいていの問題は解けますから、漢文の習得(訓読+訳の暗記)が重要なのです。

なお、このページの最後に、入試や過去問の漢文のような初見の漢文を解けるようにする勉強の全てを書いています。ご参照下さい。

1.3.習得しなかったら

句法問題集を暗記した後の漢文の勉強というと、たいていの高校生・受験生は、漢文問題集や過去問の漢文長文問題を解き、解答解説を読んで理解し、次の問題を解いて解答解説を読んで理解し、のようにしています。つまり、解きっぱなしにしており、習得(訓読+訳の暗記)はしません。

このような勉強をあなたがしているとしたら、漢文の成績は大して上がっていないことでしょう。なぜなら、解いた前後で変わるのは、経験値くらいで、知識は増えないし(復習しなければすぐ忘れます)、訓読する能力も訳す能力も上がらないからです。

一方、解いた漢文を、地道に習得すれば、語彙力(言葉の読みや意味の知識)・訓読する能力・訳す能力がどんどん上がり、漢文の読解力・正解率も上がります。

1.4.目標

漢文習得の当初の目標は30ページで、最終目標は100ページ以上です。易~難、漢詩等合わせて100ページ以上の漢文を習得すれば、偏差値70を超えるでしょう。ここまで漢文に習熟している人はほとんどいません。

そして、ここで「30ページ」「100ページ」というのは、いったん習得してそれっきり、復習しない、のではなく、絶えず復習して、全ての漢文について「スラスラ訓読でき、訳せる」状態を維持します。

そうすれば、長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入れることができ、入試で既習の漢文の全ての知識を使うことができます。

長期記憶についてはこのページの最後に解説しています。

2.漢文習得法

2.1.半ページを1セットにする

1文章が1ページ(10~12行前後)以上ある場合、一気に暗記しづらいので、半ページ(5~7行前後)くらいを1セットにし、週半ページ~1ページずつ習得していきます。

私立文系志望の人、二次に漢文がある難関国公立大学志望者は週1ページ以上、その他の人は週半ページでも構いません。

半ページを「訓読+訳の暗記」して時間があれば次の半ページへどんどん進めます。

2.2.漢文習得

【長文の漢文習得法】

(1)漢文習得法の全体像【「訓読暗記1日3周⇒訳の暗記1日3周」×7日×2ヶ月以上復習⇒長期記憶】

(2)スラスラ訓読できるようにする【「点、丸の意味の区切りで漢文を訓読する⇒書き下し文で確認する⇒間違いなら印を付け、自力で3回連続スラスラ訓読できるまで訓読する⇒次の区切りへ⇒半ページ」×1日3周×7日】

 ①訓読のテスト:点、丸の意味の区切りで漢文を訓読し、書き下し文を見て確認します。

 ②スラスラにする:間違いなら印を付け、漢文を見ながら、自力で3回連続スラスラ訓読できるまで、3~5回前後訓読します。

 このとき、書き下し文は何回見ても構いません。

 ③半ページを3周:1つ目の区切りをスラスラ訓読できるようにしたら次の区切りへ進み、半ページ(5~7行前後)を1周終えたら、そのまま3周します。

 その後、訳の暗記へ。

(3)スラスラ訳せるようにする【点、丸の意味の区切りで漢文を訳す⇒訳で確認する⇒「書き下し文⇒訳」×5回交互に音読して訳を暗記⇒漢文を見ながら、自力で3回連続スラスラ訳せるまで訳す⇒次の区切りへ⇒半ページ×1日3周×7日】

 ①訳すテスト:点、丸の意味の区切りで漢文を見て訳を言い、正解をチェックします(訳が分からなかったらすぐに訳を見て構いません)。

 ②訳の暗記:書き下し文と訳を5回交互に音読し、訳を暗記します(例:【「未だ嘗て泣くを見ず」⇒「まだ泣くのを見たことがない」】×5回)。

 ③スラスラにする:漢文を見ながら、自力で3回連続スラスラ訳せるまで、3~5回前後訳します。

 このとき、訳は何回見ても構いません。

 ④半ページを3周:1つ目の区切りをスラスラ訳せるようにしたら次の区切りへ進み、半ページ(5~7行前後)を1周終えたら、そのまま3周します。

(4)【1日3周×7日】

 ①解説を読む:【「訓読+訳の暗記」×3周】を終えたら、解説があれば解説を読み、知らない知識、重要な箇所にマーカーを引きます。2日目以降はそこを中心に読み、暗記します。

 ②暗記事項をまとめて暗記する:漢文の中に知らない句法や単語、暗記すべき知識があればルーズリーフに一問一答式でまとめ、暗記します。

 例えば、【苟シクモ|いやしくも、意味:仮にも、もし】【為(レ点)人|ひととなり、意味:性格、人柄】のようにまとめます。

 ③1日3周×7日:1日3周を7日続ければ、誰でも漢文を「スラスラ訓読でき、訳せる」ようになります。

 ④4日目からテスト:4日目から毎日、訓読・訳のテストをし、訓読・和訳できない個所に印を付け、そこだけを上記のように「スラスラ訓読でき、訳せる」ようにします。印を付けなかった箇所は暗記しません。

 ⑤7日:5~7日目も同様にします。全体が「スラスラ訓読でき、訳せる」ようになったら、次の半ページ、もしくは次の漢文(長文)に行きます。

(5)長期記憶に入れる

 ①2ヶ月以上復習:1つ目の漢文を暗記したら、2つ目の漢文の暗記と並行して、1つ目の漢文を【週1回「訓読+訳」のテスト⇒間違いに印⇒上記のように暗記×2ヶ月以上】など、復習し続けます。

 2つ目の漢文を暗記したら、3つ目の漢文の暗記と並行して、1つ目、2つ目の漢文を【「週1回訓読+訳のテスト⇒間違いに印⇒上記のように暗記」×2ヶ月以上】など、復習し続けます。以下同。

 ②長期休暇に復習:夏休みなどの長期休暇に復習し、定着を図ります。

3.初見の漢文を解けるようにする勉強法

入試でも模試でも実力テストでも、初見の漢文の問題が出ますが、ではどういう勉強をすれば初見の漢文が解けるようになるのかというと、以下の通りです。

【初見の漢文の問題を解けるようにする勉強法】

(1)句法暗記:句法や句法例文を「スラスラ訓読でき、訳せる」ようにすれば、漢文の土台ができます。

 句法の習得法については【句法暗記法】に書いています。

(2)必須知識の暗記:初見の漢文を読めるようにするには、漢文特有の語句の読みや意味、漢詩の規則等の必須知識を暗記する必要があります。

 ①句法問題集:必須知識はたいてい、以下のような句法問題集に載っているので、句法問題集で暗記します。

漢文ヤマのヤマ 共通テスト対応版」(学研)
文脈で学ぶ 漢文句形とキーワード」(Z会)
ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習」(河合塾)

 ②暗記法:【漢文ヤマのヤマ」習得法】に書いています。

(3)訓読+訳の暗記

 ①メインの勉強:句法と必須知識を暗記した後のメインの勉強は「訓読+訳の暗記」です。「スラスラ訓読でき、訳せる」漢文の量が多くなればなるほど、初見の漢文でも「訓読でき、訳せる」部分の割合が増え、結果として初見の漢文の問題が解けるようになるからです。

 ②目標数:最初は30以上、最終的には100以上の漢文(長文)を「スラスラ訓読でき、訳せる」ようにすれば、初見の漢文の理解度もどんどん上がります。

 ③教材:学校の定期テストに出る漢文(教科書と教科書ガイド)、「理解しやすい漢文」(文英堂)、「三羽邦美の漢文教室」(故事成語30編掲載:旺文社)、漢文問題集、共通テスト・センター試験過去問、志望校過去問などを使うのが良いでしょう。

 ④習得法:このページに書いています。 

(4)「読み方・解き方本」の習得

 ①「読み方・解き方本」:漢文にも「正しい、効率的な読み方・解き方」があり、それを漢文の入試問題をたくさん解いている漢文の専門家(予備校講師等)が書いた「読み方・解き方本」で習得すれば、本文の意味が分かりやすくなり、問題が格段に解けるようになります。

 ②開始時期:ある程度漢文に慣れていないと「読み方・解き方本」の効果が薄いので、30ページ以上の漢文の「訓読+訳の暗記」をした後に「読み方・解き方本」に入るのがオススメです。

 ③オススメ本:「読み方・解き方本」には以下のようなものがあります。最もオススメなのは「共通テスト漢文 満点のコツ」です。

共通テスト漢文 満点のコツ」(教学社)
最短10時間で9割とれる 共通テスト漢文のスゴ技」(角川)
岡本梨奈の 1冊読むだけで漢文の読み方&解き方が面白いほど身につく本」(角川)
大学入学共通テスト 飯塚敏夫 漢文講義の実況中継」(語学春秋社)

(5)白文を読めるようにする:共通テスト(・センター試験)や難関大入試では白文(返り点や送り仮名が振られていない漢字だけの文)の訓読問題が出ることがあります。

 白文を訓読できるようにする方法は【白文を読めるようにする画期的勉強法】に書いています。

(6)過去問:以上の勉強を終えたら、過去問に入ります。過去問も「訓読+訳の暗記」をします。

4.長期記憶

4.1.記憶の種類

記憶には、短期記憶、中期記憶、長期記憶の3つがあります。

4.2.長期記憶に入れるには

【短期記憶⇒7日復習⇒中期記憶⇒2ヶ月以上復習⇒長期記憶】のように復習すれば、長期記憶に入ります。

全ての情報は最初、短期記憶(数時間~数週間もつ記憶)に入ります。その情報が繰り返し入らなかったら(復習しなかったら)、速やかに思い出せなくなります。

その情報を7日(7回)以上復習すると、中期記憶(数週間~数ヶ月もつ記憶)に入ります。そして更に2ヶ月以上復習すると長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入り、入試時に使える情報になります。

4.3.長期記憶に入れる必要性

長期記憶に入れなければ入試には使えないので、入試で必要になる情報は全て、長期記憶に入れることを考えて復習計画を立てる必要があります。

5.終わりに

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

この文章があなたのお役に立てれば幸いです。

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