古文の受験勉強法(5)共通テスト対策法

このページでは、共通テストにしか古文がない受験生が、受験勉強として何をすべきかを書いていきます。

具体的には、塾に頼らず、できるだけ自力で、どういう教材を、どう勉強して、共通テストで8~9割以上取れるようにするかを詳述します。

1.使用教材と順序

1.1.使用教材と順序

共通テストで8~9割以上取れるようにするための全教材と使用順序は以下の通りです。

【共通テスト用教材の全リストと使用順序】

(1)古典文法問題集:古文の基礎は文法と単語なので、まずは古典文法問題集を1冊習得します。

 オススメは「ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル」(河合塾)です。

(2)古文単語:600ワードレベルの古文単語帳1冊を暗記します。

 オススメは「読んで見て覚える重要古文単語315」(桐原書店:実質700ワード収録)です。

(3)「品詞分解+現代語訳の暗記」用教材:「品詞分解+現代語訳の暗記」を30ページ以上行えば、初見の古文が格段に読めるようになります。

 オススメは全文に品詞分解が載っている「理解しやすい古文」(文英堂)、「教科書ガイド」です。

(4)「読み方・解き方本」:古文のプロが開発した、主語発見法などの上手な読み方・解き方を「読み方・解き方本」で習得すると、問題が解きやすくなります。

 オススメは「共通テスト古文 満点のコツ」(教学社)です。

(5)共通テスト用問題集:以上を習得したら、共通テスト過去問、共通テスト用問題集の順に解いていきます。

共通テスト 赤本」(教学社)
共通テスト実戦模試(5)国語」(Z会)
共通テスト総合問題集 国語」(河合塾)
共通テスト実戦問題集 国語」(駿台)
共通テスト 古文・漢文 実戦対策問題集」(旺文社)

1.2.品詞分解とは

品詞分解とは、「古文の各単語の品詞・意味・活用全体・活用形・接続などを言えるようにすること」で、「識別」とも言います。

品詞分解は古文を正確に理解するのに不可欠ですが、きちんとできるようにしている人はマレです。だからこそ、マスターすれば大きなアドバンテージになります。

品詞分解の詳しいやり方は【古文・品詞分解を12時間で習得する方法】に書いています。

2.入試基礎力養成期の勉強法

2.1.入試基礎力養成期

受験勉強の前半期(入試基礎力養成期)には、(古文が入試にある)全受験生に共通した、ベースとなる古文力を培う必要があります。

その古文力とは、「大学入試で必要になる、古文の基礎~標準的な知識を理解し暗記した人の古文力」、言い換えれば、「共通テストで7~8割以上、難関大学(河合塾偏差値60~65以上の大学)の過去問で4~5割以上を取れる古文力」のことです。

つまり、この時期には、過去問に入る前にするべき勉強を全て行います。

ここからは、古文が共通テストのみの高校生が入試基礎力養成期に何をどう勉強すれば良いのかを書いていきます。

2.2.古典文法

【古典文法の暗記】

(1)文法をどの程度暗記するか:古典文法はどこまで暗記すれば良いか分かりにくいですが、品詞分解(識別)ができる程度に暗記すれば良いです。そうすれば古文の意味も文法的に正確に理解できますし、問題も解けます。

 品詞分解がある程度できるためには、薄い古典文法問題集を軽く5~10周して概要をつかみ(全部暗記する必要は全くありません)、また、(文法問題集や教科書の巻末にある)動詞・形容詞・形容動詞・助動詞の活用表と敬語の表をしっかり暗記すればokです。

 その他にも暗記すべきことはありますが、品詞分解をする中で暗記していけば良いです。

(2)教材:以下のような薄い古典文法問題集を5~10周して暗記します。

ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル」(河合塾)
基礎からのジャンプアップノート 古典文法・演習ドリル」(旺文社)
古文ヤマのヤマ 頻出文法事項44」(三羽邦美著、学研)
吉野式古典文法スーパー暗記帖」(学研)

 オススメは、最小限の暗記すべき内容がコンパクトにまとまっている「ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル」です。

(3)習得法:【古典文法最短暗記法】参照。

(4)重要事項の暗記:動詞・形容詞・形容動詞の活用、助動詞の活用・意味・接続、敬語の3つは、品詞分解や古文の読解に必須なので、完璧に暗記します。

 以上を終えたらすぐに品詞分解に入ります。

2.3.古文単語

【古文単語の暗記】

(1)古文単語帳:古文単語は、以下のような600ワードレベルの古文単語帳を暗記すればokです。

読んで見て覚える重要古文単語315」(桐原書店:実質700ワード収録)
二刀流古文単語634」(旺文社)
古文単語FORMULA600」(東進)
古文単語ゴロゴ プレミアム+」(スタディカンパニー)

 オススメは「読んで見て覚える重要古文単語315」か「二刀流古文単語634」です。

(2)「読んで見て覚える重要古文単語315」:この単語帳には、実質700ワード前後の古文単語だけでなく、必要最小限の古文常識・和歌の知識もまとまっていますから、最もオススメです。

(3)暗記法:【超効率的古文単語暗記法】参照。

(4)なぜ600ワードか:古文単語帳は、300ワードレベルのもの(共通テストレベル)と600ワードレベルのもの(難関大学レベル)に分かれます。

 300ワードほどしか変わらず、暗記単語数は多いほど良いですから、古文が共通テストのみの人も、600ワードレベルの古文単語帳を暗記した方が良いです。

 学校で300ワードレベルの単語帳を使っている場合、それを早々に暗記し、600ワードレベルの単語帳を暗記します。

 ただし、古文の得点が7割以下で良い人は、300ワードレベルの単語帳でも構わないでしょう。

(5)単語帳を辞書代わりに使う:学校の古文や品詞分解用の教材、過去問等を勉強するとき、単語帳を辞書代わりに使いましょう。

 古文単語の理解と暗記が進みます。

2.4.「品詞分解+現代語訳の暗記」

【品詞分解+現代語訳の暗記】

(1)古文勉強のメイン:「古文単語+古典文法」の暗記の後の古文の勉強のメインは、入試まで、「品詞分解+現代語訳の暗記」です

 なぜなら、古文の実力を上げるとは、「文法的に完全に理解できて(=品詞分解できて)訳せる古文の量を増やすこと」だからです。

 「品詞分解できて訳せる」古文の量が増えるほど、初見の古文も訳せる部分が増えます。

(2)「品詞分解」の目安は10ページ:10ページ分をスラスラ品詞分解できるようにすれば、初見の古文でもほぼ全て品詞分解できるようになります

 ただ、10ページで十分という訳ではなく、多ければ多いほど速く正確に品詞分解できるようになりますから、20ページ、50ページと習得していきます。

(3)「現代語訳の暗記」の目標は50ページ:品詞分解は10ページで初見の文でも品詞分解できるようになりますが、現代語訳の暗記(既習の古文を訳せるようにすること)は10ページでは全然足りず、初見の古文を読める(訳せる)ようにはなりません。それは主に古文単語が分からないからです。

 共通テストにしか古文がない人の習得目標は50ページです。30~50ページ分以上習得(品詞分解+現代語訳を暗記)したら、初見の古文がかなり読めるようになり、河合塾古文偏差値は65を超え、共通テスト(過去問)でも8割は堅いでしょう。

(4)「品詞分解+現代語訳の暗記」は加速する:30~50ページを超えたら、初見の古文で暗記すべき内容(文法・単語・古文常識等)がどんどん減りますから、単位時間当たりの習得できる量はどんどん増えます。

 例えば、最初の週に1ページ(×毎日30分)がやっとだとしても、30ページを超えたら、(同じ時間で)週に3~5ページ習得できるようになります。

(5)「品詞分解+現代語訳の暗記」に使う教材

 ①「教科書ガイド」:1~2年生の頃から、定期テスト範囲の古文を、テスト対策として習得(「品詞分解+現代語訳の暗記」)します。

 教材は「教科書ガイド」(ほとんどの教科書ガイドには全文に品詞分解が載っています)か、学校のプリント、ネットの情報を使います。

 まずは次のテスト範囲を、それを習得し終わったら、前のテスト範囲、その前のテスト範囲とさかのぼって習得し、既習範囲を全部終わったら、次々回以降のテスト範囲と思われるところを「教科書ガイド」を使って習得します。

 ②「理解しやすい古文」:「教科書ガイド」で全部習得し終わったら(もしくは「教科書ガイド」がなかったら)、「理解しやすい古文」(文英堂)のような「全文に品詞分解が付いている参考書」を使って習得します。

 ③「読み方・解き方本」・過去問:「共通テスト古文 満点のコツ」(教学社)のような「読み方・解き方本」(後述)に入ったら、その文章を「品詞分解+現代語訳の暗記」します。

 また、過去問に入ったら、同様に「品詞分解+現代語訳の暗記」します。

(6)具体的勉強法:【古文・品詞分解を12時間で習得する方法】、【初見の古文をスラスラ訳せるようにする勉強法】参照。

 「品詞分解+現代語訳の暗記」をするときに、「理解しやすい古文」「教科書ガイド」の解説もしっかり読んで理解しておきます。そうすれば、古文単語・古典文法・古文常識・和歌の解釈法などを同時に習得できます。

(7)毎週半ページ:「品詞分解+現代語訳の暗記」を毎週半ページ(×毎日15分)進め、30ページ分を習得したら、それを続けながら、次は「読み方・解き方本」に入ります。

 理想的には毎週1ページ(×毎日30分)ですが、共通テストにしか古文がない人は、毎日30分も取れない人が多いでしょうから、半ページで仕方ありません。

(8)長期記憶に入れる:いったんある箇所の「品詞分解+現代語訳の暗記」を習得しても、復習しなければ忘れていきますから、毎週、既習範囲の復習をしていきます。

 例えば、定期テストで2ページ分を習得したとして、テスト後、次のテスト範囲の古文を週半ページ習得しながら、前のテスト範囲を「1日1ページ×10分×週2回×2ヶ月」など復習します。

 2ヶ月以上復習すれば長期記憶に入っていきます。

(9)初見の古文を読む訓練をする:実力テスト・模試・入試では、初見の古文を読んで理解し、解く必要があります。

 その練習として、新たなページを「品詞分解+現代語訳の暗記」するとき、初見で古文を読む訓練をします。具体的な方法は【勉強法(7)初見の古文を読む訓練】参照。

創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい高校生のために【5教科のテスト勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。【高校生用:講座・セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。

2.5.「読み方・解き方本」

【「読み方・解き方本」を習得する】

(1)「読み方・解き方本」の必要性:語学は最初は量ですから、古文単語を大量に(=約600単語)暗記し、「品詞分解+現代語訳の暗記」を30ページ、50ページと習得していく必要があります。

 それに加えて、古文を大量に読み解いている「プロ」が持っているテクニック、コツを「古文の読み方・解き方本」で習得すれば、成績の向上は更に加速します。

(2)オススメ問題集:以下のような「古文の読み方・解き方本」が役立ちます。

共通テスト古文 満点のコツ」(教学社)
山村由美子 図解古文読解講義の実況中継」(語学春秋社)
古文解釈 はじめの一歩」「古文解釈の方法」(関谷浩著、駿台)
元井太郎の古文読解が面白いほどできる本」(中経出版)
岡本梨奈の古文の読み方&解き方が面白いほど身につく本」(角川)

 オススメは「共通テスト古文 満点のコツ」です。

(3)習得法:【古文「読み方・解き方本」習得法】参照。

(4)プロのテクニックとは何か:例えば、多くの高校生は、主語が分からなくなって古文の意味が分からなくなりますが、これには「古文の読み方・解き方本」に載っている「主語の確定法」を習得すれば対処できます。

(5)「品詞分解+現代語訳の暗記」:「読み方・解き方本」に入ったら、その中の古文の文章を毎週1ページ「品詞分解+現代語訳の暗記」します。

 品詞分解は「読み方・解き方本」本には載っていませんが、この本の前に10ページ以上習得していたら、ほとんど分かるはずです。分からない箇所があれば、学校の先生などに聞きます。

(6)「古文の読み方・解き方本」を解き始める時期:基礎がないと習得しづらいですから、「品詞分解+現代語訳の暗記」を30ページ以上習得してから、もしくは3年夏休み頃から始めます。

2.6.次の問題集

上記の教材を習得し、河合古文偏差値が志望校レベルを超えるか、偏差値が65以上になるか、(習得していなくても)3年の夏休みになったら、過去問を解き始めます。

3.共通テスト過去問の解き方と習得法

3.1.過去問の解き方

【共通テスト過去問の解き方と習得法】

(1)過去問を解く

 ①制限時間(20分)で解く⇒延長して解く:国語の制限時間は80分で、古文には20分前後使える計算になりますから、まず、20分で解きます。時間内に終わらなかったら、10~20分など延長して解きます。解かないのはもったいないからです。

 そして、両方、分けて点数化できるように印を付けておきます。時間内の点数が「本番であれば何点取れるか」で、延長の点数は「今の実力でどこまで解けるか」を示します。

 ②読み方:リード文(最初にある人物・背景の説明)や注もしっかり読み、登場人物を丸で囲み、敬語や助詞などをヒントに主語を確定しながら読みます。

 読んでいて傍線部問題や穴埋め問題があれば、その都度問題を読み、前後を読んで解いていきます。

 ③解き方:傍線部問題では、傍線部について、欠けている要素(主語・述語・目的語等)を補い、指示語があれば指示内容を明らかにし、会話文に「」を付け、(必要に応じて)品詞分解をして、できるだけ正確に傍線部を現代語訳し、また、前後の文(文脈)にも注意を払い、理解します。

 選択肢問題では、傍線部やその前後の意味がよく分からなくても、選択肢(≒正解肢は一種の現代語訳)をヒントに本文と照らし合わせて解きます。

 このあたりの読み方・解き方は「共通テスト古文 満点のコツ」などの「読み方・解き方本」に詳しく書かれています。過去問を読み、解くときには「読み方・解き方本」のテクニックを用い、習熟していきます。

 ④理解できない箇所に印:復習するときのため、読んでいて意味が分からない単語・箇所・文や、主語が分からない述語、話の流れ・意味が分からなくなった箇所に印を付けておきます。分からない原因が分かれば、後で対策できます。

(2)自己採点する

 ①自己採点:解き終わったら解答解説・現代語訳を読み、自己採点します。

 ②問題を間違えた原因・理由を理解する:間違えた問題に印を付け、なぜその解答になるのか、自分の答えではなぜダメなのかをしっかり理解し、対策をします。

 知識(単語・古文常識等)が原因なら、ルーズリーフにまとめ、暗記し、文法(助動詞・助詞等)が原因なら古典文法問題集の該当箇所を見て復習したり品詞分解をし、5~10回復習して習得します。

 主語の理解が間違っていたら、なぜそれが主語になるかを理解し、また、主語の確定法を「読み方・解き方本」で復習します(後述)。

 後日、同じ問題を解いても、正しい根拠で正解が導けるように、きちんと理解し暗記します。

(3)過去問まとめ帳を書く

 ①過去問まとめ帳:過去問を自己採点したらすぐに、過去問の傾向自分の間違いの傾向今後の対策を、以下のように、ルーズリーフに書きます。これを「過去問まとめ帳」と言い、過去問の全科目で作ります。

【共通テスト21年、古文 傾向|「栄華物語」、問5に和歌の現代語解説(+和歌)がある、文章・問題とも難しめ。8問中3問不正解(原因:古文単語1、主語の確定+内容理解2)、分からない古文単語10個、問題に関連して分からない品詞分解2】

【 〃 〃 対策|和歌の解釈ができない⇒和歌の基礎知識を暗記、和歌の問題を共通テスト過去問等で解く、単語力不足⇒単語帳復習、「品詞分解+現代語訳の暗記」⇒過去問を週1問、共通テスト用問題形式に慣れる必要がある⇒共通テスト用問題集を2週に1問解く】

 ②過去問の傾向とは:作品名・時代、和歌の有り無し、難易度、語彙問題・内容理解問題等の問題の種類等。

 ③自分の間違いの傾向:どういう問題で間違えたか、意味が分からなくなった原因or間違えた原因(和歌の読み取り・単語・助動詞・品詞分解・古文常識)等。

(4)過去問を習得する

 ①習得する:過去問は解きっぱなしではなく、習得します。習得とは以下の3つを指します。

 ②習得1:「品詞分解+現代語訳の暗記」:全文を習得します。やり方は【古文・品詞分解を12時間で習得する方法】を参照。

 ③習得2:暗記:問題に関わる、知らない知識(単語・古文常識など)を全部ルーズリーフにまとめ、暗記します。

 ④習得3:長期記憶に入れる:上記の暗記・習得後、その復習を2ヶ月以上続け、長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入れていきます。詳しくは、【初見の古文をスラスラ訳せるようにする勉強法】を参照。

(5)大量に解く

 ①過去問は10年分以上解く:共通テスト過去問、共通テスト用問題集を合わせて10年分(10回分)以上解き、習得します。

 ②3回以上解く:1つの問題を何度も解くことで、共通テスト古文の読み方、解き方に慣れていきます。特に、共通テスト過去問は3回以上解きます。

 2回目以降に解くときは、どこで・なぜ文の意味が分からなくなるか-主語か敬語か助動詞かなど-を調べながら読みます。

 問題が解けない場合は、何が原因で問題が解けないかを考え、原因に当たる本文に印を付け、それを解決する勉強(品詞分解・単語の暗記等)をします。

3.2.一年分全体を解くか、大問ごとに解いても良いのか。

過去問は、国語1年分を全体で解いた方がもちろん良いですが、時間もかかりますし、それぞれの科目(現代文・古文・漢文)の進み具合も違うので、必ずしも全体を一気に解く必要はありません。

ただ、時間管理を学ぶため、10月以降、1ヶ月に1回くらいは国語1年分を全問、時間通り解くのがオススメです。

 ※時間管理:解ける問題を全部解き、最後まで到達し、全体の点数を最大化するため、どういう順番で解くか、各大問に何分かけるか、解けない小問を最大何分くらい考えるか、などを検討し、決めていくこと。

【国語の共通テスト対策問題の正答率が上がりました】

Tさん(高校3年生、神奈川県、法政大学キャリアデザイン学部[偏差値60]合格)

いつもお世話になっております。授業では、国語については、現代文の長文問題のキーワード・キーセンテンスを使った読み方解き方古典の品詞分解の方法現代語訳の暗記法古文単語の暗記法などを教えていただいています。

学校で現代文や古典の共通テスト対策問題を解いていますが、創賢塾の授業で教わっていることが身に付いてきて、今まで曖昧に、適当に選んでいたのが、最近は根拠やこの文は文章内にあったのか、など考えて問題を解けるようになったので、正答率が上がりました(正答率30~40%⇒60%前後)。

4.弱点対策法

4.1.古文単語

多くの受験生にとって、過去問のような初見の古文が理解できない最大の原因の1つは古文単語でしょう。

古文単語の意味が分からなくて内容が分からない、問題が解けない場合の対策法は以下になります。

【「古文単語の意味が分からない」場合の対策法】

(1)対策法1:古文単語帳:自分が使った古文単語帳を暗記し直します。

 自分の単語帳の収録数が300ワード前後の場合、それを暗記し直した後、以下のような600ワード以上収録の古文単語帳も暗記します。古文単語暗記法は【超効率的古文単語暗記法】参照。

二刀流古文単語634」(旺文社)
読んで見て覚える重要古文単語315」(桐原書店:実質700ワード収録)
古文単語FORMULA600」(東進)
古文単語ゴロゴ プレミアム+」(スタディカンパニー)

(2)対策法2:古文単語帳でチェック:共通テスト過去問で、傍線部や、問題を解くのに必要な箇所で分からなかった古文単語(とその意味)を3~5年分以上、10~20単語以上をピックアップし、自分が使っている古文単語帳で調べ、その単語と現代語訳にマーカーを引き、それを暗記します。

 これを続けることで、共通テストの点数を上げるために、古文単語の現代語訳をどこまで暗記するべきか分かってきます。

 また、その覚えるべき古文単語(やその意味)の多くが、自分が使っている古文単語帳にない場合、多く載っている古文単語帳を探し、それを暗記します。

(3)対策法3:過去問の古文単語を暗記する:過去問で、傍線部や、問題を解くのに必要な箇所で分からなかった古文単語を自作単語帳に書き、暗記します。

(4)対策法4:現代語訳の暗記:「品詞分解+現代語訳の暗記」を30ページ、50ページと続けることで、意味が分からない古文単語の数は激減していきます。

(5)対策法5:単語帳を辞書代わりに使う:過去問や「古文の読み方・解き方本」等で意味の分からない単語に出会ったとき、古文単語帳を辞書代わりに使い、単語や意味にマーカーを引き、暗記します。

 常時これを行うことで、古文単語の理解と暗記が深まります。

4.2.文法力・品詞分解

過去問を解いたり解説を読んでいて、文法が弱いと感じた場合や、品詞分解ができなくて内容が分からない、問題が解けない場合の対策法は以下です。

【「文法力不足・品詞分解ができない」場合の対策法

(1)対策法1:古典文法問題集の復習:自分が使った「ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル」のような薄い古典文法問題集を復習し直します。

 全体を復習し直すというより、助動詞が弱いと感じれば助動詞を暗記し直し、敬語が弱ければ敬語を暗記し直すなど、ピンポイントで復習します。

(2)対策法2:品詞分解:解いた過去問の古文はすべて「品詞分解+現代語訳の暗記」をします。品詞分解できない部分は学校の先生などに聞きます。

 また、過去問や(全文に品詞分解が付いている)以下のような参考書で、「品詞分解+現代語訳の暗記」を毎週0.5~1ページ習得していきます。

「理解しやすい古文」(文英堂)
「教科書ガイド」

(3)対策法3:古典文法問題集を参考書として使う:過去問や「古文の読み方・解き方本」等で文法的に意味が分からない箇所があったとき、古典文法問題集で調べて理解を深めます。また、該当箇所にマーカーを引きます。

 常時これを行うことで、古典文法を立体的に理解し暗記することができるようになります。

4.3.主語

古文は、現代文より主語が書いていません。よって、主語の確定がしにくく、話の流れが分からなくなりがちです。

過去問を解いていて、主語が分からなくなって文章の意味が分からなくなり、問題が解けない場合の対策法は以下です。

【「主語が分からない」場合の対策法】

(1)対策法1:「古文の読み方・解き方本」の「主語の確定法」を復習する:学習した「古文の読み方・解き方本」の「主語の確定法」の項目を5~10回復習し、「主語の確定法」をまとめたルーズリーフを暗記し直します。

 まだ学習していなければ、以下のような「古文の読み方・解き方本」を習得します。習得法は【古文「読み方・解き方本」習得法】参照。

 オススメは「共通テスト古文 満点のコツ」です。

共通テスト古文 満点のコツ」(教学社)
山村由美子 図解古文読解講義の実況中継」(語学春秋社)
古文解釈 はじめの一歩」「古文解釈の方法」(関谷浩著、駿台)
元井太郎の古文読解が面白いほどできる本」(中経出版)
岡本梨奈の古文の読み方&解き方が面白いほど身につく本」(角川)

(2)対策法2:過去問で主語の確定の練習をする:過去問の「品詞分解+現代語訳の暗記」の時に、「述語があれば⇒主語を言う」訓練をします。やり方は詳しくは【古文・品詞分解を12時間で習得する方法】に書いています。

 この訓練を(過去問を含めて)20~30ページ以上、行うことで、主語の確定が劇的に上達します。

4.4.和歌

共通テストにも和歌問題は頻出しますが、多くの高校生は和歌問題が苦手です。

和歌問題を解けるようにするには、傍線部や問題に関係する箇所について、単語の意味が分かり、修辞法(枕詞、掛詞等)を理解でき、「品詞分解+現代語訳」できれば、解けます。

よって、このうち、自分がどれが弱いかを考え、以下のような対策をしていきます。

【「和歌問題が解けない」場合の対策法

(1)対策法1:過去問の和歌の解釈を言えるようにする:共通テスト過去問等の、問題に関係する和歌をできるだけ多く(5~10首以上)集め、和歌をルーズリーフに縦書きし、その右に、品詞分解・現代語訳・修辞法を書き、和歌を見てそれらの解釈を言えるように暗記します。

(2)対策法2:和歌の解釈(品詞分解・現代語訳・修辞法)を30首以上暗記し、和歌問題を30問以上解く:上記和歌の解釈の訓練は、「読み方・解き方本」・和歌本・「理解しやすい古文」・教科書ガイドなどで、合計30首以上行います。また、過去問や問題集の和歌問題を30問以上解きます。

 そうすれば、たいていの和歌の問題は解けるようになります。

(3)対策法3:和歌問題の解き方を習得する:以下の「読み方・解き方本」には和歌の修辞法の解説や和歌問題の解き方が書かれています。5~10回復習し、暗記し直します。もしくは新たに習得します。

共通テスト古文 満点のコツ」(教学社)
山村由美子 図解古文読解講義の実況中継」(語学春秋社)
古文解釈 はじめの一歩」「古文解釈の方法」(関谷浩著、駿台)
元井太郎の 古文読解が面白いほどできる本」(角川)
岡本梨奈の1冊読むだけで古文の読み方&解き方が面白いほど身につく本(角川)

(4)対策法4:和歌の修辞法の解説を習得する:「読み方・解き方本」以外に、以下の参考書にも和歌の修辞法の解説が簡潔に書かれています。自分が使用していれば、該当箇所を10回以上読み、解説や具体例をルーズリーフにまとめ、暗記します。

理解しやすい古文」(文英堂)
読んで見て覚える重要古文単語315」(桐原書店)
古文上達 基礎編 読解と演習45」(Z会)

(5)対策法5:和歌対策を最大限に行いたい方は、以下のような和歌・修辞法専用本を5~10周し、解き方をルーズリーフにまとめ、暗記します。

和歌の修辞法―荻野文子の特講マドンナ古文」(学研)
吉野のパワーアップ古文 和歌の修辞法編」(東進)
SPEED攻略10日間 国語 和歌」(Z会)

(6)対策法6:品詞分解+古文単語暗記:和歌で「品詞分解+現代語訳」ができ、古文単語を理解できるには、そもそも普通の古文の文章でそれらができなければなりません。

 よって、「品詞分解+現代語訳の暗記」を30ページ以上していない人は、毎週0.5~1ページ「品詞分解+現代語訳の暗記」をし、10ページ、30ページと増やしていきます。

 また、古文単語帳や「現代語訳の暗記」で単語数を増やしていきます。

4.5.古文常識

共通テストの古文では、古文常識自体が問題に出ることはあまりありませんが、背景知識として知っておかないと古文の意味が分からなくなることは多々あります。

古文常識を知らなくて問題が解けない場合の対策法は以下になります。

【「古文常識を知らない」場合の対策法

(1)対策法1:古文常識が原因で共通テスト過去問、共通テスト用問題集が解けないとき、ルーズリーフにその古文常識を一問一答式にまとめ、暗記します。

(2)対策法2:日頃から古文常識を読む:以下のような古文常識も詳しい教材を使うとき、古文常識をしっかり読んで、覚えていきます。

読んで見て覚える重要古文単語315」(桐原書店)
理解しやすい古文」(文英堂)
古文上達 基礎編 読解と演習45」(Z会)

読んで見て覚える重要古文単語315」には、古文常識が約20ページでまとまっています。この単語帳を使っている人は10周ほど読んで暗記しましょう。

(2)対策法3:古文常識本:以下のような古文常識本があり、読めば役立つことは間違いありませんが、ここまでできる人はほとんどいません。1~2年生で古文が好きな人は読んでみても良いでしょう。

マドンナ古文常識217」(学研)
速読古文常識」(Z会)

4.6.共通テスト対策動画授業

【スタディサプリの共通テスト対策講座を見る

スタディサプリ(格安、上質のネット動画授業)には、古文読解対策講座、共通テスト古文対策講座などがありますから、これらを見て、専門家がどう解いているかを参考にするのは良い方法です。

古文だけでなく、各教科の対策講座があります。

4.7.長期記憶

長期記憶とは、「数ヶ月~数年以上もつ記憶」のことです。

上記教材を一度暗記する、一周するのは誰でもできます。しかし、たいていの人は復習システムを作っておらず、長期記憶に入れることができていません。その結果、徐々に忘れていって、なかなか思うように成績が上がりません。

 ※復習システム:いったん学習した単語帳・問題集・過去問を、最終的に長期記憶に入れるために、どういう周期で、何回復習するかの明確な計画のこと。

学習したことを長期記憶に入れ、入試で使える知識にする方法は以下になります。

【長期記憶に入れる勉強法

(1)長期記憶に入れるためには:いったん完全に暗記して(問題集であれば5~10周以上)、その後、2ヶ月以上復習することが必要です。

 回数にして10回以上復習します(例えば、週1回1周復習×10週間)。

(2)具体例:例えば、過去問の暗記すべき古文単語であれば、【「古文単語⇒現代語訳」×3回音読×20単語×1日6周(10分)×7日】のようにしていったん暗記した後、翌週から【テスト⇒忘れた単語に印⇒印の単語を「古文単語⇒現代語訳」×3回音読×1日6周×7日】のように復習し、これを2ヶ月以上続ければ、長期記憶に入っていきます。

5.終わりに

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

この文章があなたのお役に立てば幸いです。

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