現代文問題集習得法(6)各種記述問題の「普遍的な解き方」習得法

このページでは、以下の2つについて書いていきます。

(1)創賢塾がまとめた「各種記述問題の普遍的な解き方(同じ種類の記述問題ならどの問題でも使える適切な解き方)」。

(2)優れた現代文問題集に書かれている「各種記述問題の普遍的な解き方」を習得する方法。

記述問題といっても、「説明せよ」問題、理由説明問題など数種類の問題形式があり、それぞれ、特有の「普遍的な解き方」があります。それについて書いていきます。

1.記述問題の4つの種類

記述問題の種類は、主に以下の4つです。以下では、それぞれの問題形式ごとの解き方を書いていきます。

(1)「説明せよ」問題
(2)理由説明問題
(3)要約問題
(4)指示語問題

2.「説明せよ」問題の普遍的な解き方

2.1.「説明せよ」問題とは

「説明せよ」問題とは、「傍線部の意味を説明せよ」「分かりやすく説明せよ」「どういうことですか」のような問いのことで、これらの問題の解き方は同じです。

すなわち、「傍線部の意味が分かりにくく、傍線部周辺で意味を言い換えた個所があるから、それを使って、わかりやすく言い換える」ようにします。

「説明せよ」問題は、記述問題では最も多く出される問題形式です。

2.2.「説明せよ」問題の普遍的な解き方

「説明せよ」問題で、具体的にすることは以下の通りです。

【「説明せよ」問題の普遍的な解き方】

【「説明せよ」問題の解き方(1)傍線部の文章構造をそのまま使って(2)本文の言葉をできるだけ使い(3)意味が分かりにくい表現を分かりやすく言い換えて(4)日本語として意味が通じるように書く】

(1)傍線部の文章構造をそのまま使って:主語や目的語、述語などの構成要素と順番をできるだけ変えずに、意味が分かりにくい構成要素を分かりやすく言い換え、主語や目的語がなくて分かりにくければ書き加えます。

 例えば、「『きらめきがここに生き生きと固定されている』とはどういうことですか」という問題の場合、「きらめき」が比喩で分かりにくいので言い換えた箇所を探して主語として書き(言い換えた箇所がなければ自分でわかりやすい表現に書き直し:以下同)、「ここに」の指示内容を主語の後に書き、「生き生きと」を言い換えた箇所をその次に書き、「固定されている」を言い換えた箇所を述語として書きます。

(2)本文の言葉をできるだけ使い:たいていは、本文に分かりやすく言い換えた箇所があるので、それを探して使います。言い換えた箇所がなければ自分の言葉で分かりやすく言い換えます。

 言い換えた箇所は、多くは前後5~15行にありますが、遠くの場合もあります。その際は、傍線部や設問のキーワードに関連のある箇所を探します。

(3)意味が分かりにくい表現を分かりやすく言い換えて:「意味が分かりにくい表現」とは、「指示語、短い簡略な表現、比喩表現、抽象的表現、難しい表現」などのことです。

 指示語は元の語句・表現を探し、短い簡略な表現は長くて分かりやすい表現を、比喩表現は直接的な表現を、抽象的表現はより具体的で分かりやすい表現を、難しい表現はより易しく分かりやすい表現を探し、言い換えます。

 例えば、「『自由な知』とはどのようなことか」という問題では、「自由な」や「知」は短い簡略な表現、もしくは抽象的表現なので、具体的で分かりやすく言い換えた内容を前後5~15行(もしくは設問のキーワードに関連した箇所)で探し、全体の意味が通じるように、「~~という知識(知のあり方)」などの、本文にある言い回しで終えるように書きます。

(4)日本語として意味が通るように書く:最後に、言い換えた文が、それ自体で意味が通るように、チェックします。

2.3.【「説明せよ」問題の普遍的な解き方】の暗記法

暗記するときは、以下のようにします。

(1)音読:上記【「説明せよ」問題の普遍的な解き方】をプリントアウトして、暗記できるまで「毎日5分×1ヶ月以上」音読します。

(2)暗記:以下のようにルーズリーフにまとめて、「毎日5分×1ヶ月以上」暗記します。

【「説明せよ」問題の4ステップの普遍的な解き方|(1)傍線部の文章構造をそのまま使って、(2)本文の言葉をできるだけ使い、(3)意味が分かりにくい表現を分かりやすく言い換えて、(4)日本語として意味が通じるように書く】

2.4.現代文問題集で「「説明せよ」問題の普遍的な解き方」を習得する方法

現代文問題集で「説明せよ」問題を解いた後、解説を読み、「その問題集が『説明せよ』問題をどう解いているか=その問題集の『説明せよ』問題の普遍的な解き方」を、創賢塾の【「説明せよ」問題の普遍的な解き方】に付け加える形でまとめ、暗記します。

以下、現代文問題集の【普遍的な解き方】を習得する方法は、問題種別にかかわらず、同じです。

すなわち、現代文問題集で「各種問題」を解いた後、解説を読み、「その問題集がその問題種類の問題をどう解いているか=その問題集のその種の問題の普遍的な解き方」を、創賢塾の【普遍的な解き方】に付け加える形でまとめ、暗記します。

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3.理由説明問題の普遍的な解き方

3.1.理由説明問題とは

理由説明問題とは、「なぜか」「どうしてか」「理由は何か」のような問いの問題です。

記述問題では、「説明せよ」問題に次いで多い問題です。

3.2.「理由説明問題」の普遍的な解き方

【理由説明問題の普遍的な解き方】

(1)文末を「~(だ)から。」にする。

(2)理由説明問題の回答の書き方

 理由説明問題では、傍線部や問いが因果関係の「結果」で、自分の回答が「原因(理由)」になるように答えを書きます。

 例えば、「『太郎はため息をついた』とありますが、なぜため息をついたのですか」という設問の場合、「~~だから(=原因)、太郎はため息をついた(=結果)」の「~~」に相当する部分を本文中から探して書きます。

(3)回答に入れるべきキーワード・キーセンテンスを探す

 傍線部の理由説明問題なら、回答に入れるべきキーワード・キーセンテンスは通常は傍線部近くにありますので、まず、傍線部の前後5行をよく読んで、自分の記述回答に入れるべきキーワードを探し、そこになさそうなら前後10行に広げ、それでもなさそうなら更に前後15行に広げて探します。そこを1~2回読んで見つからなければ(それ以上広げても見つかる可能性は低いので)、いったん諦めて次の問題へ行きます。

 傍線部問題でない場合は、設問の特徴的なキーワードから、探す範囲を特定します。

(4)自分の回答の検証方法

 理由説明問題には、自分の回答が正しいかどうかを検証する方法があります。それは、「自分の回答に、問いをつなげてみる」ことです。

 例えば、「『太郎はため息をついた』とありますが、なぜため息をついたのですか」という設問で、「喜びの瞬間はすぐに消え去るから」と答えを書いた場合、「喜びの瞬間はすぐに消え去るから、太郎はため息をついた」とつなげて考えて(あるいは書いて)みます。この文の因果関係が正しく成立し、日本語としても意味が通じていればOKだし、そうでなければ書き直します。

 また、例えば、問いが「『その詩人は詩を書かなくなる』と言っているのはなぜか」で、自分の答えが「詩の本質である幼年時代の幸福を詩人が歌い棄てようとしているから。」だとしたら、「詩の本質である幼年時代の幸福を詩人が歌い棄てようとしているから、その詩人は詩を書かなくなる」とつなげて、意味・因果関係が通じているかを考えます。

 これは非常に有効な方法なので、ぜひ使ってみてください。

(5)循環論法に気をつける

 「循環論法」とは、「彼は善い人だから善人だ」「『ハムレット』はとても素晴らしい作品だから傑作だ」のように、同じような意味の言葉・内容が論拠になっている因果関係論法のことで、理由説明問題の回答としては、循環論法は内容がないので、不正解になります。

 例えば、「『批評精神は主張を抑制する』のはなぜですか」という問題で、傍線部前後で探して、「批評は主張の断念という果敢な精神によるものだから。」と書いたとして、これが正解かどうかを検証するには、「批評は主張の断念という果敢な精神によるものだから、批評精神は主張を抑制する」とつなげて書いてみます。

 これは前半(原因:主張の断念)と後半(結果:主張の抑制)がほぼ同じ内容なので、循環論法になり、不正解になります。こういう解答を書く人は結構いて、しかも、自分ではなかなか気づきません。

 ではどうしたら良いかというと、上記「自分の回答に、問いをつなげてみる」という検証方法を書くのです。書いたら発見しやすいです。

3.3.「理由説明問題の普遍的な解き方」の暗記法

暗記するときは、以下のようにします。

(1)音読:上記【理由説明問題の普遍的な解き方】をプリントアウトして、暗記できるまで「毎日5分×1ヶ月以上」音読します。

(2)暗記:以下のようにルーズリーフにまとめて、「毎日5分×1ヶ月以上」暗記します。

【理由説明問題の4つの普遍的な解き方|文末を「~(だ)から。」にする、回答に入れるべきキーワード・キーセンテンスを前後5~15行を読んで探す、自分の回答に問いをつなげて読んで(書いて)検証する、循環論法に気をつける】

【小説問題の読み方・解き方が少し分かってきました】

Tさん(25歳、社会人、入塾時偏差値35、千葉県、中央大学国際情報学部[偏差値61]合格)

創賢塾に入って、人生でほぼ初めて、小説問題の勉強をしました。評論問題はもともと好きなのですが、小説問題には、高校の先生に質問してもさっぱりわからなかった思い出もあり、苦手意識がありました。

創賢塾では、小説もキーワードキーセンテンスを付けなから読んでいくので、どこに注目すればいいか、とてもわかり易いです。理由説明の問題で、問題の文につながるように解答するというやり方はよく納得できました。

しかし同時に、やり方が分かってもそれを時間内に、正確にやるには、もっと慣れることが必要と感じています。頑張りたいと思います。

4.要約の普遍的な書き方

【要約の普遍的な書き方】

(1)要約の書き方:「必要十分な量の適切なキーワードとキーセンテンスに印を付け、それを混ぜて、本文の話の流れ・論理と一致させ、意味が通じるように書く」。

(2)「必要十分な量」とは:字数制限前後の分量、という意味です。「50字で書け」という要約なら、キーワードとキーセンテンス合わせて50字前後になるように印を付けます。

 字数制限よりずっと少ないキーワードとキーセンテンスしか探せなければ再度読んで探す必要があり、また、多すぎる分量に印を付けた場合は再度読んで減らす必要があります。

 どちらにしても時間がかかるので、最初から必要十分な量に印を付けられるように、日頃から要約訓練をすることをオススメします。

(3)要約マニュアル:要約の書き方は【要約マニュアル】に詳しく書いています。

5.指示語問題の普遍的な解き方

5.1.指示語問題とは

指示語とは、「こそあど言葉(これ、それ等)」のことで、指示語問題とは、傍線部の指示語(+アルファ)の内容を言い換える設問です。

例えば、「『それ』は何を指示しているか答えなさい」「『その生物観』とは何を指すか」などです。

5.2.解き方の手順

【指示語問題の普遍的な解き方】

(1)指示語の指す内容を探す

 指示語問題では、指示語の指す内容は、7割以上の場合は前にありますが、後にある場合もあります。

 指示語の指す内容が前にあるのか後にあるのかを考え、前にある(と思った)場合は、「これ、それ」は近くにあるはずなので、直前の1~2文を中心に探します(10行離れているなどはほぼ起こらない)。

 後にある(と思った)場合は、1段落分(5~10行前後)は可能性があるので、そこを探します。

 「『その生物観』とは何を指すか」などの「指示語+アルファ」の問題は遠くにある場合も多いので、+アルファ(「生物観」等)をヒントに、本文で「生物観」が書かれている箇所を探し、まとめます。

(2)自分の言葉に勝手に変えない

 指示語問題では、原則、「本文の言葉をそのまま」使います。「そのまま」と言っても、それは「言葉(単語・連語)」をそのまま使うのであって、別々の文にある言葉を組み合わせる場合もあれば、「一文」をそのまま使う場合もあります。

 現代文では「自分の考え」は問われていないのと同様、自分の考えで勝手に言葉を変えない方が良いです。減点される可能性があります。

 例えば、本文に「認識」とあり、それが分かりにくいから自分の回答では「理解」に勝手に変える、などをする人がいますが、これは減点対象になる可能性があり、やらない方が無難です。

(3)文末に注意する

 文末(語尾)の形は、問いに合わせます。例えば、「『その生物観』とは何を指すか」という問題なら、「~~という考え方(ものの見方、生物観)」などにします。

 「それ・これ」は名詞なので文末を名詞にし、「その・この」は後ろに名詞が来る形にします。

(4)分かりやすく書く

 回答はできるだけ分かりやすく書きます。「分かりやすい」とは、簡潔で、主語述語・目的語などのあるべき言葉がある、論理が通じている、抽象的・漠然としている内容でない、などです。

 例えば、「『この矛盾』とは何を指すか」という設問の場合、「矛盾」とは「2つの話・命題が同時に成立せず、つじつまが合わないこと」なので、「何と何が両立しないか、論理のつじつまが合わないか」を書かなければなりません。片方だけではダメです。

(5)代入して回答を検証する

 見つけた表現・内容を指示語に当てはめ、意味が通るかを確認します。

 単純なのですが、意外とやらずに不正解になる人が多いので、必ず検証します。

5.3.【指示語問題の普遍的な解き方】の暗記法

暗記するときは、以下のようにします。

(1)音読:上記【指示語問題の普遍的な解き方】をプリントアウトして、暗記できるまで「毎日5分×1ヶ月以上」音読します。

(2)暗記:以下のようにルーズリーフにまとめて、「毎日5分×1ヶ月以上」暗記します。

【指示語問題の5つの普遍的な解き方|指示語の前にあると思った場合は直前の1~2文を中心に探す、後にあると思った場合は1段落分(5~10行前後)を探す、言葉はできるだけ本文の言葉をそのまま使う、文末に注意する、分かりやすく書く、代入して回答を検証する】

6.記述問題の回答は専門家に添削してもらう

ここまで書いたのは、全て完全自力での記述問題の上達法ですが、記述力はやはり専門家に添削してもらった方が伸びます。

できれば学校や塾の先生に添削してもらいましょう。

7.終わりに

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

創賢塾の「現代文の論理的な読み方と普遍的な解き方」を理解し暗記し使っていけば、必ず成績は上がるはずです。

皆さんの中には、創賢塾の「現代文の論理的な読み方と普遍的な解き方」を読んだだけでは使い方が分からない、自分だけでは論理的に読み、普遍的な解き方を駆使できるようになれるか自信が無い方もいらっしゃると思います。

そういう方は、創賢塾にコンタクトを取ってみて下さい。定期的にスカイプ個別授業を受ければ、半年~1年で創賢塾の勉強法・テクニックを習得でき、現代文の成績もどんどん上がっていきます。

この文章があなたの現代文の成績アップにつながれば幸いです。

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