このページでは、偏差値45~50以下の高校を志望する受験生のための社会の受験勉強法を書いていきます。
具体的には、中学2~3年生が、塾に頼らず、できるだけ自力で、どういう教材を、どういう順序で、どう勉強して、志望校合格に必要な実力を養成していくかを書いていきます。
社会偏差値50~60以上を目指す受験生のための社会の受験勉強法はこちらに書いています。使用教材が異なります。
1.社会の受験教材
【社会偏差値45~50以上を目指す受験生のための社会の受験教材とその順序】
(1)暗記用教材
①オススメ問題集:現在、社会偏差値45~50以下で、45~50以上を目指す受験生、偏差値45~50以下の高校を志望する受験生、もしくは入試間際で暗記期間が1~2ヶ月程度しかない受験生には、以下の教材がオススメです。中でも「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」が最もオススメです。
「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」(約180ページ、角川)
「高校入試 入試で差がつく 一問一答 社会」(約160ページ、文英堂)
「高校入試 入試問題で覚える 一問一答 社会」(約160ページ、旺文社)
「中学&高校入試 社会 一問一答」(約140ページ、受験研究社)
「高校入試 合格でる順 社会」(約160ページ、旺文社、公立入試問題で構成)
「高校入試合格BON!社会」(約120ページ、学研、公立入試問題で構成)
「中学総合的研究問題集 社会」(約170ページ、旺文社)
②「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」がオススメの理由:社会が苦手な人にとっては、分量が多くも少なくもなく適量で、3ヶ月(×1時間)前後で習得可能です。
③社会偏差値50~60以上を目指す受験生、もしくは偏差値50~60以上の高校を志望する受験生には:以下の教材がオススメです。この教材は3冊600ページもあり、偏差値45~50以下の高校を志望する受験生には荷が重いです。
「高校入試 実力メキメキ合格ノート 中学歴史・地理・公民」(3冊、文英堂)
④暗記し始める時期:暗記用教材は3年になる春休み頃から暗記するのが最適です。
「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」の暗記には通常3ヶ月ほどかかりますが、春休みから始めれば、未習範囲も含め、5~7月頃には暗記し終わることが可能で、夏休みから過去問や受験用問題集に入れます。これは他の受験生より速いペースなので、受験に有利になります。
(2)解説書
①解説書の必要性:社会でも理科でも、実力を上げるには、最初は理解し、そして繰り返すことで暗記をしていく必要があります。
「中学社会の点数が面白いほどとれる一問一答」は暗記に特化した教材なので、理解には別の教材(参考書、解説書)が必要です。
②オススメ:選択肢は以下。
「学校の教科書」
「中学地理・歴史・公民が面白いほどわかる本」(3冊、角川)
「高校入試 実力メキメキ合格ノート」(3冊、文英堂)
「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」と同じ著者・出版社による「中学地理・歴史・公民が面白いほどわかる本」がオススメです。以下ではこの本を併用するとして話を進めていきます。
(3)過去問
①過去問の重要性:受験用の問題集は「自分が志望校を受験するときの問題に傾向ができるだけ近い問題集」に取り組む必要があります。そして「自分が受験するときの問題に傾向が最も近い問題集」は過去問なので、過去問に優先的に取り組みます。
ただし、社会では、特に1~5年前などの近い年度の知識・用語は(同じ学校の入試には)出ない可能性が高いので、一般の受験用問題集にもどんどん取り組む必要があります。
②過去問を解く:「中学地理・歴史・公民が面白いほどわかる本」を5周以上読み、「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」を暗記するだけで公立高校過去問は4~5割前後取れるはずなので、暗記し終わったらすぐに過去問を3年分ほど解いて、どのくらい取れるかや傾向をチェックしてみます。
過去問を解いて4~5割以上得点できれば、(偏差値45~50レベルの高校の)受験レベルに到達しているので、弱点や課題を補う勉強をしながら、過去問や市販の受験用問題集をどんどん解いていきます。
3割以下しか得点できなければ、まだ受験レベルに到達していないので、弱点や課題を把握した上で、「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」の暗記のやり直しをした上で、受験用問題集や過去問を解いていきます(詳しくは後述)。
③10年分以上解く:例えば、公立高校1校と私立高校2校を受験する場合、3校の過去問をそれぞれ10年分以上集め、「3校5年分⇒3校10年分⇒3校15年分」と解いて、暗記していきます。「3校10年分(30年分)」を週1年分解いて暗記するだけでも「30週間(7~8ヶ月)」かかります。
1つの志望校の過去問の内容が、他の志望校の実際の入試で出る可能性もありますから、全てしっかり習得します。
④直近の過去問から解く:入試は傾向が変わる可能性がありますから、一番最近の過去問が「自分が受験するときの問題に最も傾向が近い」。よって、一番最近の過去問から、順にさかのぼって解いていくのがオススメです。
⑤1年分全体を解く必要があるか、バラで解いても良いか:解くのは、1年度分全体を時間を計って解くのが最も良いですが、時間もかかり、疲れるので、時には、大問ごとにバラで解いても構いません。
⑥週1年度分解き、習得する:8~12月は週1年度分、1~2月は週2~3年度分くらいのペースで進めます。
(3)受験用問題集
①標準的受験用問題集を習得すべき理由:出やすい問題が集まっているので、効率良く受験対策ができます。
②オススメ問題集:過去問を3年分ほど解いた後、過去問と下記のような標準的受験用問題集を平行して解き、習得していきます。
オススメは「高校入試 合格でる順 社会」です。習得法は【「高校入試 合格でる順 社会」習得法】参照。
「高校入試 合格でる順 社会」(約160ページ、旺文社)
「高校入試対策問題集 合格への最短完成 社会」(約190ページ、栄光ゼミナール)
「公立入試の社会・実戦問題演習」(約140ページ、東京学参)
「中学総合的研究問題集 社会」(約190ページ、旺文社)
「完全攻略 高校入試 3年間の総仕上げ 社会」(約130ページ、文理)
「高校入試 超効率問題集 社会」(約160ページ、文英堂)
(4)受験用上級問題集
①弱点補強用問題集:過去問を解いて苦手だと分かった分野を補強したい場合や、資料を使った思考問題や記述問題を集中的に解きたい場合は、以下の問題集が最適です。分野別で、これ以上に問題が充実した問題集はありません。
「全国高校入試問題正解 分野別過去問 社会」(1000問以上、旺文社)
②上級問題集:余力があれば更に上級受験問題集を1冊習得します。以下の問題集は公立高校の難問だけを集めた問題集なので、仕上げの問題集としてオススメです。薄いのですぐ習得できます。習得法は【「高校入試 合格でる順 社会」習得法】参照。
「受験生の50%以下しか解けない差がつく入試問題 社会」(約100ページ、旺文社)
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2.受験勉強の前提
2.1.社会の受験勉強を開始する時期
(1)2年の夏休みから始める:この時期から暗記する必要性は薄いと思います。
暗記して、復習して、記憶を維持するには相当の集中力が必要で、それを1年半(2年夏~3年冬)も続けるのは無理がありますし、1~2年生の間は英数国の実力を上げることを優先すべきだからです。
(2)3年になる春休み~6月頃から始める:これが一番現実的でしょう。3年になる春休み(正確には3学期の期末テストが終わった直後)から始めれば夏休み前に暗記を終えることが可能です。
6月から始めれば、夏休み中に暗記し終わることが可能です。
(4)3年夏休みから始める:「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」の暗記には通常、3ヶ月前後かかるので、夏休みから始めるのでは遅いです。暗記し終えるのが9~10月頃になり、過去問を解く期間が限られます。また、弱点対策が間に合わない可能性があります。
精神衛生上も良くありません(いつ暗記できるか分からないので不安になります)。
2.2.「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」の暗記にかかる期間
「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」は、約180ページです。これを「3ヶ月×毎日1時間(90時間)」で暗記することを目標にします。その他に、「中学地理・歴史・公民が面白いほどわかる本」の該当箇所を週2回読むのに、毎日20分必要です。
3年になる春休みから暗記を始めた場合、5~6月に暗記し終わります。
2回の定期テスト期間(3週間×2回=1.5ヶ月)を除いても、春休み・夏休みに頑張れば(毎日2時間以上やれば)、3~4ヶ月で暗記することは十分可能です。また、定期テスト範囲も受験範囲ですから、定期テスト期間中も受験勉強(「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」の暗記)をするのがオススメです。
2.3.何を暗記するか
入試のために暗記すべき内容は、用語と用語の意味の2つです。「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」では両方とも赤字(一問一答の答え)になっているので覚えやすいです。
(1)用語:用語とは、年号、人名、事件名、地名等のことです。
(2)用語の意味:用語の意味とは、人物の業績、戦争の原因・関係者・経過・結果・影響、文化・地域の特徴などのことです。
用語の意味は、「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」に加えて、過去問や受験用問題集で間違えた記述問題の問題と答えをルーズリーフにまとめ、暗記します。
2.4.記憶の原理
記憶には、短期記憶(数時間~数週間もつ記憶)、中期記憶(数週間~数ヶ月もつ記憶)、長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)の3つがあり、受験に必要な知識は、最終的に全て長期記憶に入れる必要があります。
全ての記憶は最初、短期記憶に入り、7日(7回)以上の復習をすれば中期記憶に入ります。中期記憶に入ったかどうかの印は「即答できるかどうか」です。
※7回:何回必要かは科目や内容によります。英単語や社会の用語暗記のような、量が膨大で理解の度合いが少ないものは回数が多く必要で(英単語で数十回~150回前後、社会で10~20回前後)、数学や物理のように理解の度合いが大きい科目は、回数は少なくて済みます(5~10回前後)。英文法問題集や理科の問題集はその中間で、10回前後です。
長期記憶に入れるには、中期記憶に入れてから、更に2ヶ月以上の復習が必要です。
まとめると以下になります。
【短期記憶⇒7日復習⇒即答⇒中期記憶⇒2ヶ月以上復習⇒長期記憶】
2.5.問題集も過去問も習得する
(1)習得するとは:社会の教材を「習得」するとは、ここでは、5~20回前後復習することで、しっかり理解し、全問、即答できるようにすることを意味します。即答できれば、中期記憶に入ります。
「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」のような社会の暗記教材を習得するには、10~20回前後の復習が必要です。
過去問や社会の受験用問題集を習得するには、「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」を暗記した後であれば5~10回前後、暗記せずにいきなり取り組んだ場合は10~20回前後の復習が必要です。
(2)長期記憶に入れる:一度習得しても、復習しなかったら徐々に忘れますから、「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」も過去問も受験用問題集も、習得してから2ヶ月以上、復習を続けます。
3.社会の受験勉強法
社会の受験勉強法
(1)暗記用教材を暗記する
①オススメ教材:暗記用には「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」、理解用には「中学地理・歴史・公民が面白いほどわかる本」がオススメです。
②暗記法:「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」の暗記法はこちらに書いています。平行して「中学地理・歴史・公民が面白いほどわかる本」の該当箇所を週2回ほど読んで理解していきます。
③暗記後:「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」の暗記後は、過去問を3年分ほど解き、自分がどれくらい解けるかや、傾向を見てみます。
その後、「高校入試 合格でる順 社会」のような標準的受験用問題集と過去問を平行して解き、習得していきます。
(2)過去問を解き、習得する
①時間通り解く:(大問1問ずつバラバラに解くのではなく)できれば1年分を全問、時間通り解きます。通して解く集中力や体力を付け、時間管理を学ぶ必要があるからです。
※時間管理:最後まで到達し、解ける問題を全部解き、全体の点数を最大化するため、どういう順番で解くか、各大問に何分かけるか、解けない小問を最大何分くらい考えるか、などを検討し、決めていくこと。
②延長して解く:時間内に終わらなかった場合、解かずに解答を見るのはもったいないので、解けなかった問題を全部解けるまで、10~30分前後、時間を延長して解きます。全部解けたら、もしくはこれ以上考えても解けないと思ったら、解答を見ます。
③解答解説を見て自己採点し、理解する:間違えた問題に印を付け、なぜその解答になるのか、自分の答えではなぜダメなのかをしっかり理解します。
曖昧な知識は「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」や「中学地理・歴史・公民が面白いほどわかる本」で確認し、マーカーを引き、「19年〇〇県過去問」などと書いておきます。どういう部分が問われ、自分が忘れているかをチェックするためです。
資料等を見て考える必要がある問題(思考問題)について、解答解説を読んでも理解できないときは塾の先生などに聞いて理解します。
④習得法:解いた日、もしくは翌日から、印を付けた問題(間違えた問題)だけを解き、正解なら次へ、間違えたら更に印を付け、解答を5回ほど音読し、いったん暗記して次へ。記述問題は「毎日10回音読×10日」のようにして丸暗記します。
そうして1年分を「7日で7回」など解き、スラスラ解けるようにします。3回連続して正解した問題はいったん外します。
1年度分をスラスラ解けるようにしたら次の年度に進み、同様に暗記・習得します。
⑤復習し続ける:長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入れるため、既習の過去問を【「1年度分×15分×週1回」×既習全年度分×2ヶ月以上】など復習していきます。
⑥過去問まとめ帳を書く:社会に限らず5教科とも、過去問を解いたら、必ず、過去問の傾向・特徴・感想、自分の間違いの傾向、対策などを「過去問まとめ帳」に書きます。過去問や間違いの傾向によって今後の受験勉強の方針は変わりますから、過去問の傾向と対策を考えることは非常に重要です。
これは、ルーズリーフに縦線を引き、以下のような感じで書いていきます。
【16年○県過去問・社会、傾向と対策|地理:-15点、図やグラフの問題で間違えた⇒対策:過去問と「全国高校入試問題正解 分野別過去問 社会」を解く。用語は「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」でほぼ大丈夫。】
(3)過去問の間違いの原因を明確にし、対策をする
①用語:年号・人名・事件名・地名等、用語の暗記で大きく点を落としているなら、「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」の赤字の暗記が不十分です。
対策法としては、過去問で間違えた用語を「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」で調べ、赤字であろうが本文にあろうが、あったら、マーカーを引き、「19年〇〇県」などと書いていきます。
たいていは赤字で書かれていると思いますので、赤字を暗記すれば良いと分かるはずです。よって、全体の赤字を暗記し直します。赤字でない箇所は、個別に暗記します。
②用語の意味:過去問や問題集の記述問題で問われて間違えた用語の意味(人物の業績、戦争の原因・結果・影響等)をその都度、以下のようにルーズリーフにまとめて暗記していきます。
【19世紀前半からヨーロッパ諸国がアジア侵略を本格化させた理由は?(〇〇県19年)|産業革命が起こり、原料の供給地と商品の消費地が必要になったから。】
また、「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」や「中学地理・歴史・公民が面白いほどわかる本」の該当箇所を探し、下線を引き、「〇〇県19年」などと書いておきます。これを続けると、どういう部分が問われやすいかが分かってきます。
用語の意味は、「中学社会の点数が面白いほどとれる 一問一答」だけでは足りないので、過去問や受験用問題集を解く中で、記述問題の間違えた問題と答えを上記のようにまとめ、暗記していきます。
③思考問題:地理等の基礎知識をもとに、資料を読み取り、答える問題です。
これには思考力が必要なので、苦手な人は、過去問で間違えた思考問題を4~5回解き、また、「全国高校入試問題正解 分野別過去問 社会」(旺文社)で自分の不得意な思考問題を探して大量に解き、慣れていくようにします。
(4)標準的受験用問題集
①標準的受験用問題集:過去問と平行して、標準的受験用問題集を1冊習得するのがオススメです。出やすい問題を効率良く習得することができます。
②習得法:【「高校入試 合格でる順 社会」習得法】に書いています。弱点補強用問題集など、他の問題集でも習得法は基本的に同じです。
(5)上級問題集
①弱点補強用問題集:過去問を解いて発見した弱点を補うため、「全国高校入試問題正解 分野別過去問 社会」の該当箇所の問題を解き、習得していきます。
②上級問題集:過去問を10年分以上解いて、まだ余裕がある場合、「受験生の50%以下しか解けない差がつく入試問題 社会」などの上級問題集を解き、習得していきます。
【終わりに】
以上が高校受験社会の勉強法です。ここまでお読み下さり、誠にありがとうございました。
あなたの健闘を祈ります。
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