受験勉強(1)初見の古文問題を解けるようにする勉強法

このページから数回にわたって、古文の大学受験勉強法について書いていきます。

このページでは、模試・過去問のような初見の古文の問題文を理解できない原因問題が解けない原因と、それらの対策法を書いていきます。

現代文の受験勉強法はこちら漢文の受験勉強法はこちらに書いています。

1.初見の古文が解けない原因(1)古文単語

1.1.多くの高校生は古文が苦手

多くの高校生は、模試や実力テスト、過去問のような初見の古文を読み、問題を解くことが苦手です。その原因は主に以下の10個です。

【初見の古文が解けない10の原因】

(1)必要十分な数の古文単語の意味を覚えていない

(2)必要最小限の古典文法を覚えていない

(3)品詞分解ができない

(4)「現代語訳の暗記」をしていない

(5)高得点を取るための古文の読み方・解き方が分からない

(6)文章の途中で主語が分からなくなる

(7)古文常識を知らない

(8)記述問題が苦手

(9)和歌の問題が苦手

(10)学習した内容を長期記憶に入れていない

以下で、原因に応じた対策法を書いていきます。

1.2.古文単語

高校生にとって、古文が分からない最大の原因は古文単語でしょう。対策法は以下になります。

【古文単語の意味を覚えていない】

(1)対策法1:古文単語帳の暗記:以下のような600ワードレベルの古文単語帳を暗記します。古文単語暗記法は【超効率的古文単語暗記法】参照。

二刀流古文単語634」(旺文社)
読んで見て覚える重要古文単語315」(桐原書店:実質700ワード収録)
古文単語FORMULA600」(東進)
古文単語ゴロゴ プレミアム+」(スタディカンパニー)

 古文単語帳は、300ワードレベルのもの(共通テストレベル)と600ワードレベルのもの(難関大学レベル)に分かれます。

 300ワードほどしか変わらず、暗記単語数は多いほど有利ですから、古文が共通テストのみの人や中堅大学志望の人も、600ワードレベルの古文単語帳を暗記した方が良いです。

(2)対策法2:現代語訳の暗記:「品詞分解現代語訳の暗記」は古文の受験勉強・定期テストの勉強の中心的な勉強法です。

 現代語訳の暗記を10ページ、30ページ、50ページと実践していくことで、古文単語の意味を大量に暗記でき、初見の古文理解度も格段に上がります。具体的な暗記法は【初見の古文をスラスラ訳せるようにする勉強法】参照。

 定期テストの古文や受験勉強で、この「品詞分解+現代語訳の暗記」を毎週1ページなど行っていきます。

2.初見の古文が解けない原因(2)古典文法

古文も語学ですから、英語同様、読解演習に入る前に、ある程度の古典文法を暗記していないと理解できません。

古文の読解問題で、文法に関して困らないようにするには、以下の2つをすればokです。

【古典文法を覚えていない】

(1)対策法1:薄い古典文法問題集を5周:以下のような薄い古典文法問題集を5~10周してだいたい暗記します。

 オススメは、最小限の暗記すべき内容がコンパクトにまとまっている「ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル」です。古典文法問題集の習得法は【古典文法最短暗記法】参照。

ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル」(河合塾)
基礎からのジャンプアップノート 古典文法・演習ドリル」(旺文社)
古文ヤマのヤマ 頻出文法事項44」(三羽邦美著、学研)
吉野式古典文法スーパー暗記帖」(学研)

 古典文法問題集は、全体としてはだいたい暗記すれば良いですが、助動詞の活用・意味・接続動詞・形容詞・形容動詞の活用敬語の3つについては、品詞分解や読解に不可欠なので、しっかり暗記します。

(2)対策法2:品詞分解:古典文法は品詞分解ができる程度に暗記すれば良いので、古典文法問題集はさっさと5~10周し、だいたい暗記したら品詞分解に入ります。

 品詞分解をきちんとやれば、読解や問題を解くのに必要な文法は自然に身に付きます。

3.初見の古文が解けない原因(3)品詞分解

【品詞分解ができない】

(1)品詞分解とは:「古文の各単語の品詞・活用・活用形・意味などを分析すること」で、「識別」とも言います。

 品詞分解できれば文法的に意味が分かり、逆に品詞分解できなければ文法的に意味が分かりません。よって、古文の実力を上げるのに品詞分解は不可欠なのです。

(2)具体例:例えば、「けふ(今日)は、内裏に参り」の「ぬ」が、完了の助動詞「ぬ」(の終止形)なのか、打ち消しの助動詞「ず」(の連体形)なのかを文法的に分析・確定する方法が品詞分解です。

 この「ぬ」を品詞分解すると、完了の助動詞「ぬ」の接続(前の単語)は連用形、打ち消しの助動詞「ず」の接続は未然形で、「参り」はラ行四段活用の動詞「参る」の連用形だから、連用形接続である完了の助動詞「ぬ」の終止形であると分かり、現代語訳は「今日は宮中に参内した(さんだいした)」になると分かります。

 このように品詞分解がきちんとできるようにしている人は多くありません。だからこそ、多くの高校生が古文を曖昧にしか分からないし、問題が解けないのです。

 逆に、品詞分解をマスターすれば大きなアドバンテージになります。

(3)品詞分解の習得法:品詞分解の詳しいやり方は【古文・品詞分解を12時間で習得する方法】に解説しています。毎週1ページなど習得していきます。

(4)使用参考書:下のような「全文に品詞分解が載っている参考書」を用います。

「理解しやすい古文」(文英堂)
「教科書ガイド」(教科書ガイドにはほぼ全文に品詞分解が載っています)

(5)品詞分解を始める時期:ある程度の古典文法を暗記していないと品詞分解はできませんから、必要十分な量の古典文法を暗記した上で、品詞分解に入ります。

 ※必要十分な量の古典文法を暗記:上記のように「ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル」のような薄い古典文法問題集を5~10周しつつ、動詞・形容詞・形容動詞の活用の暗記、助動詞の接続・活用全体・意味の暗記、敬語の表の暗記をすれば必要十分です。

(6)品詞分解の必要量:10ページ分をスラスラ品詞分解できるようにすれば、初見の古文でもほぼ全て品詞分解できる(=文法的に理解できる)ようになります

 ただ、10ページで十分という訳ではなく、多ければ多いほど速く正確に品詞分解できるようになりますから、「品詞分解+現代語訳の暗記」を20ページ、50ページと習得していきます。

4.初見の古文が解けない原因(4)現代語訳の暗記

【「現代語訳の暗記」をしていない】

(1)「現代語訳の暗記」とは:「(既習の)古文を正確に訳せるようにすること」です。

(2)「現代語訳の暗記」のやり方:【初見の古文をスラスラ訳せるようにする勉強法】参照。

(3)教材:学校のテスト範囲の古文、前のテスト範囲の古文、そしてそれが終わったら「理解しやすい古文」や「教科書ガイド」に載っている古文を「品詞分解+現代語訳の暗記」します。

(4)分量:週1ページ「品詞分解+現代語訳の暗記」をしていきます。

 入試までに100ページ以上を目標にします。50ページを超えると、加速度的に習得できる量が増えます。

(5)効果:訳せる古文を30ページ、50ページ、100ページと増やすと、他の高校生に比べて、ずっと多くの古文単語・言い回し・古文常識等を身に付けられます。

 その結果、初見の古文の意味が(正確にではありませんが)だいたい理解できるようになります。

 ※他の高校生に比べて:普通の高校生は「現代語の暗記」はしていないので、正確に訳せる古文の量はほぼゼロです。

 ※だいたい理解できる:初見の古文の意味を正確に理解できるようにするには、品詞分解をするしかありません。つまり、「現代語訳の暗記」と「品詞分解」をセットで30ページ、50ページと行えば、初見の古文の意味がどんどん分かるようになります

5.初見の古文が解けない原因(5)読み方・解き方

【古文の読み方・解き方が分からない】

(1)「読み方・解き方本」の必要性:語学は最初は量ですから、古文も、古文単語を大量に(=600語以上)暗記し、「品詞分解+現代語訳の暗記」を30ページ、50ページと習得していく必要があります。

 それに加えて、古文を大量に読み解いている「プロ」が持っているテクニック、コツを「古文の読み方・解き方本」で習得すれば、成績の向上は更に加速します。

 ※プロのテクニックとは:例えば、以下に書いている主語の確定法和歌の解釈法がテクニックの例です。

(2)オススメ問題集:以下のような「古文の読み方・解き方本」が役立ちます。

山村由美子 図解古文読解講義の実況中継」(語学春秋社)
古文解釈 はじめの一歩」「古文解釈の方法」(関谷浩著、駿台)
共通テスト古文 満点のコツ」(教学社)
元井太郎の古文読解が面白いほどできる本」(中経出版)
岡本梨奈の古文の読み方&解き方が面白いほど身につく本」(角川)
ライジング古文」(桐原書店)

 オススメは「山村由美子 図解古文読解講義の実況中継」(全受験生向け)、「共通テスト古文 満点のコツ」(共通テストを受ける受験生向け)、「古文解釈の方法」(上級者向け)です。

(3)習得法:【古文「読み方・解き方本」習得法】参照。

6.初見の古文が解けない原因(6)主語

古文は、現代文より主語が省略されています。よって、主語の確定がしにくく、話の流れが分からなくなりがちです。この対策としては、以下の2つを練習します。

【主語が分からない】

(1)対策法1:「読み方・解き方本」で主語の確定法を学ぶ:上記の「読み方・解き方本」には主語の確定法のテクニックが書かれています。それを読み、理解し、暗記して、古文を読むときに使って習得していきます。

 オススメは「山村由美子 図解古文読解講義の実況中継」「共通テスト古文 満点のコツ」です。

(2)対策法2:主語を言う訓練:「品詞分解+現代語訳の暗記」の時に、「述語があれば⇒主語を言う」訓練をします。このときに「読み方・解き方本」のテクニックを使います。

 この訓練を20~30ページ以上、行うことで、主語の確定が劇的に上達します。

7.初見の古文が解けない原因(7)古文常識

古文常識とは、「古代世界の常識的な知識」のことです。

例えば「神無月上の弓張の頃」とは、「旧暦10月の上弦の月の頃」で、旧暦10月7~8日頃を指します。これを知らないと意味が分からないし、問題に出ても解けません。古文常識の対策法は以下です。

【古文常識を知らない】

(1)対策法1:「品詞分解+現代語訳の暗記」:古文常識は、「品詞分解+現代語訳の暗記」を50~100ページ以上続けると、自然に身に付いていきます。

(2)対策法2:日頃から読む:以下のような古文常識が載った教材を自分が使っている場合、古文常識も読んでおきます。

読んで見て覚える重要古文単語315」(桐原書店:古文常識掲載)
理解しやすい古文」(文英堂)
古文上達 基礎編 読解と演習45」(Z会)

(3)対策法3:古文常識本:難関私立大志望者で、時間に余裕がある1~2年生、もしくは古文常識が問題に出る大学・学部の志望者であれば、以下の古文常識本を10周ほど読んで、だいたい頭に入れるのも良いでしょう。

マドンナ古文常識217」(学研)
速読古文常識」(Z会)

8.初見の古文が解けない原因(8)記述問題

国公立大学を中心に記述問題が出ますが、そのほとんどは、傍線部や問題に関係する箇所について、単語の意味が分かり、省略語(主語・助詞・目的語等)が復元でき、「品詞分解+現代語訳」できれば、解けます。

よって、対策法は以下になります。

【記述問題が苦手】

(1)対策法1:「品詞分解+現代語訳の暗記」:上記の勉強(「品詞分解+現代語訳の暗記」、古文単語・古典文法・古文常識の暗記等)を続け、地力を上げていけば、正解率は上がります。

(2)対策法2:記述問題集:入試に記述が多く出る場合は、古文記述問題集を1冊習得するべきです。解き方・書き方が詳しく説明されています。オススメは「得点奪取古文―記述対策」「はじめの一歩 古文読解問題集」です。

はじめの一歩 古文読解問題集」(関谷浩著、駿台)
得点奪取古文―記述対策」(河合塾)
最強の古文 読解と演習50」(Z会)
国公立標準問題集CanPass古典」(駿台)
ライジング古文」(桐原書店)

(3)対策法3:「古文の読み方・解き方本」:主語・助詞・目的語等の省略語の復元方法は、「山村由美子 図解古文読解講義の実況中継」などの「古文の読み方・解き方本」に書かれています。

 よって、上記の「古文の読み方・解き方本」の該当箇所を10周し、習得します。

9.初見の古文が解けない原因(9)和歌

和歌の問題は大学入試によく出ますが、苦手な人が非常に多いです。

和歌問題を解けるようにするには、傍線部や問題に関係する箇所について、単語の意味が分かり、修辞法(枕詞、掛詞等)を理解でき、「品詞分解+現代語訳」できれば、解けます。よって、対策法は以下。

【和歌問題が解けない】

(1)対策法1:品詞分解・現代語訳・修辞法の暗記:上記「品詞分解+現代語訳の暗記」をするときに、和歌があれば、その(修辞法等の)解説を読み、和歌の品詞分解の箇所に、現代語訳(解釈)・修辞法も書き加え(もしくはルーズリーフに和歌、その右に品詞分解・現代語訳・修辞法を書き)、それを暗記します。

 これを30首以上、習得すれば、和歌問題が解けるようになります。目標は100首以上です。

(2)対策法2:和歌の修辞法の解説を習得する:以下の教材には和歌の修辞法の解説が簡潔に書かれています。その解説を10回以上読み、解説や具体例をルーズリーフにまとめ、暗記します。

理解しやすい古文」(文英堂)
読んで見て覚える重要古文単語315」(桐原書店)
古文上達 基礎編 読解と演習45」(Z会)
古文解釈の方法」(関谷浩著、駿台)

(3)対策法3:「和歌の読み方・解き方」を習得する:以下の「読み方・解き方本」には「和歌の読み方・解き方」が書かれているので、その箇所を5~10周し、習得します。

 また、これらの問題集の中の和歌の品詞分解・現代語訳・修辞法を問題集に書き込み(もしくはルーズリーフにまとめ)、暗記します。

山村由美子 図解古文読解講義の実況中継」(語学春秋社)
古文解釈の方法」(関谷浩著、駿台)
共通テスト古文 満点のコツ」(教学社)
元井太郎の古文読解が面白いほどできる本」(中経出版)
岡本梨奈の古文の読み方&解き方が面白いほど身につく本」(角川)

(4)対策法4:和歌専用本:過去問に和歌がよく出ていて、更に対策をしたい人は、以下の和歌専用本を5~10周し、「和歌の読み方・問題の解き方」を習得します。これは3年夏休み以降に過去問を解いた後に、必要を感じたらで構いません。

 これらの問題集の中の和歌の品詞分解・現代語訳・修辞法も、問題集に書き込み(もしくはルーズリーフにまとめ)、暗記します。

和歌の修辞法―荻野文子の特講マドンナ古文」(学研)
吉野のパワーアップ古文 和歌の修辞法編」(東進)
SPEED攻略10日間 国語 和歌」(Z会)

10.初見の古文が解けない原因(10)長期記憶

長期記憶とは、「数ヶ月~数年以上もつ記憶」のことです。

上記教材を一度暗記する、一周するのは誰でもできます。しかし、たいていの人は復習システムを作っておらず、長期記憶に入れることができていません。その結果、徐々に忘れていって、なかなか思うように成績が上がりません。

 ※復習システム:いったん学習した単語帳・問題集・過去問を、最終的に長期記憶に入れるために、どういう周期で、何回、復習するかの明確な計画のこと。

学習したことを長期記憶に入れ、入試で使える知識にする方法は以下になります。

【長期記憶に入れていない】

(1)対策法:いったん完全に暗記して、その後、2ヶ月以上復習することによって、長期記憶に入れられます。

 回数にして10回以上復習します(例えば、週1回1周復習×10週間)。

(2)復習法具体例:例えば600ワードレベルの古文単語帳を暗記する場合、【「古文単語⇒現代語訳」×3回音読×50ワード×1日6周(毎日20分)×7日】でいったん暗記した後、毎週復習しながら先へ進めます。

 6週間目で251~300番の古文単語を新規で暗記している場合、既習範囲の古文単語を、毎日50ワードテストし、忘れている単語に印を付けます。そうすると、5日で1周復習できます。そして印を付けた古文単語を、上記の暗記法で3~7日連続して暗記し、即答できるようにします。

 これを全部暗記し長期記憶に入れるまで、延々と続けていきます。

11.結局何をすれば良いか

いろいろ書いてきましたが、まとめると、3年夏休みから過去問をある程度解けるようにするため、高校生は以下のような勉強をしていくのが正解です。詳しくは【受験勉強(2)入試基礎力養成期の勉強法】参照。

【高校生の古文受験勉強法】

(1)薄い古典文法問題集5周:古文の基礎である文法を、まず習得します。

(2)古文単語の暗記:600ワードレベル古文単語帳1冊を暗記します。

(3)「品詞分解+現代語訳の暗記」30ページ以上:これがメインの受験勉強です。

(4)「読み方・解き方本」習得:効果的な読み方・解き方が身に付きます。

【終わりに】

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

この文章があなたのお役に立てば幸いです。

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