「古典文法基礎ドリル」習得法

このページでは、古典文法の良書である「ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル」(河合塾)の習得法を解説していきます。

1.古典文法はどこまで暗記すべきか

1.1.薄い問題集で暗記する

古典文法については、教科書や分厚い参考書は暗記には向きません。内容が多すぎて、どこまで覚えればよいか分からないからです。

できれば「ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル」(河合塾)のような、受験に必要十分の知識が簡潔に書かれた問題集をオススメします。

1.2.古典文法はどこまで暗記すべきか

古典文法はどこまで暗記すればいいかよく分からないですが、結論から言うと、「古典文法は品詞分解ができる程度に暗記すれば良い」のです(品詞分解=古文の各単語の品詞・活用・活用形・意味などを識別すること)。

なぜなら、品詞分解ができれば、古文の意味が文法的に正確に分かりますし、文法問題も解けるからです。

「品詞分解がある程度できる」ためには、以下の2つを習得すれば大丈夫です。

(1)薄い古典文法問題集を5周:「ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル」(河合塾)のような薄い古典文法問題集を5周してある程度暗記します。

(2)3項目をしっかり暗記:「動詞・形容詞・形容動詞」の活用、助動詞の活用表(接続・活用全体・意味・現代語訳)、敬語動詞(元の動詞・現代語訳)を完全に暗記します。

以上を1~2ヶ月で暗記したら、「品詞分解+訳の暗記」に入ります。

2.「ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル」の特長

(1)薄い・少ない・最小限:古典文法は最小限覚えれば良いので、本書のように薄い問題集で十分です。

(2)文法問題も適量:必要十分な問題が付いています。

(3)品詞分解:本書25~30章には「識別(=品詞分解)」の問題があります。これを習得すれば品詞分解が楽になります。

3.古典文法暗記法

3.1.目標

(1)5周する

 冊子を1~2ヶ月で5周し、だいたい暗記します。品詞分解をしているうちに必要事項を暗記するので、この時点ではだいたいで構いません。

(2)3項目をしっかり暗記する

 「動詞・形容詞・形容動詞」の活用、巻末の助動詞の活用表、敬語動詞の一覧表を完全に暗記します。

 ①「動詞・形容詞・形容動詞」の活用を暗記したら:品詞分解がより容易にできるようになり、文の意味を文法的に正確に理解できるようになります。

 ②助動詞の活用表を暗記したら:品詞分解がより容易にできるようになり、文の意味を文法的に正確に理解できるようになります。

 ③敬語動詞を暗記したら:文の意味をより理解しやすくになり、また、文の意味が理解できない大きな原因である「主語が分からなくなること」の解消に役立ちます。

(3)長期記憶に入れる

 いったん5周し、活用表等を暗記した後も、2ヶ月以上復習を続け、夏休み・冬休み・春休みにも復習し、長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入れます。そうすれば入試で使える知識になります。

3.2.「時間」を決める

古典文法の暗記は、「1日1章」などのではなく、「1日30分(土日1時間)」などの時間で行います。量で行うと他の勉強に支障が出るからです。

適正時間は、「1日30分(土日1時間)」です。

毎日10分などの少ない時間では、いつ習得できるか分からないので、20~30分以上、時間を掛けて集中的に暗記します。

毎日30分勉強すれば、1~2ヶ月で上記「5周+3項目を暗記」できます。

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3.3.暗記法

ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル」暗記法

(1)1~25章を5周する

 ①解説を理解する:各章の解説を読み、知らない知識にマーカーを引き、2周目以降はそこを中心に読みます(時短のため)。

 ②活用等の暗記:活用のある品詞は活用を約10回音読して暗唱できるようにし、助動詞の接続・意味等もいったん暗記します。

 ③問題は解かない:基本ドリル、練習ドリルの問題は解きません。問題を解いても、初見の文法問題を解けるようにはならず、時間の無駄だからです。品詞分解をやれば初見の文法問題は解けるようになります。

 ④練習ドリルの訳の暗記:【点やマルなどの意味の区切りで、「古文⇒現代語訳」×3回音読×1文を3周】⇒【同じ文をテスト⇒意味を即答できない箇所に印を付け、「古文⇒現代語訳」×5回音読でいったん暗記⇒次へ】

 練習ドリルの短文を5つ、訳せるようにします。別冊に訳と古文が併記してあるのでそれを使います。訳せる古文が増えれば古文はだいたい読めるようになります。

 ⑤1~25章を5周暗記する:1~25章が1周終わったらすぐ2周目に入り、とりあえず5周します。

 26~30章の「識別(品詞分解)」は25章までをある程度暗記しないと難しいので、先に25章までを5周し、その後、26~30章を10周します。

(2)3項目を暗記する

 冊子と並行して、以下の3項目を暗記します。

 ①動詞・形容詞・形容動詞の活用の暗記:【活用全体をテスト⇒即答できないものを10回音読して暗唱できたらok、暗唱できなかったら再度音読し暗唱⇒次へ⇒1週間に10周すれば暗記できる⇒以後も2ヶ月以上、毎週末に1回復習】

 動詞は各活用の種類(四段活用等)から2つずつ、形容詞(ク活用)・形容動詞は活用表を全部暗記します。形容詞の「シク活用」は「ク活用」に「シ」を付けただけなので、あえて覚えなくて結構です。

 ②助動詞の活用表の暗記:【第1セット(10個など)の活用をテスト⇒即答できないものを10回音読して暗唱できたらok、暗唱できなかったら再度音読し暗唱⇒次へ⇒1週間に第1セット10周】【第2セット10周】【第3セット10周】【以後も2ヶ月以上、毎週末に1回復習】

 助動詞は「接続・活用全体・意味・現代語訳」を暗記します。 28個もあるので、週10~14個くらいで、2~3週に分けて暗記します。

 ③敬語動詞の一覧表の暗記:【第1セット(尊敬語)の「動詞⇒元の動詞・現代語訳」を暗記×1日3周⇒4日目から毎日テストして即答できない単語に印を付けて暗記⇒7日】【第2セット(謙譲語・丁寧語)×7日】【第3セット(補助動詞)×7日】【単語カードに書いてランダムに暗記】【以後も2ヶ月以上、単語カードで復習】

 巻末の敬語動詞の一覧表を、3~4週間かけて暗記していきます。詳しい暗記法は下記。

(3)26~30章の識別を習得

 ①26~30章を10周:1~25章を5周したら、1~25章を6~10周しながら、26~30章の識別(品詞分解)を10周し、即答できるようにします。

 ②勉強法:解説を読み、理解し暗記します。次に、問題を全て解き、解答を見て理解し暗記し、古文の訳を暗記します(上記(1)-④と同じ)。

(4)2ヶ月以上復習し、長期記憶に入れる

 以上全てを2ヶ月以上復習し、また、夏休みなどの長期休暇に復習して長期記憶に入れます。

(5)上記(1)~(2)を終えたら本格的に「品詞分解+現代語訳の暗記」に入る

 「古文単語+古典文法」の暗記の後の古文の勉強のメインは「品詞分解訳の暗記」です。「品詞分解10ページ分+訳の暗記50ページ分」を習得したら、初見の古文がかなり読めるようになり、成績は急上昇します。

 詳しくは、【古文・品詞分解を12時間で習得する方法】【初見の古文をスラスラ訳せるようにする勉強法】を参照。

3.4.活用暗記のテクニック

(1)形容詞「ク活用」:縦に「くくしきけれ○、からかり〇かる〇かれ」と覚える人がいますが,ナンセンスです。覚えにくいし、どれがどの活用形か対応させづらいからです。

 「くから・くかり・し・きかる・けれ・かれ」と横に覚えた方がずっと覚えやすいです。

これは形容動詞、助動詞「ず、まほし、たし、べし、まじ、たり」なども同じです。横に覚えます。

(2)形容詞の「シク活用」:「形容詞のク活用に『シ』がついたもの」と覚え、活用は覚えなくて結構です。

(3)助動詞の接続の暗記法:接続は2つの方法で覚えます。

 ①各助動詞のときに暗記:助動詞の活用表を覚えるとき、「る」の接続は「未然形」などと覚えます。

 ②活用形ごとに暗記:例えば、連用形は【「き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし」×10回音読×7日】と音読・暗唱して覚えます。

 未然形接続は11個あり、一気に覚えにくいので【る・らる・す・さす・しむ・ず】【じ・む・むず・まし・まほし】のように2つに分け、それぞれ10回前後音読し、暗唱できるようにします。そしてこれを1週間続けたら、いったん覚えます。

3.5.敬語動詞の暗記法

(1)量が多いので、全体を3~4セットに分けて暗記する。

(2)「第1セット(尊敬語)×7日」の暗記【「動詞⇒元の動詞・現代語訳」を暗記×1日3周⇒4日目から毎日テストして即答できない単語に印を付けて暗記⇒7日】

(3)「第2セット(謙譲語・丁寧語)×7日」暗記⇒「第3セット(補助動詞)×7日」暗記:暗記法は同上。

(4)カードに書いてランダムに暗記:一覧表だと同じ意味の敬語動詞がまとめられているので、1つ1つをしっかり暗記できません。

 よって、一覧表で暗記した後は、小さい単語カードの裏表に、「敬語動詞/意味」を書き、ランダムにして、暗記していきます。

(5)長期記憶に入れる:単語カードでいったん暗記した後も、【「平日5分+土日20分」×2ヶ月以上】復習して、長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入れます。

4.終わりに

古典文法と古文単語の暗記は古文の基礎です。入試に古文がある人は、早めにこの2つを暗記し、「品詞分解+訳の暗記」を進めていきましょう。

あなたの健闘を祈ります。

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