算数の超効率的勉強法(1)大原則編


算数をできるようにするには、「計算力強化・徹底的な復習」という2つをしていけば大丈夫です。このページではこれについて説明していきます。

1.算数ができない2つの原因

小学生や中学受験生が算数ができない場合、その原因は、主に、「計算力不足・復習不足」の2つです。

1.1.計算力不足

整数や小数、分数の四則演算などの算数の計算力(速さと正確さ)が不足していると、計算ミス、計算間違い、計算の遅さなどが原因で点数が取れません。小学生で算数の成績が伸びないお子さんの多くは計算力不足です。以下のような本で計算力不足を解消していくことを強くオススメします。

「強育ドリル」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
「学ぼう!算数高学年用上下」(数研出版)
「くもんの小学ドリル 算数」(くもん出版)
「陰山メソッド 徹底反復 百ます計算」(小学館)

1.2.復習不足

中学入試でも大学入試でも、「典型問題の種類=問題のパターン=解き方のパターン=解法のパターン」は無限にあるのではなく有限です。およそ100~150種類くらいでしょう。その典型問題を5~10回復習して「いつでもスラスラ解ける状態」にすれば、成績は確実に上がります。

中学入試では、中学受験問題集に載っている解法をマスターすれば典型問題はほぼ網羅できます。そしてその典型問題をスラスラ解けるようになれば、類似問題も解けます。

よって、本来、たいていの塾でしているような「次から次へと大量の問題をこなす」勉強法は必要ありません。1~2冊の問題集を完璧にすれば大丈夫なのです。

しかし、たいていの中学受験生は復習するヒマがないので、記憶が浅く曖昧で、問題を見たとき、解法を思い出すのに時間がかかったり、ど忘れしたりします。

例えば、3~6ヶ月前に解けなかった問題を10問程度用意して、解かせてみると、半分以上解けない人が多いのです。これは「先へ先へ」進む勉強法が機能していない証拠です。一度お子さんに3~6ヶ月前に解けなかった問題を解かせてみてください。9割解けるならとても優秀で現在の勉強法に問題はなく、6割以下なら大いに問題があるでしょう。

目標は、解けなかった問題はすべて、何度も復習して、「問題を見たら解き方をスラスラ言える状態」にすることです。この状態にするのに、算数の得意な生徒で3回前後、普通の子で5~10回、苦手な子で10回以上の復習が必要です。

「復習は時間がかかる。まして10回も復習するなんて時間のムダ」と考える人がいますが、これは大きな勘違いです。

復習は時間が節約できます。というのは、2回目は1回目の約半分の時間で済み、3回目は2回目の約半分で済みます。こうして5回目は1回目の約10分の1の時間で済み、10回目は1回目の約100分の1の時間で済みます。これは事実です。10回もすれば、大半の問題が「問題を見たら解き方をスラスラ言える状態」になるので、時間がほとんどかからないのです。

2.記憶の原理を理解する

2.1.一回記憶することは誰でもできる。問題はそれを忘れないようにすること。

勉強で一番大事なのは、勉強した内容を長期間忘れず、入学試験まで覚えておくことです。一回理解する、記憶するのは誰でもできますし、やっています。問題は、一回理解し記憶した内容(短期記憶)を、長く忘れない記憶(長期記憶)に移すことです。

効率よく長期記憶に移すには、記憶の原理を知り、それにのっとった復習システムを作り、復習を計画的に実践していくことが必要です。

当塾ではこの「効率よく長期記憶に入れる復習システム」を確立しており、それを生徒に習得してもらうことを第一の目標にしています。それは各教科の特質により多少のバリエーションはあるものの、基本原則は同じなので、一度復習システムを作り上げたら、どの分野の学習でも使える勉強法・記憶法を習得したことになり、一生の宝になります。

みなさんもぜひ、以下の文章や当塾のホームページをお読みになり、記憶の原理を理解し、自分に合った復習システムを創り上げて下さい。

2.2.短期記憶と長期記憶

短期記憶とは、数日~数週間で忘れる記憶です。全ての記憶はまず短期記憶として頭に入ります。そしてその中で、「生きるのに必要な記憶」として脳に認識された記憶のみ、長期記憶に移されます。
長期記憶とは、長く忘れない記憶であり、例えば、自分の携帯電話番号や住所、あるいは円周率(3.14)やかけ算の九九などは長期記憶に入っているので、なかなか忘れません。

2.3.短期記憶を長期記憶に移す方法は復習のみ

「生きるのに必要な記憶」として脳(正確には海馬という脳の器官)に認識してもらうには、強い感情を伴って記憶するか、何度も繰り返し記憶するしかありません。勉強で強い感情を常時喚起して記憶することは不可能ですから、何度も復習することが唯一の方法になります。つまり、長期記憶に移すには、復習するしかないのです。

2.4.最適な復習間隔と回数

問題は、最適な復習間隔と回数です。普通の生徒の場合、算数では、復習回数は5~10回、復習間隔は2週間以内が適しています。これで長期記憶に入る可能性が高まります。これでも忘れる人は、間隔をもっと短くし、回数を12回、15回と増やしていく必要があります。逆に、算数が得意な人は回数がもっと少なくても大丈夫な場合があります。

長期記憶に入ったかどうかの目安は、「問題を見たら解き方がスラスラ分かる状態」になっているかどうかです。スラスラ分かれば長期記憶に入っていると考えて大丈夫です。5分考えて解き方が出てくるようなら、まだ回数が足りません。そういう浅い記憶は試験場では使えません。

以上の情報をもとに、あなたに適した復習システムを作っていってください。

3.復習戦略

3.1.幾つもの問題集を次から次へこなしていくのは劣った勉強法

1冊の問題集を1,2回しかやらず、次の問題集へ進むという勉強法を採っている中学受験生は多いと思いますが、この勉強法は実際にはとても効率が悪いのです。なぜなら、算数の実力を上げるとは、「できなかった問題をできるようにすること」なのですが、復習を1,2回しかしなかったら、できなかった問題の多くはまだできるようにはならず、一時的にできるようになった問題も、2~3週間たつと忘れて、次第にできなくなるからです。この状態で次の問題集へ進んでも、できるようになっては忘れ、できるようになっては忘れを繰り返すので、なかなか実力が上がっていかないのです。

3.2.復習の目標:問題集の全問題をスラスラ解けるようにすること

算数で問題集をする目的は、算数の実力を上げ、成績を上げ、受験に合格することです。そのためには、自分が選んだ問題集について、「1回目に解けなかった問題全てをスラスラ解ける状態にする」ことが必要です。
問題集を1回やると、解ける問題と解けない問題を区別することができます。そして、その「解けない問題を解けるようにする」ことが、実力を上げるということです。それも、「3分、5分考えてやっと解法が思いつく状態」ではなく、「問題を見たら即座に解法が思い浮かぶ状態」「いつでもスラスラ解ける状態」にします。なぜなら、そうなって初めて、確実な記憶となり、入試の時まで覚えておけるからですし、応用問題を解くときに、解法がすぐにいくつも思い浮かぶようになるからです。

そして、普通の人は1,2回復習しても、スラスラ状態にはなりません。5~10回必要です。

3.3.一冊ずつ完璧にマスターする

問題集は1冊ずつ完璧にマスターしてから、次の問題集に進むのが効率の良い勉強法です。言い換えれば、1冊の問題集を5回以上復習し、全問「スラスラ解ける状態」にしてから次の問題集へ進むことと、並行して同じ教科・分野の問題集を2冊以上使わないことで、効率的に成績を上げていくことができます。また、分厚い問題集では復習回数をこなせないため、薄い問題集を選ぶことも大切です。

ちなみに、問題集を”マスターする”とは、5~10回復習して、全問「スラスラ解ける状態」にすることです。

3.4.復習システム

【復習システム】

 (1)2週間以内に復習に入り、5回連続で復習する

普通の人は、2週間を過ぎると急速に忘れていくので、2週間以内に復習するのが効率の良い勉強法です。
具体的には、10~14日は先に先に進め、切りの良いところで区切って、その間に進んだ分を1セットとして、それを復習します。復習1回目が終わったらすぐに2回目に入り、2回目が終わったらすぐに3回目に入ります。そうやって5回前後復習し、「1回目に解けなかった問題全てをスラスラ解ける」ようにします。1セット終わったら次のセットに進み、同様に復習し、問題集の最後まで進めます。

 (2)問題集全体が終わったら、再度5回復習する

セットごとに復習しつつ最後まで問題集を進めたら、人によってはもうほとんどの問題が解けるようになっています。そういう人は次の問題集へ移ります。
1冊終わって見返してみて、1~2割以上解けない問題がある人は、再度、解けない問題のみ、総復習します。5回前後復習し、「1回目に解けなかった問題全てをスラスラ解ける状態」にします。
このように間隔を空けて復習を繰り返すことで、問題集の内容が長期記憶にしっかりと定着します。

 (3)日曜日ごとにその週の復習をする

「2週間以内の総復習」とは別に、毎日曜日など、週1日「復習日」を設け、1~2時間、その週進めた算数の問題の中で、解けなかった問題を総復習します。これは軽めの復習で結構です。早めの復習は忘却を大幅に抑えることができます。
この復習日をとるという勉強法は、算数に限らず、国語の語彙記憶などでも実践していくと記憶効率が格段に良くなるので、オススメです。

4.暗記数学

4.1.算数は記憶で解ける

算数や数学における大きな誤解は、算数・数学はセンスで解く、ヒラメキで解くというものです。算数・数学にセンスや才能が役立つことは否定しませんが、大学入試までの算数・数学は、主に「記憶」で解けます。

私たちが算数・数学の問題を解いているとき、「考えている」と言いますが、実際には何をしているかというと、「以前に解いた類似の問題の解き方を思い出そうとしている」か、「思い出した解き方をいろいろ試している」に過ぎません。自分が解いているときの頭の働きを思い返してみて下さい。ゼロから解法を思いつこうとしても、ないものは出てきません。

そして、標準的受験問題集の問題の解法をしっかり理解して記憶したら、解ける問題が飛躍的に増えます。そして、その「解法をしっかり理解して記憶」する効率的な方法は「暗記数学」と効率的な復習システムです。

4.2.暗記数学とは

暗記数学とは、以下のように考え実践する数学・算数の勉強法のことです。

(1)受験に出る数学・算数の問題には、限られた数の典型問題と典型的な解法があり、その解法を理解した上で記憶したら、出来るようになる。

(2)典型問題の数は100~200前後あるので、時間のない中学受験生が1問を15分、20分と考えていたら、いつまでも終わらない。よって、解けそうになければ5分程度で切り上げて解答を見、理解し記憶して再度解くのが効率が良い。

4.3.暗記数学の手順

【暗記数学の手順】

 (1)問題を5分考える:解法を幾つか試し、解けそうなら最後まで解きます。5分たっても正解への道筋が見えてこず、手が止まったら、諦めて解答を見ます。

 (2)解法暗記:解けなかった問題の解答解説を読み、理解し、解法を書いて、もしくは見て暗記します。

 (3)再現:すぐに再度解き、解答を再現します。きちんと再現できるまで、理解し記憶し再現することを繰り返します。

 (4)1問当たり15~20分以内で解く:難問でも時間をかけすぎないようにします。20分以上かかる場合は自分の現状の能力を超えていると考え、早めに切り上げて次へいきます。実力が上がればそういう問題も解けるようになります。

 (5)全問、スラスラ解ける状態にする:問題集マスターの基準は、全問、問題を見たら「解法を即答できる状態」「スラスラ解ける状態」。そこまで習熟して初めて忘れにくい記憶(長期記憶)になり、応用問題が解けるようになります。

 (6)復習間隔は2週間以内で、5~10回復習する:「全問、スラスラ解ける状態」にするまでの復習回数の目安は、算数力や復習周期により異なりますが、5~10回前後。復習間隔は2週間以内。忘れる前に復習するのが効率の良い勉強法です。

5.問題集の順番

5.1.計算問題から復習する

計算問題が弱い場合、最初に述べた問題集などで計算を速く正確にできるようにします。テキストは全て5回以上復習し、どの問題も「スラスラ解ける」ようにします。

5.2.受験問題集を1~2冊完璧にする

自分の算数力や志望校に合わせて、受験範囲を網羅している問題集を1~2冊選び、進めていきます。詳しい解答があるなら、塾の問題集でももちろん構いません。この問題集も、復習を5~10回繰り返し、「問題を見たらスラスラ解き方が思い浮かぶ状態」にします。志望校が難関中学なら、標準的受験問題集プラス、難問・応用問題集を1冊仕上げます。

「中学入試 算数 塾技100」(文英堂)
「中学入試 最高水準問題集算数」(文英堂)

5.3.過去問を完璧にする

次に過去問を解いていきます。過去問を解いたり見たりする目的は、傾向を知り対策をするためです。傾向とは、出やすい分野・出にくい分野、各分野の割合、問題形式、難易度などです。これらを把握し、志望校に合わせた対策をしていくことで、一般的な対策をするより合格する可能性が高まります。

志望校の過去問は、夏休みごろから、全科目少なくとも一年分、算数は2~3年分、解いていきましょう。以後、月に2年分くらい新規で解いていき、並行して復習を3回、5回としていきます。過去問も他の問題集と同じく、最終的に5~10回解き、「問題を見たらスラスラ解き方が思い浮かぶ状態」にします。そこまで習熟することで、志望校レベルの算数力を養成できると同時に、傾向が身をもって分かり、他の問題集の問題を見たとき、出そうか出そうでないかが分かり、過去問より難しいか簡単かが分かるようになります。過去問を、マスターすべき問題を選ぶ判断基準にするのです。

過去問学習を後回しにし、受験直前期(11~12月前後)からやっと過去問を本格的に解き始める受験生が多いですが、これは劣った戦略です。過去問は自分が受ける本番の入試問題に最も近い問題集です。その最も本番に近い問題集をせずに、「志望校の試験内容に近いか遠いかも分からない問題集」を11月、12月までやり続け、試験間際になって初めて、「志望校の試験内容に最も近い問題集(過去問)」に手を付けるような戦略は採らないようにしましょう。

【体験談】

10回解く方法がとにかく力を伸ばしたと実感しております

Yさん、小学6年生、愛知県、東海中学(偏差値72)合格

◎東海中学(偏差値72)に合格しました!

いつも大変お世話になっております。
今朝、東海中学から合格をいただきました!
試験終了後、「国語の最後の記述問題で、全部書き切れなかった、そのことを引きずって、算数の途中経過を書く問題で、計算ミスをしてしまった、ただ、理科と社会は落ち着いてできたので、かなり良い点がとれると思うから大丈夫なんじゃないか」、と申しておりました。結局合格できたのは、そういった本番の緊張感の中でのケアレスミスなどがあっても十分に合格できるだけの力がついたのだな、と思いました。

過去問を10回解く方法が力を伸ばした

先生のおっしゃる10回解く方法がとにかく力を伸ばしたと実感しております。
5,6回目までは文句たらたらだったのですが、そのうち、初見でも解ける問題が増えたのを本人も実感したようで、算数などは最後の1週間は、過去11年分を全て解き終わり、2日ほどでさらに昔の5年分くらいの図形問題を解いておりました。

理科や社会も同じような感じでいけるのか不安でしたが、社会も5回目くらいになると解ける問題が急激に増えるのを私も横で見ていて実感しました。

国語も、東海中学の前の、同志社(偏差値69)や立命館(偏差値68)、名古屋中学(偏差値66)の結果を鑑みると、随分点数の取れる解答用紙を作れるようになったのではないかと考えております。

◎信じて、頑張って、実力が付き、結果が出た

先生のおっしゃることを信じ、最後まで頑張ったことで、実力がつき結果を出すことができたと思います。
本当にお世話になり、ありがとうございました。心から感謝いたします。
(滝中学という名古屋市から電車で1時間ほどのところにある進学校も受験し、結果は明日出ます。こちらは偏差値は東海とほぼ同じですが、オーソドックスな問題を出すところだそうです。「算数は満点取れたかも!」とほざいておりました。)

短い間でしたが、本当にお世話になりました。ありがとうございました。

P.S.滝中学(偏差値71)にも合格いたしました

P.S.滝中学(偏差値71)に合格いたしました
滝中学からも合格をいただきました。蓋を開けてみると、結局受験校は全校合格したことになります。
今でも母は信じられません。本人は実力がついたことを実感しているからか、当たり前のようにしておりますが。。。

東海中学と滝中学では、滝中学の方が偏差値はほぼ同じか少し低いけれど、問題の傾向が異なるため、東海中学対策だけをしていると、東海は受かっても滝に落ちるケースがある、ということをたまに聞きます。息子には最後の最後まで東海中学の過去問だけをやらせました。滝中学の過去問は、9月頃に1回ずつ4年分解いただけです。(やり直しはしました。)受験が終わって、滝中学の問題の方がずっと簡単に感じたようです。本当の意味で実力がついた、ということなのかなぁ、と思いました。

それから、息子自身、先生を信頼しております。是非、中学生への予習段階からまたお願いいたします。


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