長期記憶に入れる(2)数学系科目


このページでは、数学系科目(数学・算数・物理・化学の一部)で、勉強した内容全てを「長期記憶」に入れる方法について書いていきます。これを読んで実践すれば、あなたも数学系科目でダントツの成績を取ることができるでしょう。 

数学系科目で全勉強内容を長期記憶に入れる方法

以下は数学の問題集を長期記憶に入れる勉強法を述べていきますが、これは数学系科目(数学・算数・物理・化学の一部)全般に有効です。

1.長期記憶に入れるために最適な数学の復習回数と間隔

1.1.二週間で進んだ分を1セットにして10周する

数学の場合、1冊を1周するのに数ヶ月も掛けていたら、いつまでたってもなかなか習得できません。なぜなら、復習する頃にはほとんど忘れて、2周目に1周目と同じくらいの時間がかかってしまうからです。

普通の記憶力の中高生の場合、2週間以内が復習周期としては適しています。2週間以内ならまだ覚えていますが、それを過ぎれば普通の人は急速に忘れていくからです。人間の記憶システムは、1ヶ月たったらほとんど全て忘れるようにできています(期間に個人差はありますが)。

脳の仕様を変えることは誰にもできません。利用するしかないのです。

よって、2週間以内に勉強した分を1セットにして、そこを10周したら次に進み、次も2週間分を第2セットにしてそこを10周する、というふうに進めていくのが良い方法です。

【数学問題集の進め方:2週間以内に進んだ分を1セットにして復習し、そのまま10回復習する⇒次のセットを10周する】

1.2.日曜にその週の復習をする

数学や英単語では、日曜日を復習日にしてその週に学習した問題を軽く1時間程度復習することを強くオススメします。復習をマメにすると、忘却を防ぐことができ、長期記憶に入れるのに役立つからです。

以上をまとめると以下のようになります。

数学問題集の進め方:【2週間で進めるだけ進む⇒2週間進んだ範囲を1セットにして10周する⇒次のセットへ】+【日曜日ごとにその週の学習分や前のセットを1時間程度で復習する】

算数や物理、化学の計算問題などでも、数学と同じ復習システムを使えます。

2.数学で復習を10回する7つの理由

2.1.復習を10回すると「問題を見たら解き方がスラスラ思いつく状態」になる

数学問題集の復習回数の目安は、10回というより、「問題を見たら解き方がスラスラ思いつく状態(スラスラ状態)」です。この状態になれば、3回でも5回でも、それがその科目のあなたの適正復習回数です。

適正復習回数の目安は、数学が超得意な人(偏差値70以上)で2~4回、得意な人(偏差値60以上)で3~8回、普通の人(偏差値50~60前後)で7~10回、不得意な人(偏差値50以下)で8~12回前後です。

普通の人で復習が10回必要になる人が多いので、「復習は10回必要」と言っています。

2.2.復習を10回すると長期記憶に入る

偏差値55以上の人であれば、ほとんどの人が5~10回の復習で全問スラスラ解けるようになり、長期記憶に入り、数ヶ月以上忘れなくなります。

「スラスラ解ける状態」が長期記憶の目印です。

2.3.復習を10回すると類題がスラスラ解けるようになる

数学問題集の例題がスラスラ解けるようになれば、類題もほぼスラスラ、素速く解けるようになります。定期テストでも入試でも、数学は時間との勝負ですから、速く解けるほど断然有利になります。

一方、2~3回しか復習しなければ、解くのに時間もかかり、また速やかに忘れますから、定期テストでも入試でも不利になります。

2.4.復習を10回すると応用問題が解けるようになる

数学で応用問題とは「基礎・標準問題の組み合わせ」です。ということは、基礎・標準問題の解き方がしっかり頭に入っていなければ、時間がかかったり、解けなかったりします。

逆に、基礎・標準問題を10回復習して「問題を見たら解き方がスラスラ思いつく状態」になっていれば、応用問題を見たとき、複数の解き方がスラスラ思いつき、解ける可能性が格段に高まります。

2.5.復習を10回すると数学が得意科目になる

数学や英語は「積み上げ型」の科目なので、前に学習した内容を忘れていれば、発展分野が分からなくなります。逆に、前の内容を10回復習して、理解と記憶を長期記憶に入れておけば、発展分野も理解できます。

そうやって、数学でしっかり復習して進めていけば、知識と理解が積み上がり、数学が得意になっていきます。

2.6.復習を10回すると受験で数学を得点源にできる

10回の復習で、勉強した内容のほとんどが長期記憶に入り、類題・応用問題も解けるようになり、数学が得意になれば、当然、受験で合格点を取れる可能性が、今よりずっと高まります。

もともと数学が得意な人が10回復習法を実践すれば、数学を得点源にできるでしょう。

2.7.復習を10回すると数学の勉強がラクに楽しくなる

2~3回しか復習したことのない人(ほとんどの中高生)には分からないと思いますが、数学問題集を解くときには「5回の壁」があります。

復習が3~4回までは、頭から記憶を絞り出すように、苦しみながら解くのですが、5回を超えると格段に「ラクに解ける」ようになります。スラスラ解ける問題が、5~7回で一気に増えるのです。そして8~10回の復習で、ほとんどの問題が「ラクに、スラスラ解ける」ようになります。

そうすると数学の勉強は、もはや苦しみではなく、パズルを楽しみで解く感覚になります

3.復習10回と復習4回でかかる時間はほとんど変わらない

数学の問題集は、全体を数ヶ月間、ダラダラと進めるより、章ごとに一気に短期間で勉強するのが得策です。なぜなら、復習しないで数ヶ月間、先へ先へ進めたら、最初の問題はすっかり忘れて、やった意味が無くなるからです。

例えば、1章分を、10日間で10時間進めるとします。暗記数学で効率的に進め、1問に15分掛かったとして、10時間で40問。ここまでを1セットとして10周します。
2周目は、10日しかたっておらず、まだ結構覚えているので1周目の50~70%、平均で60%の時間で終えることができます。
3周目も2周目の60%、以降もだいたい同じ比率で終えることができます。
つまり、5周目は1周目の約10分の1の時間(1.3時間)、10周目は1周目の約100分の1の時間(6分)で終えることができます。6分で終えるとはどういうことかというと、「問題文を見た瞬間に解き方が分かる状態」になるのです。

【1回目10時間⇒2回目6時間⇒3回目3.6時間⇒4回目2.2時間⇒5回目1.3時間⇒……10回目0.1時間(6分)≒合計25時間】

これを見ると分かる通り、5~10回目の6回分の復習時間はわずか3.2時間です。4回だけ復習するのと10回復習するのとでは、わずか3.2時間の違いで、大きな違いが生まれます。ぜひ皆さんも復習10回を一度で良いからやってみてください。

成績がいい子はみんな「10回くらいはやっている」

「きめる!センター現代文」船口明著 406ページ

先日ある生徒が落ち込んだ顔で僕を訪ねてきました。「理科が苦手で、どうしても成績が上がらないんです……」。彼はこう言います。「テキストは復習して内容は理解してます」「問題集で演習もしました」「それなのに上がらない」と。

僕は聞きました。「問題集は何回やったの?」。「項目にもよりますが、間違ったところは2回、解けたところは1回です」。なるほど。そりゃあそうです。それでは成績が上がるわけがありません。

勉強は「繰り返し」で成績が上がっていくものです。

かつて、ある超難関国公立大の医学部に現役合格した女の子は言いました。「私は『天才』なんかじゃないんです。K君みたいに、授業の復習をして問題集を1回解いただけで出来るようになるっていう子もいます。ああいう子は確かに天才です。でも私、理科も数学も10回くらい繰り返して、やっとできるようになるんです。だから私は天才じゃありません。」

僕は「はっ」としました。彼女はずっと全国模試の成績が一ケタ台だった子です。正直、そこまで繰り返しているとは思っていなかった。でも、彼女は、「10回やって」その順位にいたんです。しかも彼女は、周りの友達も、成績がいい子はみんな「10回くらいはやっている」って言うんです。

どうでしょう。皆さんは「天才の勉強法」になっていませんか。

才能がないんじゃない、繰り返しが足りないだけです。だからできないと嘆く前に、何度も繰り返す。5回やってダメなら10回やればいい。10回でダメなら15回やればいいんです。

■【長期記憶】シリーズの全体は以下の通りです。

【長期記憶に入れる(1)記憶の原理】

【長期記憶に入れる(2)数学系科目】

【長期記憶に入れる(3)英単語】

【長期記憶に入れる(4)音読で長期記憶に入れる】

【長期記憶に入れる(5)英語教科書】

【長期記憶に入れる(6)英文解釈書】

【長期記憶に入れる(7)英語長文問題集】

【長期記憶に入れる(8)英語過去問】

【長期記憶に入れる(9)瞬間英作文】


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