勉強法(3)リスニング上達法


普通の中学生で毎日リスニングをしている人は多くありませんが、今の実用英語への流れや高校・大学入試にあること、また、リスニングはすぐには上達しにくいことなどを考えると、日頃からリスニング練習をしていく必要があるでしょう。

このページでは、リスニングの効率的・効果的な上達法について書いていきます。

1.リスニング上達法

1.1.リスニングの2つの壁とその克服法

リスニング(初めて聞いた英文が理解できること)には2つの壁があります。その2つの壁と対策法は以下の通りです。

リスニングの2つの壁とその克服法

(1)音の壁:英単語やフレーズの音が聞き取れない

 ①対策1:英単語の意味と発音を暗記する:音声中の英単語熟語を知らなければ、当然、聞き取れませんし意味が分かりません。よって、高校受験用英単語集1冊を暗記し、発音も覚えます。

 ②対策2:シャドーイング(英語音声に少し遅れて聞いたまま発音するトレーニング):シャドーイングでは聞いた音を自分で発音しなければならず、受動的なリスニングよりしっかり聞こうとしますから、リスニング能力が上がります。

 ③対策3:リピート・リスニング:英語教科書や英語長文問題集・リスニング問題の音声を聞き、聞き取れない音の部分に印を付け、5~10回リピートして聞けるようにすると、英単語の音が少しずつ聞き取れるようになります。

 ④対策4:ディクテーション(英文を聞いてそのまま書き取る訓練:上級者用):ディクテーションで「聞き取れない英単語を特定」できますから、それを5~10回聞いて聞き取れるようにすれば、音の壁を越えていけます。

 ⑤対策5:母音・子音の発音練習(上級者用):英語上級者の間では「発音できたら音は聞き取りやすくなる」ことは常識です。よって、正確な英語発音の練習をし、日本語にない母音・子音を発音できるようにします。

 ⑥対策6:英語の音変化の規則を覚える(上級者用):英語では、単語と単語の間で音変化する場合が非常に多いです。例えば「there are」は「ゼア アー」ではなく、「ゼアラー」と発音します。このような音変化の規則を習得したら、リスニングが上達します。

(2)意味の壁:(速くて)意味が分からない

 ①対策1:音読+リスニング:リスニング問題のスクリプト(英語原稿)や英語教科書を30回以上音読して、90%の理解度で、分速150ワード以上で音読・黙読できるようにした上で、その音声を10~30回以上聞くと、聞いて意味が分かるようになります。

 ※90%の理解度:英語としてはほぼ完全に理解できる状態。
 ※分速150ワード=(きちんと理解しながら)300ワードを2分で読めるスピード。

 そうして「聞いて理解できる英文」を「毎週300ワード(中3英語教科書 約1レッスン分)」など増やすと、初見の英語音声を聞いて理解できる割合が上がっていきます。

 ②対策2:スラッシュ訳(3~5ワード前後の意味のまとまりで、前から前から訳す方法):音読時にスラッシュ訳を取り入れれば、英語を読んだ順番に、そして聞いた順番に理解できるようになるので、リスニング理解度も飛躍的に上がります。

 ③対策3:英文法を習得する:英語音声が文法的に分からなければ、当然、聞いて意味が分かりません。よって、英文法参考書・問題集等で英文法を習得します。

1.2.リスニング問題の壁

リスニング問題が解けるかどうかには、更に1つの壁があります。その壁と対策法は以下の通りです。

リスニングの3つ目の壁とその克服法

(3)問題の壁:内容を覚えていなくて解けない。

 ①対策1:聴きながらメモを取る:音声を全て覚えることはできないので、メモを取るのは必須です。

 ただし、手元を見て書くと音が聞こえなくなるので、音・耳に集中して、下を見ず、手だけで日本語でメモします。

 ②対策2:問われやすい言葉・内容がある:数字・時間・場所・固有名詞・人名・動詞(したこと)などが出やすいので、それをメモすると、正答率が上がります。

1.3.リスニング上達法

上記を、中学生が普段からやりやすく、効果が高い順に並べると、以下になります。

(1)音読+スラッシュ訳+リスニング
(2)シャドーイング
(3)英単語暗記・英文法習得
(
4)リスニング問題を解く
(5)リピート・リスニング
(6)ディクテーション
(
7)発音・音変化習得

以下ではこの順に書いていきます。

2.リスニングと音読

2.1.効率的なリスニング上達法

創賢塾では、中高生には全員、英語教科書を30~50回以上音読して、CDの音声と同等以上のスピードで、90%の理解度で音読できる状態」にし、そしてそれをリスニング(&シャドーイング)してもらいます。

 ※詳しい音読法については【理解しながらの音読】に書いています。
 ※90%の理解度:英語としてはほぼ完全に理解できる状態。

すると、「意味が分かっている教材をリスニングする」ので、「英語を聞いてすぐに意味が分かる」ようになります。

「聞いて意味が分かる」英文の数を増やすことで、リスニングは上達するので、英語教科書やCD付きの英語長文問題集の音読した英文は、極力、リスニングをしましょう。

リスニングは電車の中、歩いているとき、勉強の合間などにもできますから、復習にもピッタリです。

2.2.なぜ「聞いて意味が分かる」英文の数を増やしたらリスニングは上達するのか

初見の英文を聞いて理解できるためには、以下の2つが必要です。

(1)英単語:英文中に入っている英単語熟語を認識し、その意味が分かる。

(2)英文法:英文中の英文法が分かる。

既習の英文は、音読後にリスニングをすることで、聞いて理解できるようになりますが、そういう英文を「週300ワード×30週間」続けると、「300ワード×30英文(中3教科書3冊分)」を聞いて理解できるようになります。

そうすると、英単語については、初見の英文に入っている英単語の70~80%以上(高校受験用英単語集を暗記し、正確な発音も覚えると、合計90%以上)は暗記した英単語と重なり、英文法については、90%以上(高校受験用英文法問題集を1冊習得すればほぼ100%)は既習の英文法と重なります。

重複する英単語・英文法が増えれば増えるほど、意味も分かる割合が増えるので、「聞いて意味が分かる」英文の数を増やせばリスニングは上達するのです。

2.3.リスニングと音読をセットでトレーニングすべき理由

リスニングは高校・大学入試でも実施されていますから勉強する必要がありますが、リスニングのためだけのリスニング教材で勉強するのは非効率的です。

なぜなら、教材は「聞いて理解できる」ようにする必要がありますが、意味も分からない英語音声を何度聞いても「理解できる」ようにはならないので、リスニングと並行して、その教材のスクリプト(英語音声の書き起こし)を読んで文法的に理解し、20~30回以上音読しなければならないからです。

こんなことをできる勉強時間と意欲のある中学生は少数です。よって、音読した教材をリスニングするのがオススメです。

2.4.スラッシュ訳とは

創賢塾では、音読時にはスラッシュ訳をしてもらいます。

スラッシュ訳とは、「英文を3~5ワード前後の意味のまとまりで、前から前から訳していく」方法です。

スラッシュ訳は、英語通訳の主要トレーニングの1つであるサイト・トランスレーション(sight translation)と同じです。つまり、スラッシュ訳は効果が実証された英語勉強法なのです。

スラッシュ訳は、最近では、多くの中高の英語教科書ガイドや英語長文問題集で採用されています。

スラッシュ訳の詳しいやり方は【音読とスラッシュ訳】に書いています。

2.5.スラッシュ訳でリスニングは飛躍的に上達する

リスニングのとき、音は現れては一瞬で消えていきます。このとき、「返り聞き」はできません。音が現れた順番に理解しなければ意味は分かりません

スラッシュ訳を訓練すると、初見の英語音声を聞いても、「前から前から、英語の語順で素速く理解する」ことができるようになります。よってリスニングが飛躍的に上達します。

2.6.時間の目安:毎日10分

リスニングの優先順位は高くありませんが、入試にもあり、短期間では伸びにくいので、日頃から毎日10分ほど聞くのがオススメです。

90%の理解度(英語としてはほぼ完全に分かる状態)で音読できるようになった英文は5~20回前後聞いたら、理解できるようになります。

2.7.リスニング回数の目安

創賢塾では、毎週300ワード分(≒3年英語教科書1レッスン分)を【「3回口頭和訳⇒5回音読」(毎日約30分)×7日】のように音読し、英文を習得してもらっています。

 ※習得=スラスラ訳せて、90%の理解度分速150ワード以上で音読できる状態。
 ※分速150ワード=(きちんと理解しながら)300ワードを2分で読めるスピード。

そして音読した英文を、そのまま「毎日10分×7日(合計30回前後)」リスニングし、「習得=全ての英単語を聞き分けられて(聴解力)、90%の理解度で聞ける状態」にしてもらいます。

リスニング回数の目安は合計30回ですが、習得するまで、40回でも50回でも聞きましょう。習得すれば、あとはその音声を散歩中や休憩時間に聞くだけで復習ができ、理解度もどんどん深まります。

2.8.リスニング習得量の目安

リスニング能力を上達させるには、「聞いて意味がスラスラ分かる英文の量を増やせば良い」のですが、毎週300ワードの英文1つを聞けるようにすれば、1年で「300ワード×50英文(中学3年英語教科書4~5冊分)」になります。

ここまで習得している中学生はほとんどいませんから、リスニング能力はどんどん上達していきます。

3.シャドーイング

3.1.リスニング&シャドーイング訓練

創賢塾では、リスニングと並行して、様々な効果があるシャドーイングも以下のように隔日で実践してもらっています。

【シャドーイング1日10分⇒リスニング1日10分⇒シャドーイング1日10分⇒リスニング1日10分…】

3.2.シャドーイングとは

シャドーイングとは「英語音声を聞き、それを完全コピーして約0.1秒遅れて発音する」練習です。

ネイティブの音声(発音・強勢・リエゾンの音声変化・高低・間の空け方等)を完全コピーします。テキストは最初見ても構いませんが、だんだん見ないでシャドーイングします。

3.3.シャドーイングの実際

こんな感じ↓です。

(音 声) Please give me some advice.

(学習者) (0.1秒後)Please give me some advice.

3.4.シャドーイングの効果

シャドーイングは「聞く・理解する・話す」の3つを同時にトレーニングする方法で、リスニング能力・発音(強勢・リエゾンの音声変化・高低・間の空け方等)・スピーキング能力が上がります。

シャドーイングを継続して現れた効果

シャドーイングを始めて3年(英語通訳・翻訳者 えいみさん

・考えなくてもスラッと口から出る英語が格段に増えた
・発音やイントネーションを褒められることが多くなった
・TOEIC程度のリスニングなら苦労しなくなった

シャドーイングでリスニング力がアップするなんて、このころは知らずにやっていました。(笑)

リスニング(黙って聞いているだけ)よりシャドーイングの方がずっとリスニング力アップに役立ったと思います。

3.5.シャドーイングが効果的な理由

リスニングするだけより、シャドーイングを一緒に訓練した方が、リスニング能力が上がりやすくなります。

なぜなら、リスニング(聞いている)だけだと集中が続きにくいですが、シャドーイングでは「聞いて真似て話す」必要があるので、リスニングより集中して聞く必要があるからです。

リスニングは5~10分もすると集中が無くなってきて、上の空になる人が多い。よって、シャドーイングを適度に入れて、集中を保つ方が良いのです。

4.英単語・英文法とリスニング

4.1.英単語の意味と発音を暗記する

英語教科書の英単語熟語や高校受験用英単語集を暗記するとき、音声を聞いて正しい発音・アクセント(強勢)も覚え、また自分で発音をできるようにします。

そのとき、聞くだけだと正しい発音を認識できないので、カタカナ発音が載っている英単語集・教科書ガイド等を使います。

そしてできれば発音記号も覚えます。

4.2.英文法を習得する

英語音声が文法的に分からなければ、当然、聞いて意味が分かりません。よって、英文法参考書・問題集を1~2冊習得します。

それと平行して、英語教科書やCD付きの英語長文問題集2~3冊を「和訳+音読」して習得した上で、音声を聞いて、「英文を文法的に理解しながら聞く」訓練をします。

そういう英文が「300ワード×20~30文章」以上になれば、初見の英文を聞いたときにも、英文を文法的に理解しながら聞くことが出来るようになります。

5.リスニング問題を解けるようにする勉強法

5.1.リスニング問題の解き方

ここでは、学校のテスト・模試・高校受験・英検等のリスニング問題を解けるようにする具体的勉強法について書きます。

【リスニング問題の解き方

(1)時間通り解く

(2)延長して解く

 ①延長:答えが分からなかったり、聞き取れない個所や意味が分からない個所がある場合、5~10分前後延長して何回も聞いて解きます。通して聞くだけでは分からない場合、分からない単語・フレーズ・意味の分からない個所だけをリピートして聞きます。

 これは問題箇所(聞き取れない、意味が分からない箇所)をはっきりさせるためです。

 ②点数:時間通りと延長で、両方の点数の違いが分かるように、別の印を付けておきます。時間通りの点数が実際の点数で、延長した場合は今のリスニング能力の最大限界得点です。

(3)スクリプト・和訳・解答を見て理解する

 これ以上聞いても分からない、あるいは自分の回答に確信を持てたら、解答解説・スクリプト(英語原稿)・和訳を見て理解します。

5.2.リスニング問題を解けるようにする勉強法

リスニング問題の3つの壁とその克服法

(1)音の壁:単語やフレーズの音が聞き取れない

 対策法:リピート・リスニング:テストし、解答解説・スクリプト(英語原稿)・和訳で理解した後、スクリプトを見て、聞き取れなかった英単語・フレーズに★印を付け、その箇所を5~10回聞いて、正しい発音を覚えます。このとき「音声・英単語・意味」を合わせるように聞きます。

 例えば、ある単語が「アプー」と聞こえて、何回聞いてもわからなかった。スクリプトを見ると「apple(リンゴ)」だった。このとき、音声(アプー)を何度も聞き、「これがappleの発音で、意味はリンゴだ」と覚える、という風にします。

(2)意味の壁:速くて意味が分からない

 対策法:音読:スクリプトを音読したら「聞いて意味が分かるようになる」ので、以下のように音読し、それと並行して毎日10分リスニングします。これで意味が分からないなら、日数を増やします。

【スクリプト全体を「スラッシュ訳で3回口頭和訳+5回音読」×7日+毎日10分リスニング】

 ※音読の詳しい方法は【理解しながらの音読】に書いています。

(3)問題の壁:内容を覚えていないので問題に答えられない

 ①対策法1:聴きながらメモを取る:手元を見ながらメモしたら音が聞こえなくなるので、音・耳に集中して、下を見ず、手だけで日本語・英語でメモします。

 音声を全て覚えることはできないので、メモを取るのは必須です。

 ②対策法2:問われやすい言葉・内容をメモする:一般的に、数字・時間・場所・固有名詞・人名・したことなどが答えになりやすいので、それをメモします。

 ③対策法3:目標とするテストに出た内容を自分でルーズリーフにまとめる:目標のテスト(学校・英検・志望校等)によって、答えになりやすい箇所は微妙に違います。

 よって、当該テストのリスニング問題を解いた後、解答になっている内容の種類(例えば人名や数字など)をルーズリーフにまとめ、テスト時に、それらを中心にメモします。

6.上級トレーニング

6.1.ディクテーション

ディクテーションとは、聞いた音を一語一語書いていく練習法です。

具体的には、英語教科書の未習部分の1ページ分や初見のリスニング問題などを使い、音声を2~3回通して聞いて、分かる部分を書き、次に、聞き取れなかった部分をリピートして何度も聞いて分かった部分を書き加え、全体を終わらせます。分からなかった箇所は空白にします。

次に、スクリプト(英語原稿)と照らし合わせて、聞き取れなかった英単語・連語に印を付け、そこを5~10回リピート・リスニングをして、正しい発音を覚えます。

このように、ディクテーションとリピート・リスニングをセットで練習すれば、聴けない音を特定し、それを聴けるようにできるので、ディクテーションはとても効果的です。

ただし、かなり疲れるので、意欲のある人向けです。

6.1.発音練習

発音練習をしたら、音に敏感になり、リスニングが得意になります。よって、以下のような発音トレーニング本で、「1日20分×1ヶ月」など、集中して練習すると良いでしょう。

DVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本」(鷲見由理著、ナツメ社)
英語舌のつくり方」(野中泉著、研究社)
英語耳」(松澤喜好著、アスキー)

DVDが付いていると、口の形を視覚的に見られるので、「英語の発音が正しくなる本」がオススメです。

4.3.英語の音変化の規則を習得する

英語では、単語を1語ずつ切り離して発音せず、連結したり、消えたりします。そして、このような音変化には規則があり、それを習得したら、発音もリスニングも上達します。

英語を極めたい人はぜひ1冊練習してみて下さい。

英語舌のつくり方」(野中泉著、研究社)
英語の耳と口を手に入れる13の法則」(CD付き、日本実業出版社)

【終わりに】

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。以上から1~2つ選んで、毎日10分でもリスニング練習をしていって下さい。数ヶ月で変化を実感するはずです。

この文章があなたの英語力アップに役立てば幸いです。


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