「二刀流古文単語634」暗記法

このページでは、古文単語集で創賢塾が最もオススメする「二刀流古文単語634」(旺文社)の暗記法を解説していきます。

この暗記法だと、634単語を、約33時間で中期記憶(数週間~数ヶ月もつ記憶)に入れられ、約46時間で長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入れられます。また、この暗記法は他のどの古文単語集でも使えます。

1.「二刀流古文単語634」の特長

(1)単語数が600以上で十分

 古文単語集は、300ワードレベル(共通テスト・中堅大学レベル)のものと、600ワードレベル(難関大学レベル)のものに分かれます。たった300しか違いありませんし、単語を多く暗記するほど古文は理解しやすいので、偏差値55以下の中堅国公立大学理系志望の人以外は、600ワードレベルの単語集がオススメです。

(2)古文単語が覚えやすい構成

 創賢塾で教えている古文単語暗記法(クイック・レスポンス法:後述)だと、1ページ1単語のような解説が詳しい単語集より、「二刀流古文単語634」のような羅列式単語集の方が覚えやすい。

(3)「訳の暗記」がしやすい長文を掲載

 冊子が2分冊になっており、1冊が羅列式単語集、1冊が「長文+単語の解説」になっています。

 このうちの長文には、すぐ左に現代語訳が書かれており、古文の成績を上げるのに有効な「訳の暗記(古文を訳せるようにする方法)」がしやすい構成になっています。

2.「二刀流古文単語634」暗記の目標

(1)中期記憶に入れる

 「二刀流古文単語634」収録全単語(634語)の最大3つの意味を即答できるように暗記します。これで短期記憶(数時間~数週間もつ記憶)から、中期記憶(数週間~数ヶ月もつ記憶)に入れられます。

(2)長期記憶に入れる

 入試の時に使える記憶にするには、中期記憶から、更に長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入れる必要があります。

 長期記憶に入れるには、徹底的な復習が不可欠です。よって、復習しながら先に進み、1冊暗記し終わった後も2ヶ月以上復習し、長期休暇にも復習します。

(3)長文の「訳の暗記」

 「二刀流古文単語634」の2分冊のうち、古文単語が羅列された冊子を1周暗記した後、その復習をしながら、できれば、長文の冊子収録の全古文の訳を暗記し、スラスラ訳せるようにしていきます。

 全40話(約80ページ)の訳の暗記により、初見の古文を読んだとき、意味がだいたい分かるようになります(正確に訳せるようにするには品詞分解が必須)。

3.「二刀流古文単語634」の暗記法

3.1.古文単語暗記法

以下の暗記法をクイック・レスポンス法と言います。

ここでは「毎日20分×1週間で60単語を暗記」する場合を書いていきます。「毎日30分×7日」なら100単語を、「毎日15分×7日」なら50単語を暗記できます。

【クイック・レスポンス法】

(1)クイック・レスポンス法【「古文単語⇒現代語訳」×「2~4回音読」×60単語×1日6周(20分)×7日】

 ①音読暗記:覚えにくい単語は4回、覚えやすい単語は2回など音読します。速く正確に読みます。

 ②例文:時々見ても良いですが、全く読まなくても単語の意味暗記に支障はありません。

 ③訳語は3つまで暗記する:意味の違う語義は、赤字だけでなく、3つまで全部覚えます。詳細は下記。

 ④4日目から毎日テスト:「古文単語⇒現代語訳」のテストをし、全訳語を即答できた古文単語は外します。そして残りの古文単語を、時間を減らさずに20分暗記します(上限10周)。ただし、6~7日目で残りが10~20個になったら、全単語を10周したら終えます。

 毎日全部テストします。今日即答できた単語でも、翌日即答できるとは限らないからです。

 ⑤覚えにくい単語を自作古文単語帳にまとめる:60単語のうち、どうしても覚えにくいものが5~15%前後あります。それを7日目に自作古文単語帳にまとめ、書いた日から毎日復習します。

 暗記法はクイック・レスポンス法です。完全に暗記するまで3~20日暗記を続けます。3日に1回はテストし、即答できた古文単語は外します。

 ⑥7日続ける:6日で90%、7日でほぼ100%暗記できます。7日で暗記できない場合は8~12日など延長したら必ず暗記できます。

 暗記できたら次の60単語に進みます。

(2)復習しながら先に進める【新規で60単語暗記+毎週既習全範囲を復習】

 毎週新規で60単語など暗記しつつ、既習範囲全部を、土日などに復習します。例えば、6週間目の場合、以下のようにします。

 ①古文単語集(冊子):新規で301~360番暗記。

 ②自作古文単語帳:クイック・レスポンス法で毎日暗記(平日5分、土日30分ずつなど)。

 ③古文単語集(冊子)の復習:土日に150単語ずつテストし、忘れたものに印⇒自作古文単語帳に追加⇒クイック・レスポンス法で暗記。

(3)長期記憶に入れる:きちんと復習しながら進めれば、【「毎日20分+土日40分」×「10~15週間」】程度で冊子1冊を1周しただけでほぼ全部を暗記できます。

 しかし、1周ではまだ全てが長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入っているわけではないので、その後もしつこく復習していきます。

 ①自作古文単語帳:クイック・レスポンス法で毎日暗記。

 ②古文単語集の復習:毎日50単語、土日に100単語などテストし、「忘れたものに印⇒自作古文単語帳に追加⇒クイック・レスポンス法で暗記」していきます。

 こうすれば10日で冊子1冊を1周できます。これを2ヶ月以上続けると、多くの単語は長期記憶に入ります。

 ③長期休暇に復習する:2ヶ月以上復習して、いったん完全に暗記したと思っても、全てが長期記憶に入っているわけではないので、数ヶ月したらまた徐々に忘れていきます。よって、定期テスト後や夏休み・冬休み・春休みなどに集中して復習していきます。

 暗記法は上記①②と同じです。

(4)長文冊子で「現代語訳の暗記」:単語冊子を1周暗記した後、単語の復習をしていくのと並行して、「二刀流古文単語634」の長文冊子の古文長文で「現代語訳の暗記(古文を訳せるようにすること)」をしていきます。

 現代語訳の暗記の方法は【初見の古文をスラスラ訳せるようにする勉強法】に書いています。現代語訳の暗記により、初見の古文を読んだとき、意味がだいたい分かるようになります。

創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい高校生のために【5教科のテスト勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。【高校生用:講座・セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。

3.2.姿勢を変えると続きやすい

机の前に座って暗記するとストレスがたまりやすく、15分以上続きにくい人も多い。その際、立ったり、歩いたりして姿勢を変えると続きやすい。クイック・レスポンス法では机の前に座って行う必要は無いので、立ってやっても暗記できます。

一番オススメなのは、直径1メートルくらいの円周を5~8秒かけてゆっくり歩くことです。これでストレスが溜まるにくく、疲れず、集中が続きます。

これは「声に出して読みたい日本語」(草思社)で有名な齋藤孝・明治大学教授など多くの方がオススメする集中法です。

3.3.訳語を何個覚えるか

古文単語の場合、訳語を何個覚えるかは悩ましいところです。訳語が6つあるなんて普通だからです。

結論から言うと、訳語は最大3つまで覚えます。

例えば、【うとし|①親しくない、疎遠だ、②関わりが薄い、縁遠い、③よそよそしい、親しめない】とある場合、①②③から1つずつ選び、暗記します。【うとし|①親しくない、②縁遠い、③よそよそしい】のように。

マレですが、違う意味が4つあるものがありますが、それは4つ覚えます。

3.4.平仮名が同じで、漢字が違う古文単語の覚え方

平仮名が同じで、漢字が違う古文単語の場合、別々に暗記します。

例えば、【やすし|①[安し]心が安らかだ、穏やかだ。②[易し]容易だ、たやすい、③[易し]無造作だ】の場合、【やすし|①[安し]心が安らかだ、穏やかだ】と【②[易し]容易だ、③[易し]無造作だ】と分けて別々に暗記します。

4.復習の重要性

4.1.古文単語帳を1周で全部暗記するには

毎週60単語暗記していったら、だんだん復習がきつくなります。

そのとき、普通は先にどんどん進め、復習を怠ります。そうすると、1冊を1周終わっても、前半の多くを忘れているので、2周、3周する必要があります。しかし、2~3周したとしても,暗記する途中で既習部分をどんどん忘れますから、「一体いつになったら全部覚えられるのだろう」となります。そしてそのうち諦め、挫折します。

ではどうしたら1冊全部を最短期間で暗記できるかというと、「復習しながら先へ進む」ことです。

例えば、毎週1セット60単語を暗記する場合、2週間目も3週間目も10週間目も、既習全範囲を復習します。そうすれば、1周終わった段階で、ほぼ全部暗記しています。そしてその後も2ヶ月以上暗記し続け、長期記憶に入れていきます。

復習しながら先へ進むべきなのは、古文単語帳に限らず、英単語帳、数学問題集など、全ての単語集・問題集で同じです。

4.2.先に進めるより復習を優先する

毎週、既習全範囲を復習していくと、当たり前ですが復習量がどんどん増えて、単語暗記に使う時間を増やすか、復習をしないか、先に進めるのを一時停止するかの選択を迫られます。

そのとき、普通は復習しないで先に進めようとしますが、それではいつまでも暗記できないので、必ず復習を優先します。

つまり、勉強時間を増やせないなら、新規で進めるのを一時停止し、1~2週間を復習週間にし、徹底的に暗記するのです。そうすれば、いったん完全に暗記でき、復習時間が少なくて済むようになるので、また先に進めます。

5.習得時間

5.1.毎日20分以上暗記する

古文単語帳1冊を全部暗記したい場合、毎日5~10分ではいつまで経っても全部暗記できません。復習だけで5~10分かかるからです。

よって、2~3ヶ月で全部暗記すると決めて、その間は、最低15分(土日30分以上)、できれば20~30分(土日40~60分以上)を古文単語暗記に使います。

5.2.「二刀流古文単語634」を長期記憶に入れるのに掛かる時間

復習時間を入れないで計算すると「毎日20分×7日(60語)×11週間≒26時間」、11週間の間の復習時間は「毎日5分×11週間≒6.5時間」、全体2周目以降の2ヶ月間の復習時間は「毎日10分×2ヶ月≒13時間」、合計46時間前後で全部暗記できます。

5.3.古文単語暗記は集中的に

ちなみに、このクイック・レスポンス法だと、1日何セットでも暗記可能なので、例えば夏休みに、「1日1時間(3セット180単語)×7日間」のようにすれば1週間で180単語を、4週間で「二刀流古文単語634」の634単語を全部暗記できます。

このように、単語暗記は集中的に暗記するのがオススメです。

ただし、長期記憶に入れるために、いったん暗記してからも復習を地道に徹底的にする必要があります。

【終わりに】

このページでは古文単語集「二刀流古文単語634」の暗記法を書いてきました。

入試に古文がある人は、早めに暗記して、古文を得意にしていってください。

あなたの健闘を祈ります。

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