長期記憶に入れる(6)英文解釈書

ほとんどの高校生は英文解釈書を数回しか復習しません。よって短期記憶にしか入らず、1ヶ月もすると多くは訳せなくなります。

ではどうすればよいかというと、音読して全ての英文を暗記し、「長期記憶」に入れれば良いのです。音読すれば暗記は簡単にできます。

1.英文解釈とは

英文解釈とは、英文構造を瞬時に把握できるようにするための訓練法で、具体的には以下のようにします。

①読解英文法:英語長文の読解に必要な英文法(いわゆる読解英文法)が網羅された英文解釈書で、
②SVOCM:英文にSVOCM(主語・動詞・目的語・補語・修飾語句節)を振り、
③和訳:和訳を書きます。

英文解釈は大学受験の英語長文をスラスラ読めるようにするためには不可欠なので、高校生は、1~2年から、英語長文問題集をする前に、英文解釈書を2冊(共通テストレベル、難関大学レベル)、習得することを強くオススメします。

入門英文解釈の技術70」「基礎英文解釈の技術100」(CD付き、ピアソン桐原)
英文解釈教室」「ビジュアル英文解釈」(伊藤和夫著、研究社)
英文読解入門基本はここだ」「ポレポレ英文読解プロセス50」(西きょうじ著、代ゼミ)
英文読解の透視図」(篠田重晃著、研究社)
基礎英文問題精講」(旺文社)

英文解釈の具体的なやり方についてはこちらに書いています。

英文解釈書を長期記憶に入れる勉強法は以下のようになります。

2.英文にSVOCMを振る

本に直接書き込むと復習しづらいので、コピーを取って書きます。2回目以降や簡単な英文は書かずに口頭でも構いません。3~5回復習して、各英文のSVOCMをスラスラ言えるようにすると、初見の英文でも英文構造が瞬時に把握できるようになります。

3.和訳を書く

和訳を書くことで「和訳力」を鍛えることができます。和訳力は「英語力+日本語力」ですが、書かないで頭の中で、もしくは口頭で訳しているだけでは細かな間違いは見過ごされかねず、また日本語力は鍛えられないので、必ず和訳は書きましょう。

ただし、和訳を書くのは時間がかかるので、2回目以降は書かなくて結構です。書く場合は間違えた部分だけでよいでしょう。偏差値65以下の大多数の高校生は、和訳力以前に「英文理解力」を鍛えないといけないので、英文理解力を鍛えられる音読を、和訳を書くことより優先します。

4.英文解釈の普通の勉強法

ここまでは英文解釈を勉強する高校生がたいていやっていることです。しかし、復習をどうするかで、英文解釈書を100%習得できるか、50%、30%しか習得できないかが決まります。

普通の高校生は、3~6ヶ月で英文解釈書を1周し、その後2~3周するのがせいぜいのようです。勉強内容は、通常は、上記のSVOCMを振るのと和訳を書いています。音読を数十回して英文をスラスラ訳せるようにしたり、英文自体を記憶するぐらい習熟している人はマレです。

このような復習法の場合、SVOCMはかなり把握できるようになり、和訳力は上達しますが、英文解釈書の英文自体の理解力は、時間と共にどんどん下がっていきます。読解英文法もどんどん忘れていきます。

ゆえに、これは不十分な勉強法です。

創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい高校生のために【英文解釈をマスターする3ヶ月自宅集中セミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。【高校生用:講座・セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。

5.英文解釈書を勉強する目的

そもそも、英文解釈書を勉強するのは、

①読解英文法:読解英文法を長期記憶に入れて、初見の英語長文でも理解できるようにするため、
②構造把握:初見の英語長文や教科書の英文構造(SVOCM)を瞬時に把握できるようにするため、
③精読:初見の英語長文を正確に読めるようにするためです。

これに加え、
④記憶:英文に含まれる「英単語・英熟語・英文法・英語構文」を長期記憶に入れ、
⑤速読:英文解釈書の英文を速く正確に読めるようにし、初見の英文も速く正確に読めるようにします。

そうすると、
⑥入試:最終的に入試で高得点を取れるようになります。

6.長期記憶に入れるべし

英文解釈書で学んだことを入試で生かすには、英文解釈書の内容を「長期記憶」に入れる必要があります。

長期記憶に入れなければ、1ヶ月もたつと、初見で訳せなかった部分は再び訳せなくなり、英文中の「英単語・英熟語・英文法・英語構文」もどんどん忘れていきます。2~3ヶ月たったら、英文理解力は、やる前とほとんど変わらなくなります。

試しに、2~3ヶ月前に学んだ英文解釈書、教科書、英語長文問題集の英文を読み直してみてください。初見で理解度30%、勉強した当時の理解度を100だとして、おそらく、50%~70%前後に落ちているでしょう。分からなくなっている単語も多いでしょう。

では、英文解釈書の内容を「長期記憶」に入れ、理解度100%を維持するにはどうしたらよいのでしょうか?

7.長期記憶に入れる復習法

長期記憶に入れるには、SVOCMと和訳を書いた後、英語教科書と同じ勉強法をしていけばよいのです。すなわち、以下のように勉強します。

①音読・暗記:30~100回音読して英文を暗記します。

②スラスラ訳す:音読すれば英文をスラスラ和訳できるようになります。

③返り読みをしないスラッシュ訳(3~5ワードの意味のまとまりで区切りながら、返り読みをしないで、前から前から訳していくこと)で音読すれば、返り読みしないで読めるようになります。更に、

⑤復習:毎日曜日を復習日にして音読を続け、理解度を更に上げていきます。徹底的な復習あるのみです。

これで、英文解釈書を丸ごと長期記憶に入れることができ、英文に含まれる「英単語・英熟語・英文法・英語構文」を暗記することができ、理解度100%を維持することができ、入試の時に全ての知識を使いこなすことができるようになります。

4.終わりに

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

この文章があなたの英語の成績アップにつながれば幸いです。

健闘を祈ります。

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「英文解釈の問題集を暗記するまで音読した」

アマゾンレビュー@杉山式 究極の音読プログラム 初級コース

英語を教えていると、よく「どうやって英語ができるようになったんですか?」という質問を受けます。その理由はいくつかあるのですが、メインの理由としては、一つは高校一・二年の時にビートルズやセックスピストルズの歌詞を覚えたこと、二つ目は桐原書店から出ている「即戦ゼミ」を使って文法を覚えたこと、そして三つ目が大学受験の予備校で使った英文解釈の問題集を暗記するまで音読したことです。

洋楽の歌詞を通してインプットしていた英語を「即戦ゼミ」を勉強したことで英語の知識に帰ることができたのですが、ただそれだけではなんとなく感覚で英語を読むという領域を超えることができませんでした。英語に限らず外国語をきちんと理解するためには、構造を理解する必要があるのですが、僕の場合この構造を理解するのを可能にしてくれたのが、予備校の英語の授業で文章構造を理解した上で、音読を行うことでした。

■【長期記憶】シリーズの全体は以下の通りです。

【長期記憶に入れる(1)記憶の原理】

【長期記憶に入れる(2)数学系科目】

【長期記憶に入れる(3)英単語】

【長期記憶に入れる(4)音読で長期記憶に入れる】

【長期記憶に入れる(5)英語教科書】

【長期記憶に入れる(6)英文解釈書】

【長期記憶に入れる(7)英語長文問題集】

【長期記憶に入れる(8)英語過去問】

【長期記憶に入れる(9)瞬間英作文】

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