英語速読習得法:初見の英文を圧倒的に速く読む方法


大学受験の英語の潮流は、「難解な英文をじっくり読む(精読=翻訳)」から「より易しい英文を素速く読み、大意を把握する(速読)+聴く+話す+書く」の方向へと、すなわち、実用英語へと大きく舵を切っています。

したがって、高校生の英語勉強法もこれに合わせて変えていく必要がありますが、現状では、旧態依然の精読の授業が主流で、進歩がありません。

よって、このページでは、99%の大学受験生が知らない「初見の英文でも圧倒的に速く読めるようにする最強の勉強法」について書いていきます。

1.英語速読とはどのくらいのスピードのことか

1.1.目標は初見の英文を「理解度80%で分速100ワード」

普通の高校生が、学習した英語教科書を正しい音読法(後述)で10回程度音読すると分速70ワード前後で、20~30回音読で分速100ワード前後で読めるようになります。

50回程度音読すると、90%以上の理解度(後述)で分速140ワード前後で読めるようになります。更に、100回前後の音読で分速180~200ワードに到達します(現状の英語力や音読の習熟度により個人差があります)。

この辺が普通の高校生の限界スピードでしょう(幼少から英語を勉強されていたり、帰国子女で「英語を英語のまま理解できる」方は、分速200ワードを超えることができます)。

そして、90%以上の理解度で分速180~200ワードにした英文(1つあたり500ワード)を、30英文、50英文、80英文と増やしていくと、初見の英文でも、理解度80%で分速100ワード前後で読めるようになります。

それは、「初見の英文」と「音読した英文」は同じではありませんが、両英文に含まれる「英単語・熟語・構文・文法・文構造」は90%前後重なっており、重なった部分は90%の理解度で読め、残りの部分は推測できるからです。

結論として、高校生の英文速読の現実的な目標は、まず、初見の英文を「理解度80%で分速100ワード」、目標は「理解度80%で分速120ワード」です。

1.2.英語速読に必要な勉強法

そのために必要な勉強は、詳しくは以下に書きますが、簡単に書くと、 90%以上の理解度で分速180~200ワードで音読できる英文(×500ワード)を先ず30英文にし、時間の限り50英文,80英文,100英文と増やしていくこと」と「難関大レベルの英単語3000・英熟語1000を暗記すること」です。

これにより、「初見の英文」に含まれる「英単語・熟語・構文・文法・文構造」のうち、スラスラ理解できる割合が、85%⇒90%⇒95%と高まり、英文を速く読めるようになります。

2.初見の英文を圧倒的に速く読む方法

模試や受験の際に、初見の英文を速く読み、速く解けるようにするには、以下の4つのトレーニングが有効です。

(1)英語力を上げる

速読以前に、英語の基礎力がなければ速く読めるようにはなりません。

ここで英語の基礎力とは以下のような能力を指します。

①英単語熟語の意味を即答できる語彙力
②文法や構文の例文を素速く訳せて英作文もできる文法力
③英文構造を素速く把握し理解できる英文解釈力(精読力)
④英文を前から前から理解し訳せるスラッシュ・リーディングの習得、
⑤学習した英語長文を一つ一つ90%の理解度で音読できるようにする、
⑥90%の理解度にした英文を30英文以上に増やすこと、
英文理解度を上げること、
背景知識を増やすこと。

河合偏差値で63(駿台で55,進研模試で70)までの高校生は以上の勉強に励み、63を超えたら、以下の勉強を加えていきます。

(2)速く読むトレーニングをする

以上の基礎力をもとに、英語を速く読めるようにするトレーニングを加えていきます。

それは、90%の理解度で音読できるようにした英文を時間を計りながら黙読でより速く読めるようにする、2倍速で速聴する、単語推測力を高める、意味が分からない単語があってもサッサと推測して気にせずどんどん読み進める能力を高める、などです。

(3)論理的に読み、論理的に解くトレーニングをする

英語は日本語より論理的な言語で、英語の論理的な文章では「型(譲歩-逆接-主張、など)」もしっかりしているため、論理的な読み方を習得すれば、主張や要点を素速く把握することができるようになります。これにより、内容をより深く速く読めるようになります。

また、大学受験の英語長文問題では、最終目標は、速く読むことではなく、速く解くことです。そして、速く解くためには、「論理的に速く解く方法」を習得する必要があります。

「論理的に速く解く方法」は、問いの種類(空所補充・指示語・内容一致・主題選択・内容説明・要約など)によって異なります。それは、「論理的な読み方・解き方」が書かれた問題集で習得することができます。

(4)英語を英語のまま読めるようにする

英語を日本語に訳さず、英語のまま読めれば、当然、英語を速く読めるようになります。これは普通の高校生にはハードルが高いですが、正しい勉強法をすれば到達可能です。

正しい勉強法とは、100回以上の音読と、100万語多読です(後述)。

3.英語力を上げる

3.1.英単語・熟語の意味を即答できるように暗記する

(1)英単語熟語の意味を即答できるようにする暗記法

多くの高校生は、英単語の意味を即答できません。1ワード2~5秒かかって思い出すような状態では、当然、即答できる状態のときより、英文を読むのは遅くなります。例えば、100ワードの英文を読むとき、80ワードは即答でき、20ワードは思い出すのに平均3秒かかるとしたら、それだけで余分に1分かかります。

では、英単語熟語を即答できるように暗記するにはどうしたらよいのでしょうか。

それは「クイック・レスポンス法(英語通訳の英単語暗記法)」で暗記すればよいのです。英単語と日本語訳を交互に3回ずつ音読し、1日100ワードを30分で6周し、7日間続ければ、誰でも英単語の意味を即答できるようになります。

クイック・レスポンス法は、以下のような本にも出ていますし、創賢塾でも、完全な長期記憶に入れる方法を加味したクイック・レスポンス法を指導しています。

東大英語長文が5分で読めるようになる 英単熟語編―英語通訳トレーニング」(小倉慶郎著、語学春秋社)

(2)英単語熟語は複数の意味を暗記する

なお、英単語には通常複数の訳語がありますが、それを1つしか覚えない高校生が大勢います。しかし、それでは受験に通用しません。なぜなら、1つの訳語はみんな覚えているので差が付かず、英語長文では2つめ3つめの訳語が合否を分ける意味として使われるからです。

よって、英単語帳の訳語は、最初は2つ、最終的には全て、即答できるように暗記しましょう。クイック・レスポンス法ならそれが可能です。

(3)オススメ英単語集・英熟語集

英単語集は、難関大学・超難関大学志望者は2冊、それ以外の受験生は1冊暗記します。

「英単語ターゲット1900」(旺文社)
「システム英単語」(駿台文庫)
単語王2202」(中澤一著、オー・メソッド出版)
鉄緑会 東大英単語熟語鉄壁」(角川)
「データベース3000基本英単語・熟語」「同 4500」(桐原書店)
「DUO3.0」(アイシーピー)

英熟語暗記まで手が回らない受験生が多いですが、そのぶん差が付きやすいので、英熟語まで暗記しましょう。

英熟語ターゲット1000」(旺文社)
システム英熟語」(駿台)
解体英熟語」(Z会)

3.2.文法・構文の例文を暗記する

学校の英語長文教科書の文法例文、英語表現教科書の例文、学校で使っている英文法参考書・英語構文例文集の例文は、全て、定期テストの時はもちろん、その学年が終わった3月の時点で、スラスラ訳せるようにするだけでなく、瞬間英作文(日本語訳から英文を瞬間的に言えるようにすること)をできるようにしておきましょう。

これらには高校生が知っておくべき英文法・構文が網羅されているので、それを暗記しておけば、例文は長期記憶に入り、初見の英文にその文法・構文が出てくれば、瞬時に理解できるようになります。

3.3.英文解釈をマスターする

英文解釈とは「英文精読力」を劇的に高めるためのトレーニングで、「大学入試英語長文に出る難解・複雑な英文法・構文を網羅した英文解釈書を用い、英文にSVOCMを振り、和訳を書く」勉強法のことです。

英文解釈をすることで、大学入試に出る複雑な英文を瞬時に理解する力が身に付き、英語速読の前提となる英語長文読解力を培えます。

最近は英文解釈の存在さえ知らない高校生が多いのですが、難関大学受験生には、英文解釈は必須です。なぜなら、英文解釈をしないと、文法を無視し、単語の意味をつなげて、感覚で英文を理解している状態になりがちだからです。

オススメは以下の本になります。

「入門英文解釈の技術70」「基礎英文解釈の技術100」「英文解釈の技術100」(CD付き、桐原書店)
「横山雅彦の英語長文がロジカルに読める本」(中経出版)
「英文解釈教室」「ビジュアル英文解釈1&2」(伊藤和夫著)
「英文読解入門基本はここだ!」「ポレポレ英文読解プロセス50」(西きょうじ著、代々木)
「英文読解の透視図」(篠田重晃著、研究社)
「構文把握のプラチカ―英文解釈」(河合)

英文解釈のやり方はこちらで解説しています。

3.4.スラッシュ訳&スラッシュ・リーディングを習得する

スラッシュ・リーディングとは、フレーズ・リーディングとも言い、「3~5ワード前後の意味のまとまりごとに、前から前から、理解していく読み方」です。スラッシュ・リーディングを習得すると、返り読みをしないので、それ以前より1.5倍以上の速さで英文を読めるようになります。

英文速読のカギの1つですから、ぜひ習得しましょう。

(1)返り読み

高校生のほとんどは、英語を「返り読み」しています。

英語の返り読みとは、日本人独特の英語の読み方で、漢文のように、「左⇒右⇒左に戻る⇒右」と視線を戻らせて読む読み方のことです。これは、英語では、日本語にはない後置修飾語句(後ろから前に掛かる修飾語句)があるために起こる読み方です。

英語では、例えば以下のように、後置修飾が多発します。

Please wrap this glass in soft paper.
柔らかい紙でこのグラスを包んで下さい(通常訳:返り訳し)。

この英文で、 in soft paper(柔らかい紙で) は wrap(包む) を修飾します(掛かります)。英語では後ろから修飾していますが(wrap ← in soft paper)、日本語では前から修飾します(柔らかい紙で⇒包んで)。よって、日本人がこの文を読むとき、先に in soft paper を訳して理解し、前に戻って this glass を、最後に Please wrap を訳して理解します。

そうすると、目の動きとしては、 Please から右に読んでいき、 in soft paper まで読み、今度は逆向きに左に戻り、 this glass を、最後に Please wrap を読んで訳してやっと意味が分かります。これが返り読みです。

日本人のほとんどは学校教育のせいで返り読みをしているので、多くの文章を2回読むことになり、約1.5倍、時間がかかります。

返り読みは英文速読にとって大きな障害なのです。そして返り読みを防いで速読を可能にする読み方をスラッシュ・リーディング、その前提となる訳し方をスラッシュ訳と言います。

(2)スラッシュ訳

スラッシュ訳とは、3~5ワード前後の意味のまとまりごとに、前から前から訳していく訳し方です。これはサイト・トランスレーション(sight translation)とも言われ、英語通訳の重要な勉強法の一つです。つまり、効果の実証された英語勉強法なのです。

上記の英文は、スラッシュ訳だと以下のようになります。

Please wrap  /  this glass    / in soft paper.
包んで下さい / このグラスを / 柔らかい紙で(スラッシュ訳)。

柔らかい紙で / このグラスを / 包んで下さい(通常訳:返り訳し)。

最初は分かりにくく感じるかもしれませんが、すぐに慣れます。

今では中学や高校の英語教科書ガイドの幾つかにもスラッシュ訳が掲載されているほか(中学教科書トータルイングリッシュサンシャイン、高校教科書エレメント)、下記の問題集を初めとする多くの教材にスラッシュ訳は載っています。メジャーな勉強法になりつつあるのです。

「入門英文解釈の技術70」シリーズ(桐原書店)
「英語長文ハイパートレーニング」シリーズ(安河内哲也著、桐原書店)
「イチから鍛える英語長文700」シリーズ(内川貴司,武藤一也著、学研)
「東大英語長文が5分で読めるようになる」シリーズ(語学春秋社)

スラッシュ訳に慣れることで、初見の英文でも、返り読みをしないで、前から前から意味を理解し、訳し、読むことができるようになり、英文を速く読むことが可能になります。つまり、英語速読が可能になります。

(3)スラッシュ・リーディング

スラッシュ・リーディングとは、フレーズ・リーディングとも言い、3~5ワード前後の意味のまとまりごとに、前から前から、理解していく読み方です。

これはアメリカ人やイギリス人などの英語ネイティブ(英語を母国語とする人々)が行っている読み方です。アメリカ人は返り読みなどしていません。日本人が日本語を理解するときと同じく、前から前から理解しています。

スラッシュ・リーディングは、スラッシュ訳をした後に音読をすることで、できるようになります。

【(スラッシュ訳で3回口頭和訳⇒スラッシュ訳を頭の中に思い浮かべながら、前から前から理解していく音読10回)×10日】

(4)リスニングに不可欠なスラッシュ・リーディング

スラッシュ訳、スラッシュ・リーディングは、リスニングの上達には絶対的に重要です。

なぜなら、英語音声は現れては消え、現れては消えるので、「返り聴き」ができず、聴いた順番に理解していかなければならないからです。スラッシュ訳を習得していれば聴いた順番に理解していくことができます。

3.5.正しい音読法をマスターする

正しい音読法とは、①90%以上の理解度で、②スラッシュ・リーディングで(前から前から)、③分速130ワード以上で、④単語や文法をしっかり理解しながら、スラスラ読める音読です。

(1)日本人が英語を「理解」する方法

日本人が英語を「理解」する場合、3つの方法があります。

①英語を英語のまま理解する
②視覚的イメージで理解する
③英語を日本語で理解する

小説を読む場合、情景をイメージできれば理解できますが、話が抽象的な場合、イメージだけでは限界があります。

「英語を英語のまま理解する」ことは、帰国子女やバイリンガル、幼少時から英語をしっかり勉強している人以外、最初は無理です。

よって、最初は誰でも、「英語を日本語で理解する」しかありません。

(2)「英語を日本語で理解する」には

では、「英語を日本語で理解する」にはどうすれば良いのでしょうか。

それは、「英文を読みながら、頭の中でその日本語訳を言う」ことによってです。これをすること無しに、英文理解度は90%以上にはなりません。

そして、ほとんど全ての日本人は、英文を音読するとき、理解しているか気にしないで、もしくは、何となく、曖昧に日本語訳を頭の中で思い浮かべて、しています。したがって、理解度は30~50%前後です。それで英語を理解したつもりになっています。

(3)「90%の理解度」とは

創賢塾では、学習した英文は全て、90%以上の理解度で音読できるようにしてもらいます。「90%の理解度」とは以下のような状態を指します。

①100%の理解度:日本語訳を読んだときの理解度を100%とする。

②90%の理解度:日本語訳を読んだとき程ではないが、英語としてはほぼ完璧に理解できる状態。言い換えれば、「最初から最後まで、日本語訳が瞬時に思い浮かびながら音読できる状態」。

③80%の理解度:10%くらいは日本語訳を思い浮かべるのに時間はかかるが、その他は90%の理解度で音読できる状態。

④70%の理解度:20%くらいは日本語訳を思い浮かべるのに時間はかかるが、その他は90%の理解度で音読できる状態。

⑤50%の理解度:40%くらいは日本語訳を思い浮かべるのに時間がかかったり、少し分からないところがある状態。

もちろん、以上の数値は「だいたい」です。それほど厳密に考える必要はありません。

(4)90%以上の理解度で音読するには

では、英文を「90%以上の理解度」で音読できるようにするにはどうしたらよいのでしょうか。

それは、以下のように音読をする必要があります。

ここでは長文教科書などの1ページ分を、90%以上の理解度で音読できるようにする方法について書きます。

90%以上の理解度で英文を音読できるようにする方法

(1)1文ずつ3回口頭和訳:1文ずつ3回口頭和訳してスラスラ訳せるようにする⇒次の文へ⇒1ページ終わらせる

 「1文ずつ」3回ほど口頭で和訳すると、すぐにスラスラ訳せるようになります。一方、1ページを通して訳していると、訳をなかなか覚えられないので、なかなかスラスラ訳せるようになりません。面倒ですが最初は1文ずつした方が良いです。

(2)1文ずつ音読:1文ずつ理解しながら(=頭の中で日本語訳を言いながら)10回音読⇒次の文へ⇒1ページ終わらせる⇒時間のある限り先のページへ進める

 「1文ずつ」頭の中で日本語訳を言いながら音読すると、5~10回で頭の中で日本語訳を言えるようになりますが、1ページを通して同じことをしても、訳をなかなか覚えられないので、「頭の中で日本語訳を言いながら」音読できるまで、かなりの時間がかかります。

(3)翌日:最初のページから、「1文ずつ3回口頭和訳⇒1ページ」⇒「1文ずつ理解しながら10回音読⇒1ページ」⇒時間の限り先へ。

(4)90%の理解度で音読できるようになったら、1ページを通して1回口頭和訳、10回音読する

4~5日続けると、ほとんどの文で1回でスラスラ訳せるようになり、1回目から90%の理解度で音読できるようになります。その段階で、「1ページを1回口頭和訳⇒1ページを10周音読」に切り替えます。

通して音読するときは、90%の理解度を維持したまま少しずつ速く読むことを心がけます。ここで注意すべきは「速さより理解度を重視する」ということです。理解度を落として速さを追求し、何十回も読んでも、理解度はなかなか上がりません。

(5)100回音読すると90%以上の理解度で音読できるようになる

 以上の音読を10日続けると、分速130ワード以上の速度で、90%以上の理解度で、音読できるようになります。

【(3回口頭和訳⇒10回音読)×10日】

(6)復習:毎週「10回音読×2回」の復習を2ヶ月間続ける

100回音読した後も、毎週「10回音読×2回」の復習を2ヶ月間続けます。そうすると、長期記憶に入って、いつでも90%以上の理解度でスラスラ音読できます。復習しなければ元の木阿弥です。理解度は時間と共にどんどん落ちていきます。

(7)黙読で速読トレーニング

100回音読後、速く読むという意識を持ち、分速200ワードを目指し、時間を計って、黙読していくと、より速く読めるようになります(後述)。

(5)単語や文法をしっかり理解しながら音読する

音読のとき、英文を文法的に理解せず、単語や熟語の意味が分からなくても、意訳を見て理解したつもりになって読む高校生が大勢います。

その人に、この単語の意味は? なぜそう訳すの? 文法的に解説できる? と聞いても、分からなかったりします。それではダメなのです。

なぜなら、その意訳はその英文だけで役に立ち、応用が利かないからです。

よって、音読するときはいつも、英文構造(SVOCM)を考え、文法的になぜその訳になるのかを理解しながら読み、個々の単語や熟語の意味も、聞かれたら即答できなければなりません。

そうして初めて、他の英文(=初見の英文)で、その英文の学習(単語熟語の暗記・英文法力・英文構造分析力)が使えるのです。

3.6.理解度を90%にした英文を「500ワード×30文」以上に増やす

(1)正しい英語長文勉強法

英語長文を勉強するのは、入試の初見の英文を、ある程度スラスラ読めるようにするためです。

では、初見の英語長文をスラスラ読めるようにするにはどうしたらよいでしょうか。

それは、90%の理解度で音読できる英文の数を10,30,50,80,100と増やしていくのです。特に30英文を超えると、初見の英文の理解度、読む速度は飛躍的に高まります。

(2)なぜ初見の英文でもスラスラ読めるようになるのか

なぜ初見の英文もスラスラ読めるようになるかというと、英文構造解析力(瞬時にSVOCMを見抜く能力)が身に付き、また、「同じ英文は出ないが、同じ英単語・英熟語・英文法・英語構文・文章構造は出る」からです。

言い換えると、30英文以上を90%の理解度にすると、初見の英文の中に含まれる英単語・英熟語・英文法・英語構文・文章構造(SVOCM)の90%以上は、その30英文と重なっているので、重なっている部分は80~90%の理解度で速読できるからです。

そして、重なっていない10%を、単語熟語暗記、英文法問題集、英語構文集、英文解釈書で補っていけば、90%の理解度の部分が限りなく100%に近づき、全体を速読できるようになります。

(3)「90%の理解度で速読できる英文」を30英文蓄積する

「90%の理解度で、分速130ワード以上で速読できる英文」が30英文(500ワード×30英文)を超えれば、初見でも90%以上の部分が「80~90%の理解度で読める状態」になり、50英文、100英文と増えるにつれ、100%に近づいていきます。よって、まずは30英文を目指します。

(4)90%の理解度にする英文のレベル

ここまでは90%の理解度にする英文のレベル、内容について書きませんでしたが、もちろん、どういう英文を勉強するかは大きな問題です。

結論から書くと、偏差値(河合塾模試)が63以下の高校生は、英文解釈書と、学校の英語長文教科書を、先ずは90%の理解度にします。副教材があったり、夏休みの宿題などで英語長文問題集が出されたときは、それもできるだけ90%の理解度にします。

例えば、高校2年生であれば、長文教科書で500ワード×12英文前後、英文解釈書2冊(例:「入門英文解釈の技術70」「基礎英文解釈の技術100」)で500ワード×17英文相当、合計約30英文になります。これを全て90%の理解度にした状態で、3年に進級するのです。

ここまでできている高校生はほとんどいません。よって必ず英語の成績は上がります。

偏差値63以上の高校生2~3年生であれば、長文教科書で500ワード×12英文前後、英文解釈書2冊(例:「基礎英文解釈の技術100」「英文解釈の技術100」)で500ワード×20英文相当、あとは自分の英語力に合った英語長文問題集や過去問を週1つずつ、90%の理解度にしていきます。

そして、90%の理解度にしたセンター英語レベルの英文を30本(500ワード×30英文)以上蓄積すれば、センター英語レベルの英文がスラスラ読めるようになり、プラス難関大学レベルの英文20本で難関大学レベルの英文が、プラス超難関大学レベルの英文30本で超難関大学レベルの英文が、初見でスラスラ読めるようになります。

(5)90%の理解度を維持する方法

50~100回音読して、一度90%の理解度にしたら、ずっと90%の理解度で読めるでしょうか。

そんなわけはありませんね。

人間は忘れる動物なので、必ず復習が必要です。ではどうやって復習していったらよいかというと、以下の通りです。

【90%リストを作り、「週2回×10分」復習し、それを2ヶ月続ける】

 ※90%リスト:ルーズリーフに縦線を引き、左に90%にした英文の名称、右に90%にした日付、復習日、暗記した日を書いていく。

 書き方例【コミュ教科書レッスン5(540ワード)|9/20、90%|9/25音読10回|……|10/10暗記(T95回音読)……】

 ※「T95回」とは、「トータルで95回音読した」という意味です。

リスト化すれば、どの英文をいつ復習したか一目瞭然であり、次にいつ復習するべきかもすぐ分かります。「あっ、この英文は10日間復習していないから、今日やろう」となるわけです。

以上のように2ヶ月復習すれば、ほぼ長期記憶に入り、英語力が上がり、もうその英文の復習は必要なくなります。

一度90%の理解度にすれば、維持は短時間で済みますが、1ヶ月復習しなければ、再び90%にするのに多大な努力が必要です。よって、必ず少しずつ復習しましょう。

「君の英語号は空へ舞い上がれるか?」

清水かつぞー(元・駿台予備校講師、ベストセラー「英単語ピーナツ」シリーズ著者)(國弘正雄著「英語の話しかた」所収、たちばな出版)

英文解釈の勉強とは、スラスラわかる英文を1つずつ作り上げていくことなのだ。……「スラスラ感」を味わうためには、地道に音読を繰り返すという復習が欠かせない。ほとんどの生徒がそこから逃げようとする。いや、そのことに気づきもしない。教師もその必要性を教えない。……

ところが、たった3題の長文でも、君が日本語を読むときの「スラスラ感」の半分くらいを英語でも感じることができれば、飛躍の可能性が生まれてくる。最初から量を焦ってはいけない。「スラスラ感」さえ獲得すれば、量はあとから、あっという間についてくる。

大学入試の長文読解は、最高レベルの生徒でもせいぜい100題だ。本当に100題スラスラ読めるようになると、もう入試の英文は読みたくなくなるのだ。

(質問1) どんな英文を対象にするのですか。高校の教科書でもよいのですか。

自分の志望校レベルの長文が対象です。高校の教科書でももちろん結構です。生徒さんは、入試問題ではないという理由だけで、高校のリーダーを軽く見ます。読めもしないくせに軽くみる。それは間違いです

(質問2) 何回くらい音読するとスラスラ感が味わえますか。

100回くらいと言いたいのですが、まあ50回というところが、受験勉強としての現実的な数字でしょう。最初の2,3題は3桁の回数になるかもしれません。

(質問3) 実際に100題やれた生徒はいますか。

私の知っている範囲ではおりません。最高で75題です。

(質問4) 一番少ない人で何題くらいですか。

10題程度で大学生になった人もかなりおります。15題で上智に合格した人もいる

3.7.英文理解度を上げる

英文を読むとき、内容を深く考えず、ただ和訳して(英語を日本語に置き換えて)、満足している人がいます。例えば、科学に関する英文で、lawという語があったとき、「法律」と訳して疑問に思わない人がいます(「法則」と訳す必要がある)。

あるいは、訳してもらった後、「それってどういう意味?」と聞いても、答えられない人がいます。字面だけしか理解していないからです。

英語も、現代文と同様、内容をしっかり把握しながら読む必要があるのです。

3.8.背景知識を入れる

読む英文の内容・話題について、知っていることが多ければ多いほど、速く読むことができます。例えば、移民問題について、今世界でどういう問題があり、どういう議論が戦わされていて、どう考えればよいか、どういう解決策があるかについて、10の英文を読んだ後と前とでは、理解度、読む速さが全く違います。

よって、90%の理解度で速読できる英文が50英文を超えたら、その数を増やしつつ、一方で、入試によく出る話題の英文を多数読んでいき、背景知識を増やします。

例えば、近年は「インターネット、人工知能、ロボット、難民、スマホ、ジェンダー」などの、近年日本でもよく取り上げられる話題が入試英文として出るようになっています。これらの英文を多く読み、関連する単語を覚えていけば、英文は速く読めるようになります。

話題別英単語 リンガメタリカ」(Z会)
関正生の英語長文ポラリス」シリーズ(角川)

4.英文を速く読むトレーニング

4.1.時間を計って黙読で読む

英語長文力を高める基本トレーニングは、90%の理解度で音読できるようにした英文を30英文、50英文、100英文と増やしていくことです。

そして、英文をより速く読めるようにするには、90%の理解度にした英文を、「理解度90%を維持しながら、速く速く読む意識を持って、時間を計り毎回時間を書き黙読で」読んでいくトレーニングが有効です。

目標は分速200ワード(1分間に200ワード読む)です。分速150ワードくらいなら、音読を50~80回すれば、誰でも到達します。その後、180ワード、200ワードにしていきます。

時間を計り、それを毎回書くことで、速く読む意識が生まれ、時間がひとりでに短縮していきます。時間はページの上などに毎回書いて、上達を可視化します。

最終段階で黙読にするのは、音読は口を使う必要があり、どうしても速さが限られるためと、模試や受験本番では黙読で読む必要があるためです。

具体的には、長文教科書や英文解釈書、長文問題集などの英文を100回音読した後、黙読で、90%以上の理解度で【1日7回黙読×10日】などを続けると、分速150~200ワードに到達できます(どこまで到達するかは、音読の習熟度や現状の英語力などにより、個人差があります)。

4.2.速聴

90%の理解度で音読できるようになった英文の音声を聴き、まずはそのままの倍速(1倍速)で聴けるようにします。これは、音読をしていればすぐに聴ける(聴いて意味がスラスラ分かる)ようになります。次に、1.3倍速、1.5倍速⇒……⇒2倍速で聴けるようにします。

これは慣れの問題で、誰でも手順を踏めば聴けるようになります。そして、2倍速で聴ければ、分速200ワード以上で理解できるので、読むのも速くなります。

そして、2倍速で聴けるようにした英文を5文、10文、30文と増やしていくと、初見の英文も速読・速聴できるようになります。

速聴のメリットは、強制的に速く聴き取る能力、速く読む能力を高められることです。速く読むトレーニングは自分の努力ですが、速聴は速い音声を聴いて理解する努力をすれば、自動的に速く聴けるようになります。

4.3.分からない単語でいちいち立ち止まらない

(1)意味の分からない単語が少々あっても、どんどん読み進めよう

日本語の文章でも、意味が曖昧な単語にはたくさん遭遇しますが、日本語の文章では、たいていの人は、1つ1つの単語の意味が分からなくても、こだわらないで、全体の大意を把握しながら、読み進めているはずです。

一方、日本人が英語を読むときは、意味が分からない単語があったら、いちいち立ち止まり、辞書を引いたり、意味をじっくり考えたりしがちです。これは日本の英語教育のメインがいまだに「和訳・精読」にあるためでしょう。

しかし、今の大学入試の多くは、大量の英文を速く読み、大意を理解すれば解答できるようになってきています。

したがって、英語でも、普段から、「分からない単語でいちいち立ち止まらない、辞書を全部は引かない、分からない単語があってもサッと推測して読み進める」という意識で英文を読むことが必要です。

(2)ラダーブックを読む

そのためには、易しい英文を、流れや大意を把握しつつ、辞書を引かず読む訓練が役立ちます。

例えば、高2であれば、高1や中3の教科書を辞書を引かずに読む、ラダーブック(Graded Readerとも言う、英語の書籍を、単語制限をして易しく書き直した書籍シリーズ)や英語の絵本を読む、易しめのサイドリーダーを学校の先生に借りて読む、などが役立ちます。

目標読書量は、1年間に100万ワード(平均1万ワードの易しいラダーブック100冊に相当)です。これはSSS英語学習法研究会という英語多読普及団体が推奨している読書量ですが、「1日30分×1年」で到達できます。これを高3からするのは無謀ですが、中学生や高1くらいなら大変有効です。

最近では多くの英語塾でラダーブックを貸し出しています。それはラダーブックの有効性が広く知られてきているからです。ぜひあなたもトライしてみて下さい。

4.4.英単語推測力を高める

「分からない単語があっても気にしないで読み進める」とはいっても、受験では分からない単語の推測力も非常に大事です。入試で意味が分からない単語に遭遇したとき、全てを読み飛ばすことはできないからです。

英単語推測力を磨くには、分からない単語の意味は推測しながら読む、そして、辞書を引く場合は、単語の意味を前後関係から推測してから答え合わせの意味で引く習慣を付けましょう。絶えず推測していると、速く正確に推測できるようになります。

5.英語長文の論理的読解法

河合塾偏差値が63を超えたら、論理的に読むトレーニングを加えていきましょう。

5.1.論理的に読むメリット

(1)主張を把握しやすくなる

英語は日本語より論理的な言語で、英語の評論文(論理的な文章)では、文章構造や「パラグラフの構成法」に基本形(論理的文章構成法)があるため、論理的な読み方を習得すれば、主張(一番言いたいこと)や筋道(話の要点の流れ)を素速く把握し、記憶しておくことが可能になります。

(2)速読できる

主張を把握できるので、内容をより深く速く読め、正答率も上がります。

(3)単語推測力が上がる

少々分からない単語があっても、論理的文章で頻繁に使われる「言い換え、対比」などを利用すれば、単語の意味を推測しやすくなります。その結果、英文の理解度が上がり、正答率が上がります。

では、以下では英文を論理的に読むために必要な知識をまとめました。これらを理解し記憶し、実際の英文を読むときに使えば、論理的に読めるようになります。

5.2.論理的読解法(1)文と文の4つの関係を理解する

日本語でも英語でも、論理的な文章では、「文と文」「パラグラフとパラグラフ」の関係はほぼ以下の4つに集約されます。

(1)イコールの関係

評論文では、だいたいにおいて、文と文は同じ内容の「言い換え」で進みます。「具体例・体験談・引用」なども、主張を補強するという意味で、同じ内容の言い換えと考えることができます。

言い換えるときは、「抽象的内容(主張)⇒具体的内容(体験談・具体例・引用・科学的データ等)⇒抽象的内容(主張・まとめ・結論)」の転換がよく使われます。

(2)対立関係=対比・逆接

対立とは、2つのものを比べる「対比」、”しかし、だが”などの「逆接」を指します。

筆者が何かについて書くとき、「対比」を用いるとその特徴をより明確にすることができます。例えば、日本文化について書くとき、日本文化だけについて延々と書くより、西洋文化と日本文化を比べることで、日本文化の特徴をより明らかにすることができます。よって対比は評論文でよく用いられます。

逆接の接続語が使われるときは、話の流れが逆転しますが、だいたいにおいて、言いたいのは逆接の「あと」です。「AしかしB」とあったら、Bの方が筆者の重点であることが多いのです。

(3)因果関係

因果関係とは、原因(理由)と結果という意味です。1つの主張に対して、その理由・根拠を複数書かないと説得力がありませんから、因果関係は頻出します。

因果関係では、原因よりも結果が重要です(原因<結果)。

(4)進展

進展とは、次の話題に移ることです。

(5)まとめ:論理展開から主張が分かる

以上の4つの関係を把握しながら読めれば、重要な部分(逆接の後、因果関係の結果部分、抽象的な主張など)と重要でない部分の区別が容易につくようになり、重要な部分はじっくり理解し、メモを取りながら読み、重要でない部分は多少単語や文の意味が分からなくても読み進めても問題ないのでどんどん読み進めるというように、効率的な読み方ができるようになります。

その結果、理解度が高まり、英文を読むのが速くなります。

5.3.論理的読解法(2)論理展開パターンを把握する

以上は「文と文」「パラグラフとパラグラフ」の関係ですが、文章全体としてみた場合の論理展開には、更に幾つかのパターンがあります。これを覚えておけば、内容の予測ができ、速く読めるようになります。

(1)譲歩⇒主張(主張⇒譲歩⇒逆接⇒反駁⇒主張)

「譲歩」とは、自分の主張に対して予想される反論とそれへの反駁(はんばく)を書く論法のことです。

譲歩の具体例:「日本の大学生はもっと積極的に海外留学をするべきだ(主張)。確かに、日本は豊かで安全で、大学の勉強環境も整っているだろう。留学をすればお金も余計にかかるだろう(譲歩)。しかし(逆接)、世界は広い。日本より豊かな国、貧しい国、日本より勉強を強制される海外の大学など、目を開かれる体験を多くすることができる(反駁1)。また、何より、英語などの語学を習得することができる(反駁2)。そして、これからの日本企業には海外との交流は必至だから、就職にも有利になる(反駁3)。お金についても、今の日本なら、1年間一生懸命アルバイトをすれば、1年分の留学必要を稼ぐことも十分可能だ(反駁4)。だから、日本の大学生はもっと海外留学をするべきだ(結論=主張)。」

筆者が書く評論文の主張は、皆が賛成する内容ではありません(皆が賛成する意見=常識、当たり前の意見なので、わざわざ書いたり読んだりする意味がないからです)。よって、必ず読者からの反論が予想されます。「それは違うよ、これはどうなんだ」など。

筆者はこのような反対意見を幾つか取り上げ、論破していく論法をよく用います。そうすることで、自説の説得力を高めることができます。

譲歩では、of course ……, but ~ (もちろん……だが,~)、certainly……, but ~ (確かに……だが,~ )などのディスコースマーカー(下記参照)が用いられます。

ここでも、重要なのは逆接の後になります。

(2)一般論⇒逆接⇒主張

評論文の筆者は、上記の通り、常識的なこと、一般論を主張することはありません。よって、一般論が来たら、その後に逆接と筆者の主張が来ると予想できます。

5.4.論理的読解法(3)ディスコースマーカーで論理展開を予測する

以上のような論理関係、論理展開を導く接続語があり、それをディスコースマーカー(=論理マーカー=標識語)と言います。

例えば、逆接の but, however, yet(しかし)、対比の while, meanwhile, whereas(一方)、因果関係のtherefore, hence, thus(それゆえ)などです。

ディスコースマーカーを利用して論理展開を予測しながら読めば、重要な箇所がどこか分かるので、理解度と読む速さが高まります。よって、主要なディスコースマーカーは暗記し、英語長文を読むときに注意して読みましょう。

論理的読み方やディスコースマーカーを独習する場合は、以下の問題集が役立ちます。

ディスコースマーカー英文読解」(Z会)
横山雅彦の英語長文がロジカルに読める本」シリーズ(中経出版)
英語長文読解の王道 パラグラフリーディングのストラテジー」シリーズ(河合塾)

5.5.論理的読解法(4)パラグラフ構成法を記憶する

日本語の評論文では段落は適当に分けられますが、英語評論文のパラグラフ構成法には決まりがあります。その決まりを理解し記憶していれば、内容の予測ができ、速く深く読めるようになります。

パラグラフ構成法の主な規則は以下のようなものです。

(1)「1パラグラフ、1トピック(話題)」:日本語の評論文では、段落はかなり適当に分けられていますが、英語評論文のパラグラフは、原則、「1パラグラフ、1トピック(話題)」です。そしてパラグラフが変わればトピックも変わります。

(2)第一パラグラフに、文章全体のテーマが書かれる:ここでは、テーマとは「主題(文章全体の話題)」、トピックは「段落の話題」と定義します。トピックの方が細分化された話題になります。

(3)各パラグラフの冒頭にトピック(そのパラグラフの話題)が書かれ、2文目以降には「根拠」が書かれる:話題の提示の後は、「根拠(=理由・説明・具体例・体験談・引用・科学的データetc)」が続きます。

(4)パラグラフ構成は「抽象⇒具体」:パラグラフ冒頭のトピックは抽象的内容で、続く文に書かれる「根拠」は、より具体的な内容なので、パラグラフ全体としては「抽象的内容⇒具体的内容」が書かれていきます。

これらも、詳しくは上記問題集をご参照下さい。

5.6.論理的読解法(5)主張と根拠を区別する

英語でも日本語でも、論理的な文章(評論文)のすべての文には、3種類しかありません。それは、テーマ・主張・根拠です。

(1)テーマ

テーマ(話題)とは、「その文章が何について書かれているか」です。たいてい、文章の冒頭にテーマは書かれます。

(2)主張

主張(結論・意見・重要な事実)とは、「テーマについて、筆者が一番言いたいこと」です。1つの文章の中に1~2の主張があります。筆者はその「主張」を伝えたいために、その文章を書きますから、主張が一番重要です。

(3)根拠

主張は一番重要ですが、しかし、ただ「主張」を提示するだけでは読者は納得しませんから、著者は必ず「根拠」を複数挙げます。

根拠には、「理由・根拠、説明、定義・分類、例示・具体例、科学的データ、引用、体験談、比喩、対比、譲歩(予想される反論とそれへの反駁)、時系列変化」などの種類があります。

根拠は「主張」をサポートする要素なので、重要性は主張より落ちます。

(4)主張と根拠の区別を付けて読めるようにする

主張と根拠の区別を付けて読めることを論理的に読むと言います。「区別を付けて読む」とは、例えば、「ここは主張、ここは理由・体験談・具体例、ここは全体の結論」と指摘できるということです。

このように読めれば、重要な部分(主張)と重要でない部分(根拠)の区別が付くようになり、重要な部分が設問に関わるので、正答率も上がります。また、根拠で多少単語や意味が分からなくても、重要な部分の意味が分かれば全体の流れは分かるので、速く読めるようになります

5.7.論理的読解法(6)現代文を論理的に読む

英語を論理的に読むのは英語速読・偏差値向上に大変役立ちますが、しかし、ほとんどの高校生にとってはハードルが高く(河合塾偏差値63以下の場合は、単語熟語・文法構文・英文解釈などやるべきことがほかに多々ある)、また、日本語の評論文は、英語などの欧米の評論文を模範として出来上がったものなので、とてもよく似ています。

この2つの理由により、まずは日本語の現代文で論理的に読む訓練をするのがオススメです。そうすれば、現代文の成績も上がり、英語を論理的に読む素地もできます。

現代文の論理的読解法には、以下の問題集が役立ちます。

出口現代文講義の実況中継」シリーズ(出口汪著、語学春秋社)
現代文と格闘する」(河合塾)
現代文読解力の開発講座」(霜栄著、駿台)

5.8.論理的読解法(7)英文要約

英文を論理的に読む勉強をする際には、要約を取り入れると、更に良いトレーニングになります。要約をするには、重要な箇所がどこかを把握し、文章をより深く理解する必要があるからです。

(1)英語長文問題を解くときには段落要約を書く

現代文の問題を解くときには重要な部分(キーワード・キーセンテンス・主張)に印を付けながら読む必要があります。重要な部分に印を付けられれば、その内容をある程度覚えることができ、そして問題はその重要な部分に設定されることが多いので、問題を解きやすくなるからです。

英語長文では、重要な部分に印を付けるのはもちろん、段落要約を日本語で書いていくことが重要です。なぜなら、現代文なら、日本語は見るだけで内容がだいたい分かるので、問題に関連する箇所は発見しやすいですが、英語は、通して読んだ後で問題を解く際、関連箇所を読もうと思ってざっと全体を見ても、意味が分からないし、内容もほとんど忘れていますから、再度読み直す必要が出てくるからです。

このとき、キーワードやキーセンテンスに印を付け、段落要約を日本語で書いておけば、どの辺が関係しているか、すぐ分かります。

(2)要約上達法

要約を書く方法は単純で、キーワードとキーセンテンスを見つけて印を付け、この2つを混ぜて意味の分かる日本語に書けば良いのです。

これはまずは日本語で訓練するのがオススメです。ただし、できれば要約したものは学校や塾の先生に見てもらいましょう。要約や小論文、英作文、社会の論述は、添削を受けるかどうかで大きく伸びが違うからです。創賢塾でも要約指導をしています。

国語の読みテクトレーニング 説明文・論説文」(早瀬律子著、文芸社)
現代文読解力の開発講座」(駿台)
現代文と格闘する」(河合塾)

次に、英語の要約法・論理的読解法の本を1~2冊マスターします。

ディスコースマーカー英文読解」(Z会)
英文要旨要約問題の解法」(高橋善昭著、駿台)
英語要旨大意問題演習」(伊藤 和夫著、駿台)
横山雅彦の英語長文がロジカルに読める本 記述問題の解法編」(中経出版)
英語長文読解の王道 パラグラフリーディングのストラテジー」シリーズ(河合塾)
英語長文読解の王道 (4) 解き方編 記述(要約・説明)問題のストラテジー」(河合塾)
東京大学英語 5 要約」(河合塾)

(3)要約のメリット

①英文理解度が上がる:要約をすると分かるのは、より深く読み、理解しなければならないということです。どこが重要か、一番言いたいことはどこかを考えながら読むことは、理解の深化につながります。内容理解が深まれば、当然、現代文でも英語でも問題は解きやすくなり、正答率が上がり、合格する可能性が高まります。

②速く読める:1回でより深く理解できれば、読み返す必要性が減るので、速く読めるようになります。

そして、10問、30問、50問と要約を続けると、素速く重要部分が分かるようになり、要約するのがうまく速くなり、読むのも速くなります。

6.英語長文問題を論理的に解く方法

6.1.英文を論理的に解く方法

英語長文問題を”論理的に“解くとは、論理的に読んで要点を素速く掴みながら、それを生かして、問題の種類に応じた特定の解き方で、根拠を明確にして速く解く、ということです。

英語長文問題では、問いの種類(空所補充・指示語・内容一致・主題選択・内容説明・要約など)によって本文の読み方、問題の解き方は異なります。例えば、空所補充問題だけの大問と説明記述問題だけの大問では読み方・解き方を変える必要があります。

この「論理的な読み方&解き方」を習得するには、以下のような「論理的な読み方&解き方」が書かれた問題集を習得することが必要になります。

横山雅彦の英語長文がロジカルに読める本 客観問題の解法編」「同 記述問題の解法編」(中経出版)
佐藤ヒロシの英語長文[マーク式]が面白いほどとけるスペシャルレクチャー」「同 記述式」(中経出版)
センター試験 英語(読解)の点数が面白いほどとれる本」(竹岡広信著、中経出版)

6.2.論理的な解き方の問題集を習得する方法

上記のような問題集を勉強するとき、普通の高校生は、2~3周したら次の問題集へ行きますが、それでは”習得”することはできません。「論理的な読み方&解き方」を本当に習得し、無意識に使えるようになるには、以下のように徹底的に復習することが必要です。

論理的な解き方の問題集を習得する方法

(1)問題を解く

根拠:問題を解くときは必ず、根拠をはっきりさせる(これをリーズニングという)。どこを根拠に解いたかをメモしておくと良い。
要約:問題文は段落要約をメモしながら読む。
推測:分からない単語は、推測して、そのまま問題を解き、その後、語句欄を見たり辞書を引いて解き直す。

(2)解答・解説・訳を読む

理解:問題の解き方・根拠・訳・解答を理解する。
記憶:問題の解き方の解説を理解し、暗記すべき部分にマーカーを引き、記憶する。
☆印:英文中の、分からなかった単語・熟語・文法などに☆印を付ける。

(3)復習

暗記:英単語・熟語・文法などをまとめ、暗記する。
和訳:スラスラ訳せるように【英文を3回口頭和訳×7日】を行う。
音読:英文を90%の理解度で速読できるように【1日10回音読×7日】を行う。
解く:解き方を記憶するため、解説と同じ解き方ができるまで、5回前後解き、解説を読む。

7.英語を英語のまま理解する

7.1.英文速読の最終兵器:英語を英語のまま理解する

このページの始めでも書きましたが、日本人が英語を「理解」する場合、以下の3つの方法があります。

(1)英語を英語のまま理解する
(2)視覚的イメージで理解する
(3)英語を日本語で理解する

そして、普通の日本人は、最初は「(3)英語を日本語で理解する」しかありません。

しかし、ある特別な訓練をすることで、日本人の限界を超えて「(1)英語を英語のまま理解する」こともできるようになります。そしてこれが可能になれば、英語の読解スピードは格段に速くなります。

7.2.英語を英語のまま理解できるようにする勉強法

普通の日本人の高校生が「英語を英語のまま理解できる」ようになるには2つの方法があります。

(1)理解度90%以上を維持したまま、同じ英文を100回、200回と読み続ける

1つの英文、特に、自分にとって易しめの英文、例えば高2なら、中3~高1の教科書などを100回、200回と読んでいくと、最初は日本語で理解していても、だんだん、日本語で理解しているのか英語で理解しているのか分からない状態になります。日本語訳を思い浮かべなくても、とにかく理解できる。

これは、【英語⇒日本語訳⇒理解】から【英語⇒理解】へと進化したのです。

そして、英語のまま読める状態になるまで読み続ける。そして、そういう「英語のまま理解できるようになった英文」の数を5,10,20,30、50,100と増やす。さらに、その音声を50~100回聴いて英語のまま理解できるようにする。

そうするうちに、少しずつ、初見の英文でも「英語を英語のまま理解できる」ようになっていきます。

「英文が英語のまま理解できる」

早稲田大学文化構想学部合格・佐藤亜威さん(「16年版 私の早慶大合格作戦Part1」エール出版社、33ページ)

英文が英語のまま理解できる」……私は高3の春あたりにやっとこの感覚を掴んで、英語の成績を一気に上げました。方法は、ただひたすら英文を読むことにあります。最初は簡単な英文から始めていいので、とにかく入試直前まで読み続けて下さい。 

(2)ラダーブックを読む

ラダーブックとは、Graded Readerとも言い、英語の書籍を、使用単語の語数と総語数を制限して易しく書き直した書籍シリーズです。段階別になっており、超初心者用から、「基本単語数300,500,1000、3000ワード-総語数1000,3000,5000,1万語」で書いた小説など、誰でも自分にとって易しい本から読み進めることができます。

Penguin Readers(ピアソン・ジャパン)、Cambridge English Readers(ケンブリッジ大学出版)、Oxford Bookworms Library(オックスフォード大学出版)など、アマゾンで検索すればたくさん見つかります。

このラダーブックを、一番最初のレベル(超初心者用)から読むと、超簡単な文なので、誰でも「英文を英語のまま」理解できます。それを1レベル5~10冊など、ゆっくりゆっくり読み進め、「英語のまま読める感覚」を維持したまま、より難しい単語が入り、より文字数が多いレベルへと読み進めると、徐々に「英語を英語のまま読める」ようになるのです。

(3)ラダーブックと速読

ラダーブックを勧めている団体にSSS英語学習法研究会があります。ここでは「100万語多読」を推奨しています。ラダーブックを1年間に100万語(大人向けのペーパーバックで約2500ページ分、10冊程度。ちなみに中学・高校の教科書の総語数は約3万語)読むことを推奨しています。これは、1分間に100ワード読めるとしたら、160時間、1日約30分×1年で到達可能です。

実際に、ネットで「100万語多読」を検索すれば、無数の日本人英語学習者が100~500万語を達成している実例に出会うことができます。そしてその人たちの多くが「英語を英語のまま読める、未知の単語を気にしないで先へ先へ読む、英語の読書を楽しむ、英語の普通の本・ペーパーバックを読めるようになる」ようになっています。

日本語でもそうですが、多くの本を読んでいる人ほど、本も現代文の問題文も速く読むことができます。同様に、英語でも、多くの本を読んでいる人ほど、速く読むことができます。そしてそれがラダーブックなら、英語を英語のまま読むことができるようになります。

その結果、100万語多読を実践することで、読むスピードはどんどん速くなるのです。

7.3.「理解」するとはどういうことか

日本人が日本語の文章を「理解する」とき、その文に含まれる個々の言葉や文法の背後にある「意味や視覚的イメージ」を瞬時に連想し思い浮かべています。

つまり、「理解できる=イメージできる」です。ここで言うイメージとは、視覚的イメージに限らず、聴覚的イメージ、言葉の定義やその言葉から連想される言葉・感情・体験したことをイメージする(思い浮かべる)ことも全て含みます。

日本語の文を読みながら、日本人は、全ての言葉についてイメージを瞬時に喚起・連想していって理解しています。逆に言えば、読んでいる日本語の中に「イメージをすることができない(意味が分からない)」言葉が多ければ、理解しにくくなります。また、喚起するのに時間がかかれば、読むのが遅くなります。

これはアメリカ人が英語を理解するときも同じです。全ての言葉の背後にイメージがくっついており、そのイメージを喚起しながら英文を読んでいます。

7.4.日本人が英文を理解するには

では、日本人が英文を「理解」したいとき、どうしたらよいでしょうか。

英語上級者でない限り、日本人は「英語を英語のまま理解する」ことはできません。なぜなら、その英文に含まれる文法や語句一つ一つにイメージが付いていない(意味が分からない)からです。

逆に言えば、英語の文法や語句一つ一つにイメージ・意味をくっつけていけば「英語の意味が分かる」ようになります。

そして、そのイメージ・意味は、最初は「日本語の意味(日本語訳)をくっつけていく」のが手っ取り早いです。

日本語訳には既にイメージ・意味がくっついており(英単語+日本語訳=英単語+意味⇒意味が分かる)、また、英単語に英語の意味をくっつけるには、英英辞典を片っ端から記憶していったり、ネイティブ並みの大量の英語読書、英語の映画鑑賞をする必要があるので、無理があるからです。

そして、「日本語の意味(日本語訳)をくっつけていく」方法が、英単語の日本語訳を暗記したり、英文を読むときに単語の意味を思い浮かべるなどの英語学習です。

終わりに

以上、長い文章をお読みいただき、ありがとうございました。この文章を読むことで、あなたの英語力が向上し、英語速読ができる助けになれば幸いです。


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