受験(4)過去問弱点対策法

受験勉強の後半(入試合格力養成期:3年夏休み以降)では、過去問をただたくさん解いていくだけではなく、過去問を習得し、解いて見つけた自分の弱点を補強する勉強をする必要があります。

そうすれば、過去問の得点率を上げられます。

このページでは、過去問を解いた後、どうやって弱点に対して対策していくかを書いていきます。過去問の習得法については【受験勉強(3)過去問の解き方と習得法】に書いています。

1.過去問まとめ帳

過去問を解いた後、ルーズリーフに過去問まとめ帳を書きます。書く内容は、問題の傾向、自分の間違いの傾向、そして対策法です(詳しくは【受験勉強(3)過去問の解き方と習得法】参照)。

それを書く過程で、自分の弱点と補強ポイントが明確になりますから、それを以下のようにして補っていきます。

2.弱点対策法(1)句法

過去問を解いたり解説を読んでいて、句法のミスが多い場合の対策法は以下です。

【句法が分からない

(1)対策法1:過去問の解説・書き下し文を読んで、理解が間違っていた句法、特に、問題に関わる箇所で間違っていた句法をルーズリーフに集め、習得していきます。暗記法は【句法暗記法】参照。

(2)対策法2:句法問題集の復習:自分が使った句法問題集を暗記し直します。暗記法は【句法暗記法】、【漢文ヤマのヤマ」習得法】参照。

 また、「読み方・解き方本」の中にはたいてい必須句法が載っていますから、それも復習します。まだ暗記していなかったら1冊暗記します。

 習得法は【「共通テスト漢文 満点のコツ」習得法】、【「最短10時間で9割とれる 共通テスト漢文のスゴ技」習得法】、【「岡本梨奈の 1冊読むだけで漢文の読み方&解き方が面白いほど身につく本」習得法】参照。

共通テスト漢文 満点のコツ」(教学社)
最短10時間で9割とれる 共通テスト漢文のスゴ技」(角川)
岡本梨奈の 1冊読むだけで漢文の読み方&解き方が面白いほど身につく本」(角川)

3.弱点対策法(2)必須知識

漢文特有の語句の読みや意味漢詩の規則文学史漢文常識等の必須知識が原因で問題が解けない場合の対策法は以下になります。

【必須知識で点を落とす】

(1)対策法1:過去問の解説・訳を読んで、誤答の原因になった必須知識をルーズリーフにまとめ、暗記します。

(2)対策法2:誤答の原因になった必須知識が、自分が使った句法問題集に載っているか調べます。載っていれば、その句法問題集を復習します。暗記法は【漢文ヤマのヤマ」習得法】、【「漢文句形とキーワード」習得法】参照。

 載っていない場合、多く載っている句法問題集・参考書を探し、それを暗記します。

 ちなみに、「文脈で学ぶ 漢文句形とキーワード」(Z会)には、重要単語、漢文常識が他の句法問題集より多く載っています。

4.弱点対策法(3)白文問題

過去問に白文問題が定期的に出て、解き方が分からない、解けない場合、以下のように対策します。

【白文問題が解けない

(1)対策法1:過去問に出てきた白文問題を以下のようにルーズリーフにまとめ、白文を見て「スラスラ訓読・和訳できる」ようにします。詳しい勉強法は【勉強法(4)白文攻略法】参照。

【白文(出典)|漢文(レ点などがある文)|書き下し文|和訳】

(2)対策法2:「読み方・解き方本」:白文問題の解き方や解説が詳しい、以下のような問題集をまだ習得していない場合、1冊選んで習得します。既に取り組んでいる場合でも、既習の問題集を復習した上で、必要と時間があれば、2冊目も習得するのがオススメです。

最短10時間で9割とれる 共通テスト漢文のスゴ技」(角川)
岡本梨奈の1冊読むだけで漢文の読み方&解き方が面白いほど身につく本」(角川)

(3)対策法3:白文問題を得意にする方法:【勉強法(4)白文攻略法】にまとめています。

5.弱点対策法(4)訓読+訳の暗記

漢文の問題は、白文問題も含め、訓読できず、訳せなければ(意味が理解できなければ)解けず、また逆に、訓読でき、訳せれば、たいてい解けます。

過去問の漢文が訓読できず、訳せない場合の勉強法は以下です。

【訓読できず、訳せない】

(1)対策法1:解いた過去問の漢文をすべて「スラスラ訓読でき、訳せる」ように「訓読+訳の暗記」をします。方法は【勉強法(3)漢文長文習得法】参照。 

 ※漢文の習得:このホームページでは、既習の漢文について、「訓読+訳の暗記」をして「スラスラ訓読でき、訳せる」ようにすることを漢文を習得すると表現します。

(2)対策法2:漢文の習得:過去問の漢文を「訓読でき、訳せる」ためには、習得をした漢文の量を増やすしかないので、毎週1ページ、合計30ページ以上など、とにかく大量に習得していきます。

 教材は、過去問、教科書、問題集など、自分のレベルに合った漢文を選びます。

(3)対策法3:漢文基礎力:過去問を訓読できて訳せるためには、上に書いた、句法+必須知識の暗記、白文問題対策、「読み方・解き方本」の習得も必須なので、しっかり習得します。

6.弱点対策法(5)記述問題

国公立大学を中心に記述問題が出ますが、そのほとんどは、傍線部や問題に関係する箇所について、単語の意味が分かり、省略語(主語・目的語等)が復元でき、「訓読+訳」ができ、正しい日本語で、意味が分かるように書ければ、合格点をもらえます。

よって、対策法は以下になります。

【記述問題が苦手

(1)対策法1:過去問の習得:過去問の記述問題を【10年分×5回】など、何度も解き、記述問題の書き方に慣れていきます。

 その際、自分の回答がなぜダメなのかを考え、理解に努めます。

(2)対策法2:記述問題集:入試に記述問題が多く出る場合は、漢文記述問題集を1冊、習得します。解き方・書き方が詳しく説明されています。オススメは「得点奪取漢文―記述対策」です。

得点奪取漢文―記述対策」(河合塾)
難関大突破 新漢文問題集」(駿台)
漢文道場」(Z会)
漢文 入試精選問題集」(河合塾)

(3)対策法3:漢文基礎力:訓読できて訳せるためには、上に書いた、句法+必須知識の暗記、白文問題対策、「訓読+訳の暗記」、「読み方・解き方本」の習得が必要なので、しっかり習得します。

7.弱点対策法(6)漢詩

【漢詩問題が解けない

(1)対策法1:量を解く:過去問の漢詩問題が苦手な場合、過去問の漢詩問題を10~20年分さかのぼって収集し、【5年分×3回】など、できるだけたくさん、何度も解き、どういう問題が出るか、自分に何が不足しているかを考え、対策していきます。

(2)対策法2:「読み方・解き方本」:押韻や対句などの漢詩の規則、漢詩の種類、漢詩の文学史などの漢詩の必須知識や、漢詩問題の解き方が、以下のような「読み方・解き方本」には書かれています。

 既習の場合は5~10回復習し、暗記し直します。まだ学習していない場合は新たに習得します。

共通テスト漢文 満点のコツ」(教学社)
最短10時間で9割とれる 共通テスト漢文のスゴ技」(角川)
岡本梨奈の 1冊読むだけで漢文の読み方&解き方が面白いほど身につく本」(角川)

 また、「文脈で学ぶ 漢文句形とキーワード」(Z会)には、漢詩の規則や文学史が簡潔にまとめられています。

(3)対策法3:漢詩問題を大量に解く:過去問に加えて、参考書や問題集の漢詩問題を30問以上解きます。

 例えば、「理解しやすい漢文」(文英堂)には、10以上の漢詩と詳しい解説、問題が付いています。

8.テスト・有名大学

【共通テスト・有名大学対策法

(1)オンライン映像授業の共通テスト対策講座を見る:スタディサプリ(格安、上質のオンライン動画授業)には、漢文読解対策講座、共通テスト漢文対策講座などがありますから、これらを見て、専門家がどう解いているかを参考にするのは良い方法です。

 スタディサプリのほかにもオンライン映像授業業者は幾つかありますから、自分の状況に合わせて選びます。

(2)個別大学専用問題集で対策する:東大・京大のような有名大学には、大学専用の問題集が発売されています。中には有用なものもありますので、内容を精査し、取り組んでみてください。

鉄緑会 東大古典問題集」(角川)
大学別入試攻略問題集 東京大学 国語」「同 京都大学」(河合塾)
難関校過去問シリーズ 東大の古典」「同 京大」(教学社)
実戦模試演習 東京大学への国語」「同 京都大学」「東大入試詳解25年 古典」「京大」(駿台)

9.長期記憶

9.1.長期記憶

上記教材を一度暗記する、一周するのは誰でもできます。しかし、たいていの人は復習システムを作っておらず、長期記憶に入れることができていません。その結果、徐々に忘れていって、なかなか思うように成績が上がりません。

 ※復習システム:いったん学習した句法問題集・過去問・漢文問題集等を、最終的に長期記憶に入れるために、どういう周期で、何回、復習するかの明確な計画のこと。

効率的な復習システムを作るには、記憶の原理を知っておくことが必要なので、ここで少し説明しておきます。

記憶には、短期記憶、中期記憶、長期記憶の3つがあります。

全ての情報は最初、短期記憶(数時間~数週間もつ記憶)に入ります。その情報が繰り返し入らなかったら(復習しなかったら)、速やかに思い出せなくなります。

その情報を7日(7回)以上復習すると、中期記憶(数週間~数ヶ月もつ記憶)に入ります。そして更に2ヶ月以上復習すると長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入り、入試時に使える情報になります。まとめると、以下のようになります。

【短期記憶⇒7日復習⇒中期記憶⇒2ヶ月以上復習⇒長期記憶】

9.2.長期記憶対策

学習した内容を長期記憶に入れ、入試で使える知識にする方法は以下になります。

【長期記憶に入れていない

(1)対策法:長期記憶に入れるためには、いったん完全に暗記して(問題集であれば5~10周以上)、その後、2ヶ月以上(回数にして10回以上)復習することが必要です。

(2)具体例:過去問の暗記すべき重要語であれば、【「重要語⇒意味」×3回音読×20重要語×1日6周(10分)×7日】のようにしていったん暗記します。

 その後、【テスト⇒忘れた重要語に印⇒印の重要語を「重要語⇒意味」×3回音読×1日6周×週2回×2ヶ月以上】のように復習すれば、長期記憶に入っていきます。

10.終わりに

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

これらの文章があなたのお役に立てば幸いです。

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