過去問(2-2)英語長文問題の習得法

本気で合格を考えている高校受験生にとって、夏休み以降の最も重要な問題集は過去問(志望校の過去問題)であり、過去問・受験で最重要なのは「英語長文」です。なぜなら、英語長文の配点比率が最も大きいからです。

このページでは「英語長文の読み方解き方の習得法」「長期記憶に入れる英語長文の復習法」について書いていきます。

具体的には、過去問の英語長文問題を解いた後、その英文をどのように習得・復習するかを書きます。

1.英語長文問題の3つの習得目標

過去問・英語長文問題の3つの習得目標

(1)英文の読み方・解き方を習得する:過去問を大量に解き、また読み方・解き方の解説の詳しい問題集を解くことで「問題付きの英文の読み方」「正答率が上がる解き方」を習得します。

(2)知識を暗記する:知らなかった英単語熟語・表現・文法をまとめ、暗記します。

(3)英文を習得する:過去問の英語長文を、毎週300ワード分、【「口頭和訳3回+理解しながらの音読5回」×7日】のように学習して【「スラスラ和訳できる」+「90%の理解度で分速150ワード以上で音読・黙読できる」】ようにし、さらにそれを2ヶ月以上復習して長期記憶に入れます。

 これにより、過去問レベルの英文に慣れ、読解力・読む速度を上げ、英語力を上げることができます。

 ※90%の理解度:英語としてはほぼ完全に理解できる状態。
 ※分速150ワード:300ワードの英文なら2分で読める速度。
 ※長期記憶:数ヶ月~数年以上もつ記憶。いったん暗記してから2ヶ月以上復習すると長期記憶に入る。

2.読み方・解き方の習得法

2.1.過去問英語長文の読み方・解き方

過去問のような「問題付きの英語長文の読み方・解き方」は、詳しくは【過去問(2-1)英語長文問題の解き方】に書いていますが、「過去問・英語長文の読み方」とは、例えば「キーワードとキーセンテンスに印を付ける、意味が分からない英単語の意味を推測する、段落メモを書く」などです。

「英語長文の問題の解き方」とは、例えば「(最後まで読んでから解くのではなく)読みながら解く、(曖昧な記憶ではなく)本文を根拠に解く」などです。

2.2.中学生は「読み方と解き方」を知らない

入試に出る英語長文問題の文章の種類・問題の種類は様々です。文章では、対話文・メール文・スピーチ文・論説文・物語文など、問題では、穴埋め問題・内容一致問題・整序英作文問題・理由説明問題・内容説明問題・指示語問題などがあります。

それぞれの問題により、「正しい読み方・解き方(短時間で正解を導ける適切な読み方・解き方)」がありますが、中学生で、この「正しい読み方・解き方」を身に付けている人はほとんどいません。

なぜなら、学校や塾の英語長文授業では、たいてい「文法解説」レベルにとどまっており、「正しく読み、解く」レベルの授業はほぼ皆無だからです。

2.3.「読み方と解き方」を習得する4つの方法

では、「正しい読み方・解き方」を身に付けるにはどうしたらよいでしょうか。それには以下の4つが役立ちます。

(1)創賢塾のホームページを参考にする【過去問(2-1)英語長文問題の解き方】には詳しい読み方・解き方を解説しています。是非参考にしてください。

 また、創賢塾の塾生には、英語基礎力が完成した中3の春~夏頃から志望校の過去問を解いてもらい、読み方・解き方を個別に詳しく解説し、習得してもらっています。

(2)過去問を大量に解く:最初はとにかく過去問を【「5年分⇒10年分⇒15年分」×5回】などたくさん解きつつ、より効率的な「読み方と解き方」を考え、試行錯誤し続けることが重要です。

(3)効率的な「読み方・解き方」の問題集を習得する:志望校に出る英語長文の種類・問題傾向は、年度ごとに変動はあまりなく、かなり一定です。

 よって、過去問を解いて、不得意な文章形式・問題形式があった場合は、以下のような「読み方・解き方の載った問題集」、もしくは、大量に問題が載った問題集で「正しい読み方・解き方」を習得し、過去問を解くときにそれを使えるようにします。

スーパーステップ くもんの中学英文読解 中学1~3年」(くもん)
高校入試英語長文はこう解く!! 3週間完成」(富士教育出版)
中学 英語長文 ハイクラステスト」(受験研究社)
高校入試正解 分野別過去問 英語」(旺文社)
全国高校入試問題正解 英語」(旺文社)

(4)動画授業で「読み方・解き方」を習得する:今は各種動画授業が利用されています。料金・質・サポートを考えて、自分に合うサービスを受講するのも良い方法です。

 特に、スタディサプリは、授業の質が高く、量も多く、格安なので、オススメです。

3.英単語熟語・文法の習得法

3.1.知らなかった知識を全て暗記する

初見で読んだとき、意味が分からなかった英単語熟語・表現・文法には全て★印を付け、単語帳やルーズリーフにまとめて暗記します。

3.2.クイック・レスポンス法

単語熟語はクイック・レスポンス法で効率よく暗記できます。

【「(英単語熟語⇒日本語訳)×1~5回音読×1日50ワードを6周(毎日15分)」×7日】

この暗記法により、「毎日15分×7日間」で50ワードを即答できるようになります(中期記憶に入る=数週間以上忘れない)。毎日10分×7日で30ワード、30分で100ワード暗記できます。

3.3.長期記憶に入れるため2ヶ月以上復習する

いったん即答できるようにしても、復習しなければ徐々に忘れていきます。よって必ず2ヶ月以上、以下のように復習します。2ヶ月復習すれば、ほぼ長期記憶に入り、数ヶ月~数年以上忘れません。

【テスト⇒即答できない単語を「英単語⇒日本語訳」×1~5回音読×1日6周×毎日×2ヶ月以上】

3.4.英文法の習得

文法的に理解できなかった英文には★印を付け、和訳・文法解説等を読み、理解します。理解できなかった箇所は、塾の先生や親に聞いて必ず解決します。

そして、一度理解しただけだとすぐ忘れてしまう可能性がありますから、下記の、音読による英文習得時に★印部分は重点的に「和訳+音読」します。

4.英文の習得法

4.1.英文習得のポイント

(1)習得する【英文をスラッシュ訳でスラスラ和訳でき、90%の理解度分速150ワード以上で音読できるようにし、長期記憶に入れる】

 ※スラッシュ訳:3~5ワード前後の意味のまとまりで、前から前から訳す方法。
 ※90%の理解度:英語としてはほぼ完全に理解できる状態。
 ※分速150ワード:300ワードの英文なら2分で読める速度。
 ※長期記憶:数ヶ月~数年以上もつ記憶。いったん暗記してから2ヶ月以上復習すると長期記憶に入る。

(2)習得するための音読法は以下の通り。

【初週「3回口頭和訳⇒5回英文を音読」×7日(35回音読)】⇒【翌週から「1回口頭和訳+5回英文を音読」×週3回(15回音読)×2ヶ月以上】

(3)毎週新規で300ワード分を習得し、2ヶ月以上復習して長期記憶に入れる

 創賢塾では、中学生の全塾生に、毎週新規で300ワード分(≒中3英語教科書1レッスン分)を30回以上音読して習得してもらい、さらにそれを2ヶ月以上復習して合計100回以上音読し、長期記憶に入れてもらっています。

 そうすると、1年で「300ワード×約50英文を習得」することができます。ここまで習得している人はほとんどいないので、英語力・英語の成績は飛躍的に上がります。

4.2.英文音読法

音読の手順は以下になります。

英文音読法

(1)最初の1週間は1文ずつ音読:【「英文を1文ずつ3回スラッシュ訳で口頭で和訳する⇒英文全体終わり⇒1文ずつ5回英文を音読する⇒英文全体」×7日】

 「英文全体を通してスラスラ和訳できる+ゆっくり読めば1回で90%の理解度で英文を音読できる」ようになったら、(2)へ。

(2)次の週は、次の新規の英文に入るのと並行して、既習英文を通して音読:【「英文全体を通して1回口頭和訳⇒英文全体を通して5回英文を音読」×週3回×2ヶ月以上】

 毎週新規で300ワード分を35回音読し、平行して、既習英文を「英文全体を通してスラッシュ訳でスラスラ和訳できる+90%の理解度で分速150ワード以上で音読できる」ようにし、以後も2ヶ月以上復習します。

回数・日数は目安です。人により英文の難易度により、回数は異なります。これで「習得」できなければ回数を増やし、途中でスラスラになれば回数を減らします。

創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい中学生のために【英語長文を得意にする数々の勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】を開催しています。【中学生用:長期勉強法コース・短期セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。

5.英文習得の詳細勉強法

5.1.音読の詳細

英文習得の詳細勉強法

(1)初週:【「1文ずつ3回英文をスラッシュ訳で口頭で和訳する⇒英文全体終わり⇒1文ずつ5回英文を音読する⇒英文全体」×7日】

(1-1)口頭和訳

 ①口頭和訳の目標:スラッシュ訳でスラスラ和訳できるようにする。

 ②口頭和訳も音読も最初は1文ずつ行う:1英文を通して和訳し、最初に戻ってまた訳し、と3回続けても、戻った頃にはほとんど忘れているので上達しにくい。

 それより、1文ずつ行えばすぐにスラスラ和訳できるようになります。音読も同じです。面倒ですが、慣れれば効率はずっと良い。

(1-2)音読

 ①初週の音読の目標:ゆっくり読めば1回で90%の理解度で音読できるようにする。

 ②音読の回数の目安:1日5回。ただし、1日10回など、本当は多い方が英語力は速やかに上がります。

 ③「英文全体を通してスラスラ和訳できる+ゆっくりであれば90%の理解度で音読できる」ようになったら、次の英文に入る。

 これに普通7日ほどかかりますが、3~4日で達成できれば「英文全体を通しての音読」に移って構いません。

(2)次週以後

(2-1)新規英文を全く同様に「口頭和訳+音読」する

(2-2)既習英文の復習:【「英文全体を通して1回口頭和訳⇒英文全体を通して5回音読」×週3日×2ヶ月以上】

 ①口頭和訳:スラスラ訳せる文は1回、スラスラ訳せない文はスラスラ訳せるまで2~3回、口頭和訳します。

 ②音読:2週目以降の音読の目標は、90%の理解度で分速150ワード以上でスラスラ音読できるようにすることです。

 ③2ヶ月以上復習して長期記憶に入れる:いったん習得した後、上記のように2ヶ月以上復習すれば、英文は長期記憶に入り、数ヶ月~数年以上忘れなくなり、入試で使える理解と知識になります。

 ※長期記憶:数ヶ月~数年以上もつ記憶。いったん暗記してから2ヶ月以上復習すると長期記憶に入る。

5.2.口頭和訳の目標:スラッシュ訳でスラスラ和訳できるようにする。

英文を訳せなかったら音読して意味が分かるはずがありません。また、詰まり詰まりしか訳せなければすぐ忘れます。よって、スラスラ和訳できるようにします。

スラッシュ訳で口頭和訳すれば、音読中にスラッシュ訳を頭の中で思い浮かべることができ、意味が明確に分かります。

2週目以降の目標も同じです。スラスラ訳せる状態を維持します。

5.3.口頭和訳の回数の目安

(1)初週の口頭和訳の回数の目安

 目安は1英文3回ですが、スラスラ訳せるまで何回でも訳します。

 また、全体のスラスラ度を等しくするため、各英文により回数は異なります。つまり、簡単な文なら1回、難しい文は4~5回訳します。スラスラ訳せたら次の文へ行きます。

 普通は3~4日で全文スラスラ和訳できるようになります。そうなったら、全体を通して1回ずつ口頭和訳します。

(2)2週間目以降の目安

 スラスラ訳せる文は1回、スラスラ訳せない文はスラスラ訳せるまで2~3回、口頭和訳します。

5.4.音読の目標:90%の理解度で分速150ワード以上で音読できるようにする

(1)初週の音読の目標:ゆっくり読めば1回で90%の理解度で音読できる。

 90%の理解度で音読するには「スラッシュ訳を頭の中ではっきり言う」ことが必要です(詳細は次項)。これで意味をしっかり理解しながら音読できるようになります。

 ※90%の理解度:英語としてはほぼ完全に理解できる状態。

(2)2週目以降の音読の目標:90%の理解度で分速150ワード以上でスラスラ音読できる。

 理解しないで分速150ワードでの音読は簡単にできますが、「90%の理解度で分速150ワード」で音読するには回数が必要です。1ページを通しての音読を「1日5回×7日」ほどかかります(初週から合計70回前後音読)。地道に習熟して下さい。

 ※分速150ワード:300ワードの英文なら2分で読める速度。

5.5.理解しながら音読する方法

英文を音読するとき、「理解しながら音読すること」を意識している人は少ないですが、理解をおろそかにしたら決して「きちんと理解しながら英文を読める」「90%の理解度で英文を理解しながら音読できる」ようにはなりません。

具体的には、以下のように音読します。

【理解しながら音読する方法】

(1)標準方法【英文を読みながら、同時に(あるいは少し遅れて)、スラッシュ訳の日本語訳を頭の中ではっきり言いながら、音読する】

 「日本語訳を頭の中ではっきり言う」とは、頭の中で訳をつぶやくことです。人は誰でも頭の中で独り言を言っています。それを意図的に言うのです。

 「音読しながら、同時に日本語訳を言う」のは今までしたことのない複雑な頭の働かせ方なので、難しいです。最初からそれができない人は、スラッシュ訳の区切りごとに音読を止め、頭の中で日本語訳を言って、また音読を進める、というふうにするとできるようになります。

 ただし、desk(机)のように英語のまま理解できる英単語は、英語のままで構いません。

 以上がスムーズにできるようになったら、イメージを付け加えます。

(2)上級方法:【英文を読みながら、スラッシュ訳の日本語訳を頭の中で言いながら、情景をイメージしながら、音読する】

 「イメージできる=理解できる」ということなので、具体的状況・英単語については絶対にイメージも追加した方が良いです。瞬時に理解できるようになります。

 ただし、イメージは万能ではありません。月、ペン、海岸などの具体的なものはイメージしやすいですが、「理解する、昇華する」などの抽象的な言葉はイメージしづらいので、イメージはあくまでも日本語訳による理解の補助です。

(3)英文を英語のまま理解できる:音読回数が50回を超えると、意識的に日本語訳を頭の中で言わなくても、自動的に日本語訳が出てくるようになり、更に100回を超えると、英語のまま理解できる部分が増えます。

不思議なことに、日本で英語音読をしている人の中で、「英文を理解しながら音読している」人はマレです。なぜなら、どの先生も「理解しながら音読するように言わない」し、「理解しながら音読する方法」を教えてくれないからです。

しかし、理解をおろそかにして英語上達はあり得ないので、きちんと理解しましょう。

意味を理解して音読せよ

著名英語講師・安河内哲也、「上智大学での講演」にて。東洋経済オンライン

(聴講生の英語音読の後)皆さんの音読を聞いていると、意味を考えないでただ声に出しているという感じの人が多いですね。本来文章を読むというのは、「書き手が言わんとする意味をとらえる」という行為ですよね?? 

なのに、表面だけなぞってしまう音読やリピーティング、シャドウイングをする人が多いのです。

音読学習のひとつの大きな目標は、日本語を介在させずに英語の意味を直接とらえることができるようになることです。なのに、意味を考えずに音だけマネしていても、この目標は達成できませんよ

それでは、意味を考えながら、センスグループ(引用者註:3~5ワードの意味のまとまり)ごとにもう一度音読してください。

5.6.音読の回数の目安:1日5回

初週の目安は「1日5回×7日」ですが、全体のスラスラ度を等しくするため、実際には各英文により回数を変えます。つまり、簡単な文は1~3回、難しい文は5~10回前後音読します。きちんと理解しながら音読できたら次の文へ行きます。

2週目以降の目安は「1日5回×週3日×2ヶ月以上」です。これで長期記憶に入り、半年~1年以上忘れなくなり、入試で使える記憶になります。

5.7.音読の時間の目安:1日最短30分

【1日5回音読×7日×週300ワード】に掛かる時間は15分前後です。これに復習の音読を加えると、1日最低30分かかります。よって、毎日30分が音読の最短目標時間です。

そして、【毎日30分×3ヶ月以上】音読を続けると、初見の英文を読んだとき、「前より英文が読める、分かる」という感覚ができます

これが毎日10分や15分だと、この感覚ができるまで6~9ヶ月前後かかるので、効果が実感しにくく、やる気にも影響します。よって毎日30分以上音読した方が良いのです。

【1日5回音読×7日×週300ワード=30分】は最低限の目安であり、1日10~20回、週500ワード以上、1時間以上音読すれば、より劇的に英語の成績が上がります。

5.8.「90%の理解度」を維持して徐々に速く読めるようにする

90%の理解度で音読するには日本語訳を同時に思い浮かべる必要があり、これを最初は丁寧に行います。そうするとゆっくりしか音読できませんが、それで構いません。

「ゆっくり90%の理解度⇒中速度で90%の理解度⇒高速で90%の理解度」のように、90%の理解度を維持しつつ、音読回数を増やして速く読めるようにします。

逆に、理解を犠牲にして先にスピードを上げて音読し、それを続けても、理解度はなかなか高まりません。

「英文を数十回繰り返して読むことが言語の学習では絶対に必要」

「大学入試英語長文ハイパートレーニング レベル1」(安河内哲也著、8ページ)

一つの長文をきちんと勉強してマスターするということは、皆さんが思っているより、ずっとずっと大変なことです。答えが合っていたとか、主語・述語がわかるとか、そのようなことを安易にゴールに設定してはなりません。

常に、英文の内容を音読する速度で、100パーセント完全に理解できることをゴールに学習を進めれば、皆さんの読解力は確実にアップします。一つの英文をマスターする過程では、その英文を数十回繰り返して読むことが言語の学習では絶対に必要です。

6.長期記憶に入れる復習法

6.1.英文習得後の復習の実際

過去問を解き、その中の英語長文を週大問1つ(300ワード分の英文)音読で習得した後、2週間目以後の復習は以下のようにします。時間は長さや英文難易度により異なります。

【英文全体を「1回和訳+5回音読(約15分)」×週3回×2ヶ月以上】

これを続けて、5週間目の勉強内容と時間はだいたい以下のようになります。

【新規で第5番目の英文(300ワード)×「3回口頭和訳+5回音読」(毎日30分)×7日=3.5時間】【1~4英文の英文の復習:1英文15分×週3回×4英文=3時間】

復習時間は、その英文を「スラスラ和訳+音読」を維持できるかどうかで決めます。例えば、1英文を週10回音読すれば維持できる英文は10回で良くて、週10回だとだんだんスラスラ和訳・音読できなくなる英文は15~20回などと回数を増やします。

同じ英文を何週間も復習するので、復習時間はだんだん短くなります。

過去問の英語長文の長さは問題により様々ですが、そのうち300ワード分を毎週音読します。仮に英文が600ワードの場合は、2週間に分けて300ワードずつ音読するか、600ワードを2週間かけて音読します。

6.2.毎週300ワード分の英文を習得し維持する

創賢塾では、中学生には、英語長文全体(英語教科書、英語長文問題集、過去問等)で、毎週300ワード分の英文を習得し維持するよう指導しています(ちなみに、高校生は毎週500ワードです)。

これを続けると、1年生の終わりには「300ワード×50英文」を「習得(スラスラ和訳でき、90%の理解度で分速150ワード以上で音読できる)状態」にでき、2年生の終わりには100英文、3年生の終わりには150~200英文を習得した状態で入試に臨める、ということです。

これは、「一度習得するが、復習せずにどんどん忘れる」という意味ではなく、「一度習得し、以後2ヶ月以上復習して入試まで(もしくは年度の終わりまで)全て習得した状態を維持する」ことを意味しています。

ここまで習得している中学生は5%もいませんから、偏差値は65~70を超えます。初見の英文も普通の中学生よりずっと速く読めますし、習得スピードも格段に速くなり、1時間で過去問300ワード分の英文を習得することもできるようになります。

6.3.習得した英文を2ヶ月以上、入試まで復習する

入試の時点で(もしくは学年の終わりに)、その学年で学んだ英文のほとんどを習得した状態にしておくには、当然復習することが必要です。

基本2~3ヶ月復習してもらうのですが、実際には、テストや行事もあり、2ヶ月続けるのが難しい場合も多いでしょう。

よって、「テスト後復習⇒次のテスト3週間前からはテスト勉強に集中⇒テスト後復習⇒夏休み・冬休み・春休みに集中的に復習」などのように復習します。そうすれば長期記憶に入れられ、学習した全教材を習得した状態で入試を迎えられます。

6.4.習得した英文をルーズリーフにリスト化して管理する

「毎週300ワード分の英文の習得」を3ヶ月も続けると、英文数が10以上になり、どれをいつ復習するかを頭の中だけでは管理しきれなくなります。

そこで、例えば以下のようにルーズリーフにリスト化して管理します。

【○○県公立高校過去問2019年大問4(約300ワード)|8/10~17、音読35回で習得、英単語熟語暗記OK、8/25音読5回で維持OK……】

習得した英文を全てルーズリーフにまとめると、リストを見て、前の日付から3~7日経った英文を復習すればよいと分かります。

6.5.「そんなに復習する時間はない!?」

ここまでお読みになった方の中でこう思う人も多いでしょう。

「そんなに復習する時間はない!」

しかし、それは二重に間違いです。その理由は以下。

(1)「即答」できれば短時間の復習で維持できるから。

 スラスラ和訳・音読できる(英語長文)、即答できる(英単語熟語)ようにしておけば、短時間の復習で維持できます。

 例えば、英文の「和訳+音読」では、300ワードの英文1つ当たり【「15分(1回和訳+5回音読)」×週3回=45分】復習すればスラスラ音読できる状態を維持できます。慣れるにつれ、「45分⇒30分⇒20分⇒10分⇒5分」で維持できるようになります。

 よって、過去問の英語長文の和訳・音読は、「スラスラ訳せる・90%の理解度で音読できる」ようにし、英単語熟語は英語から日本語訳を即答できるようにし、文法問題も即答できるようにします。

(2)復習しなければ忘れるから。

 復習しなければ、1ヶ月もたてば半分以上忘れ、3ヶ月でほぼ全部忘れます。そうしたら勉強した時間がほぼ全てムダになります。「復習しない勉強はしないのと同じ」なのです。

 そうやってあなたは過去に苦い思いをしたことはありませんか。

 こういう勉強法を「覚えては忘れ、覚えては忘れる勉強法」と創賢塾では言っています。これでは勉強時間の割に英語力・偏差値は上がりません。

 よって、時間がかかろうが、復習するしかないのです。

6.6.「先に進むより、復習を重視せよ」

復習するしかないのですから、創賢塾では、「先に進むより、復習を重視する」ように生徒には言っています。

そして、途中で復習が追いつかなくなったら、1~2週間は復習に専念して構いません

過去問の英語長文の勉強を続けていくと、当然、復習すべき英文・英単語熟語の量がどんどん増えていきます。勉強時間を増やさない限り、新規で300ワードの英文を習得し続けるのはだんだん苦しくなります。

その場合、新規の分量を減らすか、1~2週間は復習に専念して、いったん完全に習得したら(⇒復習時間が激減する)、また新規の長文の習得を再開すると良い。とにかく前の部分の忘却を防ぐのが大事です。

7.最後に:合格したかったら過去問を長期記憶に入れよ!

ここまで長い文章を読んでいただき、ありがとうございました。

志望校に合格するには、長期記憶に入れる勉強法を実践し、過去問を問題集として解きまくり、習得しまくることが役立ちます。

合格したかったら、過去問をガンガン習得しましょう。

創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい中学生のために【英語の成績を飛躍させる勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】を開催しています。【中学生用:長期勉強法コース・短期セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。

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