勉強法(1-4)「DUO3.0」の英文を70時間で暗記する方法

大学受験に必要な英単語・英熟語を自習ではなかなか覚えられない高校生へ

このページはあなたのためのものです。

このページで、日本で最も有名な英単語集の一つである「DUO3.0」を記憶する方法をお教えします。

瞬間英作文を使えば、あなたも、2600英単熟語が含まれる560本の英文を約70時間で完全記憶できます

※このページは高校生用です。大学生・大人の方用のDUO3.0のページはこちらです。

1.「DUO3.0

1.1.「DUO3.0」とは

DUO3.0」(アイシーピー)とは日本で最も売れている圧縮例文型英単語熟語集です。

DUO(デュオ)では、平均12ワードの560英文の中に、大学受験に必須の1600英単語+1000英熟語が含まれており、大変効率的に英単語・熟語を暗記することができます。

1.2.到達語彙レベル

DUOは、収録語彙を全て暗記すれば、9000語レベル(大学入試偏差値65、TOEIC780点、英検準1級、TOEFL90点程度)になります。

DUOには、見出し語約2600単熟語、派生語・関連語約2200単熟語、同意語・反意語約3100単熟語が載っています。大学受験生は2600単熟語でも覚えるのは大変なので、まずは見出し語2600単熟語を、次に、難関大学・超難関大学受験生は派生語・関連語2200単熟語も暗記すると良いでしょう。

同意語・反意語3100単熟語については、もちろん暗記すれば大きな力になりますが、これを暗記するより、他の上級単語集の単塾語を暗記する方が効率が良いでしょう。その方が出る確率が高いからです。

※上級単語集:「鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁」(角川学芸出版)、「単語王2202」(中澤一著、オー・メソッド出版)、「話題別英単語リンガメタリカ」(中澤幸夫著、Z会)など。

東大の場合、単語はDUOで十分です。

東大理一合格 M.K.さん

(DUOを)オススメの理由:覚えやすく忘れにくい英単語熟語帳だからです。

評価:例文を暗記するだけで、かなりの単語・熟語力の向上につながります。正直、東大の場合は難解な単語はあまり要求されず、これ1冊覚えれば十分です。

1.3.DUOの多大な効果

瞬間英作文という英文暗記法を使えば、DUOの560英文全てを、70時間前後で暗記することができます。また平行してシャドーイング、リスニングをすれば、以下のような能力アップが見込めます。

①語彙力:560英文全てをスラスラ訳せて、英作文できるようになるので、2600単語・熟語全てを暗記できます。

②和訳力:560英文をスラスラ訳せるようになるので、和訳力がアップします。

③リーディング能力:英文をスラスラ音読できて、スラスラ意味が分かるようになるので、リーディング能力がアップします。

④英作文力:英文を暗記し、日本語から英語を瞬間的に言えるようになるので、英作文力・英会話力がアップします。

DUOだけで東大英作文もOK

(東大生みおりんさん)

わたしはDUOだけで、東大の英作文も完全に対応できました。

⑤英文法力:560英文中には大学入試に必要な文法・構文の多くが含まれ、その英文を暗記できるので、英文法力もアップします。

⑥リスニング能力:音読してスラスラ意味が分かる状態にしたあと、シャドーイングとリスニングをすれば、すぐに、聴いてスラスラ意味が分かる状態になります。

一つの教材で、ここまで万能の効果を短期間で達成できる教材は他になかなかありません。ぜひDUOを暗記してください。

瞬間英作文の効果

(「英語上達完全マップ」森沢洋介著、ベレ出版、92ページ)

(瞬間英作文の)最も目立った効果は英語が話せるようになるということですが、それ以外にもリスニング読解力も向上します。自在に使える構文、フレーズが多いということは、英語力全体を底上げしてくれるのです。

DUOの瞬間英作文でリーディング能力も伸びる

DUOと瞬間英作文 ツウさん(TOEIC925)

瞬間英作文は、前から英文を作っていくことになるので「返り読み」を矯正する効果があり、また、トレーニングの過程で英文を音読することになるので、リーディング力も伸びていきます。DUOでのトレーニングをやってから、あらゆるジャンルの英文が読みやすくなりました。

1.4.DUOを暗記する時期

DUOは内容が濃いので、最初の英単語集として使うのはオススメしません。知らない単語・熟語が多くて難しく感じ、途中で挫折しやすいからです。できるだけ、以下のような英単語集を1冊暗記したあとに使うのがオススメです。

システム英単語」(駿台)
英単語ターゲット1900」(旺文社)
鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁」(角川学芸出版)
データベース4500完成英単語・熟語」(桐原書店)
速読英単語1必修編」(Z会)
夢をかなえる英単語 新ユメタン1 大学合格必須レベル」(木村達哉著、アルク)
キクタンBasic4000」「キクタンAdvanced6000」(アルク)
英単語共通テスト1800」(高橋潔著、東進)

また、英文を読んで文法的に意味が分からない英文が2割以上ある場合は、DUOと平行して、英文法問題集を10周して暗記しましょう。

安河内の新英語をはじめからていねいに1&2」(安河内哲也著、東進)
大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】&【英語長文編】」(大岩秀樹著、東進)
大学入試 肘井学の 読解のための英文法が面白いほどわかる本」(肘井学著、角川)
今井の英文法教室 上下」(今井 宏著、東進)
渡辺の基礎から受験までとことんわかる英文法 上下」(渡辺勝彦著、東進)

1.5.DUOの利点

単語もそうですが、特に熟語は、単体で覚えても使い方が分からないので、例文ごと暗記する必要があります。

この用途に、DUOは非常に適しています。なぜなら、通常の英熟語集では、1000英熟語に対して1000例文なので、とても覚えられないからです。DUOなら、2600英単語・熟語に対して560例文なので、すさまじく効率的です。

DUOの威力

たまさん 早稲田大学 社会科学学部

僕は2つの単語帳(DUO3.0とシステム英単語)を使った結果、入試英文の使われている英単語で意味がわからない単語はほとんどありませんでした。

「ここまで具体的に暗記方法を教えてもらえることはなかった」

Yさん(会社員、茨城県)

英単語暗記自宅セミナー受講
使用英単語集:「DUO3.0
記憶した英文:210本
記憶した英単語数:964語
かかった日数・時間:21日間、42時間

英語学習のやり直しをしている社会人です。語彙力向上の必要性を感じ、「DUO3.0」の暗記方法を探していたところ、創賢塾のホームページを拝見し、こちらであれば効率的に暗記できると感じ、申し込みしました。

実際に受講をして、音読の回数、復習の仕方等細かくご指導いただきました。Skype受講の都度、私の暗記状況ややり方を確認、軌道修正いただきましたので、迷いなく暗記に取り組めました。

学生時代を振り返ってみますと、ここまで具体的に暗記方法を教えてもらえることはなかったので、とても貴重な機会となりました。

暗記には回数を重ね、復習を繰り返すこと、覚えられない単語はノートにまとめる等、言われてみれば必要と思う事も、これまで実践していなかったやり方ばかりで、目から鱗でした。自分自身の暗記が苦手だった理由がはっきりと理解することができました。

こちらのセミナーは学生の方、大人の方、どの世代の方にも強くお勧めできる内容になっていると思います。

創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい高校生・英語学習者のために【英単語帳1冊を全部暗記する3ヶ月自宅集中セミナー】【1000英単語を暗記する1ヶ月自宅集中セミナー】を開催しています。【高校生用:講座・セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。

2.DUOの5つの勉強法

DUOには、目的によって、以下の5つの勉強法があります。

2.1.和訳力アップ by 口頭和訳(約30時間)

DUOで和訳力を上げるには、全英文をスラスラ和訳できるようにすれば良い。そのためには、口頭和訳(口頭で和訳すること)を、例えば以下のようにすればOKです。

【1日30分で30英文を3回ずつ口頭和訳⇒10日で300英文⇒300英文を10周⇒残りの260英文を10周】

3~4周して、ある程度和訳できるようになって復習をやめたら、すぐに忘れてしまいます。まだ長期記憶に入っていないからです。そうではなく、7~10周して、スラスラ和訳できるまで続けます。「スラスラ」が長期記憶に入った目印です。そこまで繰り返すと、数ヶ月~数年以上記憶がもちます。

スラスラ訳せるようにすることで、英単語・熟語の意味も暗記できます。

560英文を全てスラスラ訳せるようにするのにかかる時間は、現状の英語力・語彙力にもよりますが、英語偏差値55の高校2年生で、約30時間です。英語が得意な生徒であれば20時間で可能でしょう。

2.2.英文読解力アップ by 音読・暗唱(約60時間)

DUOで英文読解力を伸ばすには、英文を音読してスラスラ意味が分かり、また暗唱できるようにすれば良い。具体的には、例えば以下のようにすればOKです。

【1文を10回音読⇒「1日30分で30英文を音読」×7日で30英文暗記⇒次の30英文暗記⇒最後まで】

だんだん速く読めるので、暗記にかかる時間は、約60時間です。

ただ、これは暗唱を目的に勉強するより、瞬間英作文で英文を暗記すれば、付随的にできるようになり、効果も高く、時間も節約できます。

2.3.英作文力アップ by 瞬間英作文(約70時間)

DUOを使うなら、英文の日本語訳から英文を瞬間的に言えるようにするのが、最も時間対効果が高くなります(=同じ勉強時間で最も効果が高い)。

英文暗記には瞬間英作文という記憶法が大変効率的です。瞬間英作文を使って暗記すれば、日本語から英語を言えるだけでなく、英語から日本語を言える、英文を暗記できる、音読してスラスラ意味が分かるようになるので、英作文力・和訳力・英単熟語力・読解力がアップします。

英文をスラスラ訳せるようにし、暗唱でき、英作文できるまでかかる時間は、現状の英語力・語彙力にもよりますが、英語偏差値55の高校2年生で、約70時間です(具体的暗記法は以下に)。

2.4.語彙力アップ by クイック・レスポンス法(約60時間)

DUOの見出し語全2600英単熟語を、英文ではなく一つ一つ単体で暗記することもできます。2600英単熟語のうち、3割知っていた場合、残りの1800ワードを、効率的な記憶法であるクイック・レスポンス法で、150時間前後かかります。

ただ、単語・熟語を単体で覚えるなら、DUOを使う必要性はありません。「英単語ターゲット1900」「英熟語ターゲット1000」(旺文社)、「システム英単語」(駿台)のような羅列型の語彙集で十分です。

よって、DUOは、最初から単語・熟語を単体で暗記するのではなく、英文ごと暗記したあと、2つ目、3つ目の日本語訳を暗記するためにクイック・レスポンス法で暗記するのがオススメです。これにかかる時間は約60時間です(英文暗記と合わせて約130時間)。

2.5.リスニング能力アップ by シャドーイング&リスニング(約30時間)

これは(2)音読・暗唱または(3)瞬間英作文のあとで行うと、意味が分かって音読できているので、簡単に聴けるようになります。聴くときは、リスニングだけでなくシャドーイング(聴きながら発音するトレーニング)も行うと、リスニングだけより効果的です。

瞬間英作文で英文を暗記してたあと、聴いて意味がスラスラ理解できるまで、約30時間です(瞬間英作文と合わせると約100時間)。

2.6.大学受験生に最適なDUO勉強法

以上をもとに、創賢塾が考える、最も短期間で英単語・英熟語を覚えられ、かつ英語力が上がる勉強法と順番を書くと、以下のようになります。

最適なDUOの勉強法とその順序

(1)瞬間英作文で英文暗記(約70時間):英文をスラスラ訳せて、日本語から英文を瞬間的に言えるようにする(瞬間英作文)。

(2)リスニング(約30時間):全ての英文を、聴いて意味がスラスラ分かるようにする。

(3)英単語・熟語を暗記(約60時間):英文に入っていない英単語・熟語の意味をクイック・レスポンス法で覚える。

以下ではそれぞれの暗記法について具体的に書いていきます。

3.DUOの560英文を瞬間英作文で暗記する(約70時間)

3.1.DUOの英文を瞬間英作文で暗記する際の達成目標

(1)和訳:英文をスラスラ訳せるようにする。

(2)音読:英文をスラスラ音読して意味が即座に分かるようにする。

(3)単語・熟語暗記:英文に入っている単語・熟語の意味を、個別にスラスラ言える。

(4)暗記・暗唱:英文を暗唱できるようにする。

(5)瞬間英作文:日本語から英語を瞬間的に言えるようにする。

以上を瞬間英作文で達成する方法を以下で書いていきます。

3.2.DUOの英文を瞬間英作文で完全暗記する方法

DUOの英文は560本で、一気に覚えるには多すぎます。よって、半分(280本)か3分の1(約190本)くらいを1セットにして、セットごとに暗記していくのが適切です。最初は1セット100英文でも構いません。

以下では280英文を1日1時間、約35日で10周して完全暗記していくやり方を解説していきます。

複雑に見えるかもしれませんが、やることは単純で、基本的には【音読⇒暗唱⇒瞬間英作文】をしていくだけです。

DUOの全560英文を瞬間英作文で完全暗記する方法

【(1)英文を理解⇒(2)日本語訳を3回音読⇒(3)口頭和訳3回⇒(4)音読・暗唱⇒(5)瞬間英作文】

(1)英文を文法的に完全に理解する

文法的に理解できていない英文を覚えても応用が利かないので、文法的に完全に理解します。文法が分からなければ、文法書で調べるなどして理解します。

(2)日本語訳を3回音読する

これは訳を覚えるためと、日本語で意味をしっかり理解するためです。

(3)スラッシュ訳で3回口頭和訳する

スラッシュ訳で3回前後口頭和訳すると、スラスラ訳せるようになります。

※スラッシュ訳:3~5ワード前後の意味のまとまりごとに、前から前から口頭で和訳する方法。

(4)音読・暗唱する

ここから瞬間英作文の本番です。5~10回前後、英文を音読して、詰まらずにスムーズに言えるようにします。頭でやっと覚えただけだとすぐ忘れるので、口で覚えるまで音読します。そして、暗唱できると思ったらテキストから目を離して暗唱します。言えたら瞬間英作文へ進み、言えなかったら再度音読・暗唱します。

(5)瞬間英作文

ここは狭義の瞬間英作文です。日本語訳を見て、英語を言います。目標は「日本語を見たら瞬間的に英文が口をついて出てくる状態」です。瞬間的に言えたら次の英文へ。言えなかったら、言えるまで「音読・暗唱・瞬間英作文」をします。

以上(1)~(5)を1英文あたり1~2分で終えるようにします。特に2周目以降は1英文1分で終えられるようにします。サッサと進めます。

(6)次々進め、その日の分を2周する

1日1時間であれば、40分で進めるだけ進み、残りの20分で2周目をします。2周目は「(5)瞬間英作文」だけを行います。瞬間的に英作文できなければ「(4)音読・暗唱⇒(5)瞬間英作文」を行います。

1日に2周した方が記憶に残りやすいですが、時間がない場合は1周でも構いません。

(7)翌日以降、先へ先へ進め、14日以内に復習に入る

10~14日間は先へ先へ進めます。14日以上たつと急速に忘れていくので、14日を限度に、復習に入ります。1日20英文覚えたとして、14日で280英文、ちょうど半分になります。

(8)2周目【瞬間英作文⇒口頭和訳】

2周目以降、(1)~(4)は飛ばして「(5)瞬間英作文」を最初に行います。瞬間英作文がスムーズにできなければ、「(4)音読・暗唱⇒(5)瞬間英作文」を行います。

瞬間英作文ができたら、(3)口頭和訳(1~3回)を行って、スラスラ訳せる状態にします。復習のたびにこれを行えば、4~5周でスラスラ口頭和訳できるようになります。

(9)10周する(35時間前後)

1セット目280英文の瞬間英作文は10周まで行います。5~6周目から加速度的に覚えていき、覚えるのが楽になります。常識になった英文は外していきます。10周まで行くと、ほとんどの人で全英文を瞬間的に言えるようになります。

(10)第2セット(後半)を瞬間英作文する

全く同じように進めていきます。後半を終えるのも30~40時間なので、全体で70時間前後で終えられます。この後は(11)復習(12)リスニングを続けながら、単語・熟語暗記に入ります。

(11)全体を更に10周する

人間は忘れる生き物なので、その後も週2周程度復習を続けていきます。10周していればもう完全に暗記しているので、560英文の瞬間英作文も合計1時間以内に終わります。

口頭和訳も週2回行います。

(12)リスニング

英文を音読するとき、正しい発音でする方が良いので、DUOを暗記し始めた当初から、毎日10~30分、リスニングしていくことをオススメします。リスニングの仕方は以下に。

以上、やることが多いように見えますが、同じことの繰り返しなので、1週間で慣れます。約70時間で560英文を完全暗記できます。ぜひトライしてみてください。

3.3.かかる時間

(1)初回にかかる時間

初回は文法的に理解する必要があるので、どうしても時間がかかります。どのくらいかかるかは、その時点での文法力、英語力次第です。文法的に理解できれば、あとは英単語・熟語の意味は載っているので、理解は簡単です。

1英文あたり、初回は2分、2回目以降は1分で終えるのが標準時間です。時間配分としては、1時間勉強するとして、40分で20英文進め、残り20分で同じ20英文の2回目の瞬間英作文をします。

(2)復習のたびに時間は短くなる

2周目は1周目の6割前後の時間で、3周目は2周目の6割前後の時間で進められます。こうしてどんどん短い時間で1周できていきます。

(3)280英文を10周するのにかかる時間=35時間前後

【1回目14日14時間+2回目8日8時間+3回目5日5時間+4回目3日3時間+5回目2日2時間+……10周目10分≒35日35時間】

瞬間英作文のテキストは10回復習する

(「英語上達完全マップ」森沢洋介著、ベレ出版、112ページ)

学習の中でもトレーニング性の高いものは必ず同一のテキストを何度か繰り返します。これを、サイクルを回すと言います。……

サイクルトレーニングの特長は、サイクル数が増すにつれトレーニングの負荷が減っていくということです。何度も繰り返す、と聞いただけでうんざりとした顔をする人がいますが、実際にはトレーニングはどんどん容易にかつ快適になっていくのです。

(瞬間英作文で)サイクルを回していると、5~6回目からスムーズに短文が口から出てくるようになりますが、ここですぐにサイクル回しを止めないで下さい。たやすくできることを楽に繰り返すことにより「熟成」が起こり、深い刷り込みが起こるのです。……

サイクルは楽になってからさらに4~5回回すのが標準です。つまり10回くらいは回すことになりますね。

3.4.スラッシュ訳

(1)スラッシュ訳とは

スラッシュ訳とは、スラッシュ・リーディング、フレーズ・リーディングとも言われ、また英語通訳の訓練法であるサイト・トランスレーションとしても知られています。これは英語速読するには必須の読み方・訳し方です。

具体的には、3~5ワード前後の意味のまとまりごとに、前から前から、返り読みせず訳して(読んで)いきます。

(2)スラッシュ訳のやり方

以下のような感じです。

Since I was in a hurry, I put my gloves on inside out by mistake.
Since I was in a hurry, / I put my gloves on / inside out / by mistake.
私は急いでいたので、 /   私は手袋を付けた  /  裏返しに /   間違えて
(通常訳:私は急いでいたので、手袋を間違えて裏返しにはめてしまった。)

上記のように、意味のまとまりごとに訳していく方法をスラッシュ訳と言い、意味のまとまりごとに理解しながら英文を読んでいく方法をスラッシュ・リーディングと言います。

要するにスラッシュ・リーディングとはアメリカ人やイギリス人のような英語ネイティブの人の読み方なわけです。ほとんどの日本人英語学習者は「返り読み」(漢文のように、後置修飾語句などを先に訳し、前置の動詞などを後で訳し、読む方法)をしていますが、返り読みをしているうちは英文速読はできません。

(3)スラッシュ訳の利点

スラッシュ訳をマスターすれば、英語を、英語の語順のまま、返り読みせずに読めるようになるので、英文速読が可能になります。

また、これはリスニングでは必殺技とも言えるほど威力を発揮します。というのも、音声は消えていくので、聞こえた順番に理解できないと理解が追いつかないからです。

(4)瞬間英作文でスラッシュ訳の口頭和訳をする理由

通常、瞬間英作文ではスラッシュ訳まではせず、英文を暗記し、日本語から英語を言う(英作文)トレーニングに特化します。

しかし、大学受験生の第一目的は、英作文ではなく、英語長文読解力なので、瞬間英作文の中で口頭和訳を多めにするのがオススメです。スラッシュ訳で口頭和訳をスラスラできるようになれば、英語長文読解力が飛躍的に上がります。

(5)スラッシュ訳の載っている教材

最近では、例えば以下のように、英文解釈書・英語長文問題集・教科書ガイドにもスラッシュ訳が載っているものが増えています。良い傾向です。

「入門英文解釈の技術70」シリーズ(桐原書店)
「英語長文ハイパートレーニング」シリーズ(安河内哲也著、桐原書店)
「イチから鍛える英語長文700」シリーズ(内川貴司,武藤一也著、学研)
「教科書ガイド 啓林館版 エレメント English CommunicationⅠ」(文研出版)

3.4.音声は必ず聴く

英文は正しい発音で暗記する方が良いので、音声を聴くのは必須です。瞬間英作文の前後に、必ずCDを聴きましょう。

瞬間英作文は最も効果が高い英語勉強法

瞬間英作文について ツウさん(TOEIC925)

今まで約5500時間英語を勉強してきて痛感していることなのですが、「英文をただ読む」「英語から日本語に訳す」「英単語を見て日本語訳を言う」トレーニングだけでは効果が薄く、実りも少ないです。

例えるなら、フランス料理のフルコースを食べに来て、前菜だけ食べて帰るくらいモッタイナイ。

瞬間英作文の効果を知ってしまうと、「英文を精読して読む」トレーニングだけでは、英文を2~3割しか吟味できていない感覚があります。ものすごく不完全な感じ。

4.DUOを聴いてスラスラ意味が分かるようにする(約30時間)

4.1.リスニングをする

入試にリスニングがあれば必ず、無くても、できるだけリスニングはしましょう。言語はもともと音なので、正しい音声を聴いて発音するということが非常に重要だからです。

また、リスニングは隙間時間(電車・自動車・自転車・散歩・勉強の合間)にできるという利点もあります。

4.2.シャドーイング・リスニング

上記の瞬間英作文の途中から、時間を取れるときにシャドーイング・リスニングをしていきます。

シャドーイングとは、【テキストを見ながら、音声を聴きながら、音声に少し遅れて、音声をまねて発音する】トレーニングです。慣れたら、テキストを見ないでシャドーイングします。

シャドーイングはリスニングだけするときより、リスニング(聞いて理解すること)に多大な効果があります。それは、リスニングだと10~15分も聴いているとたいてい集中が欠け、「聞き流し」になってしまいがちになるのに対して、シャドーイングはきちんと聴かないと発音できないので、集中が続きやすいからです。

シャドーイングについては詳しくはこちらで解説しています。

4.3.回数の目安:30回

現状のリスニング能力や音読の経験量にもよりますが、【シャドーイング15回⇒リスニング15回】で、ある程度、聴いて意味が分かり、すらすらシャドーイングできるようになります。

逆に言えば、「聴いてスラスラ意味が分かり、すらすらシャドーイングできる状態」になるまで、シャドーイング、リスニングを続けます。

長期記憶は繰り返しによる刷り込みの結果起こる

(「英語上達完全マップ」森沢洋介著、ベレ出版、93ページ)

外国語の駆使能力を身につけようとする場合、意識的なゴリゴリ暗記は禁物です。なにごとも一回で強引に暗記しようとしないことです。こうした記憶はいわゆる短期記憶、中期記憶で、学校のテストでは有効であったかもしれませんが、外国語を自由に操る力をつけるためにはほとんど役に立ちません。

なぜなら、外国語を駆使するための基盤としての文法、構文、語彙は永久に忘れず、瞬時にアクセスできる長期記憶としてストックされなければならないからです。

この長期記憶はごりごりした暗記ではなく、自分の名前、家族や友人の顔、学校や仕事場への道順の記憶などと同じように、繰り返しによる刷り込みの結果起こるのです。

5.DUOの全2600英単熟語の意味を暗記する(約60時間)

5.1.複数の意味を暗記する必要性

瞬間英作文やリスニングを繰り返すことで、DUOに収録されている2600英単熟語の1つの意味は暗記できます。ただ、特に単語には、多くの場合2つ以上の意味があり、入試にはそれも必要になります。

よって、英文を暗記したあと、単熟語の意味を個別に暗記していきます。

5.2.クイック・レスポンス法

単熟語の暗記は、クイック・レスポンス法で行います。これは音読で「英単語-日本語訳」を素速く反射的に(クイック・レスポンス)言えるようにする記憶法です。クイック・レスポンス法についてはこちらで解説しています。

【音読だけで本当に1週間で100語暗記できました】

Oさん(68歳社会人、東京都)

英単語暗記自宅セミナー受講
使用英単語集:「DUO3.0
記憶した英単語数:200。
かかった日数・時間:実質14日、7時間。

私の場合、途中で仕事の関係で一週間以上勉強ができない日ができたりして苦労しましたが、それでも、実質2週間で分からない単語200語を暗記できました。

はじめは音読で暗記できるとは思えず、いちいち書いて暗記しながら音読していたので時間がかかりましたが、先生から速く読むだけで良いと指導を受けそのようにやってみたら、音読だけで本当に1週間で100語暗記できました

創賢塾の復習は、詳細までとても合理的にできていて、教えられた通り復習していけば、確かに全てを長期記憶に入れられると思います。

今後もこの方式で単語をマスターしてから、例文暗記に取り組むつもりです。

5.3.期間

2600英単熟語の暗記にかかる期間は、個人差が大きいですが、DUOの560英文を和訳・英訳ともスラスラ言える状態であれば、約60時間で完全暗記できます。

大切なことは軽めに何度も繰り返す

(「英語上達完全マップ」森沢洋介著、ベレ出版、107ページ)

学習の中でもトレーニング性の高いものは必ず同一のテキストを何度か繰り返します。これを、サイクルを回すと言います。文法であれ、構文であれ、語彙であれ、英語を駆使するためには瞬間的に記憶から取り出し(アクセスして)、自由に使いこなせることが必要です。

このような反射的で融通性に富んだ知識は、試験勉強のような一回限りのゴリゴリした暗記では獲得することができません。 大切なことは軽めに何度も繰り返すということです。これを行うことによって、知識が深く確実に刷り込まれ、使いこなすことのできる技術(スキル)に変化するのです。

6.2600英単熟語以外の語彙を暗記する

DUOの英文と見出し語2600英単語・熟語を暗記したあとは、派生語・関連語の約2200単熟語を、同じくクイック・レスポンス法で覚えていきましょう。

7.終わりに

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

皆さんの健闘を祈ります。

創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい高校生・英語学習者のために【英単語帳1冊を全部暗記する3ヶ月自宅集中セミナー】【1000英単語を暗記する1ヶ月自宅集中セミナー】を開催しています。【高校生用:講座・セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。

【モチベーションが保てるのが良かった】

Nさん(30代社会人、アメリカ在住)

英単語暗記自宅セミナー受講
使用英単語集:「DUO3.0
記憶した英単語数:800。
かかった日数・時間:28日、30時間。

海外赴任を機に英語の学び直しの必要があり、英単語の記憶をまず始めようと受講を決意。 Skypeでやりとりするので、海外にいても簡単に受講することができてよかった。

暗記は1日に200語を目標として、毎日1時間、時間を確保した。 音読での記憶法のため飽きずに進めることができ、80%〜90%は記憶することができた。

おおよそ週に一度、記憶方法の確認や記憶法の伝授もあり、新しい知識を得ることができる+しっかりやらなければというモチベーションを保つ為に非常に良い時間となった。

やっていての不明点も週一で確認でき、不明点をなくした上で対応することができた。(実際に不明点はそこまで多くなかったが)

単語の記憶は飽きやすい、つまらないと非常にモチベーションを保つのが難しいが、 飽きずに進められる(かつ、しっかり暗記できる)勉強法とモチベーションを保つレッスンが付いていたので、やり切ることができた。 今後も同様の暗記法で、頑張っていきたいと思う。

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