このページでは、英検準1級に合格している(あるいは合格レベルの)小学生・中学生・高校生・大学生・大人の方が、ほぼ独学で、英語力全体を効率的に上げながら英検1級に合格したいとき、どういう教材を使い、どうやって勉強していったらよいかを書いていきます。
目次
1.英検1級
1.1.英検1級(大学上級レベル)の試験内容
(1)一次試験
①筆記:リーディングテスト(マーク式)
②筆記:ライティングテスト(記述式)
③リスニングテスト(マーク式)
(2)二次試験:面接:スピーキングテスト(受験者1 対 面接委員2で約10分)
1.2.英検1級の勉強
英検1級で必要になる勉強内容は、英文法、英単語熟語、リーディング(長文読解)、リスニング、ライティング(英英要約・意見陳述)、スピーキング(英会話)です。
以下では、それぞれの勉強内容・推薦教材・勉強法・習得法を書いていきます。
2.全体方針
2.1.優先分野
(1)正答率の低い順:過去問を1~2回分、時間通りに解いて、正答率を出します。
英検1級合格には7割程度の正答率が必要とされていますから、正答率が7~8割以下の分野について、正答率が低い順に優先的に勉強していきます。
(2)英単語熟語暗記:英検1級では語彙(英単語熟語)とライティングが重要です。
ご存じの通り、語彙問題や長文問題をはじめ、英検1級の語彙は難しいです。過去問を解いて、語彙に問題が大きいと判断した場合、定番の「英検1級 でる順パス単」(旺文社)を最低7割程度暗記するまでは、英語の勉強時間の3~4割以上を英単語熟語に使うのがオススメです。
(3)ライティング対策:ライティングは、しっかり対策すれば他のパートよりはスコアが上がりやすい、一番、時間効率が良いパートです。
よって、最初からライティング問題をしっかり分析し、対策を立て、実行するのが良いでしょう。
2.2.英語脳を創る
英検1級のリスニングやリーディングでは、英語のまま読める、英語のまま聴けるようにすること、つまり英語脳を創っていくことが非常に重要です。そうすることで、英文を速く読めるようになり、速い音声を聴き取れるようになります。
英語脳を創るには、音読が非常に役立ちます。よって、できるだけ、リーディング教材、リスニング教材を毎日1時間以上音読するのがオススメです。
2.3.全体方針
(1)英検攻略本:英検1級は、英検専用の対策をしないと受かりにくいので、英検1級に何度も落ちている方、過去問を解いて正答率が4~5割以下の方、もしくは正答率が4~5割以下の分野については、できるだけ、英検1級攻略本に取り組むのがオススメです。
攻略本を読み、英検1級の各分野の攻略法を知り、それらを自分でもまとめ、それを基に何度も問題を解いて攻略法を体得していきます。
※購入する際は、2024年からの英検リニューアルに対応していることを確認してください。
「DAILY31日間 英検1級 集中ゼミ」(旺文社)
「英検1級総合対策教本」(旺文社)
(2)現状と対策を分析する:過去問と英検1級攻略本を習得しつつ(詳細は下記)、今の自分が英検1級に合格するために何が足りないか、対策はどうすれば良いかを分析し、過去問・攻略本まとめ帳に、「各パートの自己採点の点数、感想、英文難易度・英単語熟語難易度・英文法理解度、間違えた原因、リーディング・ライティング・リスニングの自分の問題点、対策」などを書きます。
【例:〇〇年1回目過去問ライティング|(要約)自己採点60%、5割くらいは解答とほぼ同じ、<対策>模範解答の分析をする、パラフレーズができないので、ChatGPTに聞きながら週3回書く、日本語要約を週3回書く、(意見陳述)添削してもらい、採点45%、文法ミス3箇所、表現がおかしい5箇所、スペルミス2箇所。<対策>毎日30分書く、文章構成のフォーマットを作り、それで書く、模範解答を週2つ暗記、「英検1級ライティング完全制覇」で表現を毎日20分、1ページ音読して暗記。】
(3)長期計画表を書く:3ヶ月程度の長期計画表に、各テキストごと・勉強内容ごとの3ヶ月間の達成目標を、各週ごとに書きます。
【例:「DAILY31日間 英検1級 集中ゼミ」|毎日1時間×7日で2章分を解いて習得、攻略法まとめる|8/1の週に1~2章解いて習得、攻略法まとめる|8/8の週に3~4章~~】
(4)週間計画表を毎週書く:週間計画表に、テキスト毎に、毎日の勉強内容・勉強時間の予定を書き、毎日、結果も記入していきます。
(5)長期計画表の改訂:月末などに、勉強内容・進捗を振り返り、課題と対策を書き、長期計画表を現状に合わせて改訂していきます。
3.英検1級攻略本
3.1.攻略本習得法
【「英検1級攻略本」習得法】
(1)攻略法のマイルール
①まとめる:攻略法を読み、問題を解き、解答解説を読み、1章分が終わったら、本の攻略法を参考に攻略法のマイルールをファイル(エクセル・ワード・マインドマップ)やルーズリーフにまとめ、頭に入れます。
②攻略法:ここで”攻略法”とは、各分野の問題を解くときの注意点・注目点、素速く解くのに必要な読み方・解き方・聴き方・書き方、各分野の英語力の高め方などの勉強法や、各分野の勉強時間・教材・勉強法・復習周期・習得期間などの、合格までの明確なロードマップのことです。
攻略本や様々な英検指導者の攻略法を参考に、自信の持てる攻略法を作れるかどうかが、英検1級の合否を分けると言っても過言ではありません。
③習熟する:過去問や他の英検1級教材を解きながら、攻略法のマイルールを磨き上げ続け、最終的に本番で、無意識的にマイルールを実行できるまで習熟します。
以下、各分野の習得法を書きます。
(2)語彙問題習得法
①「英検1級 でる順パス単」をまだ暗記していない場合:先に全て暗記してから、語彙問題の英単語熟語を覚えます。
②「英検1級 でる順パス単」を全部暗記している場合:間違えた問題の正解肢(正解の選択肢)の英単語熟語は全て自作英単語帳にまとめ、暗記します。
間違えた問題の誤答肢(正解でない選択肢)の英単語熟語は、「英検準1級 でる順パス単」「英検1級 でる順パス単」で調べて載っていたら自作英単語帳にまとめ、暗記します。もしくは【英辞郎】で調べて※レベル12までであれば覚えます。
※レベル12:英語で有名な出版社アルクが独自に選定した、よく使われる英単語12000ワードを有用度順・頻度順に並べた英単語リスト(SVL12000)のレベル12は11001~12000ワードレベル。
③本番で語彙問題を全問正解したい場合:「英検1級 でる順パス単」の暗記後、以下のような語彙問題に強い英単語熟語集を先に暗記します。誤答肢の暗記はその後です。
「英検1級単熟語EX」(ジャパンタイムズ出版)
「究極の英単語Vol. 4 超上級の3000語」(アルク)
「英検1級でた単」アプリ(下記参照)
(3)英語長文問題習得法
①精読:解いた後、解答解説・日本語訳を見て、意味が分からなかった英単語熟語、文法的に理解できなかった箇所に印を付け、全て理解します。
②英単語熟語:英文中の、意味が分からなかった、見知っている英単語熟語は自作英単語帳に書いて暗記します。その他は和訳中に暗記します。
③和訳:不正解の難しかった英文から優先的に、英文を「1日3回×7日」など和訳して、スラスラ和訳できるようにします。
音読は時間がかかるので全問音読はできないかもしれませんが、和訳は短時間で終わるので、全問スラスラ和訳できるようにするのがオススメです。
④100回音読:不正解の難しかった英文から優先的に、和訳と並行して、「1日5回音読×10~20日」など音読して、しっかり理解しながらスラスラ音読できるようにします。音読法は【英語音読法】参照。
⑤リーディングの英語脳を創る:過去問の英文を50~100回以上音読することで、英語のまま理解できる部分が増えます。できるだけ、70~80%以上を英語のまま理解できるまで音読を続けます。
そして、そういう英文を1回分(4英語長文)、5回分(20英語長文)、10回分(40英語長文)と増やしていくと、初見の英文も、英語のまま理解できる部分が増え、英語脳ができていき、速く読めるようになります。英語脳については【音読の効果】参照。
⑥スラッシュ訳:訳すときは※スラッシュ訳をして、前から前から理解できるようにします。「和訳+音読」時にスラッシュ訳をしっかり練習すれば、英語を読んだ順番に理解できるようになるので、英文を速読できるようになります。
※スラッシュ訳(サイト・トランスレーション):3~5ワード前後の意味のまとまりで、前から前から訳す方法。
⑦マイルールを作る:攻略本の英語長文問題の攻略法を参考に、各設問について、どの段落のどこ(第一文・最後の文・段落の中間・段落全体)を読めば正解できたのか等を分析し、次回から、設問から読むか、長文を段落ごとに読んで解くかなどのマイルールを長文ごとに決め、ファイル(エクセル・ワード・マインドマップ)やルーズリーフに書き、暗記します。
⑧何度も解く:間違えた問題を中心に、3~5回以上解いて問題に慣れていき、スラスラ解けるようにし、またマイルールをアップデートしていきます。
(4)ライティング:英英要約問題習得法
①添削:攻略本の攻略法を元に要約を書き、解答解説を見て、自己添削します。できるだけ※ChatGPTや英語の先生等に添削してもらいます。
②英文を習得:添削後、元の英文を、英語長文同様、文法的に理解し、英単語熟語を暗記し、スラスラ和訳・音読できるようにします。
③要約法のマイルールをまとめる:攻略本の英英要約問題の攻略法を参考に、元の英文と模範解答を分析し、模範解答が本文のどういう部分を取って、どういう言葉をどういう言葉にパラフレーズ(言い換え)して要約しているかを分析し、要約法のマイルール(自分の攻略法)をファイルやルーズリーフにまとめます。
攻略本の攻略法をそのまま使うのはダメです。自分の血肉にはなりません。自分で思考しまとめて初めて、身に付きます。
④何度も解く:同じ問題を3~5回以上解いて、(暗記して書けるのではなく)要約の仕方を理解して自力でスラスラ要約できるようにし、またマイルールをアップデートしていきます。
(5)ライティング:意見陳述問題習得法
①暗記:攻略本の攻略法を元に意見陳述を書き、できるだけChatGPTなどに添削してもらって自分の完成版の意見陳述を書き、模範解答と共に丸暗記します。丸暗記法は【1日10回音読×10日】。
②意見陳述のマイルールをまとめる:攻略本の意見陳述問題の攻略法を参考に、模範解答の文章構成・ディスコースマーカー・各パート(序論・本論・結論)の字数・パラフレーズ等を分析し、意見陳述のマイルールを作り、ファイルやルーズリーフにまとめ、暗記します。
③何度も解く:同じ課題で、毎回内容を変えながら、5回以上書くことで、最終的に、スペル等のミスなく、文章構成がすぐ分かり、説得力ある内容をすぐ思いつけて、スラスラ書けるようにし、またマイルールをアップデートしていきます。
そういう課題を5、10、30、50、100と積み上げていくことで意見陳述の記述力が上がり、初見の意見陳述課題でもスムーズに合格レベルの英文が書けるようになります。
(6)リスニング問題習得法
①時間通り解く⇒延長して解く:時間通り解いた後、音声が聴き取れなかった問題・意味が曖昧だった問題・解けなかった問題に印を付け、問題全体や聴き取れなかった箇所を5~10回聴き、解きます。
解けたら、もしくは、これ以上聴いても分からないと判断したら、解答解説を見て自己採点し、以下の習得を行います。
②音声知覚:音声を聴き取れるようにする:スクリプトを見て、音声が聴き取れなかった英単語・フレーズに印を付け、その箇所を5~10回聴いて、聴き取れるようにします。詳しい習得法は【リスニング習得法】参照。
③意味理解:意味を聴き取れるようにする:音声を聴き取れるようにした後、スクリプトの、意味が聴き取れなかった箇所にも印を付け、5~10回聴きます。
それで意味が聴き取れない箇所・問題については、音読をすれば意味が分かるようになるので、リスニングと並行して、以下のように30~100回以上音読します(回数は英文難易度次第)。音読の詳しい方法は【英語勉強法(3)英語音読法】参照。
【「スラッシュ訳で3回口頭和訳+5回音読」×6~20日】
④リスニングの英語脳:しっかり理解しながら30~100回以上音読すると、読んで(日本語に訳さず)英語のまま理解できる部分が増えます。できるだけ、70~80%以上を英語のまま理解できるまで音読を続けます。
読んで70~80%以上を英語のまま理解できるようにした英文の音声を20~30回以上リスニングすると、聴いて70~80%以上を英語のまま理解できるようになります。
そういう英文を「10問⇒50問⇒100問」などと増やしていくと、初見の英文でも聴いて英語のまま理解できる部分が増え(=リスニングの英語脳ができていき)、リスニングが飛躍的に上達します。
⑤マイルールを作る:攻略本のリスニング問題の攻略法を参考に、各リスニング問題について、メモの取り方、先読みの仕方、聴きながらどう解くか等のマイルールをまとめ、ファイルやルーズリーフに書き、暗記します。
⑥何度も解く:間違えた問題を中心に、3~5回以上解いてスラスラ解けるようにし、マイルールをアップデートしていきます。
※ChatGPT:有名なAIチャット(文字によるやり取り)サービスで、基本的には無料で使えます。すでに米司法試験合格レベルの能力があるとされ、英文添削・日⇔英翻訳能力は非常に高いレベルで、要約・英文の文法的解説・似た意味の英単語のニュアンスの違い等、今まで英語の先生・ネイティブに訊く必要のあったことは、ほぼChatGPTで事足ります。
3.2.全てのテキストを習得する
攻略本に限らず、過去問集、英検用テキストは全て、できるだけ多く習得します。そうして初めて、英語力が上がり、合格に近づきます。
3.3.攻略本習得後
1~3ヶ月前後で攻略本を習得して、自分の英検1級攻略法をいったん作り上げたら、過去問その他のテキストに入り、攻略法をアップデートしていきます。
4.過去問習得法
4.1.過去問を解く時期
(1)英検1級の勉強開始最初期:自分の課題を発見し、対策を考えるため、英検1級攻略本の前後に、過去問を1~2回分、解きます。
「英検1級 過去6回全問題集」(旺文社)
「英検公式サイトの過去問」
(2)初期~中期:最初期に解いた過去問1~2回分を含めて3回分ほどを、各分野の勉強と並行して5~10回以上解き、問題形式や難易度を体感・体得し、課題を発見し、対策・マイルールをアップデートしていきます。
また、過去問を、優先分野順に習得していきます。
(3)中期~直前期:多くの方にとって、英検1級は、英検直前1~2ヶ月のみ真剣に英検の勉強をしても受からないので、普段から、本番同様の条件で、「時間通り1回分を解く⇒延長して解く⇒習得する」のサイクルを、1~3週間に1周など、続けていきます。
そして英検直前1~2ヶ月の時期には、そのサイクルを、週1周など行います。
4.2.過去問習得法
過去問各パートの解き方・習得法は各章に詳しく書きますが、ポイントをここでまとめておきます。
【過去問習得法】
(1)過去問を解く
①通して解く:できるだけ1回分の「筆記試験+リスニングテスト」を本番通りの時間で通して解きますが、時間がないときは、「筆記試験のみ通して」「リスニングテストのみ通して」、もしくはバラバラで解くのも仕方ありません。その場合も、2回に1回は本番通りの時間で通して解くのがオススメです。
②時間通り解く⇒延長して解く:延長して解くのは、時間があればどの程度解けるか知るためと、過去問の一部を解かないで解答を見るのはもったいないからです。
(2)語彙問題習得法:攻略本習得法の語彙問題パートと同じ。
(3)英語長文問題習得法
①英文習得法:習得法は、基本的に攻略本習得法と同じです。
間違いが多く、難しかった長文を中心に、週に1~2長文を和訳+音読していきます。文法的に全て理解し、スラスラ訳せて、スラスラ音読できるようにします。音読法は【英語音読法】参照。
②目標:音読回数の目標は100回です。50~100回以上音読すれば、英語のまま読める部分が増え、英語脳ができていきます。よって、解いた過去問の英語長文のできるだけ多くを50~100回以上音読し、70~80%以上を英語のまま読めるようにします。
また、解いた長文の全てを10~20回以上和訳してスラスラ和訳できるようにしたいところです。
③英単語熟語暗記:攻略本習得法と同じ。
④マイルールのアップデート:英文と設問を分析し、英検1級攻略本で作った攻略法のマイルールをアップデートしていきます。
(4)ライティング問題習得法
①英英要約問題習得法:習得法は攻略本習得法と同じ。要約法のマイルールをアップデートします。
②意見陳述問題習得法:習得法は攻略本習得法と同じ。書き方のマイルールをアップデートします。
(5)リスニング問題習得法:習得法は攻略本習得法と同じ。リスニング問題のマイルールをアップデートします。
(6)面接習得法
①完成版を作る:面接で言うべき内容を書き、できるだけChatGPTに添削してもらい、自分の完成版を作り、模範解答と完成版を丸暗記します。丸暗記法は【1日10回音読×10日】。
そしてそれを「1問当たり3回以上×6回分以上」繰り返します。
②面接の練習:暗記した内容を元に、ひとりで、もしくは英語の先生等に手伝ってもらって、1問当たり5~10回以上、面接のトレーニングをします。これを過去問6回分以上、行って、慣れていきます。
5.英文法教材と習得法
5.1.「総合英語」
英検準1級に受かっている人なら、英文法はほぼ大丈夫でしょうし、必要に応じて「総合英語」(高校英文法参考書)や大学入試用英文法問題集など、自分が勉強してきたテキストで勉強を続けます。
「総合英語」で英検1級もほぼ大丈夫です。
「総合英語 Evergreen」「総合英語be」(いいずな書店)
「チャート式 基礎からの新々総合英語」(数研出版)
「ジーニアス総合英語」(大修館書店)
「Vision Quest 総合英語 Ultimate」(啓林館)
「ZESTAR 総合英語」(Z会)
5.2.「総合英語」の使い方
(1)英文和訳:「総合英語」の全英文を訳せて、文法的に解説できるようにします。そうすれば、最も効率的に、英検1級に出るほぼ全ての英文を文法的に理解できるようになります(初見で分かるかは別にして、日本語訳を見たり、解説されれば分かります)。
「総合英語」の勉強法は【「総合英語」で英文法をマスターする方法】参照。
(2)参考書として、常時調べるのに使います。
(3)例文暗記:ライティングに力を入れたい方は、「総合英語」の全例文を英作文できるように※瞬間英作文で暗記します(下記参照)。そうすれば表現できる英文法が増えます。
5.3.上級英文法参考書
英検1級には高校英語(「総合英語」)を超えた英文法も散見されます。それらも全て理解したい方には以下のような上級英文法書がオススメです。
「現代英文法講義」(安藤貞雄著、開拓社)
「スーパーレベル パーフェクト英文法」(植田一三著、ベレ出版)
「真・英文法大全」(関正生著、角川)
「英文法総覧」(安井稔著、開拓社)
6.英単語熟語暗記
6.1.英単語熟語集の選択
英検1級では語彙力が非常に重要で、10000~15000ワードレベルが必要だと言われています。英検準1級の必要語彙数は8000ワード前後とされていますから、標準的な英検準1級合格者は、更に5000ワード前後覚える必要があります。
以下のような英単語熟語集を暗記していきます。
(1)大学入試用英熟語集
英検1級には英熟語も必要ですが、英検1級用英単語熟語集に掲載の英熟語数は少ないですし、英検用英熟語集はほとんどありませんから、大学入試用英熟語集を1冊暗記していない方は1冊暗記します。
「英熟語ターゲット1000」(旺文社)
「システム英熟語」(駿台)
「解体英熟語」(Z会)
「英熟語FORMULA1000」(安河内哲也著、東進)
(2)英検準1級用英単語熟語集
英検準1級用英単語熟語集をまだ全部暗記していない方は、全部暗記してから英検1級用英単語熟語集を暗記します。
「英検準1級 でる順パス単」(1900英単語熟語:旺文社)
「英検準1級 文で覚える単熟語(文単)」(1600英単語熟語:旺文社)
「英検準1級単熟語EX」(2400英単語熟語:ジャパンタイムズ出版)
(3)英検1級用英単語熟語集
定番の「英検1級 でる順パス単」が良いでしょう。
「英検1級 でる順パス単」(2400英単語熟語:旺文社)
「英検1級 文で覚える単熟語(文単)」(1600英単語熟語:旺文社)
「英検1級単熟語EX」(2950英単語熟語:ジャパンタイムズ出版)
(4)9000~12000レベルの英単語熟語集
英単語をしらみつぶしに暗記したい方には、「究極の英単語」シリーズ(アルク)もオススメです。
英語で有名な出版社アルクが独自に選定した、よく使われる英単語12000ワードを有用度順・頻度順に並べた英単語リスト(SVL12000)を全部暗記できます。英検1級レベルだけを暗記したい場合は以下だけでも良いでしょう。
「究極の英単語Vol. 4 超上級の3000語」(9000~12000語レベル:アルク)
(5)語彙問題対策問題集
語彙問題対策をしっかりしたい方は、以下の問題集を習得するのが良いでしょう。実際に出る形式で問題を解きまくることで、暗記をチェックし、深めていけます。
「英検分野別ターゲット英検1級単語・熟語問題」(旺文社)
「英検1級 語彙問題完全制覇」(ジャパンタイムズ出版)
(6)「英検1級でた単」アプリ
英検の語彙問題に特化したアプリに「英検1級でた単」があります(5000以上の英単語熟語を収録:各級あり、1000円前後、AppStore、Google Playで購入可能)。
過去数十年の語彙問題に出た英単語熟語をほとんど全て掲載しており(英検が開催されるごとに改訂されています)、語彙問題のカバー率は90%以上です(回によっては100%)。
フレーズや例文・派生語・語源がなく、覚えにくく忘れやすいので、暗記が得意な人に向いています。「英検1級 でる順パス単」を全部暗記したら、「単熟語EX」の代わりに「英検1級でた単」でも良いと思います。
6.2.英検1級用英単語熟語集の選択
(1)最もオススメは「英検1級 でる順パス単」
「英検1級 でる順パス単」は英検1級の語彙問題・リーディング問題・リスニング問題全般に対応した英単語熟語集で、全体の点数を効率的に上げていくのに適しています。英検を受験する方の多くが「英検1級 でる順パス単」を使っています。
(2)語彙問題対応英単語熟語集
「英検1級 でる順パス単」の後に、難しい語彙問題に対応した英単語熟語集を暗記したい方には、「英検1級単熟語EX」(2950英単語熟語収録)、「究極の英単語Vol. 4 超上級の3000語」(3000英単語収録)、「英検1級でた単」アプリ(5000以上の英単語熟語収録)のいずれかがオススメです。
(3)「英検1級 文で覚える単熟語(文単)」(音声あり)
「英検1級 文で覚える単熟語(文単)」はリーディング問題に対応した英単語熟語集で、長文の中で英単語熟語を暗記するスタイルです。英検1級レベルの英単語熟語・リーディング・リスニングを同時に鍛えたい方に有用です。
ただし、語彙問題には適していませんので、「英検1級 でる順パス単」の後に(もしくは並行して)、必要に応じて使います。
6.3.abceedアプリ
スマホやタブレットで使える英単語アプリも進化していて、今や紙の書籍で暗記するより遙かに効率的に暗記することができます。中でも、abceedというアプリは最もオススメです。
abceed自体は無料でダウンロードでき、TOEIC・英検・大学入試などの英単語熟語集・英文法問題集・リーディング問題集・リスニング問題集などの市販の英単語熟語集・問題集を個別に購入してabceed上で使います。
インストールはAppStore、Google Playで、問題集の購入は【abceed】からできます。abceed版の暗記法は【abceed版「英検1級 でる順パス単」】参照。
abceedで使える英検教材には、例えば以下のようなものがあります。
(1)英検用英単語熟語集
「英検1級 でる順パス単」(各級あり:旺文社)
「英検1級 文で覚える単熟語(文単)」(各級あり:旺文社)
「英検1級単熟語EX」(各級あり:ジャパンタイムズ出版)
(2)英検用:英単語熟語集以外
「英検1級 過去6回全問題集」(各級あり:旺文社)
「7日間完成 英検1級 予想問題ドリル」(各級あり:旺文社)
「英検1級 語彙問題完全制覇」「英検1級 リーディング問題完全制覇」「英検1級 英作文問題完全制覇」「英検1級 リスニング問題完全制覇」(各級あり:ジャパンタイムズ出版)
6.4.「英検1級 でる順パス単」を120時間で覚えられる英単語熟語暗記法
創賢塾では、大量の英単語熟語を長期記憶に入れる暗記法(クイック・レスポンス法)を教えていますが、個々の条件により暗記法が異なるため、申し訳ありませんが、公開していません。
クイック・レスポンス法を習得されたい方には、以下の短期セミナー等でお教えしています。体験談は【2000英単語を3ヶ月(90時間)で記憶する方法】参照。
創賢塾の英単語暗記法(クイック・レスポンス法)を習得されたい方のために、自宅で受講できる【英単語帳1冊を全部暗記する3ヶ月集中オンラインセミナー】【1000英単語を暗記する1ヶ月集中オンラインセミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。関心ある方はご参照ください。
クイック・レスポンス法は、英語通訳も使っている短期記憶に入れる暗記法を、長期記憶に入れられるように創賢塾で改良した暗記法です。
クイック・レスポンス法で暗記できる英単語熟語数は、勉強時間に比例します。毎日30分で週100英単語(英熟語の場合は週50)、毎日1時間の場合は週200英単語暗記できます(別途、復習時間が100英単語当たり毎日5分前後必要です)。
つまり、100英単語を暗記するのに3.5時間、2400英単語熟語(「英検1級 でる順パス単」収録の英単語熟語数)で100時間弱、復習に20~30時間、合計で120時間前後、毎日1時間で約120日(4ヶ月)で覚えられます。
【覚える単語が増えることがうれしく、自信がつきました】
Yさん(30代会社員、TOEIC800,東京都)
英単語暗記集中オンラインセミナー受講
使用英単語集:「キクタンTOEIC L&R テスト SCORE 990」「TOEIC L&R TEST 上級単語特急 黒のフレーズ」
記憶した英単語数:1,337。
かかった日数・時間:21日、43時間。
ずっと単語集を使って自分流で勉強していたのですが、自分の成長が感じられなかったので、申し込みをしました。
授業を受けて、私は、覚えている単語だけを繰り返し勉強しており、勉強時間が少なく、自分に甘いことに気付きました。単語を覚えたくて、教えていただいた方法(クイック・レスポンス法)をきちんと守り、毎日行いました。
規定時間より短い日も時にはありましたが、どんなことがあっても単語帳は毎日必ず開くようにしました。
覚える単語が増えることがうれしく、日々をこなすことが出来ました。その自信により、覚えられない単語も、これから覚えられるんだと思うと、落ち込むことも減りました。
これからもこの暗記法を続けていくことで、覚えた単語が増えていくこと、これらが私の頭の中で定着していくことが楽しみです。
7.リーディング(長文読解)対策
7.1.リーディング教材(1)英検1級用教材
英検1級(大学上級レベル)のリーディング対策のメイン教材は英検1級用教材が良いでしょう。
英検1級過去問を中心に、攻略本や以下のようなリーディング教材も習得していきます。英検公式サイトにも過去問が数回分、載っています。音読時に音声があった方が良いので、「英検1級 文で覚える単熟語(文単)」もオススメです。
「英検1級 過去6回全問題集」(旺文社)
「DAILY31日間 英検1級 集中ゼミ」(旺文社)
「英検1級総合対策教本」(旺文社)
「英検1級 文で覚える単熟語(文単)」(音声あり:旺文社)
「英検1級リーディング問題完全制覇」(模試のみ音声あり:ジャパンタイムズ出版)
「英検分野別ターゲット 英検1級リーディング問題」(模試のみ音声あり:旺文社)
7.2.リーディング教材(2)読解英文法
読解英文法とは、英語長文を読むときに必要になる英文法です。
英検1級過去問・リーディング教材を読んで、文法的に理解できない箇所が少なからずある場合は、以下の2つの読解英文法の勉強が有効です。
(1)英文法書の英文和訳:英検準1級、1級に必要な英文法がほぼ網羅されている「総合英語」(高校英文法参考書)や下記の上級英文法参考書収録の全英文をスラスラ和訳できるようにすれば、文法的に分からない箇所はほぼなくなります(初見で分かるかは別にして、日本語訳を見たり、解説されれば分かります)。
英文法書の英文和訳習得法は【「総合英語」で英文法をマスターする方法】参照。
「総合英語 Evergreen」「総合英語be」(いいずな書店)
「チャート式 基礎からの新々総合英語」(数研出版)
「ジーニアス総合英語」(大修館書店)
「Vision Quest 総合英語 Ultimate」(啓林館)
「ZESTAR 総合英語」(Z会)
「現代英文法講義」(安藤貞雄著、開拓社)
「スーパーレベル パーフェクト英文法」(植田一三著、ベレ出版)
「真・英文法大全」(関正生著、角川)
「英文法総覧」(安井稔著、開拓社)
(2)英文解釈:英文解釈とは、「大学入試等に出る、難解で理解しにくい英文を網羅的に載せた”英文解釈書”で、英文にSVOCMを振り、和訳を書くトレーニングをすること」です。
大学入試・英検・TOEIC等のあらゆるリーディングに英文解釈は必須です。英文解釈の技術を習得することで、英文が文法的に理解できないとき、理解のきっかけになります。勉強法は【英文解釈】参照。
「英文解釈の技術100」シリーズ(桐原書店)
「英文解釈教室」シリーズ(伊藤和夫著、研究社)
「英文読解の透視図」(研究社)
「ポレポレ英文読解プロセス50」(西きょうじ著、代々木)
「基本からわかる英語リーディング教本」シリーズ(薬袋善郎著、研究社)
「横山雅彦の英語長文がロジカルに読める本」シリーズ(中経出版)
「英文解釈の技術100」シリーズが最もオススメです。理解しにくい英文法を網羅し、レイアウトも見やすく、音声付きで、音読に役立ちます。【「基礎英文解釈の技術100」習得法】参照。
7.3.過去問リーディング勉強法
ここでは過去問について書きますが、過去問に限らず、英検1級リーディング教材は同じように解き、習得していきます。
【過去問リーディング勉強法】
(1)語彙問題(大問1)
①解く:22問を11分前後で解くイメージです。知っているかどうかなので、消去法で、どんどん解いていきます。
②英単語熟語を暗記する:攻略本に準じます。
(2)長文問題(大問2,3):解く
①時間の目安:攻略本などを参考に、解く時間の目安を各長文毎に設定しておき、解いていきます。
理想的な目安は、大問2(約350ワード×2問)は15分前後、大問3(約500ワード+800ワード)は28分前後です。
②時間通り⇒延長:自分が決めた時間通りに解き、全部解けなければ、全部解いた後で延長して解きます。
それぞれ、別々に点数化できるように印を付けておきます。延長して解いた方が良いのは、時間を掛けたらどこまで解けるか知るためと、解かないともったいないからです。
③マイルールで解く:攻略本などから作った長文問題のマイルール(段落ごとに読んで解くなど)を使って解きます。
④キーワードとキーセンテンスに印を付ける:読むときは、テーマ(何についての話か)・何度も出てくる重要語・人名、主張や結論、その段落で一番言いたいことなどをマルやカッコでくるみます。
⑤印を付ける:意味が分からない英単語熟語、文法的に分からない箇所には印を付けておきます(復習はそこを重点的に行います)。
⑥スラッシュ・リーディング:できるだけ3~5ワード前後の意味のまとまりで、前から前から(返り読みせずに)、理解しながら読んでいきます。
普段からスラッシュ訳、スラッシュ・リーディングをやっておくと、より速く読めるようになります。
(3)長文問題:解答解説・日本語訳を読み、理解する
①自己採点:解き終わったら自己採点します。
②間違いの原因と対策を書く:英文を読めなかった原因・問題を解けなかった原因を探し、対策を考え、それを毎回ファイルやルーズリーフに書きます。そうすることで、自分の弱点と補強策がはっきりします。
【英検1級過去問リーディング|(2-1)分からない英単語熟語が12個、文法的に分からなかった箇所が3箇所、(2-2)~~、■対策:「英検1級 でる順パス単」を全部暗記、「英文解釈の技術100」を終わらせる、速読したい⇒音読毎日1時間】
(4)長文問題:習得する
①精読:最も正答率が低く、難しかった問題の英文から順番に精読・音読していきます。
英文を1文ずつ読む⇒意味が分からない英単語熟語・文法的に分からない箇所に印⇒SVOCMを振り、英単語熟語の意味を推測して理解⇒(それでも分からなければ)辞書を引き理解⇒日本語訳で確認し、理解に努めます。
日本語訳を読んでも文法的に分からない箇所は、英文法参考書で調べたり、英語の先生・ChatGPT等に聞いて理解します。
②100回音読:精読後、スラスラ和訳でき、しっかり理解しながらスラスラ音読できるように、50~100回以上音読します。詳しい音読法は【英語音読法】参照。
【「1日3回和訳+5回音読」×10~20日】
音読は時間がかかるので、解いた過去問の全英文を音読はできないかもしれませんが、全英文を15回以上和訳して、スラスラ和訳できるようにはしたいところです。
③英語脳を創る:過去問の英文を50~100回以上音読することで、英検1級レベルの英文に慣れ、英語のまま理解できる部分が増え、速く読めるようになります。できるだけ、70~80%以上を英語のまま理解できるまで音読を続けます。
70~80%以上を英語のまま理解できる英文を1回分(4英語長文)、5回分(20英語長文)、10回分(40英語長文)と増やしていくと、初見の英文も、英語のまま理解できる部分が増え、英語脳ができていき、速く読めるようになります。英語脳については【音読の効果】参照。
④スラッシュ訳:訳すときはスラッシュ訳をして、前から前から理解できるようにします。
「和訳+音読」時にスラッシュ訳をしっかり練習すれば、英語を読んだ順番に理解できるようになるので、英文を速読できるようになります。
⑤英単語熟語の暗記:意味が分からなかった英単語熟語のうち、「英検1級 でる順パス単」に載っている英単語熟語や見知っている英単語熟語は自作英単語帳に書き、暗記します。載っていない英単語熟語は和訳・音読中に暗記します。
⑥3回以上解く:習得するのと並行して、1回分の過去問を通して、もしくは正答率の低い、難しい長文問題から優先的に、3回以上解いて、英検1級長文問題の解き方に習熟していきます。
(5)語彙問題+長文問題のマイルール
①語彙問題のマイルールをアップデートする:攻略本などから作った、語彙問題を何分くらいで解くのかについてのマイルールを、過去問を何度も解く中でアップデートしていきます。
②長文問題のマイルールをアップデートする:1段落読んで問いを解くのか、問いを1問だけ先に見て1段落を読むのかなどについて、攻略本を参考にして作ったマイルール(自分の攻略法)を、過去問を何度も解く中でアップデートしていきます。
「100回以上、音読しましょう。」
濱崎潤之輔(「English Journal」(アルク)掲載、TOEIC指導者、TOEIC990点、「TOEICテスト 990点攻略 文法・語彙問題1000」[旺文社]著者)
Q:けいこまりさん(英語レベル:中級):TOEICの試験本番でいつも時間が足りません。スピードを上げる方法はあるのでしょうか?
A:濱崎:TOEIC L&Rテストで 900点前後を取れるレベルの方でも、本番の試験で時間が足りない方がほとんどです。 従って 、「本番で時間が足りるようになる」ためには、最低でも「900点を取れるレベルになる」必要があります。
「900点を取れるレベルになる」、つまり「時間が足りるようになる」ためには、いくつかの方法があります。速く英語の文章を読解できるようになるためには「読解を阻むブレーキ」を一つ一つ外していくことが肝要です。
英文を読む上でブレーキになる原因は以下になります。
単語の意味や発音、品詞がわからないこと
文法知識が欠如しているため、単語や語句がわかっても文意が取れないこと
これらの課題を克服するための練習には、Part 7の文章が使えます。まずは上記2項目について、わからない部分を調べるなどして文章全体の意味をつかんでください。
次に、その文章を100回以上、音読しましょう。 一度に100回音読してもいいですし、1日20回×5日間、1日10回×10日間で達成するようにしても構いません。自分が「英語を英語のまま理解できる」最高のスピードで100回以上音読し終えれば、その英文は自分の「ストック」となります。
この「ストック」がどれだけ自分の頭の中に持てるかがカギです。この数が多ければ多いほど、初見でも正確に速く読めるものが増えていきます。以上です、頑張っていきましょう、応援しています!
7.4.「英検1級 文で覚える単熟語(文単)」習得法
主にリーディング能力を鍛える目的で「英検1級 文で覚える単熟語(文単)」を音読教材として用い、結果的に語彙力とリスニング能力も上げていく勉強法を【「英検1級 文で覚える単熟語(文単)」習得法】に書いています。ご参照下さい。
創賢塾の英単語暗記法(クイック・レスポンス法)を習得されたい方のために、自宅で受講できる【英単語帳1冊を全部暗記する3ヶ月集中オンラインセミナー】【1000英単語を暗記する1ヶ月集中オンラインセミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。関心ある方はご参照ください。
7.5.リーディング対策:分野別
(1)英単語熟語:過去問の英語長文問題を解いて、英単語熟語の意味が分からず点を落としている場合には、以下の対策をします。
①英単語熟語集の暗記:英単語熟語の暗記時間を増やして、「英検準1級 でる順パス単」「英検1級 でる順パス単」を全部暗記します。
②英単語熟語集:見出し語の複数の意味を暗記します。「英検1級 でる順パス単」まで全部暗記したら、派生語・同義語等も暗記します。
③即答:意味を即答できるように暗記します。そうすれば、より深い記憶に入ると同時に、読むのが速くなります。
④英単語推測力を磨く:いくら沢山の英単語熟語を暗記しても、英検では意味の分からない英単語熟語は必ずありますから、英単語推測力は重要です。
英単語推測力は、英語長文の中で英単語熟語の意味を推測し続けることで上達しますから、英語長文を読むとき、意味の分からない英単語熟語があれば、10秒前後推測する習慣を付けます。
(2)読解英文法:過去問の英語長文問題を解いて、文法的に理解できずに点を落としている場合には、読解英文法の勉強時間を増やします。詳細は上述。
(3)解き方を研究する:過去問の英語長文問題を解いて、文法的にも英単語熟語的にも、英文の意味はほぼ全て分かるのに点を落としている問題については、英文と問題を分析する必要があります。
具体的には、攻略本の英語長文問題の攻略法や、英検専門家によるYouTubeやネットの攻略法を参考に、正答率の低い英文・設問について、どの段落のどこ(第一文・最後の文・段落の中間・段落全体)を読めば正解できたのか等を分析し、設問から読むか、長文を段落ごとに読んで解くかなどのマイルール(自分の攻略法)を長文ごとに決め、ファイル(エクセル・ワード・マインドマップ)やルーズリーフに書き、暗記し、使っていきます。
(4)英文速読:過去問の英語長文問題を解いて、文法的にも英単語熟語的にも、英文の意味はほぼ全て分かるが、読むのが遅くて時間内に解き終わらない場合は、英文を速く読めるようにするための勉強をします。これについては次項参照。
7.6.英文速読勉強法
英検1級の英語長文は、しっかり理解しつつ、できるだけ速く読めた方が良いに決まっています。
それには以下の勉強が役立ちます。詳しくは【英語速読習得法】参照。
(1)英単語熟語の暗記
①意味を即答できるように暗記
②複数の意味を暗記
③イメージで暗記
(2)読解英文法(英文を読むための英文法)の習得
①「総合英語」の全英文をスラスラ和訳できるようにする
②英文解釈の技術の習得
(3)英文速読法
①スラッシュ訳・スラッシュリーディング:英語を前から前から読む訓練
②100回音読で速読できる英文を増やす
③英語脳の育成:英語を英語のまま読める部分を増やす
④英単語推測力を磨く
7.7.英文速読が可能になる原理
(1)英文速読の定義
「英文速読」をここでは※130wpm以上の速さで読めるスピードと定義します。根拠は、英検1級リスニング問題Part2(説明文)や「英検1級 文で覚える単熟語(文単)」の英語音声の速さがだいたい130wpmくらいだからです。
このくらいの速さで初見・既習の英検1級リーディングの英文を読めれば、問題を解くのに十分な速さと言えます。これを目安にします。
※130wpm:1分当たり130ワード読める速さ。wpmとは“words per minute”の略です。
(2)英文速読のために必要な勉強
①100回音読:英検1級レベルの初見の英語長文を速読できるようにするには音読が役立ちます。
普段勉強している、英検1級過去問リーディング問題の英文や「英検1級 文で覚える単熟語(文単)」の英文を、1英文当たり50~100回以上音読して、「130wpm以上の速さで※90%の理解度で音読できる」ようにします。
※90%の理解度:英語としてはほぼ完全に理解できる状態。100%を日本語訳を読んだときの理解度と考えます。
②音読法:詳しく言うと、以下のように、「SVOCMが分かり、スラスラ和訳できる(=※精読できる)まで20回前後和訳し、スラスラ音読できるまで50~100回以上音読する」ことが必要です。必要回数は英文レベル・自分の英語力次第です。詳しい音読法は【英語音読法】参照。
【「1日3回和訳+5回音読」×10~20日】
③精読:英検1級レベルの英文を精読できるためには、以下のような上級英文解釈書を習得することが必要です。
「英文解釈の技術100」(桐原書店)
「英文解釈教室」(伊藤和夫著、研究社)
「英文読解の透視図」(研究社)
「ポレポレ英文読解プロセス50」(西きょうじ著、代々木)
(3)初見の英文も速読できる原理
【自分が速読できるようにした30~100英文+「英検1級 でる順パス単」の英単語熟語暗記+「総合英語」(高校英文法参考書)の英文和訳+英文解釈書の習得】と、初見の英検1級レベルの英文とで、同じ英文はありませんが、英単語熟語や英文法が重なり、重なった部分については速く読めますから、速読が可能になります。
(4)英語脳
1英文を音読する回数は、50回、100回、200回と多ければ多いほど良いです。なぜなら、回数が多いほど、英語のまま理解できる部分が増えるからです。そういう英文を30英文、50英文、100英文と増やすと、初見の英文でも英語のまま読める部分が増え、英語脳が育っていきます。
英語のまま読める部分が増えれば、当然、速く読めるようになります。
(5)音読の目標
①100回音読×100英文:英検1級レベルの300ワードの英文×100英文×1英文当たり100回以上音読します。
②理解度と速さ:100英文について、90%の理解度で130wpm以上の速さで音読できるようにします。
③英語脳:100英文について、70~80%以上を英語のまま理解できるようにします。
このくらい音読すれば、英検1級のリーディングに関しては余裕で読めるようになるはずです。逆に、普段勉強している英検1級レベルのリーディング教材をゆっくりしか読めない状態で、英検1級本番の英文だけ速く読めることはあり得ません。
(6)オススメ教材
音読する教材としては、「英検1級 文で覚える単熟語(文単)」と「英検1級 過去6回全問題集」のリーディング問題の英文がオススメです。
「英検1級 文で覚える単熟語(文単)」には(長文が載っている教材としては珍しく)音源がありますから、音読時の発音の確認ができ、リスニングの勉強も同時にできます。
しっかり理解して、音源(130wpm)以上の速さ(150~180wpm前後)で音読できるようにした英文の音声を20~30回聴けば、すぐに理解できるようになりますから、とても効率的にリスニングの勉強ができます。
(7)速音読⇒速聴
①速音読:音読するときは、まずは「理解」を重視し、90%の理解度で音読できるようになったら、スピードをどんどん速くします。130wpmと言わず、150wpm、180wpm、200wpmと速く読んでしっかり理解できるようにし、そういう英文を10,30,50,100と増やせば、初見の英文も一層速く読めるようになります。
②速聴:音源がある「英検1級 文で覚える単熟語(文単)」のようなリーディング教材であれば、音読と並行して※速聴もしていくとリスニング能力も飛躍的に上がります。
※速聴:速聴アプリなどで、1.2倍速⇒1.5倍速⇒2倍速⇒2.5倍速などで理解できるようにしていくトレーニング。
創賢塾の英単語暗記法・音読法等の勉強法をいち早く習得したい英語学習者のために、自宅で受講できる【英単語帳1冊を全部暗記する3ヶ月集中オンラインセミナー】【1000英単語を暗記する1ヶ月集中オンラインセミナー】【超効率的英語勉強法を習得する3ヶ月集中オンラインセミナー】を開催しています。【オンライン講座・セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。
1レッスンを500回音読した英語同時通訳の神様
(英語同時通訳の神様と言われた、國弘正雄著「英語の話しかた」19ページ、たちばな出版)
いささか私事にわたって恐縮ですが、私がかつて英語を習い始めた中学一年の頃、……恩師の本村武雄先生は、英語を習う一番よい方法は、中学の一年のリーダー、さらに二年三年のリーダーを、声を出して、繰り返し繰り返し読むことである、と言われました。
当時の私は非常に純真な生徒でしたから、木村先生の言われることを実に愚直なまでに実行したのです。時あたかも戦争中で、今とちがってテレビもなければ英語のラジオ講座もない諸事不便な時代でした……が、幸い教科書だけはありました。
そこで、これを声を出して繰り返し読んだのです。おそらく一つのレッスンについて平均500回、課によっては1000回も読んだだろうと思います。
戦争が終わったのは中学三年のときで、当時私は神戸におりました。やがて米英軍が進駐してきたのですが、子供心にも何とか自分の勉強してきた英語を使ってみよう、と思って進駐軍兵士に話しかけたところ、驚くなかれ、こちらの言うことが相手に通じるだけでなく、相手の言うことも、中学三年生としては驚くほどよくわかったのです。
この個人的な体験にもとづいて、私は声を出し、反復して読むことこそが、外国語を勉強するうえで、もっとも効果的な方法であると信じています。
8.ライティング対策
8.1.ライティング問題
英検1級のライティング(英作文)は以下の2つです。
(1)英英要約:英文を英文に要約する:約300ワード、3パラグラフほどの英文を、90〜110ワードの英文に要約します。
(2)意見陳述:与えられたTOPICについて、意見と理由を200〜240ワード程度の英文で書きます。
8.2.ライティング攻略法
(1)攻略本を習得する:自分で過去問を6~10回分以上、分析したり、英検指導者の対策を参考にして、英検1級ライティングの攻略法を作り上げている方・自分で作り上げることができる方以外は、あるいは、英検1級ライティングの全体像、攻略法を簡略に知りたい方は、過去問(「英検1級 過去6回全問題集」)の前後に、英検1級攻略本を1冊習得するのがオススメです。
「DAILY31日間 英検1級 集中ゼミ」(旺文社)
「英検1級総合対策教本」(旺文社)
(2)傾向を分析し、攻略法をまとめる:攻略本や「英検1級 過去6回全問題集」を解いて習得しながら、ネットの英検指導者の情報も参考にして、ライティングに出やすいテーマ、合格点を取るのに必要な教材・能力等を把握し、勉強法・教材・習得法・伸ばすべき能力・文章構成・何文で書くか・1文の文字数等を具体的に決めていき、それらをファイルまたはルーズリーフにまとめます。
(3)計画表を書く:英英要約と意見陳述それぞれについて、どの教材をどう勉強していくか、週何回書くか、何を暗記するか、を計画します。
そして優先順位を決め、勉強時間を大まかに決め、週間計画表に内容や時間を書き、3ヶ月程度の長期計画表に、各テキストごと・勉強内容ごとの3ヶ月間の達成目標を、各週ごとに書きます(例:このテキストは、この週までに、ここまで終わらせる)。
計画表は、ライティングだけでなく、英検の全分野について書きます。
(4)実行:実際に週数問、英作文を書いて添削を受けたり、例文集を暗記していくなど、計画を実行し、結果を週間計画表に書きます。
(5)計画の改定:毎月末などに、勉強内容・進捗を振り返り、長期計画表やルーズリーフに進捗状況や課題・対策を書き、長期計画表を改定します。
8.3.ライティング教材(1)英作文基礎力を養成する
(1)英文法例文暗記:英作文を書いていて、書ける英文法に限界があると自覚した場合は、以下のような英文法例文集や英文法参考書の例文を※瞬間英作文で暗記していきます。
※瞬間英作文:10~15ワード程度の短い英文を暗記するための方法。やり方は以下。詳しくは【瞬間英作文】参照。
【瞬間英作文:2回口頭和訳⇒英文を7回音読⇒暗唱⇒瞬間英作文(日本語を見て英語を即答する)⇒言えたら次へ、言えなかったら「音読⇒暗唱⇒瞬間英作文」⇒全部⇒週10周】
<高校英文法例文>
「耳から覚える英語例文集」(例文数315:駿台)
「英作文基本300選」(駿台)
「大学入試英作文ハイパートレーニング 和文英訳編」(約130例文:ピアソン桐原)
「大学入試 英作文バイブル 和文英訳編 解いて覚える必修英文100」(Z会)
「ドラゴン・イングリッシュ基本英文100」(竹岡広信著、講談社)
「総合英語Evergreen 完全準拠音声トレーニングブック」(例文集付き:いいずな書店)
「Vision Quest総合英語Ultimate」(例文集付き:啓林館)
(2)和文英訳トレーニング:英文法例文を暗記した後、必要に応じて和文英訳(日本語文を英訳する練習)をするのもオススメです。
「大学入試英作文ハイパートレーニング 和文英訳編」(ピアソン桐原)
「大学入試 英作文バイブル 和文英訳編 解いて覚える必修英文100」(Z会)
「大学入試 短期集中! 合格英作文 1和文英訳編」(旺文社)
8.4.ライティング教材(2)英英要約
(1)英英要約:英英要約は2024年度から始まるので、過去問・ライティング教材は少ないですが、以下のような教材から10問以上集めます。もしくはネットには様々な英語専門家が予想問題+解答例を公開していますので、それも積極的に使います。
【英検公式サイト】【英検リニューアルサイト】
「英検1級 過去6回全問題集」(旺文社)
「7日間完成 英検1級 予想問題ドリル」(旺文社)
「英検合格のための要約問題 予想問題集: 英検1級、1級、2級対応」(竹岡広信著、学研)
以下の英検1級ライティング教材が改訂されて、英英要約が入ったら、もちろんこれらも有用です。
「英検分野別ターゲット 英検1級ライティング問題」(旺文社)
「英検1級ライティング完全制覇」(ジャパンタイムズ出版)
「英検1級ライティング大特訓」(アスク)
(2)日本語要約:要約など、日本語でもほとんどの方が練習したことはないでしょうから、英英要約(英文を英文に要約すること)は結構ハードです。よって、日本語要約を平行して行うのも良い方法です。日本語の要約法と英語の要約法は基本的に同じです。日本語要約の方法は【要約マニュアル】参照。
「国語の読みテクトレーニング 説明文・論説文」(初歩的な要約問題集:文芸社)
「柳生好之の現代文 POLARIS」シリーズ(200字要約:角川)
「現代文と格闘する」(200字要約:河合出版)
8.5.ライティング教材(3)意見陳述
実際に書くのは過去問が最適ですから、まずは「英検1級 過去6回全問題集」や英検公式サイトの過去問を使います。
英検1級では、ライティングの時間対効果が高い(短時間で高い効果が得られる)ので、ライティングは以下のような教材を使ってしっかり対策するのがオススメです(英英要約にはまだ対応していない場合がありますので、購入される前に確認して下さい)。
「英検分野別ターゲット 英検1級ライティング問題」(旺文社)
「英検1級ライティング完全制覇」(ジャパンタイムズ出版)
「英検1級ライティング大特訓」(アスク)
これらの教材には、英検1級ライティングに有用な英単語熟語・フレーズ・表現・分野別英文(知識)・多数の問題の模範解答が載っていますので、必要に応じてどんどん覚えていきます。
8.6.英英要約勉強法
ここでは過去問について書きますが、英検1級ライティング教材の英英要約も同じように解き、習得していきます。
【英検1級過去問ライティング:英英要約勉強法】
(1)英英要約を書く
①マイルールで書く:攻略本などから自分で決めた時間、要約法のマイルールで書いてみます。書き切れなかったら延長します。
②キーワードとキーセンテンス:キーワード(重要な英単語・フレーズ)とキーセンテンス(重要文)に印を付け、それらを中心に書きます。
キーワードは、テーマ(話題:何の話か)、2回以上出てくる言葉など、キーセンテンスは主張(意見・結論)や抽象的部分です。
③要するにどういうことか:各パラグラフで、「簡単に言うと何について書かれているか、何が言いたいか、一番言いたいことは何か」を考えます。
④意味:要約英文だけを読んで意味が通じるように書きます。
⑤パラフレーズ・抽象化:英検1級英英要約は、抜き出しではなく、できるだけ自分の言葉に言い換えたり(=パラフレーズしたり)、抽象化し、短くまとめます(自分の言葉で、という指示があります)。
抽象化とは、共通点を抜き出すことです。具体例や体験談の共通点を抜き出して書きます。
⑥長さ:1パラグラフ(段落)を30~40ワード前後に要約し、適切なディスコースマーカー(標識語)を用い、全体を90〜110ワードでまとめます。
⑦時間配分:目標時間は20分で、書き切れなければ延長します。
⑧推敲する:一度書いたら、読み返して、要約として適切か、文法的ミスがないか、スペルミスがないかをチェックし、書き直します。
(2)添削:書き終わったら模範解答を見て自己添削します。
また、できるだけ、※ChatGPT、もしくは塾の先生などに自分の要約を添削してもらいます。
(3)解答解説を分析する
①規則性の分析:模範解答に書いている内容が、本文のどこに当たるのかを確認し、本文の該当箇所を<>でくるみます。
そして本文のどういう言葉・部分(最初か最後か全体か)を要約に入れ、どういう言葉・部分を要約に入れていないかの規則性(段落の第一文や抽象的なまとめた内容が要約に入っていることが多い等)を見つけるよう努めます。規則性があればそれをファイル(エクセル・ワード・マインドマップ)やルーズリーフにまとめていきます。
②パラフレーズ:模範解答でどういう言葉をどういう言葉にパラフレーズ(言い換え)しているかを確認します。
そしてそれをパラフレーズ英単語熟語帳にまとめ、暗記します。これは意見陳述でも同じです。
③抽象化の分析:本文の内容が、抽象化されて模範解答に書かれている箇所があれば、そこに印を付け、どういう内容をどういう内容に抽象化しているかを分析し、まとめます。
④要約法のマイルールをアップデートする:以上の分析や「英検合格のための要約問題 予想問題集: 英検1級、準1級、2級対応」のような英英予約法が書かれた書籍、【英英要約のコツ】(旺文社サイト)、英英要約についての英検専門家によるYouTubeやネットの解説を参考に、要約法のマイルールを磨き上げ、ファイルやルーズリーフにまとめます。
見たり読んだりするだけより、自分でまとめた方が理解も記憶も深まります。
⑤自分で分析しまとめることの必要性:自分で過去問の模範解答を分析しまとめた後で【英英要約のコツ】(旺文社サイト)、「英検合格のための要約問題 予想問題集: 英検1級、準1級、2級対応」などの英英要約法を読み、要約法のマイルールをまとめると、英英要約法を身に付けていくことができますが、自分で分析しまとめないと(=自分で考えて書かないと)英英要約法はいつまでも身に付けられません。自分でしっかり、何度も(3回×10問以上)分析し、まとめましょう。
(4)再度要約:「英英要約を書く⇒添削⇒分析⇒書き直す」のプロセスを、1問3回以上、行います。
(5)大量に要約する:「1問3回以上×10問以上」、同様に要約し、慣れていき、また、自分の要約法のマイルールを磨き上げていきます。
※ChatGPT:有名なAIチャット(文字によるやり取り)サービスで、基本的には無料で使えます。すでに米司法試験合格レベルの能力があるとされ、英文添削、日⇔英翻訳能力は非常に高いレベルで、要約・英文の文法的解説・似た意味の英単語のニュアンスの違い等、今まで英語の先生・ネイティブに訊く必要のあったことは、ほぼChatGPTで事足ります。
8.7.意見陳述勉強法
ここでは過去問について書きますが、過去問に限らず、英検1級ライティング教材の意見陳述は同じように解き、習得していきます。
【英検1級過去問ライティング:意見陳述勉強法】
(1)書く
①マイルールで書く:攻略本などから自分で決めた時間、意見陳述の書き方のマイルールで書いてみます。いきなり英語で書くのが難しかったら、日本語で書き、それを英訳します。
②時間配分:目標時間は25分で、書き切れなければ延長します。
③内容が思いつかない場合:ChatGPTに質問したり、模範解答を参考にし、それをまねて、30%以上変えて書きます。
④推敲する:一度書いたら、読み返して、文章構成や内容は大丈夫か、文法的ミスがないか、ディスコースマーカー(下記)は正しく使えているか、スペルミスがないか等をチェックし、書き直します。
(2)添削:書き終わったら、模範解答を見て自己添削します。
また、できるだけ、ChatGPT、もしくは英語の先生などに添削してもらいます。
(3)完成版の解答を作る:模範解答を参考に、模範解答の文章構成を使い、ChatGPTや英語の先生などの助けを借り、何度も書き直して、自分の完成版の解答を書きます。
(4)模範解答・自作解答を丸暗記する:丸暗記の仕方は【1日10回音読×10日】。
10以上の模範解答・10以上の自作解答を丸暗記すると、どう書けば良いか、だんだん分かってきます。
(5)大量に書く
①20回以上書く:以上の作業を「1問3回×10問」以上、行います。
②毎回違った内容で書く:同じ問題を2回目以降に書くときは、(丸暗記した)模範解答・自作解答を参考にはしますが、毎回違った内容で書きます。発想力を鍛えるためです。
(6)マイルールをアップデートする:模範解答を見て、文章構成・ディスコースマーカー・パラフレーズ・段落毎のワード数等を分析します。
そして、「英検1級ライティング完全制覇」などの英検ライティング本や、YouTube・ネットの英検専門家の意見陳述の書き方も参考にして、攻略本を読んで作ったマイルールをアップデートしていきます。
(7)過去問まとめ帳を書く:ライティング問題でも、間違いの原因と対策を過去問まとめ帳に書きます。
【〇〇年2回目過去問ライティング|(要約)5割くらいは解答とほぼ同じ、模範解答の分析をする、パラフレーズができないので、ChatGPTに聞きながら書く、(意見陳述)ChatGPTに添削してもらったら文法ミス3箇所、表現がおかしい5箇所、スペルミス2箇所。英語の表現が思いつかないので、ChatGPTに聞きながら毎日30分書く、「英検1級ライティング完全制覇」で表現を毎日20分、1ページ音読して暗記。】
8.8.ディスコースマーカー
”therefore、however、on the other hand、in conclusion”のような、文と文の関係を示す標識語・接続語をディスコースマーカーと言います。詳しくは【ディスコースマーカー】参照。
英検1級ライティングでは、英英要約でも意見陳述でもディスコースマーカーを適切に使用することが求められます。
ディスコースマーカーについては以下の書籍が役立ちます。
「ディスコースマーカー英文読解」(Z会)
「英語長文読解の王道 パラグラフリーディングのストラテジー」(河合出版)
「横山雅彦の英語長文がロジカルに読める本」(中経出版)
8.9.意見陳述の文章構成習得法
英検1級ライティングの意見陳述には、複数の明確な文章構成・文章の型があります。
問いの種類に応じてどういう文章構成を使うかを決めておき、複数の文章構成で書けるようにしておきます。できるだけ英語のパラグラフ・ライティングの書き方を習得します。
例えば、以下のような文章構成があります。
I think that ~~. 3つの理由(簡潔に).
(2段落目)First,~~(1つ目の理由). 根拠(説明・具体例).
(3段落目)Second,~~(2つ目の理由). 根拠(説明・具体例).
(4段落目)Third,~~(3つ目の理由). 根拠(説明・具体例).
(5段落目)In conclusion, I believe ~~.
文章構成を身に付けるには、以下のようにします。
(1)攻略本:英検1級攻略本の意見陳述を何度も書きながら、並行して、攻略本の文章構成法に関する記述を参考に、模範解答の文章構成を分析して、文章構成のマイルールを作り、ファイルやルーズリーフにまとめていきます。
「DAILY31日間 英検1級 集中ゼミ」(旺文社)
「英検1級総合対策教本」(旺文社)
(2)過去問:攻略本と並行して、過去問でも意見陳述を書き、模範解答の文章構成を10回分以上、分析します。
具体的には、模範解答を見て、どういう設問・課題でどういう文章構成が使われているかを分析し、ファイルやルーズリーフにまとめます。そしてそれを暗記し、次回書くとき、どういう文章構成で書くのが良いかをファイルやルーズリーフのまとめを見てしっかり考えてから、毎回書くようにします。
(3)教材:英検1級ライティング教材を解きながら、その模範解答を分析し、文章構成の解説を熟読し、また、【旺文社サイト:英検1級ライティングの問題と解答のコツ・ノウハウ】やYoutube等の英検指導者の文章構成法をチェックし、文章構成のマイルールをアップデートします。
「英検分野別ターゲット 英検1級ライティング問題」(旺文社)
「英検1級ライティング完全制覇」(ジャパンタイムズ出版)
「英検1級ライティング大特訓」(アスク)
(4)模範解答の丸暗記:文章構成に関して自信が持てるまで、過去問10回分以上、ライティング教材から10回分以上、模範解答全体を丸暗記します。暗記法は【1日10回音読×10日】。
8.10.発想力を磨く
話題によっては書く内容をなかなか思いつかない、発想力を豊かにしたい、出やすいトピックについて書く内容をパッパと思いつけるようにしたいという方も多いと思います。発想力を磨く方法は以下の通り。
(1)模範解答を大量に丸暗記する:過去問やライティング教材の模範解答を【1日10回音読×10日】のように何度も読んで、30以上、できるだけ50以上の模範解答を丸暗記すれば、出やすいトピックについて書く内容をパッパと思いつけるようになります。
(2)ライティング教材の意見を暗記する:「英検1級ライティング完全制覇」のような教材には、英検1級意見陳述で使える表現・意見内容がまとめられていますから、それらを【1日10回音読×10日】のように音読して丸暗記します。
「英検1級ライティング完全制覇」では、はほとんどの英文に音声が付いていますから、音読と並行してリスニング・シャドーイングも行うことで、正確な発音で音読でき、リスニングにも役立ちます。
このように、ライティング教材をリスニング・リーディング・スピーキング対策としても用いる、リーディング教材(例:音声付きの「英検1級 文で覚える単熟語(文単)」)をリスニング対策としても使うことで、効率よく英語力全体を引き上げることが可能になります。
(3)毎回違う内容を書く:様々なテーマの問題で、1問当たり3~5回以上書き、毎回違う内容を書く努力をします。
(4)ChatGPTに訊く:意見陳述の課題について、ChatGPTに英語で内容を幾種類も書いてもらい、参考にします。
8.11.パラフレーズ対策
英検1級ライティングでは、英英要約、意見陳述共にパラフレーズが必要です。パラフレーズ対策は以下の通り。
(1)模範解答の分析:「英検1級 過去6回全問題集」や「英検1級ライティング完全制覇」「英検1級ライティング大特訓」などの模範解答の英文をパラフレーズの観点から分析し、同じような意味の言葉をどう変換しているか、パラフレーズしている言葉としていない言葉は何なのかなどを明らかにしていきます。そしてその英単語熟語・表現を自作英単語帳にまとめ、暗記します。この分析を10題以上行います。
そしてそのパラフレーズ方法を自分が書くときに使います。
(2)同義語:「英検準1級 でる順パス単」「英検1級 でる順パス単」などで英単語熟語を暗記する際、同義語を一緒に覚えます。
(3)英単語熟語集:英単語熟語集で英単語熟語を暗記する際、「この英単語の同義語があったな」と思ったら「英検1級 でる順パス単」や辞書で調べて、英単語熟語集に書き込み、一緒に暗記します。
8.12.ライティングとChatGPT
ChatGPTはライティングで最も役立ちます。以下、使い方例です。
(1)英作文・翻訳:なかなか書く内容を英語にしにくい場合、日本語でChatGPTに「英検1級ライティングの勉強をしています。『~~』を英語でどう書きますか。5通りで書いて下さい。」などと聞けば答えてくれるので、その中で良いのを1つ選んで書く、また聞いて書く、というふうに書いていきます。
(2)発想:途中、理由や具体例が思いつかない場合、ChatGPTに「こういうテーマについて、理由・具体例を5つ、英語で書いて下さい。」などと質問すると、答えてくれますから、それを使って書きます。
(3)添削:1回分を最後まで書いて自己添削したら、全体の英文を「英検1級の意見陳述のライティング(200~240ワード)として、文章構成や語彙レベルも含めて添削して下さい。」などの問いかけ(プロンプト)で添削してもらいます。
そして完成版を10回くらい音読してある程度覚えて、また同じ課題で別の内容で書く、別の課題で書く、ということを繰り返すと、早く書けますし、表現も覚えられます。
これを、毎日1時間×3ヶ月⇒6ヶ月⇒1年と続けると、急速にライティングが上達します。ぜひ試してみて下さい。
9.リスニング対策
9.1.リスニング教材
英検1級リスニング対策で使うべき教材は以下の通りです。
(1)過去問・攻略本:英検公式サイトにも過去問が数回分、載っています。
「英検1級 過去6回全問題集」(旺文社)
「DAILY31日間 英検1級 集中ゼミ」(旺文社)
「英検1級総合対策教本」(旺文社)
(2)英検1級リスニング教材
「英検1級リスニング問題完全制覇」(ジャパンタイムズ出版)
「英検分野別ターゲット 英検1級リスニング問題」(旺文社)
(3)「英検1級 文で覚える単熟語(文単)」(音声あり:旺文社)
リーディング教材として「英検1級 文で覚える単熟語(文単)」を使っている場合、リスニング教材としても使うと、一石三鳥です(リスニング+リーディング+英単語熟語暗記)。勉強法・習得法は【「英検1級 文で覚える単熟語(文単)」習得法】参照。
9.2.英検リスニング問題を解けるようにする勉強法
英検のリスニング問題を解けるようにするには、以下の3つのトレーニングが有効です。詳しくは【リスニング習得法】参照。
(1)音声知覚:英語音声中の英単語・音声変化を聴き取れるようにするトレーニング。
(2)意味理解:聴いてスラスラ意味が分かるようにするトレーニング。
(3)問題:リスニング問題をスラスラ解けるようにするトレーニング。
9.3.過去問リスニング勉強法
ここでは過去問について書きますが、過去問に限らず、英検1級リスニング教材は同じように解き、習得していきます。
【過去問リスニング勉強法】
(1)解き方
①時間通り通して解く:できるだけ、1回分の過去問を、時間通り、通して解きます。その際、音声や意味が聴き取れなかった問題・解けなかった問題・自信がない問題に印を付けておきます。
②解き直す:通して解いた後、解けなかった問題・自信がない問題の聴き取れなかった箇所を5~10回聴き、解き直します。
解けたら、もしくは、これ以上聴いても分からないと判断したら、解答解説・スクリプト(英語原稿)を見ます。
③印を付ける:時間通り解いた場合と延長の場合で、両方の点数の違いが分かるように、延長して解けた問題の回答欄には別の印を付けておきます。
(2)自己採点する:解答解説・スクリプト・日本語訳を見て自己採点します。
(3)リスニングの習得:音声や意味が聴き取れて、問題もスムーズに解けた問題以外は、以下の習得を行います。詳しい習得法は【リスニング習得法】参照。
①音声を聴き取れるようにする:スクリプトを見て、音声が聴き取れなかった英単語・フレーズに印を付け、その箇所を5~10回聴いて、聴き取れるようにします。
②意味を聴き取れるようにする:音声を聴き取れるようにした後、スクリプトの、意味が聴き取れなかった箇所にも印を付け、5~10回聴きます。
それでも意味が聴き取れない箇所・英文については、音読をすれば意味が分かるようになるので、リスニングと並行して、以下の音読を行います。
③100回音読:10回聴いても意味が分からない問題の英文を、意味がスラスラ理解できて、音声以上のスピードで音読できるまで、30~100回前後音読します(回数は英文難易度次第)。音読の詳しい方法は【英語勉強法(3)英語音読法】参照。
【「スラッシュ訳で3回口頭和訳+5回音読」×6~20日】
しっかり理解しながら30~100回以上音読すると、読んで意味が分かるようになるだけでなく、(日本語に訳さず)英語のまま理解できる部分が増えます。できるだけ、70~80%以上を英語のまま理解できるまで音読を続けます。
そういう英文の音声を20~30回以上リスニングすると、聴いて理解できるだけでなく、英語のまま理解できる部分が増えていきます。
④スラッシュ訳:和訳+音読するときにスラッシュ訳をしっかり練習すれば、英語を読んだ順番に、聴いた順番に理解できるようになるので、英文を速読できるようになり、リスニング能力が飛躍的に上がります。
⑤リスニングの英語脳:聴いて70~80%以上を英語のまま理解できる英文を「50問(約2.5回分:毎週10問×5週間:約1ヶ月)⇒100問(約5回分:毎週10問×10週間:約2ヶ月半)」など増やしていくと、初見の英文でも英語のまま聴いて理解できる部分が増え、リスニングが飛躍的に上達します。
⑥シャドーイング:リスニングと平行して20~30回以上シャドーイング(下記)すると、リスニングだけの時より、リスニング能力・スピーキング能力が上達しやすくなります。
⑦英文法:文法的に分からない箇所があれば印を付け、英文法参考書で調べたり、英語の先生・ChatGPT等に聞いて理解します。
⑧英単語熟語:意味が分からなかった英単語熟語のうち、「英検1級 でる順パス単」に載っている英単語熟語は全て、自作英単語帳に書き、暗記します。載っていない英単語熟語は和訳・音読中に暗記します。
⑨習得の目標:「英検1級 過去6回全問題集」の6回分の音声を余裕で聴き取れるようにし、意味を英語のまま理解できるようにすることを目標とします。それが完了したら、「英検1級リスニング問題完全制覇」等の英検1級リスニング教材を同様に習得していきます。
⑩原因を探す:「英検1級 過去6回全問題集」1冊分のリスニング問題全部を習得しても、初見の英検1級のリスニング問題を十分に聴き取れないようなら、原因を調べます。
例えば、音声変化が弱いことが原因のようなら、以下のような音声変化の教材を1~2冊習得します。
「絶対『英語の耳』になる!リスニング50のルール」シリーズ(三修社)
「英語の耳と口を手に入れる13の法則」(CD付き、日本実業出版社)
(4)間違いの原因と対策を書く
問題を解けなかった原因を探し、対策を考え、それを毎回ファイル(エクセル・ワード・マインドマップ)やルーズリーフに書きます。そうすることで、自分の弱点と補強策をはっきりさせます。
【英検1級過去問リスニング|(No.1~5)聴き取れなかった英単語が5個・音声変化が4個、意味が分からなかった箇所が4つ・英単語が3個、(No.6~10)~~、■対策:「英検1級 過去6回全問題集」のリスニング問題から週5問を10回リスニング・50回音読する、「絶対『英語の耳』になる!リスニング50のルール」で音声変化を習得する】
(5)リスニングのマイルール
①マイルールのアップデート:音や意味を聴き取れるようになっても、英検1級のリスニング問題を解けるかは別問題です。
そこで、正答率が7~8割以下のパート・解くのが難しかった問題を中心に、同じ問題を5~10回以上解きながら、どの辺に解答の根拠があるか、メモの取り方、先読みの仕方、キーワードの付け方、聴きながらどう解くか等に関する、攻略本を解く時に作ったマイルールをアップデートしていきます。
②専門家のルールを参考にする:ネットの英検1級合格者・英検指導者の記事・YouTube等を参考に、マイルールをブラッシュアップしていくのもオススメです。
③量をこなす:「英検1級 過去6回全問題集」数冊、「英検1級リスニング問題完全制覇」などの問題をひたすら解いて、マイルールを磨き上げていき、無意識的にマイルールで解けるようにします。
9.4.リスニング上達法(1)聴ける英文を増やす
リスニング能力を上げていくには、まずは「聴ける(=聴いて意味が分かる)英文を増やす」ことが必要です。
過去問や英検1級リスニング教材のリスニング音声を上記のように精聴して聴けるようにすれば、同じ英文は英検に出ませんが、同じ英単語熟語・英文法は出ますから、重なる部分については意味が分かる可能性が高まります。
これはリーディングでも同じで、過去問や英検1級リーディング教材の長文を50~100回以上音読して読める(読んで意味が分かる)ようにすれば、同じ英文は英検に出ませんが、同じ英単語熟語・英文法は出ますから、重なる部分については意味が分かる可能性が高まります。そのために、上記のように精聴・音読(=習得)していくのです。
9.5.リスニング上達法(2)スラッシュ訳
スラッシュ訳とは、「3~5ワード前後の意味のまとまり(チャンク)で、前から前から訳す」方法です。
スラッシュ訳は、同時通訳者のトレーニングであるサイト・トランスレーション(サイトラ、Site Translation)と同じで、一般の英語学習者にとっても有益な英語トレーニング法として知られています。
スラッシュ・リーディングとは、「3~5ワード前後の意味のまとまりで、前から前から(返り読みせずに)、理解しながら読んでいく」読み方です。
「和訳+音読」時にスラッシュ訳、スラッシュ・リーディングをしっかり練習すれば、英語を読んだ順番に、そして聞いた順番に理解できるようになるので、英文を速読できるようになり、リスニング理解度も飛躍的に上がります。
9.6.リスニング上達法(3)発音
英語上級者の間では、「発音できない音は聴き取れない(発音できるようにすれば聴き取れる可能性が高まる)」のは常識とされています。よって、正しい英語の発音、英語の音声変化を習得していきます。
(1)発音・発音記号
「DVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本」(鷲見由理著、ナツメ社)
「英語舌のつくり方」(CD付き、野中泉著、研究社)
「英語耳」(CD付き、松澤喜好著、アスキー)
(2)音声変化
英語では、単語を1語ずつ切り離して全部発音することなく、連結したり、発音が消えたりします。そして、このような音声変化には規則があり、それを習得したら、発音もリスニングも上達します。英語リスニングを極めたい人はぜひ1冊習得してみて下さい。
「『英語の耳』になる! 」」(アプリ)が特にオススメです。
「絶対『英語の耳』になる!リスニング50のルール」シリーズ(三修社)
「英語舌のつくり方」(CD付き、野中泉著、研究社)
「英語の耳と口を手に入れる13の法則」(CD付き、日本実業出版社)
「『英語の耳』になる! 」(「絶対『英語の耳』になる!リスニング50のルール」のアプリ版:App Storeのみ、三修社)
9.7.リスニング上達法(4)シャドーイング
シャドーイングとは、「テキストを見ながら(慣れたら見ずに)、英語音声を聴き、それを完全コピーして約0.1秒遅れて発音する」練習です(正確に言うと、テキストを見る方法をオーバーラッピング、見ない方法をシャドーイングと言います)。
シャドーイングをすることで、リスニング能力とスピーキング能力を同時に鍛えることができます。
9.8.リスニング上達法(5)ディクテーション
ディクテーションとは、英文を聴いてそのまま書き取るトレーニングのことです。
ディクテーションで「聴き取れない英単語・連語」を特定した後、それを5~10回聴いて聴き取れるようにすれば、リスニング能力は格段に上がります。ただ、大変面倒なので、熱意に満ちた方向けです。
使う教材としては「英検1級 過去6回全問題集」等の過去問リスニング問題、英検1級リスニング教材が良いでしょう。
9.9.リスニング上達法(6)英語脳を創る
リスニング中に、英語を日本語に訳しながら聴くのは困難です。聴きながら意味が分かるためには、かなりの割合を「英語を英語のまま理解できる」ようにする(いわゆる英語脳を創っていく)必要があります。
そのためには音読が非常に役立ちます。教材・音読法のポイント・英語脳ができる原理は以下の通りです。
(1)教材:過去問・英検1級リスニング教材・「英検1級 文で覚える単熟語(文単)」等の音声のあるリーディング教材など。正しい発音で音読する必要があるので、最初は音声付きの教材が良いです。
音読に慣れてきたら(慣れている方は)、過去問等の(音声のない)リーディング問題の英文も音読します。
(2)音読法:【「3回和訳+5回音読」×6~20日】のように、情景をイメージしながら、感情を込めて、しっかり理解しながら、20回以上和訳、30~100回以上音読することで、少しずつ、英文を読むときに、英語のまま理解できる部分が増えます。
できるだけ、音声(≒約130wpm)以上の速さで、70~80%以上を英語のまま理解できるまで、音読を繰り返すのがオススメです。音読法の詳細は【英語音読法】参照。
(3)音読回数と英語脳の関係:英文が簡単であればあるほど、音読回数が50回⇒100回⇒150回と多くなるほど、読んで英語のまま理解できる部分が増えます。
なぜ、回数が増えると英語のまま理解できる部分が増えるのかというと、以下の引用にもある通り、最初は日本語を介して理解していた英文を、回数が増えていくと、日本語を介さないでも理解できるようになるからです。
【「英語→日本語→イメージ(=理解)」⇒「英語→イメージ(=理解)」】
「100回以上の音読で『英語⇒日本語⇒イメージ』が『英語⇒イメージ』になり、英語のまま理解できるようになる」
「英語の話しかた」(同時通訳の神様・國弘正雄著、たちばな出版、78ページ)
the moon という文字を目にしたら、「月」という漢字ではなく、実際のお月様の姿を思い浮かべるのが、意味を理解するということです。……
音読を繰り返すことによって、英語の語順に従って(※引用者註:スラッシュ・リーディングで)、心の中に絵が描けるようになってきます。また、是非ともそうならなければなりません。……
英語を理解するときは、<英語⇒イメージ>です。最初は<英語⇒日本語⇒イメージ>でもしかたないでしょうが、だんだんと中間の日本語を外していく努力をしてください。只管朗読(※引用者註:ただひたすら※100回以上音読すること)でそれが可能です。……
(4)リスニング毎日20分:音読中の英文の音声を毎日10~20分など聴いていきます。
音声(≒約130wpm)以上の速さで、70~80%以上を英語のまま理解できるまで音読していれば、聴いてもすぐに70~80%以上を英語のまま理解できるようになります。
(5)シャドーイング毎日20分:聴いて70~80%以上を英語のまま理解できるようにした英文を、毎日10~20分など※シャドーイングすることで、リスニング能力・スピーキング能力が上がり、発音が上達します。
そして、英語のまま(日本語に訳さずに)聴いて理解できる割合が増えていきます。それは、何度もリスニング・シャドーイングすることで、音声を聴き取ることについての脳への負荷が減って、意味理解に脳の容量をより多く使えるようになるからです。
(6)英語脳ができる原理:読んでも聴いても70~80%以上を英語のまま理解できる英文を10⇒30⇒50⇒100と増やしていけば、初見の英文でも、読んで英語のまま理解でき、聴いても英語のまま理解できる部分が増えます(=英語脳ができていきます)。
それは、英語のまま理解できるようにした英文と初見の英文とは、同じ英文ではありませんが、英単語熟語や英文法が重なり、重なった部分については英語のまま理解できる可能性が高いからです。
10.面接(スピーキング)対策
10.1.スピーチ
英検1級の面接には日常会話とスピーチがあります。
スピーチでは、その場でグローバルな社会問題についての5つのテーマを渡されて1つを選び、1分考えて、2分で意見とその理由を論理的に話し、更に質疑応答があります。
10.2.面接教材
(1)面接動画:英検公式サイトに1級のバーチャル二次試験(流れを解説するアニメ)、Youtubeに英検公式の面接動画があり、本番の様子を明確にイメージすることができ、有用です。
(2)面接問題:英検公式サイトにはサンプル問題+解答もあります。その他、「英検1級 過去6回全問題集」にも面接問題・模範解答があります。
(3)面接問題集:以上で不足を感じたら、英検1級面接問題集や、YouYubeの面接の練習ができる動画を活用します。
「英検1級 面接・攻略ポイント20」(動画付き、アスク)
「14日でできる! 英検1級 二次試験・面接 完全予想問題」(動画付き、旺文社)
「英検1級 面接大特訓」(Jリサーチ出版)
10.3.英検1級面接
【英検1級面接(スピーキング)対策勉強法】
(1)動画:英検公式サイトのバーチャル二次試験や予想問題集のシミュレーション動画を5~10回以上見て感覚をつかみ、受験者役と同様に言えるまで練習します。
(2)面接に習熟する
①問題を用意する:英検公式サイトや「英検1級 過去6回全問題集」の面接問題など、面接問題を7~10問以上用意します。もちろん多い方が良いです。
②自力で話す:できれば、初回は自力で話してみます。自分がどのくらいできるか知るためです。
③解答を書く:5つのテーマについて、1つずつ、英語で解答を書いてみます。英語が難しければ日本語で書いてから英訳します。
スピーキング問題なのに書くのは、書かないと内容が適切か、論理的か、文法的に正しいかなどをチェックしにくいからです。
④完成版の解答を作る:模範解答を参考に、またできるだけChatGPTを活用して自己添削します。もしくは、英語の先生に添削してもらいます。
それを元に書き直し、また添削してもらう、という作業を繰り返し、自分で納得できる内容・英文に仕上げます。
⑤模範解答・自作解答を丸暗記する:10~20以上の解答を丸暗記することで、どう書けば(話せば)良いか、だんだん分かってきます。丸暗記の仕方は【1日10回音読×10日】。
⑥模範解答の文章構成を分析する:模範解答を見て、文章構成やディスコースマーカー(I think~~. I have two reasons.等)を<>でくるみ、どういう文章構成が使われているかを理解します。そしてファイルやルーズリーフにまとめ、暗記します。
これを毎回行うことで、課題にふさわしい文章構成で書けるようになり、言えるようになります。
⑦面接の練習:書いて丸暗記した内容を元に、面接の一連のプロセスを、自分で、もしくは英語の先生に手伝ってもらって1問5~10回以上練習します。
⑧20回以上練習する:1問当たり3回以上書き、模範解答+自作解答を丸暗記し、各5回以上練習します。
毎回違う内容を書くようにします。そうすることで発想力が磨かれ、本番で応用が利くようになります。
20~30回以上練習したら、格段にスムーズに話せるようになるはずです。
(3)間違いの原因と対策を書く:面接でも、間違いの原因と対策をファイルやルーズリーフに書きます。
【英検1級過去問面接|難しかった、覚えた内容しか出てこない、対策:模範解答を週3つ暗記し、練習を各10回以上行う】
(4)課題の傾向
①出やすい課題:政治・政府・犯罪・SNS・気候変動・AI・少子高齢化等、出やすい課題があり、それを調べて、出やすい順番に模範解答を作り、暗記していくのがオススメです。
②面接問題とライティング問題:面接問題とライティング問題のトピック・内容はかなり重複しており、書くのと話すのが違うだけですから、ライティング対策がそのまま面接対策になります。
10.4.発想力を磨く
英検1級では、ライティング問題と同様、面接問題でも発想力が必要になります。
発想力を磨くには、過去問や「英検1級 面接・攻略ポイント20」などの様々なテーマの問題で、1問当たり複数回書いて、毎回違う内容を書く努力をする、模範解答を読んで他人の発想を取り入れる、模範解答を丸暗記する、などが役立ちます。
10.5.英会話
英検1級や将来のことも見据えて、日頃から、あるいは夏休みなどの長期休暇や英検の2~3ヶ月前から、英会話の授業を受けるのは良い選択です。その際、以上の面接の練習も行ってもらいます。
(1)フィリピン英会話・オンライン英会話
アメリカの植民地であったフィリピンの大学教育はほとんど英語で行われているため、エリートは英語が堪能です。また、フィリピンには高給の産業が少なく、日本に比べて物価・給料も驚くほど安いため、日本や韓国の英語学校がフィリピンに進出し、エリートを雇用し、非常に安価なオンライン/オフライン英会話スクールを運営しています。
月額5000~6000円で毎日1レッスン(25分)受講可能なスクールや、月額7000~1万円前後で毎日回数無制限に受講できるスクールもあります。
(2)AI英会話アプリ
AI英会話スピークバディ、AI英会話Speakなどの、月額2000~3000円前後で使える、AIと英会話できるアプリがあります。AIも日々進歩しており、AI英会話アプリもかなり有用です。
11.終わりに
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
あなたの健闘を祈ります。
「瞬間英作文や英単語の暗記法の定着が良いです」
Kさん(社会人、英語通訳)
社内通訳をしていますが、内容がこみいった日本語を英語にする際、構文が崩れたり瞬時にピタッと当てはまる言い回しが出てこないことが多く悩んでいたところ、先輩から高校生向けの構文集の暗記をして表現や使いこなせる構文のストックを増やしてはどうかとのアドバイスを頂きました。
しかし1人では3日坊主で終わるのが目に見えていたので、誰かにチェックしてもえないかとネットでいろいろ検索をしていて創賢塾さんにたどり着きました。
レッスンでは構文集の暗記法(瞬間英作文)や単語集の効果的な暗記法(クイック・レスポンス法)や回数など具体的に教えて頂きました。
始めて1か月ですが、記憶の定着がよいようで1か月前に学習した部分もかなりの確度で覚えており、仕事上でもこれまで出てこなかったような表現が出てくることが何度かありましたので効果を感じています。
使用教材:「入試英語最重要構文540」(吉ゆうそう著、南雲堂)、「英語はもっとイディオムで話そう」(日向清人著、語研)、「ALL IN ONE」(高山英士著、Linkage Club)