このページでは論理的思考を身に付けるための方法について書いていきます。
目次
1.論理的に考える方法は誰も教えてくれない
中学入試でも大学入試でも教師や塾の講師は、「論理的に考えろ、論理的に書け」と言いますが、しかし、「論理的に考えるにはどうしたらいいか」「論理的に書くにはどうしたらいいか」「そもそも、論理とは何か」については誰も教えてくれません。
それは、彼らも論理について教わったことがないので、知らないからです。
2.論理とは
論理とは話(文章)の筋道、流れ、構造のことです。
3.論理的とは
論理的とは、文章がしっかりとした「構造=型」で組み立てられている状態のことです。言い換えれば、文章内容が一貫しており、矛盾なく、論理の飛躍がない状態のことです。
4.論理的文章には「型」がある:演繹型と帰納型
論理的な文章には特定の型(構造)があり、それは主に、「演繹型」か「帰納型」に分かれます。
演繹型とは、「主張-根拠(最初に主張を述べて、その後、その根拠・説明・具体例などを述べる文章の書き方)」のことです。評論文ではたいてい、最後に結論を書くので、「主張-根拠-主張(=結論)」という変形演繹型になります。
帰納型とは、「根拠-主張(最初に具体例・体験などを述べて最後にまとめて、主張・結論を述べる書き方)」のことです。
論理的な文章(論文、評論文、論説文、説明文、小論文など)はたいてい、このどちらかの型を取ります。なぜなら、このような型にのっとって書くと、読者を説得しやすいからです。
論理的な文章はもともと、不特定多数の人に、自分の主張を知らせ、納得してもらうために書きます。読者に納得してもらうには、はっきりした主張と、誰でも納得できる根拠が必要なのです。
5.論理的文章にはパーツ(部品)がある
論理的な文章には型がありますが、その型には「テーマ・主張・根拠」という3つのパーツがあり、根拠は更に、「理由、説明(理由の詳述)、定義・分類、例示・具体例、科学的データ、引用、体験談、対比、比喩、因果関係、予想される反論とそれへの反駁(譲歩)、時系列変化」などの種類があります。
6.論理的に読めるようにするトレーニング
論理的に読めるようになるには、これらの型とパーツを理解し記憶し、読むときに、「ここはテーマが書かれている、ここは根拠だ、ここは結論(=主張)だからここが一番重要」などと判別しながら読むトレーニングをすることが必要です。
普通の生徒の文章の読み方は「平板」です。1行目も10行目も最後の行も、平板に読んでいます。どこがどういう役割か分からず、どこが重要か重要でないかも分かりません。
それに対して、国語ができる人・論理的思考力がある人の読み方は、「俯瞰的・鳥瞰的」です。鳥が上空から地形を見るように、どこが高く(重要で)、どこが低いか(重要でない)が手に取るように分かるのです。これは、上に書いた型とパーツを区別するトレーニングで身に付けることができます。
7.論理的に書けるようにするトレーニング
論理的に書けるようになるには、
(1)これらの型とパーツを理解し記憶し、
(2)沢山の論理的な文章を読んで解析して、演繹型と帰納型が実際に機能していることを確かめると共に、
(3)型とパーツを意識しながら多数書くことが必要です、更に、
(4)自分の文章を読み返して、「文章内容が矛盾なく、一貫しており、論理の飛躍がない」状態に推敲するトレーニングも必要です。
8.選択肢問題を論理的に解けるようにするトレーニング
(1)リーズニング(理由づけ)
論理的に国語の問題を解けるようにするシンプルな方法があります。
それは、選択肢問題では、「根拠を探す、自分の解答の根拠を明確にする」ということです。各選択肢が正しいか間違っているかの根拠を本文に求め、探し、見つけ、選択肢のどこが正しく(根拠があり)、どこが間違っているか(根拠がない、本文の内容と違う)を言います。これをリーズニング(理由づけ)と言います。
根拠は本文中に必ずありますので、それを探すのです。根拠を持って答えるトレーニングを続けると、根拠を探すのが速くなり、自信を持って答えられるようになります。
(2)インストール
自力では根拠が見つけられなかった場合、問題集の解説の力を借ります。すなわち、良質の問題集に書かれている根拠の見つけ方を理解し記憶し、その問題集の著者の根拠の見つけ方(思考方法)を自分の頭に取り込むのです。これをインストールと言います。
リーズニングとインストールをして自分の思考方法を進化させない限り、国語の成績を上げるのは困難です。
9.記述問題を論理的に書けるようにするトレーニング
記述問題では、記述の中に必ず含まれなければならないキーワードが3つ前後あります。そのキーワードを本文中に探し、矛盾しないように論理的に書けば正解できます。
キーワードは「何度も出てくる言葉、テーマや主張と関連している重要な言葉」です。キーワードを要領よく見つけるには、要約のトレーニングが必要です。
以上は100字以内の記述問題の解法です。それ以上になると本格的に論理的に書くトレーニングが必要になります。それについては「7.論理的に書けるようにするトレーニング」で書きました。
10.論理的に考え、読み、書けるようにするための問題集・参考書
「出口の好きになる現代文」シリーズ (水王舎)
「シカゴ・スタイルに学ぶ論理的に考え、書く技術」 (吉岡友治著、草思社)
「横山雅彦の英語長文がロジカルに読める本」 (中経出版)
【終わりに】
創賢塾では論理的に考え、読み、書くトレーニングを、市販の問題集を用いて小中高校生や大学生・社会人に教えています。
論理的思考法は、国語の成績を上げ、学問で業績をあげ、仕事で成果をあげるのに大変役立つ技術です。関心がある方はお問い合わせ下さい。
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