日本史の暗記戦略(2)論述対策編②論述対策


このページでは国公立文系志望で二次に日本史論述がある受験生」を対象に、99%の受験生が知らない論述試験対策法を書いていきます。

難関私立大学で100字以上の論述がある大学の受験生も、このページが参考になると思います。

1.過去問で傾向と対策を把握

1.1.過去問で傾向と対策を把握せよ

できるだけ通史暗記中に、できなければ通史暗記後に、センター試験だけでなく、志望校の二次試験の過去問も3年分ほど解いて、何をどういう形で暗記すればよいのか(傾向と対策)を把握しておきます。

このページは国公立文系志望で二次に日本史論述がある受験生」を対象に書いていますが、当該受験生は、赤本等で、二次の入試問題を実際に解き、解答解説や、赤本の序文などにある「傾向と対策」ページを熟読しましょう。これで二次試験を念頭に置いた勉強法を取ることが可能になります。

1.2.傾向把握するときの過去問の解き方

(1)制限時間を設けて解く

過去問は、論述勉強の初期でも、一応真剣に解きます。どうせ大した論述は書けないので、試験時間より短い制限時間(60分の過去問で10~15分)で解きます。

(2)教科書等を参照して良い

論述を書くときに知識の問題がない受験生はほとんどいないので、教科書や講義系参考書を参照するのはオススメです。

参照することで、教科書等のどういう部分を暗記すればいいかや教科書等の重要性が分かるようになります。また、自分の頭を使って調べることで、理解と暗記が進みます。ただし、参照するとき、書き写すのではなく、ここだと思う箇所を見て、暗記して、教科書を見ずに論述を書きます。こうすることで、少しでも内容を頭に入れることができます。

(3)論述で注意すべきキーワード

①テーマ「どういう事件・事柄についての出題か」。例えば、摂関政治、院政、荘園、太閤検地など。

②出題意図「その問題は何を書けと要求しているのか」。例えば、目的・原因・理由・背景、経過、影響・結果、特徴・比較・意義など(俯瞰的知識)のうちどれか。論述問題では出題意図を把握し、それに答えることが必要ですが、外す人が多いので、要注意です。

構成メモ(設計図):論述に入れるべきキーワードを、表形式や箇条書きに整理しまとめたメモのこと。これをもとに論述を書く。書き方の例は下記参照。

④俯瞰的知識:「出来事の目的・原因・理由・背景、経過、影響・結果、特徴・比較・意義」など、つまり、歴史を大きな視点で整理した内容を指します。論述問題では、用語の意味を問う問題以外は、ほとんどが俯瞰的知識を問う問題なので、俯瞰的知識の暗記が論述対策の主眼になります。

(4)過去問の解き方

傾向把握するときの過去問論述の解き方は以下の通りです。

たくさん書いていますが、要するに、以下の3つをします。

①書く:時間を決め、教科書等を参照しながら、キーワード・構想メモ・論述を書く。
②理解する:解答解説を読んで理解する。
③傾向と対策:傾向と対策を過去問まとめ帳に書く。

傾向把握するときの過去問論述の解き方

(1)テーマと出題意図の把握

リード文・設問・史料を数回よく読み、テーマ出題意図をしっかり把握し、下線を引いたり、丸で囲い、構成メモに書いておきます。

(2)キーワードを列挙

答案に入れるべきキーワードを設問から考え、思い出せる限り書き出します。教科書等を参照しても構いません。キーワードは以下のように5W1Hを考えると漏れがなくなります。

【5W1H:when(いつ:時代の特定)、where(どこで:場所の限定)、who(誰が:事象の主体)、what(何を書くか:出題意図に応じて特徴・比較・意義など)、why(なぜ:原因と結果・背景)、how(どのように:経過・影響)

(3)構成メモにまとめる

キーワードを、表形式や箇条書きの「構成メモ(設計図)」にまとめます。書き方は下記参照。

また、「構想メモ」の一番上に、テーマと出題意図を書いて、忘れないようにします。書いているうちに出題意図から外れていく人が多いので、要注意です。 

(4)論述を書く

構成メモを文章化して論述を書きます。ただし、書き方が全く分からなかったり、時間がかかるなら、初期には論述は省略してもOKです。傾向把握が目的なので。

以上を、過去問なら、大論述(300~600字前後)で15分前後、小論述(50~200字)で10分前後、論述問題集なら、その50~60%の時間で終えるようにします。

(5)解答・解説を読んで理解する

解答・解説と設問を数回読んで、自分の論述について「出題意図と合致しているか」「書き漏れたキーワード(解答に必須の情報)は何か」、解答について「なぜその解答が合格答案なのか」「どういう文章構成か」「キーワードは何か」「どうすれば自分がそのような答案が書けるようになるのか」を十分理解・検討します。理解できないときは教科書等を適宜参照します。

論述問題には必ず、採点基準となるキーワードがあります。それが模範解答や「採点基準」に書かれていますから、解答・採点基準中のキーワードに印を付けます。

(6)自己添削

自分のキーワード・構想メモ・論述を自己添削します。キーワードがそろっているかや、特に「出題意図」に合致していたかどうかをチェックします。出題意図を外せば、いくら知識があっても合格答案は書けませんから、これは非常に重要です。外していた場合は、なぜかを考え、どこを読み落としたのかを特定します。

(7)過去問まとめ帳

入試問題を解いたら、必ず、傾向と対策を過去問まとめ帳」にまとめます。書き方は下記参照。

1.3.構想メモの書き方

具体的には、ルーズリーフに縦線を引き、左に設問、右に構想メモ、論述の解答などを書きます。

例えば、以下のような感じです。

【設問】五箇条の御誓文の外交的な意義を100字以内で書け。

【構成メモ】
御誓文で公議世論の尊重と開国和親などの国策が示された。
江戸城が皇居とされて国内統一が進んだ。
それらにより、王政復古と天皇の外交権掌握の実現がより印象付けられた。
以上から、新政府は日本の正統政府として国際的に承認された。

1.4.過去問まとめ帳の書き方

過去問まとめ帳は、ルーズリーフに縦線を引き、以下のような感じで書いていきます。

【16年○○大、大問1傾向と対策、キーワード、必要な俯瞰的知識金本位制を目指した理由・達成過程、金輸出再禁止の理由、300字以内、因果関係、経過の知識が必要。政治・経済史。教科書範囲内の知識でOK。】

具体的には、以下をチェックし、まとめます。

①問題形式:論述の長さ、資料・統計の有無、資料の長さ、問題数、時間、用語を問う小問もあるか。

②内容の傾向:難易度、頻出分野(政治史・社会史・経済史・文化史)・時代・テーマ。

③どういう知識が必要か用語・年号暗記でOKなのか俯瞰的知識も必要か。教科書or石川実況中継で足りるのか。

④同じ内容:同じテーマ・題材が何度も出ていないか。

⑤対策:以上の傾向把握をもとに、対策を考える。例えば、志望校の過去問で「近世・近代の経済史」の出題が多い場合、近世から暗記を始める、経済史をしっかり暗記するなど。

2.最適な論述試験対策法は「模範解答を覚えること」

2.1.模範解答を覚えるべき4つの理由

論述問題対策には、過去問と論述問題集の「模範解答を覚える」のが最適です。その理由は主に4つあります。

(1)まともな解答が書けないから

合格論述を書くのに必要な要素は以下の3つです。

①基礎知識:センター試験過去問で7割以上取れるだけの基礎知識。
②俯瞰的知識:戦争の原因・結果・意義などの歴史の大局的見方の知識。
③論述構成力:最初に何を書き、次に何を書き、最後に何を書くかの文章構成力。

大多数の受験生は、たとえ通史暗記が一通り終わり、センター試験過去問で7割以上取れるようになっていても、「俯瞰的知識」と「論述構成力」は不十分なので、まともな解答が書けません。

ならば、論述問題の模範解答や解説から、俯瞰的知識を覚え論述構成方法を真似る方が良いのです。

「論述問題を得意とする者はほとんどいない。」

駿台日本史講師・池知正昭

日本史の全体的な知識としては申し分ない受験生でも,論述問題を得意とする者はほとんどいない。

(2)傾向と対策を把握しやすいから

20~30年分の論述解答を何度も読み、覚えていくと、その大学で出される問題の傾向(知識の量や深さ・問いの形式・文字数・頻出時代・分野)や答え方が身をもって深く分かるようになり、そのことによってより効果的な対策が立てられるようになります。

過去問は「自分が実際に志望校を受験するときの問題に最も傾向が近い問題集」です。それを解かずに一般の論述問題集をしている受験生は、戦略が間違っていると言わざるを得ません。

(3)「俯瞰的知識」を習得するため

難関国公立大学ほど、日本史の論述問題では、用語の定義や事件の内容などの単純な知識問題よりも、「俯瞰的知識」が問われます。

俯瞰的知識とは、事象の「目的・原因・理由・背景、経過、影響・結果、特徴・比較・意義」などを指します。これは自分で教科書や参考書からまとめようとするのは無謀です。

俯瞰的知識が最も集約されてまとまっているのは、論述問題の「模範解答と解説」ですから、過去問や論述問題集から習得するのが近道です。

(4)日本史論述構成法を習得するため

論述問題では、出題者は、受験者が論理的に書けているかどうかを見るわけですが、ほとんどの人は論理的に書くことはできません。なぜなら、「日本史の論述構成法」など習ったことがなく、どういう構成で書いたらいいか、全くわからないからです。

論述構成法を最短で習得する方法は、「模範解答を何度も読む、覚える、書き写す」ことです。

日本史・世界史二次試験論述対策は丸暗記するくらい読むこと

白黒熊さん(東京大学法学部生)

とにかく過去問を見て、解答を読み込みます。特に、論述の解答は丸暗記してしまうくらい、繰り返し読んでください

「丸暗記してしまうくらい」というのは曖昧ですね。「丸暗記」してしまいましょう。

2.2.過去問を習得する意味はあるのか

質問:「日本史で同じ問題は出ないから、過去問を解くのはムダではないのですか?」

答え:「全く同じ問題は出ないでしょうが、同じような問題は繰り返し出ますし、過去問は『自分が受ける入試問題に最も傾向が近い問題集』なので、どの問題集より、過去問は重要です。」

過去問を20~30年分、解いていったら分かりますが、同じような問題は、形を変えて、繰り返し出ています。よって傾向を知るためだけでなく、得点率を上げるために過去問を20年分以上習得しましょう。

2.3.暗記する模範解答の量

多ければ多いほど良い。第一目標は、志望校の過去問を20年分、論述問題集1冊、合計150~200問、できれば300問以上暗記すれば、論述構成法を体得し、主な俯瞰的知識の多くを暗記することができます。

2.4.過去問を解き始めるのは3年の夏休みからが良い

遅くても3年の夏休みには1~2年分を解き、傾向を見、以後も週1年分は暗記していきます。

2.5.添削を受ける

200~300の模範解答を暗記する前に添削を受けても、低レベルの論述しか書けないので、添削を受けてもあまり意味はありません。添削を受けるのは200~300の模範解答を暗記してからにしましょう。時期的には12~1月からでしょう。

学校や塾、予備校の先生に週1回など添削を受け、書き直し、2回目の添削を受ける、そして最終的に出来上がった自分の解答例を暗記する、というふうにするのがオススメです。

3.論述問題の模範解答暗記法

ではここから、具体的な論述問題の解き方、模範解答の暗記法を書いていきます。

論述問題の模範解答暗記法は、簡単に書くと以下です。

1.書く:教科書類を参照しながら「キーワード⇒構成メモ⇒下書き⇒論述」を書く。
2.自己添削:解答・解説を理解し、自己添削する。
3.暗記:構成メモか模範解答を暗記する。

論述問題の解き方と模範解答の暗記法

(1)論述を書く

①テーマと出題意図の把握設問と資料を数回よく読み、テーマと出題意図をしっかり把握し、下線を引いたり、丸で囲います。

キーワードを列挙:答案に入れるべきキーワードを設問から考え、思い出せる限り書き出します。教科書等を参照しても構いません。

③構成メモにまとめる:キーワードを、表形式や箇条書きの「構成メモ(設計図)」にまとめます。

④論述を書く:構成メモを文章化して下書きを書き、清書して論述を書きます。

以上を、過去問なら、大論述(300~600字前後)で15分前後、小論述(50~200字)で10分前後、論述問題集なら、その50~60%の時間で終えるようにします。論述解答を150~200問暗記するのが最初の目標なので、「解く」のにあまり時間を使わないようにします。

⑤解答・解説を読んで理解する:解答・解説と設問を数回読んで、出題意図・キーワード・文章構成などを十分理解・検討します。

⑥自己添削:自分のキーワード・構想メモ・論述を自己添削します。

過去問まとめ帳入試問題を解いたら、必ず、傾向と対策を「過去問まとめ帳」にまとめます。

以上は「傾向把握するときの過去問論述の解き方」の項で書いたやり方と同じです。ここから異なります。

(2)「構想メモ」を暗記する

①構想メモを完成させる:過去問には普通、構想メモはないので、自分で書いた構想メモと解答・解説をもとに、構想メモを「日本史論述まとめ帳」にまとめ、完成させます。これを暗記用に使います。

②「構想メモ」を暗記する:構想メモの暗記は以下のようにします。これで誰でも長期記憶に入れられます。

【10回音読×10日⇒書き出して暗記を確認する】

(3)模範解答を暗記する

暗記するのは構成メモか模範解答のどちらかで結構です。他人が書いた模範解答より、自分で書いた構成メモの方がずっと暗記しやすいですが、要約の苦手な人は構成メモを書けない人もいると思うので、その場合は模範解答を暗記します。

模範解答の暗記は以下のようにします。

【1日10回音読×10日⇒口頭で言って暗記しているかどうか確認する】

例えば400字の論述なら1分で1回読めます。「1日400字1つ×10回」=10分。

毎日模範解答を音読する前に、資料・設問を1~3回黙読して、出題意図を理解します。どういう問題(出題意図)への解答かを意識しなければ意味がないからです。

4.オススメ論述問題集

過去問を手に入るだけ20~30年分覚えたら、次は過去問と傾向が似た問題集を探し、200問(2~3冊)くらいの解答を、同様にして覚えます。そのくらい覚えれば、論述問題に出やすいテーマはだいたい押さえることができます。

その後は、覚えた解答を忘れないように復習しながら、覚える解答例を増やすだけです。

「“考える”日本史論述―「覚える」から「理解する」へ」(河合塾)
「日本史論述演習141」(代ゼミ)
「東大合格への日本史」(データハウス)
日本史論述問題集」(山川出版社)
日本史論述研究―実戦と分析」(駿台)
段階式 日本史論述のトレーニング」(Z会)
書いてまとめる日本史―日本史短文論述練習帳」(石川晶康著、河合塾)
論考テーマ型日本史論述明快講義」(旺文社)

「頻出問題を丸暗記する」

一橋大学合格者

日本史の論述問題の中には頻繁に出題される「頻出問題」というのがあります。この頻出問題を丸暗記しましょう。この頻出問題の解答は他の問題の解答に役立つことが多いです。頻出問題の解答の一部が他の問題の解答になったりすることがあるのです!

参考書や過去問をやっていて2回以上出てきた問題は暗記してしまいましょう! 

【終わりに】

ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。皆さんが日本史を得意科目にするのに、この記事が参考になれば幸いです。


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