日本史の暗記戦略(3)難関私大対策編①通史暗記


400ページ超の教科書1冊分を暗記しなければならない大学入試の日本史では、効率的な記憶法を会得し、暗記戦略を構築できるかどうかが合否を分けます。

 ※「暗記戦略」とは、合格レベルに達するまで、どの教材を、どういう順序で、どう暗記していくかの、システマティックかつ長期的な計画のことです。

このページでは「日本史で受ける難関私立大学志望者」を対象に、99%の高校生が知らない日本史の暗記戦略記憶法について書いていきます。

「国公立文系志望で二次に日本史論述がある受験生」の日本史勉強法はこちら、「センター試験のみの受験生」の日本史勉強法はこちらに書いています。

文系の中堅私立大学(河合偏差値50~55の日東駒専レベル)志望の方はセンター試験対策で十分ですから、同じく「センター試験のみの受験生」の日本史勉強法をご参照下さい。

1.日本史:受験勉強の全体戦略

1.1.自分の暗記戦略は自分で作る

日本史で受験する高校生の悩みは、どの教材をどの時期に使えば効率的か、通史暗記にどのくらいの期間がかかるのか、膨大な内容をどのようにして暗記するのか、その記憶をどのように維持するのか、論述対策はどのようにしたら良いのかなど、分からないことだらけだ、ということです。

あなたがもしこのようなことで悩んでいるなら、以下の記述が役に立つはずです。

ただし、以下の戦略は一例に過ぎません。個々の条件(志望大学の問題傾向・記憶力・デザインの好み・覚えやすい教材など)によって使う教材や暗記方法は違って当たり前です。したがって、以下を参考に、あなたに最適な暗記戦略を作り上げていってください。

1.2.日本史の3段階の暗記戦略

難関私大志望者の日本史の全体暗記戦略は以下のようにするのが効率的です。

(1)通史暗記:センター試験で8割取れるだけの基礎知識(用語と流れ)を暗記

通史暗記の第一目標は、難関私大志望者でも、「センター試験レベルの用語を暗記」することです。いきなり難関大レベルの用語や流れを暗記しようと思っても、普通の記憶力の受験生は、覚えられるものではないからです。

また、用語暗記だけでは忘れやすく、用語同士の関連や時代の流れが身に付かないので、講義系参考書か教科書で流れを理解していきます。これで日本史の基礎を作ります。

①予備知識を入れる:マンガなどで予備知識を先に入れると通史暗記が楽になる。
②流れの理解:講義系参考書か教科書を数回読み、流れを理解する。

用語の暗記:一問一答問題集などでセンター試験レベルの用語を暗記する。
④問題演習問題を解くことは理解と記憶の助けになるので、センター用問題集を1冊習得する。
過去問で傾向把握:志望大学の過去問を3年分ほど解いて、傾向を把握し対策を立てる。

(2)大学別対策:志望校レベルの知識と理解を手に入れる

①志望大学・学部の過去問:志望校の過去問を5~10年分ずつ解く。目標は全教科・全志望学部で過去問100年分。

②総合問題集:過去問だけでは網羅的に覚えられないので、自分の志望大学の傾向に合った網羅的な問題集を1冊暗記する。

(3)自分の弱点の個別対策

過去問や総合問題集を解いていって、自分に足りない分野があれば、史料問題集、年号暗記本、文化史・テーマ史問題集などで知識・理解を補強する。

2.通史暗記の2つの戦略

日本史の参考書や問題集には、センター試験レベル(=中堅大学=日東駒専レベル)のものと、難関大学レベル(MARCH~早慶上智レベル)のものがあります。

日東駒専志望の受験生はセンター試験レベルの問題集をやれば良いのですが、難関大志望の方は、以下の2つの方法があります。

2.1.重量級戦略:最初から難関大レベルの教材に取り組む

(1)重量級戦略

重量級戦略とは、最初から難関大レベルの知識が入っている「石川晶康 日本史B講義の実況中継」(語学春秋社)や「日本史B一問一答 完全版」(東進)、「実力をつける日本史100題」(Z会)などに取り組む方法です。

(2)メリットとデメリット

この方法のメリットは、暗記する教材を絞れる点です。問題集間に重複がないので、難関大レベルにはより早く到達できる可能性があります。難点は、最初から負荷が高く、そのため挫折する可能性が相対的に高いことです。

(3)重量級向きの受験生

この方法に向いているのは、日本史の勉強時間を多く取れる人(週12時間以上)、もともと日本史が得意な人(河合偏差値63以上)、早慶上智大学を目指す人、他の教科でも基本的に問題集で挫折せず5~10回復習できる人です。これらのうち2つ以上の条件を備えていれば、こちらの方法で良いでしょう。

(4)臨機応変に調整する

重量級を選択する場合でも、「日本史B一問一答 完全版」は星印3+2(センター試験レベル:約4000語)をまず暗記し、通史暗記後に星印1+赤字(難関大学レベル:約2000語:合計約6000語)を追加で暗記する方が良いでしょう。

最初から6000語を暗記するのは難しく、通史暗記の途中で挫折して最後まで到達しなかったり、通史暗記に時間がかかりすぎたりするからです。

また、問題演習は、難関大レベルの「実力をつける日本史100題」をやっても2~3割以下しか正解できない場合、「センター試験日本史B重要問題集(ベストセレクション) 」(実教出版)のようなセンター試験レベルの問題集を使って基礎を完成させる方法を推奨しています。

2.2.軽量級戦略:まずセンター試験レベルを習得し、次に難関大レベルの教材に取り組む

(1)軽量級戦略

これは、通史暗記の際はセンター試験レベルの「金谷の日本史 なぜと流れがわかる本」(ナガセ)や「書き込み教科書 詳説日本史B」(山川出版社)、「時代と流れで覚える! 日本史B用語」(文英堂)などを使用し、その後、難関大レベルの「石川晶康 日本史B講義の実況中継」や「東進 日本史B一問一答 完全版」に取り組む、という方法です。

(2)メリットとデメリット

この方法のメリットは、最初は少ない情報を覚えればよいので、通史暗記が早く終わり、センター試験レベルまで、より短い期間で終えられる点です。よって、模試の点数も早めに上がっていく可能性が高い。

また、負荷が相対的に小さいので、挫折する可能性が低くなります。

ただ、同じ分野で複数の教材を使うと(例えば用語暗記で「書き込み教科書 詳説日本史B」⇒「東進 日本史B一問一答 完全版」)、重複が生じ、どうしても無駄が多くなり、時間もより多くかかるため、難関大レベルに到達するまでの期間は、かえって長くなる可能性が高くなります。

(3)軽量級向きの受験生

日本史の勉強時間をあまり多く取れない人(週10時間以下)、日本史が不得意な人(河合偏差値45以下)、偏差値55以下の大学を目指す方、問題集で挫折しやすい人、記憶力が良くない人です。これらのうち3つ以上当てはまったら、軽量級の方が良いでしょう。

2.3.創賢塾のオススメ参考書ルート:中量級

創賢塾のオススメ教材は、上記をミックスした中間的な方法です。

つまり、通史暗記段階では、流れ理解用には、「教科書」もしくは「石川晶康 日本史B講義の実況中継」、用語暗記用には「東進 日本史B一問一答 完全版」(最初は星印2+3)、問題演習用には「センター試験日本史B重要問題集(ベストセレクション) 」、その後、過去問演習と並行して、「実力をつける日本史100題」を習得していく方法です。

もしくは、軽量級教材「時代と流れで覚える! 日本史B用語」(文英堂)が非常に優れているので、これを使う方法もオススメです。すなわち、通史暗記段階では、流れと用語の暗記用に「時代と流れで覚える! 日本史B用語」、問題演習として「センター試験日本史B重要問題集(ベストセレクション) 」、その後、過去問演習と並行して、「実力をつける日本史100題」と「東進 日本史B一問一答 完全版」を習得していきます。

受験生の方は、自分の状況に応じて、適切な教材を選択していって下さい。

3.通史暗記で使う教材

3.1.導入教材

本格的な通史暗記の前にマンガを読んでいれば、日本史全体の流れを頭に入れることができます。

(1)オススメ日本史マンガ

オススメは以下になります。最もオススメは新マンガゼミナール」(全2巻)です。2巻で繰り返し読むのに適していて、大学入試用に作られているので、必要最小限の用語や流れが効率的に覚えられます。

新マンガゼミナール 日本史 古代~近世」「同 近現代」(全2巻、学研教育出版)
「マンガ 日本の歴史がわかる本 全3巻」(三笠書房)
「漫画版 日本の歴史全10巻セット」
(集英社)

15~20巻もあるようなマンガ全集は避けるのが賢明です。1周読むだけで15~30時間もかかり、多数回読めない(=暗記できない)からです。

(2)歴史マンガの読み方:10周読んで全てを常識にする

マンガは勉強の合間に週5冊など、繰り返し読んでいきます。5~10周読んで、内容を9割以上記憶したら、教科書等で「流れ」の暗記に入ります。

ただ、その後も20周くらいまで読み続けて、マンガの内容を全て常識にしましょう。その情報が記憶のフック(鈎)になり、他の情報が記憶しやすくなります。

(3)マンガ以外の概説参考書

マンガはちょっと、という人は、以下のような概説参考書を読むのも良いでしょう。暗記法は、小説のようにサラサラと【週2周×5週間で10周】読むなどして、全てを常識にします。

教科書よりやさしい日本史」(256ページ、旺文社)
超速!最新日本史の流れ」(全2冊、合計420ページ、竹内睦泰著、ブックマン社)

3.2.流れの理解のためのオススメ教材

(1)軸教材を決めるべし

受験勉強全体を通して、学校の教科書か、講義系参考書を自分の日本史学習の軸にします。

教科書は合格に必要な情報がコンパクトにまとまっていて、流れを暗記するには最適な教材です。用語の量的にも、教科書を全部暗記しさえすれば、それだけでも難関私立合格レベルに達することは可能です。

一方、多くの高校生にとっては理解しにくく、読みにくいので、挫折率が高いのが欠点です。

石川 実況中継」のような講義系参考書は、分かりやすく、難関私立大に必要な知識も十分入っていますが、分量が多く、暗記するには多すぎます。

読みやすい、暗記しやすいかどうかは個人差が大きいので、実際に書店で読んでみて、自分で判断するしかありません。

(2)教科書を軸にする場合

教科書は学校で使っている教科書が良いでしょう。もし教科書を自分で選ぶ場合は、定評ある山川出版社の教科書がオススメです。

詳説日本史B」(山川出版社)

教科書を軸にする場合でも、講義系参考書をサブ的に使うのは良い方法です。

講義系参考書を教科書の前に2周ほど読んでいれば、行間が読めるので、ずっと理解しやすくなります。そして、教科書を読んでいて分からない箇所は、講義系参考書や以下の参考書で理解に努めます。理解できないと覚えにくいからです。

日本史用語集」(山川出版社)
詳説日本史研究」(山川出版社)

(3)講義系参考書を軸にする場合

オススメの講義系参考書は以下になります。できるだけ書店で実際に見て判断しましょう。

石川晶康 日本史B講義の実況中継」(4冊1550ページ、語学春秋社)
金谷の日本史 なぜと流れがわかる本」(4冊943ページ、ナガセ)
これならわかる!ナビゲーター日本史B」(4冊945ページ、山川出版社)

難関大学志望者には「石川 実況中継」、志望大学が河合偏差値55以下の受験生には「金谷の日本史 なぜと流れ」がオススメです。

3.3.用語暗記のオススメ教材

用語暗記には、一問一答問題集・書き込み教科書・穴埋め問題集を使います。

オススメは以下です。

(1)一問一答問題集

日本史B一問一答 完全版」(東進)

難関私立志望者御用達の一問一答問題集。これを全部暗記すれば早慶上智でも、用語については大丈夫になります。難関大学志望者には一番のオススメ。

山川 一問一答日本史」(山川出版社)

穴埋め式ではなく純粋な一問一答式はこれくらいなので貴重。

一問一答 日本史Bターゲット4000」(石川晶康著、旺文社)

レベル別に3段階にページが分かれており、どこまで暗記すればよいかが分かりやすい。

入試に出る 日本史B 一問一答」(Z会)

(2)書き込み教科書

書き込み教科書 詳説日本史B」(山川出版社)

山川教科書の文章をそのまま使い、重要語を穴埋めにした穴埋め問題集。山川教科書と併用すればとても効率的に用語暗記ができるが、用語はセンター試験レベルまで。難関大学用には少ないので、この後に「東進一問一答 完全版」などを暗記する必要がある。

(3)穴埋め問題集

時代と流れで覚える! 日本史B用語」(165ページ、文英堂)

センター試験レベルの流れと用語を同時に覚えられる高評価の問題集。図表のまとめが秀逸で、暗記事項があらかじめ赤字になっているのも良い。

スピードマスター日本史問題集―日本史B」(122ページ、山川出版社)

有名な穴埋め問題集。「時代と流れで覚える! 日本史B用語」の方が良い。

以上2つは流れを理解しながら用語暗記ができる優れものだが、量はセンター試験レベル。難関私立大学志望者はもう1冊暗記する必要があるので、二度手間になる。

3.4.問題演習のオススメ教材

(1)標準レベルの確立

センター試験は日本史の実力を測るのに最も良く考えられたテストですから、日本史の通史暗記の完成には、センター過去問を使うのがオススメです。

センター過去問問題集の中では、以下のようなセンター試験過去問問題集(センター試験約17年分を時代順に配列し直した過去問集)が最も効率的です。

センター試験日本史B重要問題集(ベストセレクション) 」(159ページ、実教出版)

解説が詳しく、最もオススメ。

センター試験への道 日本史」(156ページ、山川出版社)

解説が簡略だが、問題の横にあるので見やすい。

(2)最初から難関レベルを使う

最初から難関大レベルの問題集を使うという方法もあります。記憶力が良い人、河合偏差値63以上の受験生はこちらでも構わないでしょう。

実力をつける日本史100題」(Z会)
日本史問題集 完全版」(金谷俊一郎著、東進)
日本史B標準問題精講」(石川晶康著、旺文社)
HISTORIA[ヒストリア] 日本史精選問題集」(学研)

4.通史暗記:モデルケース(1)重量級戦略

4.1.「東進 日本史B一問一答 完全版」をメインにする場合

(1)使用する教材

ここでは難関大学志望者にオススメの「石川 実況中継」と「東進一問一答 完全版」、そして「センター試験日本史B重要問題集(ベストセレクション) 」を、通史暗記時に使う場合の具体的暗記法を書いていきます。

難関大学でなければ、「石川 実況中継」の代わりに「金谷の日本史 なぜと流れがわかる本」、「東進 日本史B一問一答 完全版」の代わりに「時代と流れで覚える! 日本史B用語」「一問一答 日本史Bターゲット4000」「山川 一問一答日本史」などでも構いません。「ベストセレクション」はどの受験生にもオススメです。

(2)暗記の目標

通史暗記段階の第一目標は「東進 日本史B一問一答 完全版」の星印2+3(センターレベル:約4000語)を暗記することです。

「暗記する」とは全問即答できる状態にするということです。

同時に「石川 実況中継」の該当箇所を2周黙読し、流れを理解します。

東進 日本史B一問一答 完全版」の星印1+2+3(難関大学レベル:約6000語)をいきなり全部覚えようとするのは無謀です。覚えては忘れ、覚えては忘れになる可能性が高く、いつまでも通史暗記が終わらない危険性があります。

(3)1週間で完全暗記する量を決める

日本史の教材を暗記する方法には、主に以下の3つがあります。

①全体を1周、2周と回していく:全体を一気に暗記できる人はほとんどいないので、挫折する可能性が高い。
②全体を4~8パートに分ける:パートごとに15周し、完全に暗記したら次のパートへ進む。
③1週間に完全に暗記するページ数を決める

創賢塾では③の方法を推奨しています。理由は、「1週間でここを完全に覚える(全問即答できるようにする)」という目標がはっきりしていて、そのため、暗記意欲が湧きます。暗記の深さ、意欲には個人差が大きいですが、期限を決めることで、意欲を高め、確実に暗記することができます。

また、1週間に暗記できるページ数が分かると、通史暗記にかかる期間が計算できるメリットもあります。

逆に、期間を決めて、1週間に暗記すべき量を確実に暗記していくことで、期間内に暗記することも可能になります。例えば、4ヶ月と期間を決め、全体を16で割り、1週間に暗記する量を決めて暗記していく、などです。

(4)1週間で「東進 日本史B一問一答 完全版」を24ページずつ完全暗記していく(4ヶ月完成)

東進 日本史B一問一答 完全版」(約400ページ)の全体を何ヶ月で暗記するかを決め、1週間で暗記するページ数を割り出します。例えば、4ヶ月で暗記すると決めると、1週間で約24ページ暗記する必要があると分かります。これにかかる時間は約6時間(個々の記憶力等により個人差あり)。

石川 実況中継」を読む範囲は、「東進 日本史B一問一答 完全版」の暗記範囲と同じ部分(約100ページ)です。これを2周黙読するのにかかる時間は約3.5時間、「東進 日本史B一問一答 完全版」と合わせて週約9.5時間です。

つまり、週10時間日本史を勉強できる人は、まずこのペースでやってみます。そして10時間では完全暗記できなかった人は、量を減らすか勉強時間を増やします。余裕がある人は暗記量を増やします。

以下は週24ページ暗記するとして話を進めます。

(5)かかる時間の目安

まとめると、1週間で、「石川 実況中継」は約100ページを2周黙読(約3.5時間)、「東進 日本史B一問一答 完全版」は24ページ分の星印2+3を暗記(約6時間)、「ベストセレクション」も通史暗記中に平行して暗記する場合は、10ページ分暗記するのに約4時間(時間がなければ「ベストセレクション」は省いても可)。

合計、週約15時間。2周目以降「ベストセレクション」を省き、復習を入れて、週約12時間。通史暗記全体で約200時間。プラス、「ベストセレクション」を全部暗記するのに約50時間。全部合計で約250時間です。

難関大志望者なら、週15時間(平日1.5時間、土日合計7.5時間、4ヶ月で約240時間)は日本史を勉強したいところです。週15時間なら、最短4ヶ月で通史暗記を終わらせることが可能です。

ただし、暗記時間は個人差が大きいので、自分の勉強時間を記録し、計画を立てていって下さい。

(6)暗記箇所

通史暗記は「原始・古代」から始める必要は全くありません。次のテスト範囲なども良いでしょう。

(7)暗記は音読で

書くのは時間がかかる割に定着は良くないので、書いて覚えようとしない方が賢明です(書けなそうな漢字がある場合も、言えるようになってから書いて暗記する)。音読で暗記します。

4.2.通史暗記のモデルケース1:中量級:「東進 日本史B一問一答 完全版」を使う場合

通史暗記のモデルケース1「東進 日本史B一問一答 完全版」

1.マンガで予備知識を入れる(約30時間)

新マンガゼミナール」(全2巻、学研教育出版)を10周ほど読み、予備知識を入れると通史暗記がスムーズになる。以後も、完全暗記するまで15~20周ほど読む。かかる時間の目安は、2冊10周で約30時間。マンガ暗記について詳しくはこちら

2.通史暗記

2.1.一週間目

【「石川 実況中継」100ページ分を2周黙読+「東進 一問一答」24ページ分を20周して完全暗記⇒「ベストセレクション」10ページ15周】

①「石川 実況中継」を2周黙読(約3.5時間):時間の目安は1周約100分。1周目は土日などに一気に読む。2周目と平行して「東進 一問一答」を暗記していく。

②「東進 一問一答」見開き2ページを3周(約10分):星印2+3(センターレベル)のみ暗記していく。見開き2ページを赤シートで隠して、覚えていなければ音読・暗唱・暗記する。見開き2ページを3~4周していったん即答できるようにする。2ページ3周で10分前後。24ページで約2時間(かかる時間は個々の記憶力や基礎知識による)。

③「東進 一問一答」1週間で20周(約6時間):1~2日で24ページを1周終わったらすぐに2周目に入り、同じく見開き2ページを3周して即答できるようにする。

4~5日たつと完全に覚えたものが増えるので、一度テストし、即答できるものは外す。完全に暗記するのに約20周かかるので、1週間で20周以上行い、全てを即答できるようにする。

④「ベストセレクション」10ページ15周東進 一問一答」を暗記後、時間があれば「ベストセレクション」の該当箇所約10ページ分を15周して即答できるように暗記する。具体的な暗記法は下記参照。

ベストセレクション」を習得すると理解と暗記が進み、「石川 実況中継」のどういう箇所が問題として出るか、重要かが分かるので、やった方が良いが、時間がなければ飛ばしても良い。

2.2.二週間目以降

【「石川 実況中継」の次の100ページ2周黙読+「東進 一問一答」24ページ分暗記】+【第一週目の「石川 実況中継」1周黙読+「東進 一問一答」を15分×2回復習】

①暗記方法は以後ずっと同じ。

②復習は2ヶ月間続ける:前の復習を入れながら、新たな箇所の暗記を進める。同じ箇所の復習は2ヶ月間続ける。例えば、第一週に暗記した箇所は、翌週から2ヶ月間、【15分×2回】の復習を続ける。

③4ヶ月トータル:通史暗記中の4ヶ月で「石川 実況中継」は全範囲4周前後黙読する。「東進 一問一答」星印2+3(センターレベル)の全問をほぼ即答できる状態にする。星印1+赤字は通史暗記後に暗記していく。星印無しは時間があれば暗記する。「ベストセレクション」は最初の10ページのみ習得する。

3.「ベストセレクション」全史習得:約50時間

「東進 一問一答」の星印2+3を全史暗記したあと、「ベストセレクション」の全体を4~8つくらいにパート分けし、それぞれ15周回し、全問即答できるように暗記する。これにかかる時間は約50時間。具体的な暗記法は下記参照。

4.通史暗記後の「東進 一問一答」の暗記

過去問などの問題演習と並行して、星印1+赤字(難関私大レベル:約2000語、星印3+2と合わせて約6000語)を暗記していく。暗記方法は同じ。暗記量は少ないので、週に50ページほど進めたい(約8週間で暗記終了)。その際、星印3+2の復習もしていく。

用語の暗記は、最初は穴埋めが言えるようにするだけだが、それができるようになったら、答えの用語を見て、その定義・内容(左の文章の内容)を言えるようにする。

(1)復習は必須

いったん完全に暗記していれば、「東進 一問一答」24ページ分は【15分×2回】程度で記憶を維持できるが、復習しなければ確実に忘れていくので、絶対に復習をし続けます。多くの受験生が復習をきちんと勉強計画に入れないのでどんどん忘れていき、通史暗記が終わらりません。その轍は避けましょう。

(2)通史暗記後の復習

通史暗記後も、入試まで、「石川 実況中継」は全範囲を2ヶ月に1周読み、「東進 一問一答」は2週間で1周復習し(1週間で全部復習するのはかなり大変なため)、ベストセレクション」は2週間で1周復習します。

(3)年表暗記

以上と並行して、教科書の巻末に載っている8~10ページの年表を暗記すると良い。記憶の軸ができます。

4.3.「センター試験日本史B重要問題集(ベストセレクション)」の習得法

センター試験日本史B重要問題集(ベストセレクション)」を例として、センター試験レベルの問題集の習得法を書いていきます。

(1)暗記の目標=即答

全体を4~8パートに分け、それぞれを1週間で15周前後暗記して、全問を即答できる状態にします。

(2)1週間で完全に暗記できる量を決める

通史暗記中に「ベストセレクション」をする場合は、「東進 日本史B一問一答 完全版」と同じ範囲の10ページほどを1週間で15周して暗記します(約3時間)。その他の部分は通史暗記後で良いでしょう。早く通史暗記を終えるのが優先だからです。

通史暗記後にまとめて習得する場合は、全体を何ヶ月で終えるかを決め、1週間で暗記するページを割り出します。

例えば、2ヶ月で終えると決めると、1週間で約20ページになります(約6時間)。1週間やってみて、20ページでは多くて暗記しきれなければ、勉強時間を増やすか、ページ数を減らします。20ページでまだ余裕があればページ数を増やします。

(3)かかる時間の目安:最初の正答率が4割以下の場合、20ページ分1周目約200分(約3.5時間)、1週間で15周、10時間弱、1冊全体を8週間で80時間弱かかります。

正答率が6割以上の場合、週約6時間、1冊全体を8週間で約50時間です。

(4)「ベストセレクション」の暗記戦略

ここでは全体約160ページを8パートに分けて、1週間に20ページずつ習得していくとして書いていきます。これにかかる時間の目安は週6時間です。

「センター試験日本史B重要問題集(ベストセレクション)」の暗記戦略

1.一週間目:第1パート20ページ

1.1.一周目:解いて理解し赤ペンで書き込む

①1問15秒程度で解く:1ページ4~5問を10分弱でスピーディに進める。分からなければすぐに解答を見る。思い出せなければ暗記すればよい。

②理解する:1問ずつ解答・解説を読み、理解する。理解は重要なので、理解できなければ教科書等を参照する(ただし最小限にする)。

③赤ペンで書き込む:問題部分に、「解答」と「解くのに必要な解説の一部」を赤やピンクで書きこむ。これは、2周目以降、解答解説を見ずに「解くのに必要な情報」を赤シートで隠して素速く暗記できるようにするため。消せるボールペンだと修正しやすいのでgood。

赤ペンで書き込む内容の例】:正解の番号を丸で囲む、誤選択肢の間違い部分を==(二重傍線)で消し、上に正解(訂正文)を書きこむ、リード文や章の冒頭の穴埋め部分に正解を書き込む、資料問題の写真に建物名・人物名等を記入する、地図問題で、問題を解くのに必要で暗記すべき地名・事件名・年号等を赤で記入する、など。

あとで必要事項はいくらでも追加修正できるので、サッサと書き込んでいく。復習を重ねるにつれ、年号や関連した人物など、暗記するべき関連情報を書き込んでいくと、理解が深まり、関連情報も一緒に暗記できるので、ベター。

1.2.二周目:見開き2ページを3周暗記

問題を赤シートで隠して読み、赤字の内容(解答や、正しい選択肢と誤選択肢のどこが間違っているか等)を言う。覚えていない赤字の内容は、音読したり書いて、1ページ2分ほどで、高速で暗記していく。

見開き2ページを暗記したら、そこを3~4周して、いったん全て即答できる状態にする。これで記憶が深くなり、次回以降の暗記が楽になる。

1.3.三~十五周目:全問即答できるようになるまで繰り返す

完全に覚えた問題・選択肢には鉛筆などで×印をつけ(忘れたら×を消せるように)、(完全に覚えてから)3回連続して正解で×が3つ付いたものは、次周回から飛ばす。

普通の記憶力の受験生は、日本史の問題集は5~6周ではすぐ忘れる。15~20周くらい繰り返して初めて、長期記憶に入る。地道に復習するしかない。

2.二週間目以降

進め方は同じだが、前のパートの復習を1パート【20分×週2回】程度並行して進めていく。詳しくは下記。

(3)過去問ノートに傾向と対策を書く

1パート終わるごとに、センター試験を受ける人は必ず、そうでない人もできるだけ、以下の2つを書きます。

①自分がどういう部分が弱いか:例えば、文化史・古代史・現代史、資料の読み取り、地図問題、並べ替え問題、正誤問題など。
②これから何を覚える必要があるか:例えば、教科書の図版、欄外、家系図、年号、因果関係など。

これらを書き、対策を実行していきます。

(4)復習法

第2パートに進んだら、前のパートの復習を必ず並行して進めていきます。いったん完全に暗記していたら、復習は【20分×週2回】程度で済みますが、1ヶ月復習をしないと2~3割以上忘れ、また覚え直すのに多大な時間がかかるので、復習は非常に重要です。

①第2パートに進んだら、第1パートを「20分×週2回」復習する。
②第3パートに進んだら、第1&2パートをそれぞれ「20分×週2回」復習する。
③第4パートに進んだら、第1&2&3パートをそれぞれ「20分×週2回」復習する:「20分×週2回」で少しずつ忘れていくようなら時間を増やす。記憶が深くなっているなら、時間を減らす。
④全パートをいったん暗記してからも、2ヶ月間は週2周、復習を続ける。これで暗記した内容が全て完全な長期記憶に入り、半年~1年以上忘れなくなる。

4.4.初期の問題演習の重要性

通史暗記の段階で「センター試験日本史B重要問題集(ベストセレクション)」などの問題演習をする人は少ないでしょうが、問題演習は非常に重要です。

(1)傾向と対策が分かる

教科書や講義系参考書を読んでいるだけだと、「どこまで覚えればいいのか(図版・地図・資料・欄外・太字以外の事項・年号などどこまで覚えないといけないか)」分かりません。

それを解決するのが「センター試験過去問問題集」(約17年分のセンター試験過去問収録)です。センター試験は教科書レベルの良問で構成されていますから、この問題集をすることで、センター試験で教科書などのどういう部分がどういう形で問題に出るか(傾向)が分かり、「どこまで覚えればいいのか(対策)」も体感として分かるようになります。

(2)基礎の完成

センター試験過去問を17年分も暗記すれば、ほとんどのセンター試験・中堅私立大学で出る知識は網羅できますから、これをきちんと理解し暗記すればセンター試験(過去問や模試)で7~8割程度取れるようになり、基礎が完成します。

(3)理解と暗記の促進

テキストを読んでいるだけだと見逃していた流れや用語同士の関連が問題に出ることで、流れの理解や用語の暗記がはかどります。

(4)覚える意欲が湧く

実際にセンター試験に出たとなれば、覚える気になります。これは非常に重要です。出ないものまで覚えたくありませんから。

4.5.その他のモデルケース

以上のほか、軽量級と中量級で教科書をメインにする場合のモデルケースはこちらに書いています。

【終わりに】

この続きである、難関私立大学の大学別対策はこちらに書いています。

ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。この記述を、皆さんが日本史の暗記戦略を作る参考にしていただければ幸いです。


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