数学勉強法(4)暗記数学の全体像


創賢塾では、小中学生、高校生、大人の方を対象に、【5教科の超効率的勉強法】と【英語&現代文の具体的な成績の上げ方の家庭教師的な指導】を、東大教育学部卒の勉強法マスターがスカイプで教えています。

1.数学の2つの勉強法

1.1.とことん考える派と暗記数学派

数学には2つの勉強法があります。一つは、解けるまで20分でも30分でもとことん考える方法です。二つ目は5~10分は一生懸命考えるが、それで糸口が見つからなければ諦めて、解答解説を見、その解法(解き方)を理解し覚えて、再度解くという暗記数学の方法です。

1.2.普通の人には暗記数学がオススメ

前者は、数学者になろうという人、思考力をとことん磨きたい人、時間が有り余っている人には向いていますが、普通の人がとことん考えていたら、問題数をこなすことができず、復習回数も増やすことができません。

一方、後者の暗記数学は、時間のない中学生には最適な方法です。中学生、受験生は基本的に勉強時間が足りないのですから、普通の中学生は、まずは、暗記数学で教科書や受験の解法パターンを記憶してから、時間があれば、応用問題をとことん考える方法の方が、数学の勉強法としては適しています。

よって、当塾では暗記数学を推奨しています。以下では、暗記数学の方法とその前提となる考え方について述べていきます。

2.暗記数学とは

2.1.暗記数学とは

暗記数学とは、東大医学部卒の精神科医で、受験技術研究家・大学教授でもある和田秀樹氏が唱道したとされる数学の勉強方法で、「受験数学の問題には一定の数の解法パターンがある。その解法パターンを、”理解”した上で”暗記”すれば、効率よく成績を上げられる。一流大学・高校の入試問題でもこの方法で攻略が可能である」というものです。今ではかなり一般化し、広く実践されています。

2.2.暗記数学に対する誤解

「数学は考えるものだ、暗記するものではない」として、暗記数学を否定的に見る人が沢山いますが、おそらくその人たちは誤解しています。そもそも、思考するには材料たる「知識」が不可欠です。人間は知識をもとに考えています。数学を解くときも、今まで入れてきた知識(公式や定理、基礎知識、解法)をもとに考え、解を導きます。数学の知識無しにヒラメキだけで解くことは不可能です。

そして、もとになる知識が少なければ、解ける問題も少ないので、先に知識(解法)を入れてしまおうというのが暗記数学のコンセプトです。至極真っ当な考え方であり、数学を学んでいる人は皆、意識せずに、解法を記憶しようとしています。和田さんはそれを意識化・言語化しただけです。

参考文献:「数学は暗記だ」(和田秀樹著、ブックマン社)

※以下の当塾の暗記数学の方法は、和田氏の方法、上記の本を参考にしてはいますが、復習方法などは当塾のオリジナルであり、両者はかなり異なります。

2.3.何を”暗記”するのか

暗記数学で暗記するのは、「解法(解き方、解き方のパターン)」です。解答全部を丸暗記するのではありません。

2.4.解法とは何か

数学の解答には幾つかの転換点があり、そこではある公式や定理、補助線を引くこと、特別な式変換などが使われます。それ以外は数学的な規則にのっとった計算や式変換をしていけば自動的に展開していきます。よって、記憶すべきはその転換点における解き方(公式・定理・式変換・補助線を引くこと)だけで良い。

一つの問題における幾つかの転換点における「解き方」の流れ全体をここでは「解法」と定義します。その解き方の流れ、解法にはパターン(型)があるので、解法パターン、解き方のパターンという言い方もします。つまり、「解法=解法パターン=解き方のパターン」ということです。

2.5.暗記数学の目的

暗記数学の目的は、できるだけ短い時間でできるだけ多くの解法(解き方)を習得して、数学の実力・成績を上げることです。そのために、暗記数学では、「最初から自力で解けること」にこだわらず、「できるだけ短い期間で、最終的に、自力で解けること」を重視します。

100時間で問題集1冊に載っている問題を全て解けるようになるより、50時間で解けるようになった方がずっと良いはずです。そのために、暗記数学では、「ウンウンうなって何とか自力で解こうとすること」を放棄し、「解法を理解して暗記する」ことで解けるようにしていきます。

3.暗記数学の手順

【暗記数学の手順】

(1)問題を5分考える:解法を幾つか試し、5分たっても正解への道筋が見えてこず、手が止まったら、諦めて解答を見る。

(2)解法暗記:解けなかった問題の解答解説を読み、理解し、解法を書いて、もしくは見て暗記する。

(3)再現:すぐに再度解き、解答を再現する。きちんと再現できるまで、理解し記憶し再現することを繰り返す。

(4)1問当たり15~20分以内で解く:難問でも時間をかけすぎない。20分以上かかる場合は自分の現状の能力を超えていると考え、早めに切り上げて次へいく。

(5)スラスラ状態:全問、問題を見たらスラスラ解ける状態にする。ここまで習熟すると、長期間忘れない記憶になり、応用問題が解きやすくなる。

(6)10回復習:「全問、スラスラ解ける状態」にするまでの復習回数の目安は、数学力や復習周期により異なるが、5~10回前後。復習間隔は2週間以内。忘れる前に復習する。

4.暗記数学の前提にある考え方

暗記数学の前提にある考え方は以下の2つです。

 (1)入試には決まった数の解法パターンが出る

暗記数学の背景にある考え方は、「高校受験数学の問題には、決まった数の解法パターン(典型問題)があり、それを理解して記憶していたら合格点が取れるし、逆に、記憶していなかったら取れない」という単純な事実です。
応用問題も、ほとんどが典型問題パターンの組み合わせです。よって、数学で合格点を取りたかったら、まずは典型問題の解法パターンを習得し、次に、その典型的な解法パターンの組み合わせである応用問題の解法パターンを習得すればよいのです。

 (2)問題を解くときは「記憶」を使っている

高校受験レベルの数学の問題を10分、20分考えているとき、たいていは、「考えている」と言うより、「解き方を思い出そうとしている」に過ぎません。また、実際に考えているときもあり、その時は、「この解き方はどうか、あの解き方はどうか」と、解き方(解法)のストックから一つずつ試しているのです。そうではありませんか?

ということは、解法のストックが少なければ解ける問題は少なく、解法のストックが多いと、いろいろ試せて正解に至る可能性が高くなります。よって、暗記数学では、解法がすぐに思いつかなければ、その問題の解法をしっかり暗記していないからだと考え、サッサと解法を見て暗記します。それが時間効率の良い数学学習法です。

5.暗記数学のポイント

暗記数学を実践する際のポイントは以下の通りです。

 (1)5分以上は考えないが、5分は一生懸命に考える

中学生や高校受験生には時間が足りないので、数学の一つの問題にかける時間はできる限り少ない方が良いに決まっています。そのために最も役に立つ勉強法が暗記数学です。

暗記数学では、記憶していない解き方はできないのだから、5分で思い出せなければサッサと解答解説を見て、それを理解し、記憶し、再度解くよう指導します。

ここで、全く分からなければ数秒~1分程度で解答を見てもいいかという問題がありますが、これは人と場合によります。思考力と記憶力がもともと優れている人はそれでも結果が出る人がいます。また、新しい単元の場合は解き方のストックがもともとないのですから、サッサと1分程度で解答を見ても構いません。

しかし、既習分野で、数学の苦手な人(偏差値で言うと55以下の人)が、一分もたたずに解答を見てしまうと、印象に残りにくいので記憶しづらく、また、全く考えていないと解答を見ても深く考えず、理解が浅くなりがちです。結果として理解も記憶も浅くなり、解法をしっかり理解して記憶するという暗記数学の目的が達成できない可能性が高くなります。よって、5分は一生懸命考えることが重要になります。

 (2)解法を”理解”する

暗記数学では解法を”暗記”しようとしますが、解法を”丸暗記”するわけではありません。きちんと”理解”して記憶します。理解しなければその問題にしか通用しない記憶になるからです。

”理解”とは、単に解答解説を見て意味が分かることだけではありません。なぜそこでその公式を使うのか、その線を引くのか、その式変換をするのかも理解するよう努めます。理解することで印象に残り、記憶しやすくなります。

理解は大事なので、理解できないときはできるだけ学校の先生や級友に聞き、一つ一つ解決します。理解できない部分が多い場合は、それ以前の理解と記憶ができていないので、以前の復習に力を入れましょう。

 (3)解法を正確に暗記する

解法を理解した後、その解法を暗記します。暗記するときは、見て記憶できる人は書かなくてもいいですし、書かないと記憶しづらい人は書く方がよいでしょう。

記憶するときは、できるだけ正確に記憶します。”正確に”という意味は、改行の仕方、日本語の補足説明、図や表など、できるだけ正確に記憶するという意味です。なぜそこまで細かく記憶した方が良いかというと、それは、数学的思考法や数学の解答の作法を身に付けるためであり、また、数学の作法にのっとった解答を書かないと減点される可能性があるからです。

数学には数学的思考法があり、それが数学の解答・式やその書き方に表れます。数学的思考法を身に付ければ数学の成績が上がりますが、ではどうやって数学的思考法を身に付けるかというと、「式(解答・解法)を理解し、記憶し、正確に再現する」ことを通してなのです。

ここでも”理解”が大事になります。丸暗記するのではなく、なぜその図を描く必要があるのか、なぜその日本語の補足説明を書く必要があるのかなども含めて理解しようと努めます。そうしていくことで数学的思考が深まるからです。

 (4)解法を正確に再現する

解法をきちんと記憶できたかどうか調べるために、必ず直後に再度解きます。

直後でなく、1時間後とか翌日に解く人、あるいは数週間後まで解かない人がいますが、これはやめましょう。効率が悪いからです。間違える程度にもよりますが、一度見たり書いてすぐに正確に覚えられる人は少ないので、必ずすぐに書いて解き、確かめます。

再度解くときは、できるだけ正確に再現します。正確さに欠けるときは、再度記憶し、解き直します。

 (5)勉強の目標を数値化する

「解法パターンを暗記する」「スラスラ解けるようにする」と口で言うのは簡単ですが、実際にはほとんどの人が1冊の問題集を1~2周しかできておらず、記憶が曖昧なまま次の問題集に進みます。その理由は、時間が足りないのと、そもそも「スラスラ解ける」状態を目指していないからと言えるでしょう。

この両方の課題を克服するために必要なのが数値化です。当塾の数学勉強法指導では、目標、回数、時間を明確にしているので、勉強方法に迷いが起こらないようにしています。例えば、1冊の問題集は「スラスラ状態」になるまで5回でも10回でも復習する、1問1問は暗記数学で5分以上考えない、という具合です。

 (6)「理解」は「量」でカバーする

数学も英語も、難しくなってくると、読んでもすっきりと理解できず、「何となく分かる」程度のことも多い。それは仕方がありません。しっかり理解するには周辺情報をきちんと理解し記憶しておくことが必要なので、一挙には理解できないこともあります。それは

①多数の問題を解き、解法を暗記する、
②同じ問題を5~10回解き、何度も理解し、何度も記憶する、

この2つを続けることで、徐々に理解も記憶もしっかりとしたものになります。つまり、同じ単元や関連した単元、1冊全体を5~10周する中で、理解が深まっていきます。
解答解説を読んでも理解できないことが多く、なかなか理解が深まらない場合は

③基礎問題を復習する

ことが必要かもしれません。教科書レベルや算数の計算を復習するのが役立つこともあります。

 (7)1時間に4~6問解く

暗記数学は、大量の入試問題パターンをできるだけ短期間で習得するための方法です。そのため、解法を思い出せないなら、思い出す(これを”考えている”と言う)のに時間を使うより、解答を理解し記憶することに時間を使い、解答を再現できたらサッサと次へ次へ進みます。

自分にとって少し難しく、解けない問題の場合も、1問15~20分で終えることを目指します。問題集には、簡単で5分で解ける問題もあるでしょうし、難しくて20分かかる問題もあるでしょう。個々の数学力と問題集の難易度にもよりますが、1時間で4~6問進めるつもりで、時間を計りながら進めます。20分以上かかる問題は、完全に再現できなくても、切り上げて次へ進みます。実力が上がれば解けるようになることも多いからです。

 (8)自分の実力に合った問題からマスターしていく

問題集はたいてい、「基礎例題・標準例題・練習問題(類題)・発展問題・難問」などに種類分けされています。どれを最初にやるかは、自分の実力に合わせます。
例えば、自分が教科書レベルの基礎ができていないと思う場合、まずは教科書や教科書レベルの問題集の「基礎例題・標準例題」を1冊全部マスター(10周)してから、「発展問題・難問」に進む、などです。

 (9)問題文の特定の言葉に注目する

問題を解く条件は、全て問題文に書かれています。その条件と、知識(公式・定理・数学の基礎知識・典型的な解き方)で解けるようにできています。問題文のどの内容・言葉(A)から、解答のどの解法(B)を思いつかないといけなかったかを理解し、解答のBの部分に、Aを書き込み、【A⇒B】と書きます。これを続けることにより、問題文の言葉に敏感になり、記憶しやすくなります。

例えば、問題文に「重心」とあり、ヒントに「重心は三角形の中線を2:1に内分する」という定理が書いてあり、これが解くのに必要な知識だとします。この定理を思いつけず、解けなかったとき、「重心」という言葉を、ヒントの「三角形の中線を2:1に内分する」の部分に矢印と共に書き加えます。【重心⇒三角形の中線を2:1に内分する】とするのです。こうすると、次から「重心」という言葉に注目するようになり、重心の定理を思い出せるようになります。

 (10)日付と印を付ける

解けた問題には○かチェックマークv、解けなかった問題には×、計算ミスなどで間違えた場合は△などと印を付けます。復習のたびに印を付けます。2つ以上×が付いた問題が自分にとっての課題なので、その問題を何度も復習し習得するよう努めます。
同時に、ページごとや問題の冒頭左に、やった日付を書いておきます。どのくらいの間隔でやり、どのくらい忘れているかを自分で知るためです。それをもとに復習間隔を調整します。

【体験談】

「勉強法のプロに巡り会えた自分の幸運に感謝」

Hさん、第一志望県立高校(偏差値70)合格、福岡県

◎勉強方法を考えたこともなかった

中学3年生の4月に従姉妹からの紹介で創賢塾で教わり始めました。2つ上の従姉妹が、1年間創賢塾で教えてもらって偏差値が12も上がり、偏差値68の第一志望の県立高校に受かったと聞き、私も、と思ったのです。

始めた当時私は他の塾にも行っていて、全体の偏差値は50くらいで、数学は45くらいでした。英語は少し上がったのですが、他は上がらず、どうしようかと悩んでいたときに創賢塾の話を聞きました。家の近くに県立トップ高(偏差値70)があり、そこが第一志望校でした。

授業を受けてみて感じたのは、勉強方法を今まで私はほとんど考えたこともなかった、ということでした。ただ学校や塾で先生が言ったり周りの人がやっていることを見よう見まねでやっていただけでした。

予習はどのくらいの時間を使ってどうするのが効率が良いのか、予習と復習の時間比率は?、復習は何回するのが良いのか、数学は何分くらい考えるのが良いのか、など、考えたこともありませんでした。これらを一つ一つ納得のいくように教えてもらって、一つ一つ機械的にできるようにしていきました。

◎徹底的な復習で見える景色が全く変わった

授業は週10時間、夏休みは週15時間教えてもらいました。偏差値を15以上上げないといけないので、必死でした。中心は英語と国語で、数学は勉強法を教えてもらっていました。

数学は暗記数学を教えてもらい、進められる問題量が大幅に増えました。教材は、基礎はある程度あるが計算ミスが多いということで、計算力用の問題集と1~2年の復習、それと以前の塾で3年の先取りは終わっていたので、そのテキストで3年の分の復習もしていきました。計算は2ヶ月で、1~2年の復習は7月までに、3年の復習は夏休み中に10周終えました。

この徹底的な復習で見える景色が全く変わりました。問題を見たら、たいていの問題で公式や解法が分かるようになっていたからです。これは初見の問題でも、です。今までは復習はせいぜい1、2回でしたので、10回もというのは想像を超えましたが、結果も想像を超えました。

◎半年で偏差値が50から65に上がった

夏休み明けの模試で数学は62,全体も65を超えていました。9月からは過去問を中心に、問題集も受験用のハードなものを1冊全て解けるようにしていきました。12月には成績は更に上がり、第一志望の高校に合格できました。

こうして受験を振り返って思うのは、勉強は勉強時間と勉強法が一番大事だということです。そして勉強時間は頑張れば自分で増やすことができますが、勉強法は自分ではなかなか思いつくことができません。創賢塾のような勉強法のプロに巡り会えた自分の幸運に感謝します。先生、ありがとうございました。

「10回の復習を目標にすることが大事」

Kさん、中学2年生、東京都

いつも娘がお世話になっています。今回の期末テストでは英語と数学が特に良くなって、娘も私も驚いています。英語が98点、数学は100点で、半年前には考えられませんでした。共に60点以下でしたから。半年間頑張ってきた甲斐があったねと夫ともども娘を褒めまくっています(=^_^=) 。

最近は数学の勉強方法が分かってきたようで、暗記数学を教えてもらってから教科書はすぐ終わるし、問題集も2~3倍のスピードで進むと喜んでいます。速く進むおかげで復習の時間が取れるようになり、今回初めて先生のおっしゃる10回復習ができたとのことです。

10回も復習すればそれは成績が上がって当然ですが、それを目標にすることが大事なのですね。そしてその復習のための時間を作る方法(暗記数学)も先生には教えてもらいました。ありがとうございます。
今後ともよろしくお願い致します。


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